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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2010/07/06

    交響曲第9番について・・・1959年コロムビアSOとの引退宣言後の一連再収録、丁寧なテンポ運びで演奏タイムが@23’53A11’32B23’17というタイム・・・例えばNYPSOとの1953年?ライブでの@20’32A10’09B19’46とは随分異なっていることが分かっております。HMVレビューで制作者が書かれている様に私も学生時代1962年日本コロンビア製のLP国内盤でこの演奏を・・と言うよりブルックナー第九を初めて聴いた時の感動は忘れもしません。決してこのオーケストラは所謂重厚な音色ではなく録音のせいでもあり寧ろ少し甘ったるいサウンドは当時今よりもっと初心者だった私には分り易く更に曲そのものの厳しさが逆にマイルド化され・・・結局指揮者ワルターの「なせる業」と分かって来るのは後年他演奏の多くの盤を聴いた後のことでした。現在でも新規に購入する他盤を聴く時は本盤演奏とどうしても比較する「癖」がつくほど私にとっては甘さが特徴的ではありますが本曲演奏のスタンダードでありました。最高ランクにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/05

    アシュケナージがPHOの指揮を兼ねて演奏した一連のモーツァルト・ピアノ協奏曲集からのピックアップ盤です。このシリーズ、私にはベクトルが合う演奏が多くアシュケナージを特に指揮面で見直したというのが実情・・・ピアノの方も曲毎に微妙なニュアンスとカデンツァが楽しめます。さて、本盤について・・・第21番(1977年録音、演奏タイム@14’37A7’53B6’33)は比較的スケール感ある時にはギリシャ的な曲で変化ある楽章ではハッタリ無しです。カデンツァでは交響曲第40番第1楽章の出だしを想起させます、第2楽章は夢見心地で優雅、最終楽章は元々ややまとまりに欠ける楽章を無難にまとめております。第26番(1982年?録音、演奏タイム@14’38A6’45B10’36)・・・第1楽章全体に音良く気楽げ、優しく楽しげです。ただ第3楽章はやや単調になりメリハリが欲しかったです。素晴らしいランクとしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/05

    ワルターのマーラー「復活」交響曲には1948年VPOとの共演(演奏タイム@21’34A10’29B10’37C4’32D38’22)盤がありますがアメリカでの一連のCBS再録で十年後1958年NYPSOとの演奏盤も忘れられません。前年度に録った歌唱陣とは異なるもののこのNYPSOとの演奏ライブの延長戦ではないでしょうが・・・?。CBS録音では同じNYPSOとのバーンスタイン盤が1963年録音されて元気な演奏でしたが何かとユダヤ系演奏家分として比較されたものです(演奏そのものからすると終始熱演する新旧バーンスタイン盤がユダヤ的雰囲気ムンムンを感じさせる一方ワルターは多分私などが聴きとれないほど単に表面的なものでなく深いものを織り込んでの演奏を展開してくれているのでしょう)。さて、ワルターの本盤演奏については私はLPベースでの書き込みになります。演奏タイムは@21’49A10’43B10’51C4’15D33’10と少しCDより長めになっておりますが大したことではありません。最終楽章に1948年VPO共演盤と時間に開きがあるかなといつた感じです。第1楽章決して力任せではなくしっかり地面を踏みしめ且つのめりこまず距離を置いた印象です。ゆっくりする部分、例えばマーチ風な処も確かめるように進めるとともに適当に流して行く部分もあり荒れるピーク中でも様々なニュアンスが飛び交います。緩やかな弦もNYOSOには珍しい艶っぽさも・・・。後段音色の構造が分かり易い処も面白く、最後の穏やかな〆もワルターらしいです。第2楽章、天国の世界、葬送と復活の間の休息的楽章は親しみ易い旋律がウィーン風の香りを放ちます。変奏形式なので緊迫した弦の動きもあり嫌味でない落ち着きもあり終わり方は誠に幸福感一杯。第3楽章以下は例の「角笛」テーマが挿入されます。荒れる部分でも崩れずきっちりと、ティンパニーも節度があります。女声独唱がやがて入り楽章は進みますが歓喜のテーマというか復活テーマは堂々とゆったりしています。途中管楽器を中心とする遠近法の演奏も入り中々手の込んだ作品です。合唱は段々高潮してきて堂々としかしワルターの節度を保ったクロージングは一つの品格なのでしょう。初期ステレオ録音ですが素晴らしいランクの演奏盤と思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/04

    アランフェス協奏曲では1958年?録音のアルヘンタ/SNO(SS盤演奏タイム@5’55A9’55B5’19)とのものが長年私の世代では絶対的存在感があり本音ではギターが前面に押し出た熱っぽい演奏のその1958年盤(イエペス当時31歳頃?)を動かしがたい気持なのです。さて、本盤は比較して見ると随分オーケストラとギターの音の位置付けが異なっているなぁということであります。敢えて言えば室内楽的というか透明感がメインに支配しているようです。それがこの曲に合うのか・・・迷うところです。。本盤は1969年アロンソ/SRSOバックの録音で演奏タイム@6’12A11’28B4’58、特に聴かせ楽章の第2楽章に時間をかけております。イエペスは概ね十年毎に結果的にこの曲(よくセットされる「ある貴紳のための幻想曲」も然り)を録っており私は未聴なのですが1979年ナバロ/PHOバックの録音盤(@6’07A11’14B5’16)があります。なお、今現在1958年盤がHMVカタログから消えて廃盤されていますが是非復活すべきとは思っております。なお、本盤の他の収録曲は未聴ですのでOK以上ということにさせていただきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/04

    先ず最初に前回2008/7に書き込んだアランフェス協奏曲についての私の感想は1958年?録音のアルヘンタ/SNO(SS盤演奏タイム@5’55A9’55B5’19)とのものであり本盤との混同を起こしていました点、申し訳ございませんでした。さて、本盤も評価としては最高ランクとは思いますが随分オーケストラとギターの音の位置付けが異なっているなぁということであります。敢えて言えば室内楽的というか透明感がメインに支配しているようです。それがこの曲に合うのか・・・私は本音ではギターが前面に押し出た熱っぽい演奏の1958年盤(イエペス当時31歳頃?)を動かしがたい気持なのですが・・・迷うところです。本盤は1969年アロンソ/SRSOバックの録音で演奏タイム@6’12A11’28B4’58、特に聴かせ楽章の第2楽章に時間をかけております。イエペスは概ね十年毎に結果的にこの曲(後述の「ある貴紳のための幻想曲」も然り)を録っており私は未聴なのですが1979年ナバロ/PHOバックの録音盤(@6’07A11’14B5’16)があります。なお、今現在1958年盤がHMVカタログから消えて廃盤されていますが是非復活すべきとは思っております。「ある貴紳のための幻想曲」についてはデータだけメモしておきますね。1958年?デ・ブルゴス/SNO共演分@5’00A9’46B2’07C5’01、1969年アロンソ/SRSO共演分@5’25A9’52B2’03C5’06、1977年ナバロ/ECO共演分@4’50A9’38B2’04C5’02と各々なっており大差はありません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/03

    リリングと言えばバッハ・カンタータ全曲という高峰を1970年代から1980年代にかけて単独登頂録音した業績が忘れられないですね(HMVレビューにもありますように本年朝日新聞インタビューでのリリングの見解からも彼の考えが分かりましたね)。アーノンクールとレオンハルトがタッグを組んでの同全集は少し時期が後にずれた感じと受け止めているのですが・・・、その後コープマンや日本の鈴木がチャレンジしているようです。リリングのバッハ・カンタータはどちらかと言えば南独の脈々とした暖色系な感触が特徴で勿論私は全曲を聴いたわけではありませんので偉そうな事は申せませんが(好みから)曲によってその感触のフィット度合いに違いを認めざるをやません。本アルバムは三位一体節休息日用、宗教改革などの記念日用、その他祝日用と全体タイトルにもあるように「神への賛美と感謝」主意での先の全集からのピックアップ盤です。私はバラで有名曲しか聴いておりませんがリリングの姿勢・資質に比較的合ったジャンルのバッハ・カンタータ群と思います。以下収録分の録音年と演奏タイムをメモしておきますので何らかの参考にして下さい。BWV10(録音1979年、演奏タイム21’36),BWV16(同1976年、同17’25),BWV17(同1982年、同17’22),BWV29(同1984年、同21’09),BWV33(同1979年、同20’55),BWV51(同1983年、同17’45),BWV69(同1983年、同22’08),BWV76(同1977年、同32’00).BWV79(同1981年、同15’30),BWV80(同1983年、同27’28),BWV84(同1983年、同14’35)BWV117(同1984年、同21’39),BWV119(同1978年、同25’18),BWV120(同1973年、同22’18),BWV129(同1982年、同18’35),BWV130(同1974年、同16’17),BWV137(同1980年、同14’50),BWV167(同1974年、同17’55),BWV192(同1974年、同14’43)。20曲近くなのでボチボチと聴いて行く感じでよいのではないでしょうか。OKランク確保ということにしておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/03

    やはり注目筋はモーツァルトのホルン協奏曲第3番ですね、四曲の中で一番優美で美しい!・・・この曲を父子でどう違って演奏するのかが注目筋。本盤はデニスの父親であるオーブリー・ブレインが1940年ボールト指揮BBCSOのバックで録られたもので演奏タイムは@6’52A4’14B3’29とデニス分(カラヤン/PHOのバック分第3番@6’59A4’54B3’44)と比べてみればまぁ強いて言えば第2,3楽章が短めといった感じで伴奏がカラヤンのなだらかさと違う少し性急さも見せる武骨さとの対比や録音の違いが大きいのではないでしょうか。決してデニスに遜色ない演奏と私は思うのですが・・・。第1ホルンを父親オーブリーが第2ホルンをデニスが受持ってのモーツァルト「ディヴェルティメント第17番」は1939年録音のもの、演奏タイムは@7’14A7’26B4’21C6’35D6’38E9’31。親子だから演奏資質がどうって言うイメージは私には分かりません。他の収録曲はK.ハースにより結成された団体LBEのメンバー一員としてデニス・ブレインが加わった演奏であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/03

    本アルバムは事故により亡くなったデニス・ブレインという不世出のホルン奏者をキーにした演奏記録。本盤中核はW.レッゲのプロデュース、カラヤン/PHOバックによるモーツァルトのホルン協奏曲集で1953年(ブレイン当時推定32歳)の録音です。余りにも有名な評価高い名盤でいろいろ同演奏異盤がひしめいている状況です。いずれにしてもブレインの朗々として安定したフレージングもさることながらカラヤンの流麗なバックがこの演奏の魅力を倍加しております。なお、演奏タイムについてメモしておき他の演奏やその他のホルン奏者分との比較にでも参考にして下さい。何れにしてもスンナリ入ってくる演奏には間違いありません。第1番@4’38A3’38、第2番@6’33A3’31B3’35、第3番@6’59A4’54B3’44、第4番@8’07A4’31B3’36・・・(カラヤン/BPOの後年ザイフェルトとの録音は第1番@4’57A3’14、第2番@6’48A3’29B3’39、第3番@7’33A5’19B3’40、第4番@8’38A4’47B3’26)。又、第3番ではポピュラーな為か同年ロスバウトのバックでのライブ録音やサージャント/BBCSOとの共演物も別にあるようで出来れば聴き比べも・・・・。本盤のもう一つの収録曲モーツァルトK407ハ聴いておりません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/02

    私はLPベースで1935〜36年収録のシュヴァイツァー演奏のバッハ・コラールオルガン集を長年聴いておりました。後年彼は1950年代初めに再録している曲目(オルガン小曲集BWV599〜644等はバッハの初心者へのペダリング指導コメントも有り)本盤旧録音のものは勿論音状態は良くはありません。彼が1952年ノーベル平和賞を受けた時の新聞情報は小学生低学年だった私にも記憶があり彼がアフリカのランバレーネでの奉仕活動の合間彼自身の慰みにもこれらのコラールを演奏していたというのにも感慨があります。決してテクニック的には安心したものではありませんがその訥々感が逆に記録としても素晴らしいです。本盤コラール曲は少なくとも私の聴いていたLPと同じ音源で,1936年シュヴァイツァー61歳頃 シュトラスブルクの聖オーレリー教会のオルガンで録音されたものであります。演奏タイムはBWV611(2’25)、 BWV731(2’50)、 BWV616(2’34)、 BWV620(2’30)、 BWV621(1’34)、 BWV622(4’15)、 BWV760(2’52)、 BWV653(6’03)、 BEWV656(9’55)、 BWV654(7’46)、 BWV665(4’11)、 BWV625(2’36)、 BWV629(1’24)であります。又録音年代は1930年代か1950年代なのか不明なのですがトッカータ、フーガ関係では手元資料から判明したデータはBWV534(6’10)、BWV541(9’40)、BWV542(12’34)、BWV545(7’10)、BWV546(13’58)、BWV565(9’00)、BWV578(4’10)など本盤に含まれていない分もメモしましたので参考にして下さい。幾分私は全体遅めの演奏と頭に残っております。なお、バッハ以外は未聴であります。
    (タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/02

    体調を崩している小澤、予定海外公演も次々キャンセルされている状況は何とも言えない寂しさがあります。その小澤がビゼー作品を振った本盤、私はカルメン組曲は聴いていないのですが交響曲その他について少しコメントを入れます。1982年FNOとの共演は小澤が47歳の頃、まだまだ若い時で丁度このビゼー十代作曲作品(意外と初演は遅く1935年)には「若い」要素が必須と私は思っております。そうした前提で聴きますと小澤のポイントを押さえた瑞々しい演奏が素晴らしく第1楽章の溌剌さ、第2楽章オーボエの哀愁ある旋律リードは印象的でカノンに入る前の山作りも神経が行き届いております、弦の伸びやかさも素晴らしいです。第3楽章・・・私の世代は1960年初めの頃のTVニュースのバックによく使われていたのをよく記憶している曲で初演年代からすれば比較的早々実用に使われた楽章。第4楽章は若干早く進みそのきびきびしさとともにFNOもこの楽章に限らずよく小澤の意図についてきています。演奏タイムとしては@10’21A10’09B5’56C8’57で反復演奏がなされています。祖国序曲は幾分愛国心高揚の意図のある曲で短調的行進調から大きく三部で構成されている曲ですがちょつとまとまりには足らない曲とは思います・・・演奏(タイム13’00)は素晴らしいです。五曲から成る「子供の遊び」は元はピアノ連弾用の曲の編曲ものらしく力抜くことなく演奏がなされております、ギャロップは親しみ易いですね(タイム10’50)。小澤の一時代ではありますが初心らしい充実した演奏が楽しめる盤です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/01

    1973年来日前のライブ録音(当時ムラヴィンスキー70歳頃)でのベートーヴェン交響曲第4番、演奏タイム@9’05A9’40B5’46C6’31 及びブラームス交響曲第4番、同@12’26A10’10B6’04C9’56であります。先ず後者、 音はそんなに良くはないのですが幾分テンポを早めにとって劇的な要素を強調した・・・枯淡とは別な世界を意思強く提示する為踏み込みもきつくティンパニーの扱いも太く鋭い感じです。第1楽章時折パッセージ間が旋律ラインの急変でフォローしにくい面があり割れそうな音色と相俟って焦点がぼける傾向もあります。最後フィナーレはこれほどキツい掘り下げは余り聴いたことがありません。とにかく音の洪水というか力点の異様さは凄いですね。第4楽章にしてもパッセージ間は情け容赦無く進みます。ライブならではと言ってしまえばそれまでですがムラヴィンスキーのロシア的アプローチと簡単に結論づけて良いかその凝縮力というのか迷う処です。以前LPで聴いていた時と明らかに受ける感じが異なり今回盤の方が少し正直しんどくなるほどリアルではあります。前者ベートーヴェンの第4番も全体的には大変深く彫りこんだ演奏で同年の東京ライブ演奏と@9’04A9’47B5’45C6’52 と基本的には同じなのですが音の録り方にもよるのでしょうか、東京ライブ盤の方がマイルド性から聴き易いと思いました。両曲の本質というよりムラヴィンスキー・・・ロシアの演奏本質を出したものとして聴かれたらよいかと思います。ライブの醍醐味と刺激的な面では素晴らしい盤でしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/07/01

    両端楽章が遅く中二つの楽章が早いという珍しい設計のマーラー交響曲第9番、中々その云わんとする処を表すのに難しい作品であり聴く側も・・・少なくとも私には独特のトーンに彩られたこの曲への理解にいつもある覚悟が必要でもあるのです。「死」への恐怖というより「生」への渇望に力点を置いた作品らしいのですがその辺りが演奏によってはグラグラする場合が多いです。1979年LPOとのテンシュテット(当時53歳頃)の指揮による演奏はまだ彼が体調不調に陥る前なのか一連のマーラー録音でも比較的その感情移入は抑制気味、控えめでそれだけ聴く側には大層に映らずシンドクない演奏に軽減はされているようです。演奏タイム@31’03A16’35B13’10C25’50と息の長い演奏、第1楽章「大地の歌」のイメージもあり幅広いダイナミックがLPOの自在性(テンシュテットはLPO音楽監督に就任するなど両者間関係は良かったそうですね)により効果的に展開されます。ティンパニーも活躍し粘り気を伴った混沌とした全奏が底深さを垣間見せます。後段は各管が静かにハープに導かれ更にヴァイオリンソロも加わり「彼岸」の世界を提示します。第2楽章トリオを持つ舞曲風の楽章でちょつとしたユダヤ的な面も見せます。第1交響曲を連想させる第3楽章を経て半音階的ではあるけれど実に美しい最終楽章、ワルターが「マーラーは平和にこの世に決別を告げるその結尾はあたかも青空にとけいる白雲のよう・・・」と述べた楽章。重心を低く落ち着いたテンシュテットの安定感が素晴らしいです。余談ですが1979年バーンスタインがBPOを振ってこの9番を演奏した後、そのテンション高さが残っているBPOと接したカラヤンがその雰囲気を察して「(バーンスタイン)はトレイナー向き」と一蹴し早速この第9番をBPOと録ったとの事・・・中々厳しい世界ですね。第5番(1978年録音、タイム@13’40A15’09B18’05C11’54D16’17)と第10番(1978年録音、タイム28’03)は未聴ですので取りあえずOKランク以上とさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/30

    LP時代キングレコードから日本の歌曲集ということで瀬山詠子(ソプラノ)/三浦洋一(ピアノ)での演奏盤が出ており今も手元にその2枚があります。2枚ですから結構曲目も入っておりトータル28曲(トータルタイム72’38)で本盤に含まれている曲でもこのコンビのものは多分音源は同一と思われます。私のLPは1970年代前半の制作となっており録音はそれ以前と思われます。(私はLPですが)彼女(今年もう傘寿を迎えたらしいですね)の清楚な歌いぶり、ベテラン三浦(伊藤京子、中沢桂などソプラノ独唱者や名門合唱団などの伴奏を長くつとめていたのですが昨年もう故人となってしまいました)のサポートぶりは日本の代表的歌曲を集めたものとして末永く大切にしておきたい「最高」の盤で私は個人的に専門業者でCDにも作り変えたりの熱の入れようです。とにかく瀬山詠子はほぼ同年の伊藤京子などと当時女声声楽界を牽引してきた人でもあり上野音楽学校の伝統というか雰囲気というか誇りというか私には上手く説明できないのですが・・・伝える・・・もうそういう人は少なくなってしまいましたね(私は伊藤京子が「情」に対して瀬山詠子の 「知」という風なイメージで捉えていたのですが)。いろいろクラシックも聴いてはいますが年のせいか日本の名歌に還って来る頻度が次第に増えてきているのには我ながら苦笑してしまっています。本盤は瀬山/三浦の演奏以外にも名演が収録されており最高ランクにしておきたい盤と思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)私はHMVレビュー欄に2008年度(当初しばらく別ハンドルネームではありましたが)から投稿しております。HMVのシステムは実に上手く構築されておりレビュー投稿もしやすく又何回かサービス側でも手直しをするなどHMVの姿勢が窺われ好感を持っております。そして2009年度分から嬉しいことにHMVの方でMy Pageというわけでレビューをまとめて一覧様式にしてくれています。これは大変投稿者心理に叶ったやり方で私も知人に紹介出来まさしくHMVのCS政策が的に当たっている感があります。今般本盤レビューで当該一覧では丁度1000件目になり・・・瞬間風速かもしれませんがクラシックジャンルでは最初かもしれませんし今後各盤の廃盤などで本盤1000件目という記念ポジションは異動するかもしれませんが・・・自己満足で一杯であります。HMVレビュー担当さん、有難うございました、今後ともよろしくお願いします。

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     2010/06/29

    シュミット・イッセルシュテットによるVPOとのベートーヴェン交響曲全集の一曲、1965年の録音(シュミット・イッセルシュテット65歳)で演奏タイムは@16’48A10’18B16’00C25’56とやや第2,3楽章が短いようです。独唱陣はサザーランド(39歳頃)のソプラノ他ホーン、キング、タルヴィラで中々豪華、オペラチックな展開が期待されます。第1楽章、割とがっちりとした感触、途中ピークの処・・・大きなウネリ、波へのまかせは素晴らしい。第2楽章テンポはやや早くあまり闘争的ではありません。ティンパニーは平均的。続く楽章VPOの美しさが少し早目の展開で心地良いです。もう少し深みの欲しい雰囲気もあり個性的な面も欲しいのですがこの演奏の一番の聴きどころではないでしょうか。最終楽章比較的穏やかに入り大層には鳴らしません。途中少し凝った表現もしこの指揮者の職人芸がVPOという一般的な演奏印象に波紋を投げかけたりします。声楽部分に入ると流石先述のメンバー、トップバッターのバスから堂々としっかりしています。バランスは別にして何か各独唱陣で競争的色合いが増した感じです。半面合唱は少しおっとりはしているみたいです。全体としてはこういうのがウィーン風伝統というのかもしれませんがこの全集での第6番「田園」ほど充実した面は私の実力では聴き取れませんでした。なお、シュミット・イッセルシュテットにはNDRSOとの1951年、1970年録音「合唱」盤が過去あり前者にはソプラノにビルギッド・ニルソンが登場して本盤のサザーランド他と同じくオペラチックな歌唱ぶりが聴けたのではないでしょうか。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/28

    2008/5に別のハンドルネームで書き込んだ盤ですが改めて聴き直して再度データメモしたく書き込む次第です。1950年代初のLPから聴き続けているミュンヒンガーの演奏、彼が師アーベントロートに影響受けたものになっているかは判りませんが、単にバロック音楽に止まらずフルオーケストラ物・・特に古典、初期ローマン曲に絶えず試行挑戦し晩年近くに残したベートーヴェンのこの交響曲には彼の名人芸方向感の説得性が有り、ミュンヒンガーファンにとっても総決算の宝物となっております。是非長く残しておきたい記録のひとつです。なのですが現在廃盤の憂き目を見てしまって価格も手頃だっただけに残念です。ミュンヒンガーは比較的長調の曲向きでこのベートーヴェンでもオーケストラのSRSOと共に特に気負いもないものの聴き飽きしない名演を残しており他のレビューの方全員が最高ランクに評価しているのには納得せざるをえません。隠れた名盤と言うのに躊躇しません。データ的なものをメモしておきますと第2番→1985年録音(ミュンヒンガー当時70歳頃)、タイム@12’40A12’16B3’38C6’54、第3番→1983年録音、タイム@16’24A15’54B5’59C12’56、第6番→1985年録音、タイム@9’27A12’04B5’26C3’44D9’16、第7番→1985年録音、タイム@12’38A9’51B8’17C7’51であります。個人的には第6番が気に入っています。第3番は先発に出たもので中々古豪的演奏で捨てがたいです。第7番はもう少し強い処を求めたくはありました。第2番はミュンヒンガー向きでこれを聴きますと第4番、第8番も録音して欲しかったですね。多分体調の関係もあったのでしょう、叶わずに彼は1990年指揮者の割には短命な生涯を終えてしまいました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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