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Review List of レインボー 

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     2021/11/13

    ソニーにはジョン・ウィリアムズがスピルバーグ監督作品を集めたアルバムが出ていたが、作曲家85歳を記念して新規に録音されたスピルバーグ監督作品集第3弾。
    輸入盤は1、2作目付きだが国内盤は新しい録音のみである。
    この新録音はレコーディング・アーツ・オーケストラ・オブ・ロサンゼルスという団体が演奏しており、近年ウィリアムズのソニー録音では度々見かける。
    流石に3作目となると珍しい曲が中心になる。
    近年のスコアも多い。
    演奏は作曲家のタクトの下、ツボを得た好演奏である。
    録音も良好。
    DVDについては、再生環境がないためコメントできない。

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     2021/11/12

    このCDはコレンタン・ボワシエのピアノとオーケストラ、ピアノ・ソナタを収録したCDです。
    ボワシエは1995年生まれのフランスの作曲家。
    まだまだ若手の作曲家ですが、その作風はまるで先祖帰りしており、メーカーレビューにある通り、ラフマニノフやアディンセルの作品を思わせるロマンティックなもの。
    これはグラマー協奏曲やフィリップ・マーロウ協奏曲を聴くとよくわかります。
    知らない人にラフマニノフの未発表のピアノ協奏曲だよと言えば信じるかも知れません。
    ピアノ・ソナタは第2番が収録、熱情の副題が付いた古典的なスタイルによる美しい旋律が特徴な作品です。
    演奏は、ジョン・マクローリン・ウィリアムズ指揮、ウクライナ祝祭管弦楽団、ピアノは、ヴァレンティナ・セフェリノヴァ。
    ピアノのセフェリノヴァのブルガリア出身のピアニスト。
    ここでは曲にあった優しくもしっかりとしたタッチのピアノを聴かせてくれます。
    ジョン・マクローリン・ウィリアムズはアメリカの指揮者で、ナクソスに幾つかアルバムがあるので知っている方もいるかも知れません。
    ウクライナ祝祭管弦楽団は、指揮者のイヴァン・オスタポヴィチと、タラス・デムコにより2014年に設立されたオケだそうです。
    このCDでは比較的規模は小さく、弦楽や木管はまずまずですが、金管(特にトランペット)はショボく、その割には何故かトランペットがよく目立つので、伴奏としても正直最低限の水準かなと思います。
    まぁ、世界初録音なので聴ける最低限の演奏には仕上がっていると思います。
    録音自体はとてもよいです。

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     2021/11/11

    ヨーロッパにはたくさんの音楽祭があるが、今や大変有名となったラ・フォルジュルネの2017年ナントで行われたコンサートのライブ盤。
    デジパックのCDにはアーティストの写真が掲載されているぐらいで解説も何もないため不明であるが、おそらくコンサートのハイライトを収録した物であろう。
    今回は舞踏の祭典をテーマとしておりその名前通り、舞踏曲を集めたものである。
    開幕のフランス国立管弦楽団打楽器アンサンブルAdONFによるベネッティによるロック&ドラムで始まった後、ヴォーチェス・エイトによるバッハのブーレや、テンベンベによる陽気なメキシコの伝統曲、フィリップ・ピエルロ指揮、リチェールカール・コンソートによるモンテヴェルディが登場するが1番良いのは、アンドリス・ポーガ指揮、ラトビア国立管弦楽団。
    伴奏、オケナンバー両方を手がけているが、伴奏ではソロを引き立たせているし、オケナンバーでは意外とオケが鳴っており、ハチャトゥリアンの剣の舞や仮面舞踏会のワルツ、ブラームスのハンガリー舞曲等、好演奏だと思う。
    ライヴ録音であるが音質は悪くはないと思う。

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     2021/11/10

    旧ソ連を代表するヴァイオリニスト、ダヴィド・オイストラフの息子、イーゴリ・オイストラフの残した録音を集めたメンブランの激安BOX。
    メロディアやエテルナ、グラモフォン、英コロムビア等に録音された音源が原盤。
    父ダヴィドのBOX物は幾つかありますが、イーゴリのBOXは意外と見当たりませんので案外貴重なのかも知れません。
    それぞれのCDの感想を以下に書きます。
    CD1→ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲はユージン・グーセンス指揮、フィルハーモニア管弦楽団の伴奏で収録。
    近い時期にダヴィッドが作曲者と録音を残しているが、このイーゴリ盤、2楽章まではソ連の演奏家の録音として見れば大人しいが、3楽章ではここぞとばかり技術を披露しており、なかなかのもの。
    オケもソリストに引っ張られてか3楽章から本気を出している。
    親子共演となったヘンデルのトリオソナタはボーナス扱いだが、こちらの方がこのCDの聴きどころ。
    ヤンポルスキーも良い仕事をしている。
    CD2→バッハのヴァイオリン協奏曲はフランツ・コンヴィチュニー指揮、シュターツカペレ・ベルリンと録音したもので、渋い伴奏が目立つがヴァイオリンもよく歌っていて正統派の演奏と言えます。
    サラサーテのナヴァラは指揮は同じくコンヴィチュニーが受け持つものの、オケがライプチィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団に代わり、イーゴリ共々楽しいスペインの世界に案内してくれます。
    ヴィエニャフスキーは再び親子共演で、その技術と表現力に圧倒されます。
    CD3→チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とサン=サーンスの序奏とロンド・カプリチオーソを収録。
    共演はヴィルヘルム・シュヒター指揮、ミュンヘン・プロ・アルテ管弦楽団。
    チャイコフスキーはよく歌った好演奏、サン=サーンスは普通でしょうか。
    シュヒターはこういう伴奏物も数多くこなしているだけに合わせるのは上手いですがオケがちょっと粗いでしょうか。
    CD4→ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を収録。
    伴奏は3枚目と同じ。
    このベートーヴェンはオイストラフの技巧を楽しむ演奏と言えるでしょうか。
    3楽章等がまさにそれです。
    尚、オケ名はHMVのサイトに倣いましたが、CD3、4枚目ともプロ・アルテ管弦楽団としか書いてなくミュンヘンの文字はありません。
    CD5→今までは協奏曲中心であったが、いきなり室内楽作品集となっています。
    イーゴリの表現力と技術力が高い水準で発揮された無伴奏ヴァイオリン・ソナタやダヴィッドとピシュナーと共演したトリオ・ソナタが聴きどころです。
    CD6→バッハのヴァイオリン協奏曲第2番とベートーヴェンのロマンス第1、第2番が収録されています。
    共演はフランツ・コンヴィチュニー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。
    ドイツのオケらしい重厚な響きと渋い演奏に、イーゴリの歌ったヴァイオリンが聴きどころ。
    ボーナスとして、ダヴィッドが、ユージン・グーセンス指揮するロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共演したロマンス第1、第2番が収録、聴き比べ出来るようになっています。
    CD7→ラコフのヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンとピアノの小品を収録。
    ラコフは旧ソ連の作曲家でグリエールとワシレンコに師事し、教師として、デニソフやB.チャイコフスキー、エシュパイ、シュニトケを育てた人物です。
    このヴァイオリン協奏曲はラコフの作品で最も知られた作品でダヴィッドによる録音もありますが、イーゴリによる本録音は初CD化ではないでしょうか?
    作曲者、ニコライ・ラコフ指揮、モスクワ放送交響楽団による自作自演でもあり、ソ連のオケらしい豪快な演奏やイーゴリの熱演ぶりが聴きどころです。
    小品はラコフやハチャトゥリアンらソ連の作曲家に加えてモーツァルトやクライスラーと言った外国の作曲家も取り上げられています。
    伴奏のピアニストはインナ・コレゴルスカヤという人物で詳細は不明ですが、良いサポートで、イーゴリのヴァイオリンを引き立たせています。
    CD8→ゲオルグ・ベンダのトリオ・ソナタとブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を収録しています。
    ベンダは1枚目のヘンデルと同じ組み合わせで、ダヴィッドの伴奏を手がけたヤンポルスキーのサポートと親子共演が聴きどころ。
    ブルッフはダヴィッドがロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を振った物で、3楽章がよく歌っている。
    CD9→バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番とヴィヴァルディの調和の霊感を収録。
    バルトークはゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、モスクワ・フィルハーモニー交響楽団による演奏だ。
    このバルトーク、オケとソロが申し分なく、旧ソ連の演奏家は凄かったんだなっと思わせる好演奏。
    ヴィヴァルディはダヴィッド・オイストラフが指揮とヴァイオリンを受け持ち、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団をバックに演奏したもの。
    これも親子共演を楽しみ演奏と言えるでしょうか。
    CD10→メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番を収録。
    どちらもフランツ・コンヴィチュニー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が伴奏しています。
    このBOXでコンヴィチュニーとの共演は多数ありますが、2枚目のバッハのような強烈さはなくこの中ではまだ普通の演奏でしょうか。
    とは言え歌うヴァイオリンや、しっかりとした伴奏等水準以上の演奏ですが。

    復刻は録音年代を考えれば悪いものは少なく、十分と言えます。
    ただ、一枚あたり平均で45分程とLP並みの収録時間なので、もう少し何か収録されていると良かった。

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     2021/11/09

    ヨハン・シュトラウス2世が書いた喜歌劇『メトゥザレムの王子』全曲盤です。
    名作こうもりを書き上げてから、ヴェネチアの一夜、ジプシー男爵が書かれるまでに作曲された喜歌劇の一つです。
    初演時は成功したものの、その後忘れられたというクラシック音楽によくある経緯を辿ったこの作品、幸いな事に劇中の曲から編まれた山賊のギャロップという曲が有名なので名前そのものはまだ知られていますが、全曲は知られておらずこのCDは今現在唯一の全曲現役盤として貴重なCDです。
    エルンスト・タイス指揮、ドレスデン州立オペレッタ劇場管弦楽団の演奏。
    CPOにはタイス&ドレスデン州立オペレッタの組み合わせで、ヨハン2世の知られざる喜歌劇を3作吹き込まれており、これはその一つ。
    タイスのメリハリあるタクトと劇場お抱えの歌手による演奏は、作品を初めて聴くにあたって全く問題ない水準です。
    また、ボーナスとして、グリガスとシュミットが歌った劇中歌2曲が収録されています。
    録音はデジタルなので、良好です。

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     2021/11/08

    このCDはポリドール原盤のドイツとオーストリアの行進曲を集めたアルバム。
    選曲的には有名な作品を集めており、ドイツ行進曲ファンなら知っていて当然というべきものばかりです。
    演奏者は4団体いており、アンドレ・リョウ指揮、ヨハン・シュトラウス・オーケストラ、オットー・エルナー指揮、ブラスムジークカンテン、ロベルト・シュトルツ指揮、グローセ・ガード・レジメンタルムジーク、ハンス・フリース少佐指揮、西ドイツ連邦陸軍装甲擲弾兵戦車師団第11軍楽隊ですが、大半はシュトルツとフリース少佐の音源です。
    シュトルツはウィンナ・ワルツの指揮者として有名ですが、当時の人気者という事もありこの手の吹奏楽団による行進曲を残しています。
    晩年の1970年代に録音されたこれらは録音用に集められたと思われるオケは人数はそこまで響かないが、中庸でシュトルツのウィンナ・ワルツで聴ける懐かしさがある。
    一方、フリース少佐の演奏は全盛期の第11軍楽隊の重厚なサウンド、卓越した技術力と圧倒的なパワーで聴く人を一瞬で行進曲の虜にさせる名演が続きます。
    録音は年代を考えれば普通ですが、このCD、実はコピープロテクトCD仕様です。
    いわゆるCCCDであり、ユニバーサル系が一部のアルバムで、試験的に導入した一枚です。
    残念な事に今の時点ではこのCDでしか復刻されてない音源もあり、非常にもどかしいところ。
    お勧めはしませんがどうしてもというなら買っても良いのではないでしょうか。

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     2021/11/07

    今やヨーロッパの代表的な音楽祭となったラ・フォルジュルネのナントでの実況ライヴ録音盤。
    デジパックに出演者の写真が載っているのみで、詳細は不明だが、おそらくコンサートのハイライト盤であろう。
    本演奏会は旅から生まれた音楽をテーマにしており、各国の民族的な音楽が集められたものとなっている。
    日本からは林英哲と英哲風雲の会による和太鼓のパフォーマンスで七星という曲が取り上げられている他、日中の演奏家によるこきりこ節も演奏されている。
    他は多少ソロ曲がある他は、オーケストラ曲か、オーケストラと独奏という組み合わせで、ネルソン・ゲルナーのピアノ、ドミトリ・フィラトフ指揮、シンフォニア・ヴァルソヴィアによるショパンのピアノ協奏曲第1番から第2楽章や、エンヘ指揮、ウラル・フィルハーモニー・ユース管弦楽団によるリムスキー=コルサコフ等があるが1番多く演奏しているのが、アレクサンドル・スラドコフスキー指揮、タタールスタン国立交響楽団である。
    スラドコフスキーとタタールスタン国立交響楽団はメロディアに入れたショスタコの録音が高い評価を得ているがこのコンサートでも高い水準の演奏を披露している。
    オケナンバーとソロ曲の伴奏両方で登場するのだが、伴奏に回った時はしっかりとしたサポートを、オケナンバーの時ははっきりと主張する。
    オケの技術も意外と高い水準である。
    アンコールに演奏されたと思われるアレクサンドル・チャイコフスキー(ボリス・チャイコフスキーの甥)が作曲した『ティムールの野営』という曲があるのだが、この曲、ハチャトゥリアン並みの濃さと現代的なエッセンスが入った隠れた傑作で、出だしからテンションが高いが、後半は金管が盛大に鳴り、打楽器が暴れ回るカッコいい作品で、このタタールスタン国立交響楽団の演奏もかつてのソ連オケを思わせるダイナミックさがあり、これだけでもお釣りが来る内容だ。
    ライヴ録音であるが音質は悪くない。

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     2021/11/06

    軍歌CDというと通常歌入りのCDが大半を占めるが、中には演奏のみのCDもある。
    このCDもそんな一つで、斉藤高順1等空佐指揮、航空自衛隊航空音楽隊の演奏で録音されたもの。
    戦前の陸海軍軍楽隊時代から軍楽隊による演奏のみの音源はいくつかあったが、戦後も本録音やコロムビアの海上自衛隊横須賀音楽隊などがある。
    このCDではまだ先の大戦の記憶新しい時期の録音のためか、楽譜は全て池多孝春の手によって編曲されている。
    編曲者は演歌・歌謡曲の編曲を多数手がけ、その分野で有名だが、ここでは軽音楽調で行進曲風の気軽に聴ける編曲となっている。
    とは言え『軍艦行進曲』『君が代行進曲』はほぼオリジナルと同様の編曲であるほか、『太平洋行進曲』は第1、第2マーチに太平洋行進曲のメロディを、トリオに唱歌『我は海の子』を取り入れた珍しいバージョンである。
    斉藤1佐と航空音楽隊の演奏は、とにかくメリハリと推進力が素晴らしい。
    低音をしっかりと効かせて、空の音楽隊らしく軽快に聴かせる。
    これは軍艦行進曲や君が代行進曲を聴けばよく分かるでしょう。
    このCDには何故か歌はないのに歌詞がライナーに載っている反面、録音情報等はない。
    オリジナルのLPはブラスバンドで綴る日本軍歌集というユニオン・レコードから発売された物が原盤と思われる。
    川口市民会館ホールで録音されたそのLPは、当時流行っていた4チャンネル録音、CD–4による録音を謳っており、実際録音からそれなりの年月が経過し、CDとなった今でも音は良い。

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     2021/11/05

    このCDはドイツ出身でアメリカで活躍したウィリアム・スタインバーグの音源を集めたアルバムです。
    ピンカス・スタインバーグの父親として有名ですが、ウィリアム自身は今まで小澤の前任としてボストン交響楽団の音楽監督であったとか、ピッツバーグ交響楽団の音楽監督を永く勤めたとか、音源はDGの惑星とツァラストラはこう語ったを別にすれば、伴奏ばかりと言う地味な指揮者でした。
    EMIがイコンシリーズでBOXを出しましたが現在廃盤、これが最も入手しやすいBOXです。
    このBOXは上記イコンシリーズに含まれていたキャピトル音源の大半と、エヴェレスト、コマンド、さらに放送録音を組み合わせたもので、1950〜1960年代の全盛期のウィリアムを知る事ができます。
    やはり地味な演奏が多く、どれも手堅いというイメージ通りの演奏も多いですが、時にグイグイと攻める演奏もあり、中々聴かせてくれます。
    大多数はピッツバーグ交響楽団の演奏ですが、意外と上手いです。
    その他は、後に音楽監督を務めるボストン交響楽団や、バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団との数少ない録音、イギリスのフィルハーモニア管弦楽団、生まれ故郷ケルンの、ケルン放送交響楽団と共演していますが、いずれもなかなかです。
    復刻は時期を考えたら充分と言えるでしょう。
    ただ、このメーカー、CDの作りが粗いのと、全て同じデザイン&ジャケットなので、どれが何枚目なのかわからない時があります。
    またイコンのBOXで収録されながらも漏れてしまった曲があるのも残念。
    今後、スタインバーグで、ここまでのセットが出るかは不明なので、興味がある人は早めの入手がおすすめです。
    尚、CDには解説書などは付いていません。

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     2021/11/04

    マルコポーロがかつてリリースしていたブリティッシュ・ライト・ミュージックシリーズ。
    これはその名前の通りイギリスの軽音楽作曲家の作品を集めた内容で軽く見られがちなこの分野の作品を見直す良いシリーズであった。
    ただ徐々に廃盤も増えてきたので今回のナクソスの移行は嬉しい所。
    シリーズ第一弾として選ばれた作曲家はリチャード・アディンセルである。
    アディンセルはどちらかというと映画音楽の作曲家であり、実際このCDの収録曲の大半が映画音楽である。
    第一弾から何だか、我々が想像するブリティッシュ・ライト・ミュージックとは違う気もするが、聴きやすい音楽と言う事で選ばれたのだろう。
    アディンセルといえばワルソー・コンチェルトが有名だが、本盤収録曲もその流れの曲が多く、メロディアスでリリカルなしっとりと聴かせる作品が続きます。
    演奏はケネス・オルウィン指揮、BBCコンサート管弦楽団。
    指揮のオルウィンといえばデッカのステレオ録音初期にチャイコフスキーの録音を入れた事で知られるマエストロ。
    何と2020年まで存命だったそうで1994年録音のこの盤は晩年のアルバムと言えるだろう。
    演奏も非常にしっかりとした演奏であり、聴いていて作品の魅力を存分に味わえる。
    録音も良好。

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     2021/11/03

    アゼルバイジャンの作曲家、アリフ・メリコフのバレエ音楽『愛の伝説』全曲盤です。
    演奏は、ワレリー・ゲルギエフ指揮、モスクワ放送交響楽団です。
    初めて聴いた作曲家の作品ですが、全編にこれぞアゼルバイジャンと言った様なエキゾチックな旋律が溢れており、大変聴きやすい作品です。
    ゲルギエフの演奏は西側のオケとは個人的に当たり外れの多い演奏が多い様に思いますが、この演奏では共感豊かに演奏しています。
    またモスクワ放送交響楽団も非常にパワフルで、オケの技量もなかなかです。
    CDはデジパック仕様。
    録音年はライナーには1968年と書いていますが、デジパックの裏にはシールで1988年録音と貼られてあり、ゲルギエフの生年や活動年から考えて、後者の1988年が正しいのでしょう。
    音質は良好です。
    ロシア音楽好きや、国民楽派の音楽が好きな人は注目の一枚です。

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     2021/11/02

    このCDはオーストリアの行進曲を集めたアルバムです。
    演奏は、ジークフリート・ゾンマ指揮、チロル・オリジナルカイザーイェーガームジーク。
    この楽団はオーストリア=ハンガリー帝国に存在した軍楽隊を現在に復活させたもので、1972年に本盤で指揮しているゾンマによって立ち上げられました。
    このCDには比較的珍しい行進曲が多く、知られているのは冒頭のフチーク『提督旗の旗の下に』ぐらいでしょうか。
    行進曲ファンは注目盤かも知れません。
    演奏は金管楽器が充実したオーストリア吹奏楽特有のサウンドが特徴で、メリハリある演奏を楽しめると思います。
    コッホのCDらしくライナーには曲目のみで詳しい解説はないですが、音は聴ける水準となっています。

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     2021/11/01

    ドイツ・グラモフォンが所有する音源より編まれたクラシック入門用アルバム。
    こどものクラシックというタイトルに合わせてか、有名な曲でも交響曲や協奏曲はなるべく避けられて、管弦楽や室内楽曲の有名な曲、それも一曲あたりおおよそ3〜5分で終わる曲を選曲している。
    演奏者はカラヤン&ベルリン・フィルや、クーベリック&ベルリン・フィル、ベーム&ウィーン・フィルなど有名な演奏家もいるが、意外とマイナーな演奏家も多い。
    特にリトアニア国立交響楽団とミンダウダス・ピエチャイティス、ギンタラース・リンカーヴィチューズの音源は他のCDは見かけないレアな音源。
    その他にはゲルハルト・ベッカー指揮するベルリン交響楽団や、エンメリヒ・スモラ指揮する南西ドイツ放送管弦楽団など知名度は低くとも良い演奏をする演奏家の音源が多数あり、クラシック入門用ながら意外とマニアも聴ける一枚と言えるのではないだろうか。
    録音年などの記載はないが、1960年代位から新しくて1980年代後半位と思われ、まぁとりあえず聴ける水準です。

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     2021/10/31

    ニコ・ドスタルの喜歌劇『王妃ネフェルティティ』の全曲盤である。
    この作品は過去に録音はあるようだが、近年では演奏・録音の稀な珍しい作品である。
    ドスタルといえば代表作、ハンガリーの結婚で題名通りのハンガリー色豊かな作風を聞かせましたが、ここではあまり民族色の豊かな旋律はなく、普通のウィンナ・オペレッタとなっています。
    後半には当時のポピュラー音楽の要素も取り入れられており、オペレッタとミュージカルの中間的な作品と言えます。
    旋律そのものは聴きやすいものの、印象に残るメロディはなく、永く上演がなかったのもわかります。
    本録音は2017年に久しぶりに上演された際に録音されたライヴ盤との事で、シュテファン・クリンゲーレ指揮、ライプツィヒ・ミュージカル・コメディ管弦楽団&合唱団による演奏。
    ただ、肝心の演奏も今一つで、作品を知る分には問題ない水準ですが、オペレッタらしい楽しさは歌唱も含めてあまり感じられません。
    録音はライヴですが、ほぼセッションのような感じ。
    基本的に、余程のファン向きの一枚と言えそうです。

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     2021/10/30

    1956年にハノーファーに生まれたアンドレアス・タルクマンというドイツの作曲家が書いた『3匹の子豚』とオッフェンバックの喜歌劇『にんじん王』を収録したアルバムである。
    タルクマンの3匹の子豚は有名なあの童話に、ナレーションと音楽を付けたもの。
    子供向きの作品らしく、印象的なメロディはないものの、非常に聴きやすい作風をしている。
    オッフェンバックのにんじん王は、作曲者が普仏戦争後、人気が落ちてしまった後新しい道を模索していた時期の作品で1872年に初演された物。
    夢幻オペレッタと言われる部類に入り、オッフェンバックのこの分野では最初の作品にあたる。
    1860年代までの軽く冗談の効いた音楽にプラス後のホフマン物語に通ずるロマンティックさもある作品。
    残念ながら今日では録音はもちろん、全曲上演も少なく、本盤はタルクマンが編曲した室内オーケストラ用のスコアだが、オッフェンバックのメロディには酔いしれるだろう。
    演奏はフィリップ・バッハ指揮、マイニンガー・ホーフカペレ。
    合唱はマイニンガー・カントレイ児童合唱団。
    初めて聴く演奏陣でしたが、どれも安定した安心して聴ける水準でした。
    録音も良好です。
    デジパック仕様です。

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