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Review List of レインボー 

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     2022/02/28

    エドワード・ピーターセン指揮、ワシントン・ウィンズ演奏の行進曲集です。
    黄金時代のマーチと題されたシリーズの3枚目に当たるもので、スーザやキング、フィルモア、ザイツ、アレクサンダー、バグレー、グラフーラにアルフォードとイギリスとアメリカの作品を集めたもの。
    収録曲はキングとフィルモアが抜き出て多く、他は1〜2曲程。
    ほぼ全てが新しく編曲し直されたもので、全てバーンハウスより発売されているとの事。
    演奏はアメリカの楽団らしい元気いっぱいの演奏で、腕前もなかなかのものである。
    しかし録音があまり響きがなく、恐らくスタジオでの録音だと思うが、それで損をしている。
    録音年などは不明である。

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     2022/02/27

    ジョン・ウィリアムズの映画音楽を、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団が演奏したCDです。
    本CDのために録音されたものではなく、いくつかの機会に録音されたものを集めた編集盤です。
    収録されているのウィリアムズの映画音楽の中でも有名な曲ばかりではありますが、何故かスターウォーズのメインテーマの収録はありません。
    基本的メインテーマを選曲しています。
    楽譜は作曲家が自身で編曲したものや、他の作曲家がコンサート用にアレンジした楽譜が使われています。
    多少オリジナルと違いますが、雰囲気を損なうまでは行っていない質の良いアレンジです。
    指揮はニコラス・レインやニック・イングマン、ポール・ベイトマンと映画音楽を得意とするマエストロに、クイーン・シンフォニーを作曲した作曲家のトレガ・カシフが担当しています。
    どの演奏もロイヤル・フィルの高い演奏技術と華やかになる金管、歌うストリングスとどれもが見事なもの。
    特にスーパーマンはテンポ設定も良く、この曲の名演の一つ。
    録音は2002年から2007年に録音されたものだがどれも綺麗で迫力ある録音だ。

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     2022/02/26

    レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏で録音されたシュトラウスファミリーのウィンナ・ミュージック集だ。
    いずれの曲もバーンスタイン唯一の録音との事で、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督末期から辞任後すぐぐらいに録音されている。
    1950〜1970年代のアメリカではソニーやコロムビア、RCAなどが自国のオケと著名指揮者を使ってウィンナ・ワルツのアルバムを作っている。
    一例ならセルとクリーヴランド菅、オーマンディとフィラデルフィア菅、ライナーとシカゴ響、ワルターとコロンビア響等である。
    しかしこれらはオケこそアメリカの楽団であるが、指揮者はヨーロッパ出身という物が多く、指揮もオケもアメリカの演奏家によるものは、バーンスタインとニューヨーク・フィルのこのCDか、フィードラーとボストン・ポップスぐらいしかない。
    良くも悪くもヨーロッパ出身勢はまともな演奏だが、バーンスタインの演奏はかなり自由な解釈をしている。
    ワルツに躊躇だが、急に音を伸ばしたり、リズムも普通の三拍子だったり、本場物を愛好するリスナーには信じ難い演奏だろう。
    そして元気いっぱいなニューヨーク・フィルのサウンドも受け付けない人にはダメだろう。
    ただ思っていたよりかは演奏は良く、割り切れるならこれはこれで面白く聴けるのではないでしょうか。
    多少録音に難もあるも、年代を考えると仕方ありません。
    解説もついてますが、もう少し詳しい内容にしてもらいたかった。
    廉価盤だからここは仕方ないのかも知れませんね。

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     2022/02/25

    このCDはイギリスのマーチ王、ケネス・アルフォードの行進曲を集めたアルバム。
    演奏はイギリス王立陸軍航空隊軍楽隊で、指揮者はピーター・クラーク大尉である。
    この軍楽隊は1993年に軍楽隊再編成時にイギリス王立砲兵隊アランブルック軍楽隊から再編して新たに編成された軍楽隊で、クラーク大尉は1996年に音楽監督に就任しました。
    クラーク大尉時代に録音を開始しており、このCDは2000年に録音されたものです。
    現在イギリスの軍楽隊が残したアルフォードのアルバムとしては最も新しいアルバムで、また海兵隊の軍楽隊(ロイヤル・マリーンズ)以外のイギリス軍楽隊が演奏したアルフォード作品集として珍しい音源です。
    で、肝心の演奏ですが、これはちょっと厳しい。
    全体的にメリハリが無く、平板な感じ。
    テンポ設定が遅めな事もあり余計にそう感じてしまいます。
    技量的な事は問題ないのですが。
    選曲面では18曲の行進曲に加えて、普段、アルフォード作品集でも収録されない『ボギー大佐・オン・パレード』が録音されている他、アルフォードが作曲を手伝ったとされるW.リチャーズ『ナミュール』も取り上げられていて、選曲面では珍しいものがあり、これがこのCDの売りと言えます。
    録音はバンドリーダー特有の硬めの録音で、もう少々残響が欲しい所です。

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     2022/02/24

    ドイツの復刻レーベル、メンブラン。
    様々なアルバムが出ているがその中でも人気なのが、テーマを絞り10枚セットにしたボックス物である。
    本CDもその一つで、言うならばドイツの吹奏楽団によるドイツとその他の行進曲集と言ったところだろうか。
    過去様々なレーベルで発売されていた音源を纏められたもので、初CD化と思われるものもある。
    簡単に紹介を。
    CD1→2団体の演奏が収録されています。
    最初に出てくるのはオットマール・ファブリー中佐指揮、西ドイツ連邦空軍第3軍楽隊です。
    定番とも言えるドイツ行進曲を収録したもので、この中ではタイケの『旧友』が歯切れの良い演奏で白眉の演奏と言えます。
    旧友に隠れていますが、他の曲もドイツ軍楽の伝統を感じさせる重厚なサウンドと、キレの良い演奏を聴かせて、レベルは高い。
    後半は、西ドイツ連邦陸軍第7軍楽隊で指揮はヴェルナー・ウーレマン少佐。
    BASFレーベルに録音された「デュッセルドルフで待ち合わせ」というLPが原盤で、これは初CD化。
    ロッター『街の中心』の様な珍しい曲が並ぶなか、ヒュビュナー『ユグノー教徒主題による行進曲』の推進力のある演奏は素晴らしい。
    CD2→ヴェルナー・ジンメルマン中佐指揮、西ドイツ連邦軍山岳師団軍楽隊の演奏で収録されたもの。
    ドイツ&オーストリアの良く知られた行進曲が並ぶ。
    編曲はフランク・プレイヤーが全曲てがけている。
    プレイヤーの編曲はヨーロッパの田舎バンドの様な金管中心の小編成のアレンジであり、重厚なドイツ行進曲を好みの人には賛否分かれそうな編曲。
    一方演奏は良い意味でローカルな演奏で、これはこれで悪くない。
    CD3→オリジナル・ホッホ・ドイチェマイスターによるオーストリアの作曲家による作品を集めたもの。
    行進曲もあるが、ポルカやウィンナ・ワルツなども収録されたウィンナ・ミュージック集となっています。
    同団体の録音は幾つかのレーベルに残されていますが、収録曲等から一枚目と同じBASFに、ユリウス・ヘルマンがタクトを取った物が原盤ではないかと思われます。
    良い意味でローカルな演奏です。
    CD4→フランクフルト戦友会合唱&吹奏楽団による、行進歌集。
    1974年にBASFにヴィルヘルム・クバツキーがタクトを振って、収録した音源が原盤と思われます。
    合唱団は男声で、力強さがありますし、伴奏の吹奏楽団もドイツのバンドらしい重厚さとキレの良い演奏が特徴です。
    アレンジも原曲の雰囲気を残していて悪くない。
    CD5→ヘルマン・ゴールドベック中佐指揮、西ドイツ連邦海軍キール軍楽隊による、海軍行進曲集です。
    ドイツ海軍の行進曲の他に英米の行進曲も収録されており、編曲の違いもあってか、スーザやアルフォードもまた違った響きで聴こえます。
    演奏は明るく伸びやかなサウンドと、キレの良い演奏で良いです。
    このCDの良い音源の一つです。
    オリジナルのLPは1971年に発行年マークが付いており録音時期もその辺りでしょう。
    ゴールドベック中佐は1972年から1984年まで西ドイツ連邦海軍北海艦隊軍楽隊の隊長を務めており、その間に本盤の収録曲の一部を再録音しています。
    CD6→ヘルムート・シャール中佐指揮、西ドイツ連邦空軍第1軍楽隊の演奏で収録されたドイツ行進曲集。
    これもこのCDの中で、名演と言える演奏で、キレの良いリズムと明快で推進力に満ちた演奏が魅力です。
    導入マーチ付き『プロイセンの栄光』『ケーニッヒグレッツ』『ラデッキー 』等まさにこれですが、特に『我がシレジア』は躍動感と推進力があり、聴き手を引き込ませる演奏です。
    使用譜は軍楽隊関係者によるものではなく、カール・バルテルらによる民間向きの譜面だが、雰囲気は損ねておらず悪くないアレンジだ。
    CD7→オットマール・ファブリー中佐指揮、西ドイツ連邦空軍第3軍楽隊によるドイツ騎兵隊行進曲集です。
    本演奏では金管と打楽器のみによる騎兵軍楽隊編成による録音です。
    戦後録音でもこの編成による録音は幾つかのありますが、意外とCDは手に入れるのは難しいので案外貴重かも知れません。
    高音部でちょっと苦しい所もありますが、雰囲気は良く出ていて良いです。
    CD8→セント・ヒュバート・ブラスムジークフェラインによる演奏で、狩の行進曲を集めたもの。
    演奏団体はドイツやオーストリア、チェコなどに見られる金管中心の小人数の団体のようだが、詳細は不明。
    チューバやトロンボーンの低音、スネアがリードする、わかりやすい演奏は良いし珍しい曲もあるが、マニア向きな内容と言えるでしょう。
    CD9→ヴェルナー・ジンメルマン中佐指揮、西ドイツ連邦陸軍山岳師団軍楽隊による演奏です。
    CD2と同じ演奏者ですが、この巻は行進歌等も含んだ組み合わせです。
    演奏も2巻と同じく伸び伸びとしたローカルなサウンドです。
    編曲はプレイヤーの他にバルテルやホフマンなどによるアレンジが使われています。
    これらは戦後に編曲された民間向きの楽譜で、好みが分かれそうです。
    その一方で『バイエルン・グレナディアール・パレード行進曲』はハッケンベルガーによる正統派の編曲です。
    演奏もそれまでの伸びやかなサウンドから、伝統的なドイツ軍楽的サウンドに変化しており、ドイツ行進曲ファン納得の演奏となっています。
    CD10→ヴェルナー・ジンメルマン指揮、バイエルン在郷軍人会音楽隊の演奏で収録されたバイエルンの行進曲集。
    9枚目と選曲は被るものは多いですが、ジンメルマンの自作曲や定番の行進曲などが収録されています。
    バンドは中編成程で、これと言った演奏はないですが、安心して聴けるレベルでしょう。

    CDはいわゆるクラムシェル仕様で解説もありませんが充分です。

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     2022/02/21

    ユリウス・ルーデル指揮、ミュンヘン放送管弦楽団によるオーケストラの小品集です。
    EMIからの発売ですが、イーストワールド原盤のようで、日独の共同制作盤の模様。
    そのため収録曲も日本でポピュラーな管弦楽曲ばかりであり、なじみ深い選曲となっています。
    ルーデルは録音はオペラ物が多く、こういうルーデルが全面に出たアルバムは少なく貴重と言えます。
    オーストリア生まれではあったものの、アメリカでデビューしたルーデルらしく、前半のアンダーソン・プログラムは良い音を鳴らしていますし、最後の『トッカータとフーガ』もオケが見事になっています。
    その他の作品も堅実な仕上がりになっていて、ルーデルの確かなタクトを存分に味わえる一枚です。
    録音は1988年で、デジタル録音なので問題ありません。
    こういうポピュラーなクラシックの小品は最近あまり録音がないためこれは貴重な一枚だと思われます。

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     2022/02/20

    ヨーゼフ・クリップスがロンドンとウィーンのオケを振って録音したヨハン・シュトラウスです。
    クリップスは日本では評論家の評判が良くなかったため、リスナーの評価もイマイチ高くなく地味な指揮者と言った感じでしたが、デッカを中心に残した録音はどれも良い演奏です。
    クリップスはクラウス不在時のニューイヤー・コンサートの指揮を引き受けており、シュトラウスの演奏にもそれなりに通じていたと思いますが、そのニューイヤーで共演したウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との録音では、ウィーンの伝統的な柔らかいサウンドと、優美なクリップスらしい美しいウィンナ・ワルツが聴けます。
    2曲だけ、ヒルデ・ギューデンも参加しており、花を添えています。
    ロンドンでの録音はロンドン交響楽団とは、主席指揮者時代に収録されており、これらはロンドンのオケからウィーンの響きを引き出した好演奏なのですが、面白いのは新ロンドン交響楽団(CD本体の表記は新交響楽団)との演奏です。
    これはイギリス色の強いサウンドで常動曲では、トランペットの代わりにコルネットを使っているのではないでしょうか、最後はクリップスの声と共にオリジナルのメロディ(?)で終結します。
    個人的にウィーンでの録音よりこのロンドンでの演奏が良かったです。
    録音は大変に古いですが、デッカ録音なので年代の割に音は良いでしょう。

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     2022/02/19

    トーマス・クラモー指揮、ザクセン管楽フィルハーモニーはゲヌインより何枚かのアルバムを発売、いずれも高い評価と人気を博していますが、その最新作がこの一枚です。
    イギリスの作品を集めたもので古典的な作品から、クラシックのアレンジまでを収録しています。
    収録曲はヴォーン=ウィリアムズの『バス・チューバ協奏曲』を別にすれば吹奏楽の世界では定番と言えるものですが、そこはザクセン管楽フィルハーモニー、使用楽譜がこだわっており、本家イギリスからはデニス・ウィック(バス・チューバ協奏曲)コリン・マシューズ(吹奏楽のための組曲)エルガー・ハワース(オックスフォード卿の行進曲)アメリカからはアルフレッド・リード(エニグマ変奏曲からニムロッド)ドイツからはトーマス・シャイベ(王宮の花火、妖精の女王)ゲルハルト・バウマン(威風堂々)と3カ国からセレクトされています。
    ドイツの吹奏楽団らしく、全体的に重厚な響きであり、演奏もアメリカや日本の吹奏楽団の演奏と違いドイツオケが、ベートーヴェンを演奏したかのような腰の落ち着いたどっしりとした演奏です。
    バンドは輸入元の解説ではドイツのオーケストラ団員から腕ききを集めた団体とあるが、オーケストラ公式ホームページ、英語のプロフィールには1950年にライプチィヒ放送吹奏楽団として設立されたとあり、最後の威風堂々がレッドフォードやリードらではなく、ライプツィヒ放送吹奏楽団時代に指揮者として登場していたゲルハルト・バウマンの編曲譜を使用しているのは同楽団らしいなと思います。
    録音は今までと同じく問題ありません。

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     2022/02/18

    J.P.スーザの有名な行進曲をイギリス近衛兵軍楽隊の一隊である、イギリス近衛歩兵グレナディア・ガーズ軍楽隊の演奏で収録されたCD。
    指揮は、1〜12曲目までがロドニー・バッシュフォード中佐、13、14曲目がピーター・パークス少佐。
    グレナディア・ガーズは、バッシュフォード中佐の前任、ハリス中佐時代からスーザの行進曲集を録音をしており、そちらも名盤と名高いが、このバッシュフォード中佐盤も名盤と言えるだろう。
    選曲はハリス中佐とほぼ同じだが、大半がバッシュフォード中佐とホリックスの手が入った楽譜を使っている。
    これにより原曲より音が賑やかになっている。
    演奏は全体的にバスドラムの強打によるピシッとしたリズム、コルネットの深い音色と、この時代ならではの熱気の入った推進力溢れた名演だ。
    パークス少佐は『メイン州からオレゴン州まで』『エドワード王』とマイナーな作品を振っている。
    これもパークス少佐とホリックスの手が入った楽譜で、原曲より音が増えている。
    演奏はバッシュフォード中佐時代からの熱気は後退したが、テンポが速めになり、引き締まった印象を受ける好演奏。
    録音は1967〜1973年と古いがデッカの優秀な録音のおかげで、鮮明に当時の演奏が蘇ってくる。

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     2022/02/17

    このCDは、帝政ロシア期の行進曲を集めたアルバムです。
    演奏はサンクトペテルブルク海軍本部軍楽隊、指揮者は同軍楽隊長を1985〜2007年という長期間務め、現在はロシア海軍中央軍楽隊の指揮者を務める、アレクセイ・カラバノフ中佐。
    カラバノフ中佐時代には何枚か、アルバムを制作していますが、このCDは2000年録音の「ロシア帝国近衛兵の音楽」と題されたアルバムと、続編で2005年録音「ロシア帝国近衛兵の音楽2」1999年にエルミタージュ劇場でのライヴ録音「双頭の鷲の旗の下に」の3つのアルバムから編集されたものである。
    新録や初出音源はないが、オリジナル盤より音質が良くなっているものがあります。
    演奏はロシアの軍楽隊らしく、豪快な爆音が特徴となっていますが、意外と洗練された部分もあります。
    近代行進曲以前の素朴な旋律、形式からくる飽きもありますが、演奏は名演と言って良いでしょう。
    尚、CDにはライナーノーツ等は無く、曲目と演奏者名が書いた紙があるのみです。

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     2022/02/16

    オッコ・カム指揮、スウェーデン放送交響楽団の演奏で収録されたシュトラウス・ファミリーのCDです。
    フィンランド出身のカムが、スウェーデンのオケを振ってウィンナ・ワルツというのも珍しいですが、このCDそれ以上に珍しいのが選曲です。
    タイトルにも秘曲集とあるように、どの曲も大変に珍しい作品ばかりで、数曲は本CDが世界初録音とのこと。
    他に録音があるのはマルコポーロの全集とか、ニューイヤーコンサートとかぐらいでしょうから選曲面ではシュトラウス・ファン納得の選曲でしょう。
    演奏の方も悪くはないと思います。
    リズム感とかはやはりウィーンと違いますし、ワルツも普通の三拍子に近い感じですが、珍しい曲を水準以上の演奏で聴ければ充分と言えます。
    1993年のデジタル録音で、音質良好です。

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     2022/02/15

    F.J.リケッツ少佐指揮、イギリス海兵隊プリマス師団軍楽隊の演奏で収録された2枚組CDです。
    リケッツ少佐はイギリスのマーチ王、ケネス・アルフォードの本名であり、自作自演を中心にした歴史的アルバムです。
    収録されている曲は大雑把に言って二つ。
    まずはリケッツの自作、アルフォード名義で書かれた行進曲や吹奏楽曲、そしてスーザなどの他人の作品です。
    これらが2枚に渡り収録されています。
    アルフォードの作品は、行進曲は全11曲収録されています。
    録音年的に『ナイルの守り』と『荒鷲飛行中隊』の収録がないのはわかりますが、『ホーリールード』『騎哨』『空の騎士』『マッド・メジャー』『懐かしのパナマ』の録音がないのは残念な所です。
    その代わり『砲声』『偉大なる小陸軍』は、同日のファーストテイクとセカンドテイクが収録されています。
    吹奏楽のために書かれた作品ではコルネットをソロとする作品が多く、中でも隠れた名曲描写的序曲『狩』の恐らく世界初録音は珍しい。
    ちなみにこの曲を含めたCD中のコルネットのソロは、W.バニング伍長。
    この他の独奏ではシロフォン・ソロの『2人の悪戯っ子』も収録されています。
    アルフォード以外の作品ではアメリカのマーチ王スーザの代表曲『星条旗よ永遠なれ』『忠誠』や、イギリスの行進曲からはバセット=シルヴァ『ロイヤル・レビュー』アルフォードの実弟で、イギリス王立通信隊軍楽隊の隊長を務めたスタンレー『コンティプティブルス』、そしてビゼーの『カルメン』からの抜粋(編曲はアルフォードによる)や『英国国歌』などが収録されています。
    リケッツ少佐とプリマス師団軍楽隊の演奏は、行進曲では大変歯切れの良い演奏で、低音をバシッと効かせ、コルネットが全面に出たイギリス軍楽のサウンドに、豪快なタクトとなかなかのもの。
    自作のボギー大佐や星条旗よ永遠なれなどは名演と言えます。
    一方で当時のSP盤に合わせるため、高速なテンポで演奏されている曲もあります。
    吹奏楽のためのオリジナル作品と編曲物は『狩』を除けば、こんにちのテンポ設定と変わりありません。
    これらは時間の制約上とはいえせわしなく感じます。
    録音は全て1939年に録音され、2005年にリマスターされています。
    強奏時に音割れはあるものの、年代を考えれば良質な復刻と言えます。
    ライナーには曲目解説の他、アルフォード(リケッツ)の貴重な写真が掲載、中には録音と近い時期に撮影されたプリマス師団軍楽隊を振るリケッツ少佐の写真まであり、貴重な資料です。

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     2022/02/14

    1989年にセット物として発売されたマーチのアルバムです。
    現在のユニバーサルの一員であるフィリップスとマーキュリーを原盤としている。
    簡単に収録内容は、1、2枚目がスーザのマーチを、フェネルとハンスバーガーがタクトを取り、イーストマン管楽アンサンブルが演奏したスーザ、3枚目は上記のイーストマン管楽アンサンブルやオランダ王立海軍軍楽隊、ポーツマス海兵隊軍楽隊によるスーザ以外のアメリカの行進曲、4枚目はアルフォードを中心にしたイギリス行進曲、5枚目は、ウィルヘルム・シュテファン指揮、西ドイツ連邦軍軍楽隊によるドイツ行進曲、6枚目はフランス夜間部隊軍楽隊や、フランス外国人部隊軍楽隊、オランダ海軍軍楽隊、イーストマン管楽アンサンブルによる、世界の行進曲集、7枚目は特別編成オリジナル海軍軍楽隊メンバーによる、日本の行進曲、8枚目はフィリップス系列のクラシック演奏家によるクラシック・マーチを収録したもの。
    後に再発売されたものも多く、一部は抜粋だが、このCDでしか聴けない音源もある。
    それは4枚目と7枚目である。
    まず7枚目であるが、これは名前の通り旧日本海軍軍楽隊出身者により録音用に結成された特別バンド。
    1975年の録音で、指揮者には旧海軍軍楽隊最後の指揮者、内藤清五や呉海兵団軍楽隊の河合太郎などの名前も並ぶ。
    録音時平均年齢が60手前だっただけに、加齢による技術の衰えが感じられるのは残念であるが、甘く、力強いスマートな演奏はまさに海軍軍楽隊そのものです。
    実は収録曲の大半は「海ゆかば〜蘇る栄光の海軍軍楽隊」というCDで復刻済みなのですが、行進曲『精鋭なるわが海軍』の様に本ボックスCDでしかCD化されていない音源もあります。
    4枚目はイギリスの行進曲と書きましたが実質はイギリスのマーチ王アルフォードの行進曲集。
    このアルフォードは、J.P.ラロ少佐指揮、オランダ王立海軍軍楽隊によって1973年に録音された音源。
    オリジナルのLPは、アルフォードが残した18曲の行進曲から13曲を収録したものですが、これをそっくりそのままCD化しています。
    この音源は現在に至るまでこのボックスでしかCD化されていない幻の音源です(厳密に言うならナイルの護りのみ1999年発売の、世界のマーチ・ベスト20に収録されましたが)
    ラロ少佐時代の同軍楽隊らしい低音が充実して、歯切れの良い演奏は、ロイヤル・マリーンズ・バンドとは違った、ヨーロッパならではの重厚な演奏となっています。
    特に『ホーリールード』『ナイルの護り』『後甲板にて』らは名演と言えるでしょう。
    その他の巻も演奏は中々のもので、往年のフランスの響きが聴ける、フランス夜間部隊軍楽隊やフランス外国人部隊軍楽隊や、ドイツ軍楽の伝統的サウンドが残っていた時代に録音されたドイツ行進曲など聴きどころはあります。
    録音は古い物が多いので、少々音が悪いのは残念。
    またCDの裏ジャケットの演奏者と実際の演奏者とは違うトラックが幾つか見られるのも残念です。
    とはいえそれらを別にしても十分おすすめできるCDです。

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     2022/02/11

    ナクソスのスーザ吹奏楽作品全集もこのCDで22枚目となります。
    今回も大変に珍しい作品ばかりです。
    その大半は幻想曲と名付けられた作品です。
    これらは殆どに他の作曲家の作品を引用しており、パロディ的な作品となっています。
    収録は珍しい曲なのに妙に聴きやすいのはこう言うことのせいかも知れません。
    指揮者はお馴染み、キース・ブライオン、演奏団体は新しく登場した、イギリス王立海兵隊プリマス軍楽隊です。
    今作より再び軍楽隊の登場となります。
    演奏そのものは悪くないとおもいます。
    大味ながら、楽譜の音をしっとりと鳴らしており、作品を初めて聴くあたってなんら問題ない。
    プリマス軍楽隊も名盤を多数残しているため、技量も申し分はない。
    録音もいつもと同じく残響の豊かな録音です。

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     2022/02/09

    エリック・バンクス中佐指揮、イギリス王立空軍中央軍楽隊が残した録音の一つ。
    ガーシュウィンのストライク・アップ・ザ・バンドをタイトルに、行進曲を中心に選曲されたアルバムです。
    メインとなる行進曲では、ガンヌのロレーヌ行進曲やリムスキー=コルサコフの貴族たちの行進のような有名曲もあるが、割と珍しいイギリスの行進曲もあり、チャンドラーのイギリス人や、ラングフォードのプリンセス・ウェールズ等はこの盤以外ではなかなか聴けないだろう。
    他にはショスタコの祝典序曲のようなクラシックの編曲や、スターダストのようなポピュラーナンバー、モーツァルトの名曲をアレンジしたモーツァルト・ロンドなどが収録されており、バンドスタンドの様な選曲となっています。
    演奏の方は、どの曲も手堅く纏っており、名演こそありませんが、安心して聴ける演奏と言えるのではないかと思います。
    1986年の録音で、デジタル録音ですがEMIの当時の吹奏楽録音で幾つか聴けた、少々迫力に欠ける平板な録音は残念です。

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