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TOP > My page > Review List of 不律
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0 people agree with this review 2025/12/17
松岡井菜(せいな)はウィーン交響楽団第3コンサートマスターに就任したばかり、木口雄人もソロや室内楽やさまざまな組み合わせのデューで国内外の舞台に姿を見せている。松岡の強い希望により、2018年に結成されたフレッシュなデュオ。 この録音は、ポーランド音楽国際コンクール1位の「後付け」の副賞として実現しAccord(名録音多数の地元レーベル)が制作した。2人ともアンサンブル力が高く、音色も多彩で、聴きなれない曲を飽きずに聴かせきる。古典的なエルスネル、フランスの香りがするタンスマン、不思議な浮遊感のあるマギン、そしてポーランドの魂を体現した佳曲と呼べるパデレフスキ。多くの人に手に取っていただきたい。
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0 people agree with this review 2024/02/13
濱田滋郎氏をして「卓抜な詩的感性、そして哲学的叡智を具えた芸術家」と言わしめた北村朋幹は、百花繚乱の様相を呈する日本の若手ピアニストのなかでも群を抜く存在。 彼の恐ろしいところは、「北村朋幹らしさ」というのがその演奏スタイルの中にあるのではなく、自身が向き合う楽譜の中に感じ撮った「この音楽のあるべき姿」に向かって、ピアノの音も己の存在すらも解体して、可変的に整えてゆく点にある。そして、子供の頃から通い詰めた図書館の楽譜や音楽に関する書籍を読み込むことによって蓄積した楽曲の知識は、他人の演奏を参考にするのではなく、楽譜に記された音符の命じるままに、あたかも今生まれた作品のように音楽を構築する。 もちろん、プリペアドピアノのためのソナタとインターリュードを演奏するにあたっても、その姿勢は不変だ。彼は愛聴していた高橋悠治の録音からいったん離れ、ケージがプリペアドピアノの使用するに至った背景やケージという作曲家が誕生するまでの音楽史の文脈を克明にたどりながら、無機的な「ゲンダイオンガク」ではない血の通った、ロマンティックと呼んでも支障ないような、芳醇な空気を醸し出す。 カップリングにグリーグを混ぜ込むのも北村独特の機知によるものであって、決して唐突な判断ではない。 このピアニストの行く末をじっくり見守り、味わっていきたい。
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