SACD

Cage Sonata & Interlude, Grieg Klokkeklang : Tomoki Kitamura(P)(Hybrid)

Cage, John (1912-1992)

User Review :5.0
(1)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
FOCD9850
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
SACD
Other
:
Hybrid Disc

Product Description


JOHN CAGE/北村朋幹

3楽章からなる『4’33”』 (1952) で、「聴かれるべき沈黙」を提起したジョン・ケージ。これに先立ち、1938年にはダンス音楽のためにプリペアド・ピアノを考案します。
 この「楽器」のために1946〜48年に作曲した『ソナタとインターリュード』は、ケージの音楽のなかで最も力動感に溢れ、また極めて繊細な音響空間を構築した傑作です。北村朋幹の演奏とプリパレーションは、 1956年製造のスタインウェイを「色彩楽器」へ変身させ、連続する5度の響きによる「鐘」は、作曲家の夢を密やかに呼び覚まします。
 ケージはピアノ学習時期にグリーグに熱中し、その作品演奏のみに一生を捧げることを夢見ていたのです。
 鍵盤作品CD史上、特筆すべき作品の登場!!(メーカー資料より)

【収録情報】
● ケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード
● グリーグ:鐘の音 Op.54-6(抒情小曲集 第5集より)


 北村朋幹(ピアノ)

 録音時期:2021年2月2-4日
 録音場所:埼玉県、所沢市民文化センター ミューズ キューブホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO

【北村朋幹 Tomoki Kitamura】
1991年愛知県生まれ。3歳よりピアノを始め、浜松国際ピアノコンクール第3位(2006)、シドニー国際ピアノコンクール第5位ならびに3つの特別賞(2008)、リーズ国際ピアノコンクール第5位(2015)、ボン・テレコム・ベートーヴェン国際ピアノコンクール第2位(2017)など受賞。
 2005年、第3回東京音楽コンクールにおいて第1位(2位なし)ならびに審査員大賞(全部門共通)受賞、以来日本国内、ドイツをはじめとするヨーロッパ各地で、オーケストラの定期演奏会への出演、ソロリサイタル、室内楽、また古楽器による演奏活動を定期的に行い、その演奏は「類稀なる時間の感覚。まるで素晴らしい指揮者によるオーケストラの演奏を聴いているよう(パヴェル・ギリロフ)」「卓抜な詩的感性、そして哲学的叡智を具えた芸術家(濱田滋郎)」などと評されている。
 2020年9月、東京オペラシティ主催「B→C:バッハからコンテンポラリーへ」における、4台の鍵盤楽器を用いた、ケージの作品を中心としたプログラムによる画期的なリサイタルは「我が国のピアノ演奏史において重要な一夜と言っても過言ではない(伊藤制子)」と高く評価された。
 2019年からは「Real-time」と題した自身のリサイタル企画を展開している。
 録音は「遙かなる恋人に寄す―シューマン「幻想曲」からの展望―」(2011)、「夜の肖像」(2014)、「黄昏に-ブラームス/リスト/ベルク作品集 」(2016)、「Bagatellen」(2019) がそれぞれフォンテックから発売され、レコード芸術をはじめとする主要紙において好評を得ている。
 愛知県立明和高等学校音楽科を経て東京藝術大学に入学、2011年よりベルリン芸術大学ピアノ科で学び最優秀の成績で卒業。これまでに伊藤恵、Ewa Pob?ocka、Rainer Beckerの各氏に師事。現在はフランクフルト音楽・舞台芸術大学に於いてJesper Christensen氏のもと、歴史的奏法の研究に取り組んでいる。(メーカー資料より)

Track List   

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 濱田滋郎氏をして「卓抜な詩的感性、そし...

投稿日:2024/02/13 (火)

 濱田滋郎氏をして「卓抜な詩的感性、そして哲学的叡智を具えた芸術家」と言わしめた北村朋幹は、百花繚乱の様相を呈する日本の若手ピアニストのなかでも群を抜く存在。  彼の恐ろしいところは、「北村朋幹らしさ」というのがその演奏スタイルの中にあるのではなく、自身が向き合う楽譜の中に感じ撮った「この音楽のあるべき姿」に向かって、ピアノの音も己の存在すらも解体して、可変的に整えてゆく点にある。そして、子供の頃から通い詰めた図書館の楽譜や音楽に関する書籍を読み込むことによって蓄積した楽曲の知識は、他人の演奏を参考にするのではなく、楽譜に記された音符の命じるままに、あたかも今生まれた作品のように音楽を構築する。  もちろん、プリペアドピアノのためのソナタとインターリュードを演奏するにあたっても、その姿勢は不変だ。彼は愛聴していた高橋悠治の録音からいったん離れ、ケージがプリペアドピアノの使用するに至った背景やケージという作曲家が誕生するまでの音楽史の文脈を克明にたどりながら、無機的な「ゲンダイオンガク」ではない血の通った、ロマンティックと呼んでも支障ないような、芳醇な空気を醸し出す。  カップリングにグリーグを混ぜ込むのも北村独特の機知によるものであって、決して唐突な判断ではない。  このピアニストの行く末をじっくり見守り、味わっていきたい。

不律 さん | 滋賀県 | 不明

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