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Review List of tasuke 

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  • 1 people agree with this review
     2013/01/13

    彼らを庇護していたとも言えるブルー・ホライズン・レーベルから離れて制作された3枚目のオリジナル。ジェレミー・スペンサーは参加していません。おそらくブルーズ・ロックの退潮と相まって、彼らの欲求がブルーズから離れ始めたことが原因だと思います。ダニー・カーワンは、この作品で主張し始めたと言っていいです。彼の作曲は、ブルーズに根差しながら美しいメロディを伴ったもの。また、意外に重たいギターを演奏します。

    対するピーター・グリーンの曲には、乾いた感触をもった曲が目立ちます。3. Show-biz blues は、技巧を駆使したブルーズ曲で、土臭い南部の香りがします。5. Underway は、ヘンドリクスのようなインストルメンタル。6. Oh wellには、アコースティック・ギターを激しくかき鳴らす冒頭部から惹きつけられます。冒頭のエレクトリック・ギターは、カーワン。ウエスタンのサウンドトラックのような荒涼とした中間部を経てグリーンの美しいアルペジオで終わります。8. Rattlesnake shakeは、マック史上最も重いヘビーロック。この頃のライブを聴くと、かなり激しく重い演奏をしています。グリーンは徐々に攻撃的な音を指向していたのだと思います。

    緊張感は、マックの作品中一番だと思います。

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     2013/01/13

    わずか10曲、24分の録音です。これは66年にキャンド・ヒート結成前のメンバーが、ジョニー・オーティスの計らいでスタジオ・レコーディングしたもの。ほとんどが有名曲のカバーでありますが、まだ初々しかった彼らの貴重な記録であります。ドラムズがフランク・クック、ベースがステュアート・ブロットマンという人です。それ以外のボブ・ハイト、アラン・ウィルスン、ヘンリー・ヴェスティンが結成時メンバーになります。この3人はブルーズ・レコードのコレクターとして有名だったものの、この録音の段階ではまだアマチュアです。ヴィスティンのギターもたどたどしいところがあります。アランのボーカルはなく、そこは残念ですが白熱するハープは聴くことができます。

    7.Dimples は、後日「フッカー・アンド・ヒート」でI Got My Eyes On Youとして演奏する曲。8.Can’t Hold on Much Longer はエルモア・ジェイムズ・スタイルのヘビー曲。9.Straight Aheadも、スタンダードの歌詞を入れ替えたような曲でオリジナリティはありません。このメンバーが、カバー曲を繰り返し演奏しているうちに、どっしりした独特のリズムと際立つ演奏力を獲得していくわけです。不思議であります。

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     2013/01/13

    タイトルやジャケットに込められた決意が作風にそのまま表れています。70年代後半に、シンガー・ソング・ライターあるいは、アダルト・オリエンテッド・ロックがひとつの流行になり、彼はその中心と目されるようになります。AORとは、リズムだけロックのものを使い、アレンジに高級感をまぶした、結局は使い捨て音楽なのでありますが、フランプトンの音楽性はもっと複雑なものです。アコースティック。ギター主体の曲でも、さりげなく彼はブリティッシュ・ビートの香りを匂わせています。それは歪んだギターであったり、60年代風のエレピであったり、コーラスであったりするわけです。しかし地味と言えば地味。どうもハードな音楽をハードなまま提示することにフランプトンは疲れていたのではないでしょうか。

    実にいいアルバムです。自分の甘さ、屈託のなさを判っていて、それを無理なくわたしたちに届けてくれます。

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     2013/01/13

    心を打たれる。言葉がない。…これが正直な気持ちです。彼らの特異なところは、自分たちのソフトを全てウェブに公開してしまっているところ。それらの動画、ステージの様子を見ただけで涙がにじんでしまいました。ステージで演出らしい演出は何もありません。ただ必死に演奏しているだけです。バスドラムを兼任しているため、曲の佳境では足に重心がかかって前のめりになってギターをかき鳴らすマーカス・マムフォード。バンジョーのためにストロークでなく、指を超絶的に速く動かすことでパッションを表現するウィンストン・マーシャル。パートがないときでもウッド・ベースを揺すってマムフォードに同調しているテッド・ドゥウェイン。体全体でノリを表現しながらオーディエンスの目をまっすぐ見続けているキーボードのベン・ロヴェット。

    一所懸命であることは、これほど人の心を打つのか。聴くと、彼らの音楽は全て合奏すること、合唱することを目的につくられている気がします。彼らの根差すトラッド、アコーティックな音楽は、ここ数十年ポピュラー音楽界でかえりみられなかった音。力強いメロディラインは、ダサい、という言葉と表裏一体かもしれません。しかし、決定的に何かが違う。それがよく分からないまま、ヘビーローテーションで我が家に鳴り響いています。

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     2013/01/08

    「Topanga Corral」とタイトルにありますが、実際は1969年ハリウッドの「Kaleidoscope」というクラブハウスで録音されたもの。「Live at the Kaleidoscope 1969 」と同一録音です。グループ側がライブ盤制作を画策したものの、レーベル側からOKがおりなかったため、ヒートのデビュー前の音源であるとしてブートレグで出されていたいわくがあります。現在はオフィシャルのカタログにもきちんと登載されております。音は素晴らしく、何より勢いがあった頃のヒートの長い演奏を聴けることがよろしいです。


    ほとんどがカバー曲。スタジオ録音ではなかなか聞けない、ヘンリー・ヴェスティンのギター、アラン・ウィルソンのギター、ハープのアドリブがクリアに楽しめます。ヒートはライブになると、とてもヘビーな演奏をするグループだったことが判ります。

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     2013/01/08

    サボイ・ブラウン、チキン・シャックの演奏もライブになるとブルーズ・ロックからはみ出してとてもヘビーな演奏になることがあります。しかし、スタジオ録音とライブの落差が最も激しいのがフリートウッド・マックでしょう。この頃のマックには、ピーター・グリーン、ジェレミー・スペンサー、ダニー・カーワンの3枚看板ギタリストがおりました。ライブでトリプル・ギターになることはほとんどなく、たいがい(1)グリーンがメインでカーワンがサブ(2)スペンサーがメイン(3)カーワンがメインでグリーンがサポート、の三種類のリード形態をとっていたようです。この作品の中で聴くべきところは、数々ありまして、特に24分以上も続く Rattlesnake Shake での、グリーン、カーワンの演奏が最大の見せ場かと思います。カーワンのギターもなかなかで、グリーンの挑発に対してひらめいた短いソロを決めている場面が多いです。

    最後のEncore Jamには、ジョー・ウォルシュ、エリック・クラプトンまで参加しています。複数のギタリストが、アドリブを応酬し合う様は、この時代にしか考えられません。それぞろのソロを誰が弾いているのか思い描くことも楽しいです。もともとライブ・アルバムとして仕上げる前提の録音でしたので、音は申し分ありません。 現在、70年2月5日から7日、ボストン三公演のCDは、3枚別々で出されています。手に入りにくかったので、ダイジェストとは言え、この2枚組のコストパフォーマンスを選びました。

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     2013/01/08

    英国ヘビーロックを追究しているユーザーであればアトミック・ルースターを避けては通れません。わたしは70年代に彼らの音に接する機会がなく、CDで手に入るようになって彼らの全体像がわかるようになりました。カール・パーマー在籍と枕詞で語られることが多いです。…が、このグループの本領は、パーマー脱退の失意から這い上がったこの作品以降にあります。Death Walks Behind You の地べたを這うような重さ、不気味さは、ブラック・サバス、ユーライア・ヒープと同じ匂いがあって、わくわくします。サウンドで大きな役割を果たすのは、ジャズ、クラシックにルーツを持つヴィンセント・クレインのオルガンとピアノ。しかし、この作品が名作になっているのは、ジョン・カンの乱暴なギター、ポール・ハモンドの巧みなドラムズが加わったことからです。

    ただヘビーであるだけでなく、大変聴きやすいことも彼らの特長です。重いリフの執拗な繰り返しとメンバーのソロもいいバランスです。この頃の英国ではオルガン・ハードとしてかなりの人気を誇っていました。残っている映像を見ると、カンやクレインの乱暴な演奏に合わせ、大勢の女の子がふらふら踊っていたりして、すごい時代だったことが伺われます。ベースは、クレインがオルガンの重低音やペダルを弾いて代用しています。2. Vug、8. Gershatzer では爆発的なソロ合戦があります。

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     2013/01/08

    改めて考えると(考えるまでもないのでしょうが…)トラフィックの中でスティーブ・ウインウッドの役割のすさまじさは、他のグループに例を見ません。エレクトリック・ギター、キーボード、ベース、リードボーカルを全てこなしているわけですから。つまりドラムズ以外は全部彼がやっているわけです。一方のデイブ・メイスンは、アコースティック・ギターだけ(ウインウッドの曲のベースぐらいはやっているでしょうけれど)。しかし、後日のウインウッド・ワンマンという雰囲気はなく、グループとしての緊張感をいちばん感じさせるのが、このファースト作です。

    「サージェント・ペパーズ」「セル・アウト」「オグデンス・ナット・ゴーン・フレーク」「サタニック・マジェスティーズ」…いかに米国西海岸文化の波しぶきが大きかったか。ところが、英国グループの足腰の強さはここにあって、これらの作品がいずれも普遍性を失っていません。トラフィックのファースト作もまさに時代を超える魅力があります。西海岸の影響を抜いてしまうと、支配しているのは独特の倦怠感。タイトル曲のボーカル、ギターソロはこの時代にしか出せない味を出しています。曲想はまちまちでありますが、どの曲も(メイスン作も含んで)耳に残りますし、深みがあって飽きが来ません。

    ところで、自由人デイブ・メイスンのことをウインウッドはどう感じていたのだろう、と思います。この作品が成立しているのは、ルーツ音楽に対するウインウッドの耳の良さと共に、メイスンが異分子としてメンバーにいたからです。実に不思議な後味を残す作品でもあります。あと、ジム・キャパルディは…本当に上手いですね。

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     2013/01/08

    実に英国らしく、さらに言うと、初期のドラマチックさは演歌的でもあるので日本人好みだなあ、と思います。わたしの知る範囲で、このグループの悪口を言う人は皆無です。その演歌的な世界が後退し小粒な印象を受ける作品がこれ。でも、今となっては「アーガス」みたいなアルバムが何作も作れるはずがなく、この作品のほうが彼らの本質ではなかったのか、という気がしています。ウイッシュボーン・アッシュの音は、ブルーズとの距離の取り方に絶妙さがあると思っています。ギターソロなどはブルーズそのものなんですが、英国フォークやカントリーからも彼らは影響を受けていて、けして暑苦しくなりません。特にこの作品では、終始クールな印象を受けます。

    ベースにハードネスがあるものの、彼らはハードロックをやりません。もうちょっと激しく演奏してくれてもいいのにな、と思いつつ、腹八分目を楽しむ心の余裕が必要です。わたしは、その中庸さが最も出ている曲が1. So Many Things To Say ではないのかと思っています。

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     2012/12/15

    フリーのユーザー気質に誠実というか、発売12年後の今でも品切れになっていないボックスセットです。5枚は、未発表録音や別ミックス、未発表ライブなどの貴重な音源で緻密に構成され、けして多くないフリー作品のオルタナティブ・テイクがほぼ全曲にわたって味わえるようになっています。別ミックスを聴いて思うのが、決定ミックスがけしてバランスのよいミックスを採用した、と言えないこと。曲によってはバランスより、インパクトやワイルドさを追究していたのだ、と気づかされます。

    2002年にフリーの個々のアルバムは、全てリマスターされ、さらに未発表のミックス、BBCセッションなどが追加されました。それらのアルバム収録のアディショナル・トラックとほとんど重複していません。アルバムを全部持っていたとしても。このボックスを持つべきだと言われる所以です。

    DISC 1
    01 Over the Green Hills [A New Stereo Mix] オリジナル・ミックスでは、パート1と2に分けられ、フェイド・アウトしてWorryにつながっていたもの。これをもともとの1曲に戻したミックス。
    02 Walk in My Shadow [Alternative Stereo Mix] 変化があるのが、ボーカルの残響でしょうか。違いがよくわかりません。
    03 Wild Indian Woman [A New Stereo Mix] オリジナル・ミックスにある右chの強迫的なリズム・ギターが差し替わり、ギター、ピアノのパートが加わっています。
    04 Guy Stevens Blues プロデューサー、ガイ・スティーブンスの名を冠したブルーズ・ジャム。オルガンは、デリバリーのスティーブ・ミラー。ミックス違いが、「Tons Of Sobs」のアディショナル・トラックにあります。
    05 Visions Of Hell 同じくファースト・アルバム制作時のスタジオ・セッション。少し凡庸なバラードですが。アンディ・フレーザーの演奏はさすがです。
    06 I’m a Mover [Unused 7” Mono Mix] [Mono Version] I’ll Be Creepin’のシングルB面として検討されていたもの。
    07 Moonshine [Alternative Stereo Mix] これは、違いがあまりよく分かりませんでした。
    08 Woman by the Sea ファースト・アルバム用セッションの未発表曲(というより、「Remember」の原型ととらえるべきもの)。「Tons Of Sobs」のアディショナル・トラックは、ここからキーボードを抜いたミックス。
    09 Free Me この曲は、ファースト・アルバム用に準備された曲だったわけです。「Free」のテイクより、アップテンポのシャッフル・リズムで、ハモンドが使われていますし、コゾフのソロも目立っています。
    10 Long Tall Sally かなりラフでワイルドなセッションで、カッコいいです。彼らもこんな曲をやっていたんですね。あっという間に終わりますが…。
    11 Broad Daylight [Original 7” Mono Mix]  「Free」同曲のモノラル・バージョン。このバージョンを聴くまで、女声コーラスが入っていたことに気づきませんでした。
    12 Worm [Original 7” B-Side]  「Broad Daylight 」のB面でモノラル録音。「Free」のアディショナル・トラックと同じ。
    13 Trouble on Double Time 発掘されたテイクを初めてミックスしたもの。「Free」の同曲とは全然印象が違う重いハードロックです。
    14 Spring Dawn 未発表。アコースティックなバラード、ドラムレスです。
    15 I’ll Be Creepin’ ファースト・テイク。ボーカルがダブル・トラックになる箇所があります。ギターは、オリジナルの方がソリッドですが、こちらも味があります。
    16 Sugar For Mr.Morrison [A New Stereo Mix] シングルではモノラルだったものをステレオにミックス直し。
    17 Songs Of Yesterday [A New Stereo Mix] オリジナル・バージョンのミックス直し。ギターが差し替えで、ロビン・トロワーのようなトーンになっています。
    18 Woman ファースト・テイク。ロジャーズのボーカルはかなりフェイクが入っていますし、コゾフのソロも全然違います。
    19 Mourning Sad Morning [Alternative Stereo Mix] クリス・ウッドのフルートが違うバージョン。「Free」の現行盤には、かなり多くの曲の別テイクが収められています。いちばん充実していた創作期間だったことを物語ります。
    20 Fire and Water [Alternative Stereo Mix] ボーカル、ギターが違うほか指鳴らし音が入っています。最後のドラムズはフェイド・アウトしません。オリジナル・テイクはかなりギターのオーバーダブを施されていることがわかります。

    DISC 2
    01 All Right Now アカペラから始まり、全体的にラフでカントリー・フレーバーあふれるテイク。
    02 Oh I Wept [A New Stereo Mix] ボーカルを引き立てたミックス。その分、オリジナル・テイクのスネアの残響が弱くなっている気がしますが、オリジナル・テイクを聞き直すとドラムズの音のバランスが全体から逸脱していることがわかります。
    03 Remember [A New Stereo Mix] オリジナル・テイクではオーバードライブ気味だったギターとベースが補正してあり、すっきりしたミックス。ギターソロの残響もありません。オリジナルでピアノを使っていた部分をギターに。
    04 Don’t Say you Love Me [New Stereo Mix] オブリガート風なコーラスが入ります。ピアノ差し替え。オリジナルがフェード・アウトのところを歌い切ります。
    05 Stealer [Full Version] シングル用ミックスのフェイド・アウトなしフルバージョン。アルバム用ミックスに、ギターがところどころ加えられています。何より、鬼気迫るコゾフのソロ、アンディの演奏が最後まで聴けるのがうれしいです。
    06 Highway Song [Alternative Stereo Mix] ちょっと、どこに変化があるのかわかりません。
    07 On My Way [Alternative Stereo Mix] 2:00あたりから、オリジナル・テイクにない高い音のギターが加わります。
    08 Sunny Day [A New Stereo Mix] [Different Vocals] とてもゴスペル色の強い曲。メロトロンが入ります。
    09 Ride on a Pony [Alternative Stereo Mix] オリジナルのピアノは、このテイクより目立っています。最初から最後まで同じリズム・パターンなのに、ぐいぐい聴かせる芸当はこのバンドしかできないと思いますね。
    10 Love You So [A New Stereo Mix] [Alternate Vocals] 「Highway」収録曲は、ゴスペル調の曲が多く、ピアノの果たす役割が大きいんですが、アンディ・フレーザーの才能の大きさを感じます。
    11 Soon I Will Be Gone 異なるテイクです。まずはロジャーズの咳から。マカロニ・ウエスタンのテーマにしたら、盛り上がるだろうな、と以前から思っています。スケールの大きな曲です。こちらのテイクは、メロトロン抜き、アコギのカッティングで盛り上げ、カークのドラミングで落とします。アンディのアレンジ力には、ううむとうなってしまいます。
    12 My Brother Jake [A New Stereo Mix] 「Highway」収録のモノラル録音のステレオ・ミックス。ピアノの低音とぶつからないように、ベースをシンプルにしているのがわかります。最後に拍手が入ります。
    13 Makin’ Love (Only My Soul) 「My Brother Jake 」のB面曲。初期のテイクとのことですが、デモと言ったほうがよくて、やり直したりしています。アコギでリズムをとっているのはロジャーズでしょうか。
    14 Rain 未発表曲。「Highway」のアディショナル・トラックに別ミックスが収録されています。
    15 Get Where I Belong 別テイクです。「Free Live」のアディショナル・トラックと同じもの。
    16 Only My Soul [Original 7” B-Side] モノラル録音。「Highway」アディショナル・トラックと一緒だと思います。
    17 Travelling Man [Alternative Stereo Mix] コンプリート・ミックスだそうです。カウントから入っていますし、フェイド・アウトしません。
    18 Molten Gold ポール・コゾフのファースト・アルバム収録の別ミックス。「Back Street Crawler」バージョンからギターのオーバーダブとジェス・ローデンのコーラス、ラビットのキーボードを除いたミックス。「At Last」に収録されたミックスは、フェイド・インから始まります。

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     2012/11/09

    前作「トロバドール」もスピード感のあるアルバムでしたが、この作品もドライブに最適だと思います。スピード感と言いましても、ディープ・パープルやドゥービーを間違っても想像しないでください。1.Thirteen Daysからして、シャッフル・リズムに奔放なギターがからみ、もう満足満足です。3.I’ll Make Love To You Anytime は、たんたんとしたロカビリーで、2本のリズム・ギターがディレイしながらケールの歌を追いかけます。クライマックスで聞けるヘビーなブルーズ・ギターがまた素晴らしい。5.Too Much For Meもケールの味わいある演奏が聞ける曲。ギターを知り尽くしているのか、当てずっぽうなのか、同じ音色のギターが出てこないところがこの人の特長です。7.Fridayは、たんたんとしたリズムを刻むベースの上を、細かいソロが出てきたり消えたり。土けむりを上げるハイウェイの映像が浮かびます。

    79年と言えば、英国米国とも音楽が急激に変化していたはず。ポピュラー音楽界のことなんかに全く動じず3年のブランクも感じさせず…。自分のいいと思う音楽のこと以外は全く興味がない。さすがの貫禄です。世の中で、ドライブ音楽にもおやすみ音楽にもなってしまう音は、ケール氏ぐらいではないでしょうか。

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     2012/10/07

    オリジナル・マスターからのリマスター。この4作めでは、ドラマーがジョン・ウェザーズに代わり、精密機械のような彼らの音楽に野性味が加わった印象です。以後のジェントル・ジャイアント(以下GG)のスタイルを決めてしまった作品ですし、米国、ヨーロッパにおける絶大な人気を確立した作品です。

    1. The Advent Of Panurge は、セカンド「アクワイアリング・ザ・テイスト」の1. Pantagruel’s Nativity の続編。巨人パンタグリュエルが、生涯の友であり、家臣となるパニュルジュと出会う物語の曲です。2. Raconteur Troubadour は中世の吟遊詩人たちのことをテーマにし、バイオリン、タンブリンなどを使った室内楽。ドラムズはバスドラしか演奏していません。3. A Cry For Everyone は、カミュの文学からインスパイアされたと解説されているヘビーロック。4. Knots は英国の精神分析学者R.D.レインの「結ぼれ」からの引用。見事な四人アカペラです。明るさを感じさせないのは、内容が適応障害による混乱を歌っているものだからでしょう。5. The Boys In The Band は、GGらしい激しい展開を見せるアンサンブルで、ドラムズの迫力が只者ではないです。GGのメンバーは犬好きなのでしょう。6. Dog’s Life はちょっと切なくなるぐらい犬のけなげさをテーマにした曲。続く7. Think Of Me With Kindness は、GGでは珍しい劇的な曲調をもつバラード。8. River は、ウェザーズのゆったりしたリズムの上を、これでもかとばかり電子エフェクトの飛び交う曲。テーマにしている、重力に従い変幻自在に流れる水の流れは、彼らのスタイルを象徴させているのかも知れません。ボーナス・トラックは、収録曲のメドレーをライブで。

    アルバム・タイトルの「オクトパス」は、趣向の異なる8曲のことをさしていると思いますが、わたしにはジョン・ウェザーズの八面六臂の活躍のことを表現している気がしてなりません。

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