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0 people agree with this review 2025/04/14
ステンハンマルが作曲した演劇のための付随音楽が収められている。ロメオとジュリエットやお気に召すままはシェークスピア、夢の戯曲はスウェーデンの劇作家ストリンドベリの作品。当時の最先端の音楽と比較すると、真新しさはないかもしれないが、メロディーが明快で美しく、十二分に楽しめる。
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プーシキン死後100年(1937年)を記念して、ミハイル・ロンム脚本の下『スペードの女王』の映画製作が企画され、プロコフィエフはその音楽を担当することとなった。プロコフィエフはピアノスコアを完成させ、オーケストレーションをデルザノフスキーに依頼し、映画の撮影も何度かの中断を経つつ進行していたが、ソ連当局の方針転換により、映画製作時代が中止となり、プロコフィエフの音楽も破棄されてしまった(プロコフィエフはこのボツになってしまった音楽を交響曲第5番の第三楽章に再利用している)。この『スペードの女王』をイギリスの作曲家マイケル・バークリーがバレエ音楽として2008年に復活させ、さらにそれを彼自身が交響組曲として編みなおしたものが、このCDに収められている。チャイコフスキーの同名オペラのイメージのまま、この作品を聴いてしまうと作風の違いに驚かれる部分もあるかもしれないが、興味深い作品であることには間違いない。 オラトリオ『平和の守り』は、悪名高いジダーノフ批判により作風の転向を余儀なくされ、病気にも倒れるという、精神的にも肉体的もつらい時期の作品だが、純粋な作品としての評価が難しい。スターリン時代後期(特に戦後)の声楽作品において、戦争や平和、戦死者への哀悼をテーマにした作品は、往々にして歌詞の内容が『スターリン礼賛』になるのが定石だが、この作品も案の定その手のものである。この手の作品のもう一つのあるあるは、児童合唱が共産主義やスターリンをたたえる歌唱を担当していることであるが、サイモン・モリソンによると、当局からの批判を抑えるために、当初のヴァージョンより児童合唱のパートを増やしているというのだから、まったく恐れ入る。 このCDに収められている両作品とも、プロコフィエフの作品の中ではかなりマイナーな部類に入る。だが、プロコフィエフがスターリン時代の作曲家、という無視はできないが、さりとてショスタコーヴィチほど強調されるわけでもない事実を再認識する意味合いにおいて、この盤を手に取る価値はあると思う。 ヤルヴィの指揮は、このCDが22枚目のプロコフィエフということもあり、安定感があり、これら無名な作品の理解に一役買っている。
0 people agree with this review 2025/04/13
ドラーティ指揮のハンガリー狂詩曲は、同郷の後輩フィッシャーに匹敵する大名盤。第1番や第3番など知名度も人気もない作品の魅力を教えてくれる。録音も60年以上前にしては非常に良好。
ネーメヤルヴィの一連のプロコフィエフ録音からの1枚。 交響組曲『戦争と平和』はクリストファーパーマーが1988年に同名のオペラから、第2場、第1場、第13場の音楽をそれぞれ演奏会用の組曲に編んだもの。『戦争と平和』は、他のオペラ作品とは異なり、プロコフィエフ自身の手で演奏会用の交響組曲を編んでいない。これはプロコフィエフが、死の前年(1952年)まで当該作品を複数回改定していることも関係しているのだろう。プロコフィエフ自身の手により組曲に編まれていないのは、やや残念ではあるが、それでも十分鑑賞に堪えうる作品に仕上がっているといえる。 『夏の夜(デュエンナ(修道院での婚約)からの組曲)』については、プロコフィエフが自身のオペラを演奏会用の交響組曲に編みなおしたもの(1950年)。メロディーが美しく、オペラ Ver.を聴いたことがなかった人でも楽しめる作品。私個人は、この組曲をきっかけに同名のオペラを聴くようになった。 『ロシア序曲』は、文字通りロシアの音楽をモチーフに作曲された序曲。1937年にクーセヴィツキー指揮のボストン交響楽団で初演されたというから、当時のプロコフィエフの国際的な知名度がうかがえる。 こういった比較的知名度の低い作品の録音をヤルヴィ/フィルハーモニア管弦楽団という、著名指揮者と著名オーケストラのコンビが、残してくれたのは私のようなプロコフィエフファンにとっては非常にありがたい。特に交響組曲『戦争と平和』は、私の記憶が正しければこのCDしか選択肢がない。
0 people agree with this review 2025/04/12
ネーメヤルヴィの一連のプロコフィエフ録音からの一枚。同名のバレエからプロコフィエフ自身が演奏会用に編み直した交響組曲。あくまでもコンサートで演奏されることを前提としているため、原作バレエとは曲の順序が違ったり、アレンジが施されていたりする曲もあるが、純粋な交響組曲としては十二分に楽しめる。ネーメヤルヴィも聞かせどころを理解しており、録音も優秀なため、ロメオとジュリエット組曲(1-3)のファーストチョイスとしてお薦めできる。
0 people agree with this review 2025/04/10
ゲルギエフといえば、プロコフィエフを頻繁に取り上げる指揮者で、交響曲全集、ロメオとジュリエット、一連のオペラ録音をPhillipsに残しており、この盤にも期待していたが、スキタイ組曲であまりのテンポの遅さにのっけから躓き、その後のアレクサンドルネフスキーもイマイチ乗り切りれないまま終わってしまった。 スキタイ組曲は、ストラヴィンスキーの「春の祭典」の二番煎じとディアギレフに言われてボツになったバレエの草案がベースになっているのだから、もっと強烈なリズム感で原初的な情景表現すべきかと思うのだが、なぜこうもテンポを遅く設定したのだろうか。厳しい評価にせざるを得ない。
0 people agree with this review 2022/12/31
バルトークマニアが狂喜乱舞するような素晴らしい内容のBOXである。 バルトークマニアとしてはや15年、バルトークの作曲家としてのキャリアを理解するために、なんとかしてバルトークの全作品をバラのCDで集めようと躍起になっていたが、青年期の作品や民謡編曲作品(歌曲)は録音がないものがあり、半ば諦めの境地であった。 しかし、このボックスがリリースされたことで私の諦念は霧散してしまった。以前のフンガロトンによる全集に収録されていなかった少年~青年期の作品や、民謡を編曲した歌曲などをわざわざ(!)新録音して収録しているのである。バルトークというと「民謡の要素を研究・分析・脱構築し、自らの作曲様式に落とし込んだ」ということがよく言われるが、そこに至るまでには、民謡にただピアノ伴奏を付けた作品を作った、という途中のプロセスが存在したわけで、いきなり弦チェレのような作品には至っていないのである。 そのようなプロセスを理解するという点で、今回のBOXには非常に価値があると考える。
0 people agree with this review 2021/03/19
マルティノンのドビュッシーはやや録音が古いことを除けば、今でも充分に名盤の一つと言っていいと思う。やや硬めの響きがドビュッシーの音楽と相性がいいと感じる。「海」や「子供の領分」は決定版といって良い出来栄えであるし、「夜想曲」や「牧神の午後への前奏曲」も甘すぎなくて良い。マルティノンと多くの名盤を残したフランス国立放送管弦楽団のアンサンブルのレベルも高い。 ラヴェルはパリ管弦楽団との共演だが、あまり録音状態が良いとはいえず、「ラ・ヴァルス」などで金管を中心にブオーという音が聞こえたり、アンサンブルが怪しいところがちらほら。デュトワと比較してしまうとちょっと厳しい。なんならラヴェルの作品集もフランス国立放送管弦楽団と録音してほしかった。
1 people agree with this review 2021/03/19
メンデルスゾーンの交響曲を聴いて、全集にも興味を持つようになられた方には、こちらのドホナーニ/WPによる全集をお勧めする。ドホナーニのメンデルスゾーンというと意外に思われる方もおられるしれないが、このデッカ盤以外にクリーヴランド管弦楽団とも何枚かCDをリリースしており、ドホナーニの得意とするレパートリー。ウィーンフィルの演奏するメンデルスゾーンというのもほとんど聞かない組み合わせだが、意外や意外、やたらあるマーラーやらブルックナーやらの録音よりずっと良くて、もっとCDがあってもいいと思えるぐらいの出来なのだ。カップリングの序曲「静かな海と楽しい航海」やカンタータ「ヴァルプルギスの夜」は録音自体が珍しく、それらの曲の決定盤といって差し支えないだろう。
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2 people agree with this review 2021/03/18
フランス近代音楽のマニアにはすっかりおなじみの指揮者、ジャック・メルシェがRCAに残した録音がボックスとしてまとまった形で出た。すでに廃盤で入手が困難になってしまったものが大半で、再販の可能性も低いのでフランス近代音楽マニアの方は購入を強くお勧めする。 収録楽曲について一言で表すなら玉石混交である。フローラン・シュミットの映画音楽「サランボー」や、サン=サーンスの声楽作品集は演奏もよくかなり当たりであるといえる。一方で、ブリュノーの「レクイエム」やオラトリオは保守的過ぎて正直面白い音楽とは言えない。
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0 people agree with this review 2021/03/18
シューベルト演奏の第一人者、ブレンデルによる2つの即興曲は、決定版と言って差し支えないだろう。ケンプやシフをはじめ、シューベルトの即興曲を録音しているピアニストは数多いが、ここまで透明感あふれ、歌心に満ちている演奏は録音から50年近くが経過した今でも見当たらない。
フランスの作曲家ガブリエル・ピエルネの珍しい作品が収められたディスク。この盤に収めらている「バスク風幻想曲」と「イゼーイ(日本語表記はこれで合っているのだろうか?)」は世界初録音だそう。 「ミュージックホールの印象」は、ミュージックホールとサーカスのファンであったピエルネが音楽でそれらを表現しようとしたもの。冒頭の軽薄な響きに不安になったが、曲を追うごとに単なるミュージックホールの音楽的描写には終わっていない作品であると感じるようになった。 「ヴァイオリンのためのバスク風幻想曲」は、名ヴァイオリニスト、ジャック・ティボーに献呈されたされた作品。スペインとの国境地帯に近いバスク地方の民謡は、スペイン情緒の音楽に多く用いられており、ピエルネも1908年に劇音楽「ラムンチョ」においてバスク地方の民謡を数多く用いている。異国情緒満載の音楽だが、オリジナリティに欠けているのは否めない。 「イゼーイ」も紀元前6世紀のインドを舞台にした作品で、当時の異国趣味の流行を反映しているといえる作品。グロッケンシュピールがオリエンタルな雰囲気をうまく描写している。この盤の中で一番のおすすめ。 マルティノンの録音がある「牧歌風の主題によるディヴェルティスマン」も、牧歌風、というタイトルがついているように全体的に穏やかな作品である。 演奏も録音もよいが、これが初めてピエルネを聞く人にお勧めできるかというと正直微妙なところで、やはりマルティノンやシャンドスから出ている管弦楽曲シリーズあたりが一番良いのではないだろうか。
1 people agree with this review 2021/03/18
CPOレーベルはバロック期の北ドイツに花ひらいたオルガン楽派の紹介にも熱心で、今まで耳に触れる機会の少なかった作曲家のオルガン作品集を積極的にリリースしている。リューネブルクで活躍した作曲家ゲオルグ・ベームのオルガン全集もその一つ。チューリンゲン地方に生まれたベームは1698年にリューネブルクの聖ヨハニス教会のオルガニストのポストを得、1733年に亡くなるまでその任にあった。若かりし頃のバッハがリューネブルクのベームを訪ね、当地の学校に通いながらベームに教えを乞うていたという。 そのバッハと比較するとベームのオルガン曲は、肩を張らずに聴くことができ疲れない。フランメによる演奏も歴史的オルガンを使っているだけあって、当時の響きを再現できているように感じられる。録音も良好でまるで、ドイツの教会でベームの作品を聴いているような気分にさせてくれる。
のだめカンタービレの劇中で使用されて有名になったチェコ組曲など、ドヴォルジャークの比較的マイナーな管弦楽曲を収録したアルバム。 チェコ組曲は、スラヴ舞曲集の完成から一年後に作曲された作品で、フリアントやソウセツカーなど舞曲の名前がタイトルにつけられている。もともとの曲の弦の美しさとドラティの指揮の特徴といえる躍動感があふれるリズム感がうまく調和しているように思う。 プラハワルツは、シュトラウスのウィンナワルツと比べてやや重い感じがしなくもないが、その分安っぽくなくて飽きが来ない作品であるといえる。 アメリカ組曲は、もともとはピアノ曲でドヴォルジャークがアメリカに滞在中、現地の音楽にインスピレーションを受けて作曲したものだが、どちらかというとアメリカというよりボヘミアの響きが感じられるような気がする。演奏はチェコ組曲同様リズム感があって、弦楽・木管楽器の奏でる音も美しい。
ネーメ・ヤルヴィの一連のプロコフィエフ録音からの一枚。「キージェ中尉」組曲は同名の映画音楽を再構築し組曲に編み直したもの。金管楽器の音も通常のヤルヴィよりは抑えめで、バランスの取れた好演奏。 初期の作品「秋のスケッチ」も面白い。物悲しげな旋律は、北国の短い夏が終わってしまった寂しさを示唆しているかのようである。 最晩年の傑作だが録音に恵まれない「石の花」は、プロコフィエフが病気やらジダーノフ批判やらで精神的にも肉体的にも辛い時期に書かれた作品。プロコフィエフの凄いところは、このようなロシア民話を題材にしたエキゾティックな作品においても、音楽が決してただ民謡を編曲しただけの安っぽい音楽に成り下がらないところにある。ヤルヴィの演奏も聴かせどころを抑えてこの隠れた傑作の魅力を引き出している。
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