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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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2 people agree with this review 2010/09/12
比較的短命にその生涯を閉じたフェリアーは1947年同じワルターとの共演(テノールはピアーズだった)で最後まで歌えなかったらしく本曲に対して何か直感的なものを個人的事情の中で捉えていたのではないでしょうか。確かにこの曲は李白等による厭世的ロマン性を帯びた詩に基づいて作曲されたものですが唯一作曲者直伝弟子であるワルターが捉えることが可能とも思われる心理の世界でもあるかのようです。本盤のテノール担当のパツァークもその寂寥感を上手く表現しております。タイム的には@8’36A9’12B2’58C6’43D4’22E28’21となっておりVPOとのショッキングな登場での私の好きな後年同じVPOを振ったバーンスタイン盤と比べて見ると各楽章概ね短めとなっています。1952年このワルター(当時76歳の頃)、フェリアー、パツァーク、VPOによる「大地の歌」は本盤録音の数日後ライブ盤(タイム@8’33A9’30B3’06C6’31D4’19E29’50)でも残されており機会があれば聴いてみたいですね。なお、ワルター指揮の「大地の歌」はさすがいろいろ出ておりさっーと拾っても1935年フォレスター、ルイス、NYPO・・1936年トルボルク、クルマン、VPO・・1948年フェリアー、スヴァンホルム、NYPO・・1953年ニコライ、スヴァルホルム、NYPO・・1960年ミラー、ヘフリガー、NYPO・・等マニアには興味の尽きないワルター「大地の歌」です。リュッケルト歌曲も同じようにわが子を亡くしたマーラーのストイックな面が出ているように聴きました。本盤全体としてこのようなレベルの演奏となればモノラルもクソもありませんね、同ソースから数多くの版が制作されてもおり長く聴かれるべき最高のものでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2010/09/11
ヤンソンスがバックでのラクリンのブラームスV協奏曲についてはどうも2008年NHK音楽祭の記憶があってこの2004年録音が少し影が薄くなっているのでは・・・? バックオーケストラは本盤2004年分はBRSOで2008年の方はRCOで違いがあるのだけれど何と言っても本盤は30歳とより若いラクリンが聴けるのがミソ! 私はラクリンと言えば同じ2004年にヤンセンがリーダーとなったビバルディ「四季」録音でヴィオラを弾いていたの事にこのブラームスを聴いて結びついてしまいました。演奏タイムは@22’35A9’15B8’21と特に過不足はありません。比較的繊細さを塗した男の色気を彫り深くちらつかせる彼のヴァイオリン・・・、第1楽章オーケストラ序奏は普通のテンポで進んだ後すばやくヴァイオリンは低音を効果的に扱って入ります。この楽章後半ヴァイオリンとオーケストラトとの掛け合い時ややザラザラ感を伴いながらゆっくり積み重なって行きます。堂々のオーケストラ演奏後のカデンツァは繊細・・・そしてゆっくり慈しむようにクライマックスへ向かいます。第2楽章・・・前奏では室内楽的な美しさが素晴らしいです。そしてやはり深みをたたえてヴァイオリンは進み能弁なVの独壇場・・・。この楽章の〆はしっとり感があります。第3楽章はガクガクと少し重たく運ばれますがオーケストラがヤンソンスの自然体で中和されます。筋肉の撓るヴィオラ的でもありますがどうも私にはこの曲に求めている青春の息吹から隔たりがあるようです。ビジュアル面では好感度になっていたかも・・・。モーツァルトの方は未聴ですので当面OKランクで仮止めしておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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1 people agree with this review 2010/09/10
ワルターにとってドヴォルザーク交響曲がどの程度のレパートリーかなぁとかつては半分冷やかしでLPなどで聴いていましたがそれがこのコロムビアSOとの「新世界」盤でした。1959年ワルター83歳頃の最後のご奉公・・・このコンビによる一連の録音盤は少しエコーのかかった甘いハリウッド・サウンドであり更に本演奏ではなかなか音分離の良い収録だったと記憶してあります。演奏は意外と第2楽章はちょっと短め・・それだけに妙に情緒に走らず逆に若干タイムに余裕を感じさせる終楽章は爆発的エキサイトは抑えたところが(1940年ライブ演奏では凄まじさも見せたのですが)ワルターらしいバランス感覚で素晴らしい仕上げとなっています。所謂土俗的な演奏では勿論ありませんし、そうかといって単純なドイツ風ではなくあちこちで聴かれる絶妙な仕掛けで一味他の演奏とは違った雰囲気であります。結局演奏タイムは@9’33A12’13B8’17C12’21となっております。HMVレビューにも載っている1959年頃の一連録音時の貴重な資料も読みたいですね。もう以前からお馴染の素晴らしいランクの演奏でいつもの平林氏の制作姿勢が更にバリューアップされていると期待されます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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4 people agree with this review 2010/09/09
気に入っていたブルックナー交響曲第6番をクレンペラーは1960年代に録音を三つほど残しており1961年ACO、同年本盤BBCSOとそして1964年NPHOとの各共演盤であります。中でもNPHOとのもの(タイム@17’01A14’47B9’26C13’51)は解散前のPHOとの録音をクレンペラーが切望していたにも拘わらずかの有名なプロデューサーであったレッグにより保留されていたのをやっと新体制によりこぎつけた録音ということで名演に仕上がっていたようです。さて、本盤は1961年クレンペラー76歳頃の録音でタイムとしては@17’13A13’07B9’12C13’04でややアンサンブルの詰めも怪しい処もあるのですがそんなことより版・反復にもよるのか第2楽章・・・この楽章は本来?ならこの第6番の看板的アダージョなところが更に短くなっているのが特徴。甘美な葬送雰囲気さえ感じさせるこの楽章(普通は17〜18分の演奏でチェリビダッケなどは実に22分余をかけている楽章)を情緒的寂寥感など無関係・・・ただ重厚な出で立ちで押しまくるのみというのが本盤のミソ??肝心の第1もやや硬質感をベースに重厚さが緊張感を湛えています。私は個人的にはこの交響曲作品そのもので前半二楽章は「買い」なのですが後半二楽章は何かイージーな感じがし最終楽章の散漫的な処も気になっているのですがクレンペラーの演奏ではやや粘着的な素朴な管楽器によるその力まかせの咆哮と詰めのスケール大きいテーマの運びがカバーしてくれます。先ず本演奏の好悪はムード調を拒否したような第2楽章の評価で分かれると思います。余白の「テ・デウム」(タイム23’35)も重厚な宗教抒情はクレンペラーならではといったところです(私の曲好みには正直ピッタリというわけではないのですが・・・・)。いずれにしてもクレンペラーファン必聴の素晴らしいランク盤です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2010/09/08
1985年小澤/BSOのバックで録音したチェロ協奏曲・・・ロストロポーヴィチ自身が会心の出来という事で以降の再録をしないという取決めまで行ったという本盤演奏・・・演奏タイムは@14’38A11’48B12’19とどちらかと言えば短めで小澤のサポートも寄与してかアッサリ味?にまとめています。第1楽章の前奏は穏やかで地に足がついた特にクセのない運びで進みチェロが入りますが本録音演奏が七回目?ということもあってかロストロポーヴィチがまだ58歳頃(小澤は丁度50歳)にもかかわらず脂ぎっておらず又これ見よがしの出鼻ではありません。ゆっくり歌う部分ではメロディに艶やかを加えますが私がこの曲に持っていたややシツコイ印象はありません。作曲家の望郷の念をチェリストは叙情的に表現するもののローカル色ではなく最早インターナショナル的色彩なのでしょう。〆に向かってはややぞんざいな部分もありましたが堂々の終結。第2楽章も抑制気味なのですが一転する処では節回しを効果的に。何か正体を現しつつあるといった感じ。一方のバックは冷静で実に反応力は高いです。最終楽章は地のロストロポーヴィチが引きずり込む激しさや音を極端に絞ったりするデリケートさをあれこれ綴りやはりバックはリズムよくメリハリつけてフォローして対照効果を上げます。この楽章、短めのタイムなのにやや冗長に聴こえたりはしましたが私のこの曲への元々の好みから来ているのでしょう。次第に自ら高揚させた演奏に「会心の出来」といわせたのかな?この1985年までにロストロポーヴィチが録音した同曲の代表的なものをあげておきますね。1952年ターリヒ/CPO(タイム@14’55A11’14B13’04)、1957年ボールト/RPO(@14’46A11’47B12’38)、1968年カラヤン/BPO(@15’41A12’41B13’04)、1977年ジュリーニ/LPO(@16’37A12’56B13’42)といった具合ですがHMVカタログには本盤演奏後2004年にアーノンクールとの共演盤があるようです。チャイコフスキーのロココ主題変奏曲(タイム17’34)はマァ肩の凝らない演奏かと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2010/09/07
ブラームスの交響曲第1番のクナッパーブッシュ盤はやはり無いのでしょうか・・・少し残念な気もします。さてHMVカタログにはブラームス交響曲第2番は1956年同演奏共演(オーケストラはMPO、クナッパーブッシュ68歳頃)で本盤録音より数日前のもの(タイム40分)あります。本ライブ盤はタイム@15’36A9’38B5’31C10’15と合計では先盤とマァ殆ど同じですが多分演奏起伏は違ったのでしょう。この盤もじっくり聴かせてはいますがテインパニーの扱いや先入、跳ね等今じゃ聴けない醍醐味満点!第1楽章大きく展開する処では普段あまり聴けない旋律線が浮かんでくるなど彼独のフレージングが早速出て来ます。中程の何気なさが物足りない感じはしましたがその転調運びは巧みです。そして田園風景より憂愁平野を思わせる運びで強く高らかさを見え切って謳うのも面白いですね。奇妙な程硬い運びとボルタメント使用が印象的な第2楽章、珍しく高弦が充分酔わせます、「間」の絶妙さが特徴的な変奏第3楽章では自在なテンポ感が楽しめます。最終楽章の序奏後の炸裂でのアクセントのつけ方とやや平板素朴なティンパニーとのギクシャク感のある対照さも聴けます。武骨な運びでクライマックスでは「溜め」を噛ませて一気に〆へ・・・。マニア向けの素敵な演奏です。本盤1953年WDRSOを振った第4番のライブ演奏は彼の個性から少し隔たりがある世界ではないかと聴いて感じました。確かに第1楽章のテンポの動かし方やクライマックスとか終楽章の結末とかはやや縦線の合わない処もなんのその・・・彼の指揮方向性を垣間見れますが伝え聞く第3楽章は特筆すべきほどではなく例えば第3番などで見せる底知れぬオドロオドロしたものを対象作品から彼の手によって抽出する場面が無く・・・第4番にそういうものがあったということを気づかせてくれる彼特有の処に引きずりこむ「間」をもう少し期待していましたが意外と健全着実であります。第2楽章もライブらしい即妙さがアゴギクによっても味わえますが中々濃い演奏で所謂「枯淡」とは一線を隔しております。演奏タイムとしては@12’43A11’33B6’52C10’00と第3楽章にやはり特徴を現してはいるようですね。とにかく往年の大指揮者の個性溢れる演奏の一つではありそれだけ味わいはある素晴らしい演奏にはちがいありません。録音種数の多い第3番で私は残念ながらこの1950年BPO演奏分は未聴であり又本盤の第1番も聴いておりませんので素晴らしいランクとしておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2010/09/06
ハイティンクは1980年前後に当時ヨーロッパのこの世代には珍しくショスタコーヴィチ交響曲全集をLPOとACOに分担させて録音完成させております。当初ハイティンク資質とショスタコーヴィチ交響曲とが必ずしもマッチする印象を持ち合わせておりませんでしたが烈しく粘っこい主としてロシア指揮者による演奏との差別化が次第にその存在位置を主張する様になってきたみたいです。本盤では対照的な第5番、第9番が入っており1979年ハイティンクが丁度50歳の時録った第9番はオーケストラがニュートラル的LPOということも手伝って諧謔的なこの作品展開すらどちらかと言えば淡々さが特徴。第1楽章におけるVソロなども底深いロシア的な感じはしませんが淡白さが効果をあげています。続く楽章はショスタコーヴィチ特有の世界を弦ピチカートをバックの管がいつ爆発するか不安を抱えつつ進む思索的な楽章ですがむしろ美しくこの演奏は聴けます。東洋的雰囲気でやはり管がリードする第4楽章も祈り的に息長くさりとて息詰まることはありません。この辺りが好みの分かれる処かもしれませんが私は妙な鬱陶しさがないだけ救われる気持ちになりました。この第9番演奏タイムは@4’55A7’43B2’35C3’48D6’30であります。1981年ACOを振っての第5番(@18’05A5’30B15’44C10’45)については皆さんの印象に近いですので当該レビューを参考にされたら良いと思います。なお、ハイティンクによるこの二曲組合せのCDは割りと現在種類多く出ているようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/09/05
先日TVで小澤征爾が退院してまだ腰痛が残っているものの国内中心で指揮活動を再開すべくリハーサル風景が報じられていました。リハーサル演奏途中で満75歳の誕生日祝いのメロディをオーケストラ・メンバーが奏で小澤を喜ばしている微笑ましい一場面もありました。小澤が「生きることと音楽」について語ってもおり大病をくぐり抜けた直後だけに感銘を受けました。その小澤が丁度50歳の頃、1985年フランスのONFを振ってサンサーンスの管弦楽、交響曲を録音したものが本盤。先ず私はあまり聴いたことのない二つの交響詩・・・「ファエトン」(演奏タイム8’32)と「オンファールの紡ぎ車」(同8’07)・・・が気に入りました。どちらもギリシャ神話から題材をとった曲ですが小澤は色彩感豊かに、さりとてそんなに粘つかない味でリズミカルな処理も上手く八分というそれこそ適当な時間が経過して行きました。本盤の主体、交響曲第3番(同@20’12A15’11)はオルガンパートのみが1986年録音でオーケストラ分と後で合体加工?したものらしいです。マァそういう事もあろうかし思います。ONFはよく小澤に合わせたフレキシビリティに富んだ対応をしています。第1楽章ゆっくりスタートするもののやがてリズムに乗って中心部へ進め高揚場面ではギクシャク感も加味させこの楽章後半ポコ・アダージヨでは逆にじっくり聴かせます。第2楽章、切れの良いティンパニーが印象的な前半から後半はズンズンと速めにある意味颯爽と進んで行きます。時には縦線が怪しい処も?それはさておきただ一部の節での妙なテンポアップは私には気になりはしましたが最終〆は充分引っ張って一応仕上がり感を示しております。フランスセンスが内奥から出ているかまでは判断つきかねておりマァ当面OKランクとさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/09/04
1967年頃クレンペラー82歳、バレンボイム25歳頃の正に老若の一期一会的な共演(オーケストラはNPO)録音で私は第4番の方をLPで聴いております。演奏タイムは@20’54A5’54B11’01と当時としてはそんなに遅くはないのですが改めて聴くとややゆったり構えた印象で全体穏やかさというかこの曲にも因る処もありますが懐の大きいクレンペラーのバックサポートと丁寧なバランスよい「着こなし」の出来た若きバレンボイム演奏が楽しめます。第1楽章のカデンツァも穏やかに入り次第に高揚してやがてオーケストラに溶け込んで行く様は見事です。第2楽章、弦のユニゾンはクレンペラーの念を押す様な処や中間部思索的な展開はその読みの深さを味わえるでしょう。最終楽章やや曲自体尻切れトンボ的ではありますがスタンスは前の二楽章と同じであります。なお、バレンボイムは1985年BPOと弾き振り(タイムは@19’49A5’47B10’12)盤を録っておりますね。なお、本盤第3番の方(タイムは@18’51A10’52B9’47)は聴いておりませんので素晴らしいランクに止めておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/09/03
マーラーより一歳年上の1859年生まれのドイツの指揮者カール・ムックは私の世代ではもうそんなにポピュラーな存在ではありませんでした。しかし、彼も20世紀前半の最も偉大な指揮者の一人であり、この世紀初頭のバイロイトを代表するワーグナー指揮者の一人として少しくらいその演奏の片鱗は聴いておきたいというわけで本盤をHMVで購入しました。演奏全般はロマンティックなスタイルでもなければ現代的な洗練なども無く云わば古典的なスタイルにおいて演奏の運びはグチャグチャ言わず淡々と速めに進めて行くタイプ・・・無作為とも言えそうですね。例えば本盤トップバッターである1927年録音(ムック68歳頃)の「マイスタージンガー」第一幕への前奏曲(タイム8’27)も速いテンポで進んでいく具合で「遊び」的要素・雰囲気には乏しい気がします。それでも最後ではテンポをダウンさせるなど面白い側面も・・・。当時の手兵のSKBとの録音で、内容は1927年録音では上記の曲以外には「神々の黄昏」より「ジークフリートのラインの旅」(4’17)、「ジークフリートの葬送行進曲」(7’56)、「パルシィファル」第一幕への前奏曲(15’48)、1928年録音で『トリスタンとイゾルデ』より『第一幕への前奏曲』(11’48)、『タンホイザー』序曲(15’40)、『さまよえるオランダ人』序曲(9’49)、1929年録音で「ローエングリーン」第三幕への前奏曲(3’35)であります。何れもフルトヴェングラーが「荘大な静寂の巨匠」と評したムックの特徴が集約されていると言われれば「そうかいな?」と妙な納得をしてしまいますね。そういった説得力でもってある意味「普遍的芸風」を表現していたのではないかとも思います。ムックという指揮者を少しでも知るには音質も聴き苦しくなく丁寧な解説ブックレット付きで格好の素晴らしい盤となっています。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/09/02
クナッパーブッシュのブラームスは私にはベートーヴェンより面白い・・・何が出て来るか分からないジャンルとしてそのゾクゾク感が楽しめます。第1番は余り演奏盤も少なく第3番は数々の演奏で出ております。さて、第2番と第4番は盤数としては程ほどなのですが本盤1953年WDRSOを振った第4番のライブ演奏は彼の個性から少し隔たりがある世界ではないかと聴いて感じました。確かに第1楽章のテンポの動かし方やクライマックスとか終楽章の結末とかはやや縦線の合わない処もなんのその・・・彼の指揮方向性を垣間見れますが伝え聞く第3楽章は特筆すべきほどではなく例えば第3番などで見せる底知れぬオドロオドロしたものを対象作品から彼の手によって抽出する場面が無く・・・第4番にそういうものがあったということを気づかせてくれる彼特有の処に引きずりこむ「間」をもう少し期待していましたが意外と健全着実であります。第2楽章もライブらしい即妙さがアゴギクによっても味わえますが中々濃い演奏で所謂「枯淡」とは一線を隔しております。演奏タイムとしては@12’43A11’33B6’52C10’00と第3楽章にやはり特徴を現してはいるようですね。とにかく往年の大指揮者の個性溢れる演奏の一つではありそれだけ味わいはある素晴らしい演奏にはちがいありません。私の聴いたウラニア盤でのワグナーの四つの管弦楽は夫々録音状況、演奏にも違いというかバラつきがありますがこの指揮者のやはり重要なレパートリー範囲として聴く価値充分です。四曲とは1947年録音トゥーンハレO演奏の「ローエングリン」前奏曲(タイム8’13)、1948年録音LPOで「リエンチ」序曲(12’22)、1953年録音VPOで「さまよえるオランダ人」序曲(10’34)、同年録音VPOで「ワルキューレ」から(5’50)であります。本盤勿論モノラルですが素晴らしいランクにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2010/09/01
他の盤でも触れたことなのですがHMVニュースでフィラデルフィア管弦楽団(PPO)が経営困難に陥っているとのことでPPOと言えば「PPOという天下の名器はストコフスキーによってつくられ、オーマンディによってかき鳴らされる」と言われた位の名門であるのに・・・オーマンディのあとムーティ、サヴァリッシュ、エッシェンバッハ・・・と指揮者が替わって行く過程で本格的独墺物もレパートリーに取れ入れてはいましたが他の楽団、指揮者の隆盛は如何ともし難い状況・・・・人気商売だけに厳しい面はあるでしょうが頑張って欲しいものです。私のクラシックファーストレコードはオーマンディ指揮シベリウス「フィンランディア」(コーラス入り)でしたので余計感じる次第。「ローマ三部作」はそのオーマンディ/PPOサウンドを聴くのに華麗なオーケストレーションと相俟ってうってつけな曲に入ろうかと思います。オーマンディ/PPOによる「ローマ三部作」は普通二種類の録音が確認されており本盤は古い方のもので 「ローマの噴水」・・・1968年録音(オーマンディ69歳頃)タイム@4’32A2’31B3’27C5’08、「ローマの松」・・・1968年録音@2’36A6’16B6’43C4’39、「ローマの祭」・・・1960年録音@4’27A6’42B7’23C5’13と一部推定も入りますがデータ的にはこういった処です。演奏はオーマンディの底深さはない替わりに長所として全体屈託無く丁寧に展開して行く音の洪水に身を任せることに割り切ればそれはそれで快感に浸れます。後年二回目のものは私は聴いてはおりませんがデータ的には「ローマの噴水」・・・1974年録音@4’43A2’29B3’30C5’08、「ローマの松」・・・1973年録音@2’53A6’09B6’32C4’55、「ローマの祭」・・・1974年録音@4’33A7’06B8’02C5’44であり「ローマの祭」以外はそうタイム的には差はありません。録音年代も近いだけに演奏はそう変わらないのでは?と勝手に推量してしまいます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2010/08/31
オーマンディ/PPOによるサンサーンス交響曲盤は三種類普通手に入る様です。少し話しがズレますがHMVニュースでPPOが経営困難に陥っているとのことでPPOと言えば「PPOという天下の名器はストコフスキーによってつくられ、オーマンディによってかき鳴らされる」と言われた位の名門であるのに・・・オーマンディのあとムーティ、サヴァリッシュ、エッシェンバッハ・・・と指揮者が替わって行く過程で本格的独墺物もレパートリーに取れ入れてはいましたが他の楽団、指揮者の隆盛は如何ともし難い状況・・・・人気商売だけに厳しい面はあるでしょうが頑張って欲しいものです。私のクラシックファーストレコードはオーマンディ指揮シベリウス「フィンランディア」(コーラス入り)でしたので余計感じる次第。さて、先の三種類は1962年録音パワー・ビックス(オルガン)(演奏タイム@19’11A14’44)、1973年バージル・フォツクス(オルガン)(同@19’08A15’27)そして本盤1980年(オーマンディ81歳頃)ミハエル・マレイ(オルガン)(同@19’20A15’30)とデータ的にはなっておりタイムに限れば大差無い一方、録音技術の進化とともにPPOサウンドが益々映えて来た様に思えます。ただやはり我々の世代は1962年盤でのサウンドと覇気あるオーマンディの演奏がどうしても忘れられはしません。本盤はオーマンディ/PPOの最終年度録音であり独特なアクセント付けが面白いものの全体やや大人しい印象は持ちました。それだけに特に第1楽章後半ポコ・アダージオは美しく、それと第2楽章後半でのメリハリある全開はある意味効果的と言えましょう。マレイというオルガニストはあの大家M.デュプレに学んだ人らしくオルガンはフィラデルフィアのセント・フランシス・セールス教会のを弾いています。この曲はオルガンの音色影響もありますがこうした色彩豊かな曲は指揮者の加齢による味が出にくい・・・つまりサウンド色彩に任せる部分が大きく何回か録音を重ねてもどうしても二番、三番煎じに受取ってしまいがちにはなります、その点で少し割を食った感じですね、しかし前二回分とは少し異なるのは華々しさで全体終始するのではなく前述のように一様性から脱した処の演奏自体は本番の素晴らしさなのかも・・・、録音も特筆すべきで素晴らしいランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/08/30
オーマンディ/PPOによるサンサーンス交響曲盤は三種類普通手に入る様です。少し話しがズレますがHMVニュースでPPOが経営困難に陥っているとのことでPPOと言えば「PPOという天下の名器はストコフスキーによってつくられ、オーマンディによってかき鳴らされる」と言われた位の名門であるのに・・・オーマンディのあとムーティ、サヴァリッシュ、エッシェンバッハ・・・と指揮者が替わって行く過程で本格的独墺物もレパートリーに取れ入れてはいましたが他の楽団、指揮者の隆盛は如何ともし難い状況・・・・人気商売だけに厳しい面はあるでしょうが頑張って欲しいものです。私のクラシックファーストレコードはオーマンディ指揮シベリウス「フィンランディア」(コーラス入り)でしたので余計感じる次第。さて、先の三種類は1962年録音パワー・ビックス(オルガン)(演奏タイム@19’11A14’44)、1973年バージル・フォツクス(オルガン)(同@19’08A15’27)そして本盤1980年(オーマンディ81歳頃)ミハエル・マレイ(オルガン)(同@19’20A15’30)とデータ的にはなっておりタイムに限れば大差無い一方、録音技術の進化とともにPPOサウンドが益々映えて来た様に思えます。ただやはり我々の世代は1962年盤でのサウンドと覇気あるオーマンディの演奏がどうしても忘れられはしません。本盤はオーマンディ/PPOの最終年度録音であり独特なアクセント付けが面白いものの全体やや大人しい印象は持ちました。それだけに特に第1楽章後半ポコ・アダージオは美しく、それと第2楽章後半でのメリハリある全開はある意味効果的と言えましょう。マレイというオルガニストはあの大家M.デュプレに学んだ人らしくオルガンはフィラデルフィアのセント・フランシス・セールス教会のを弾いています。この曲はオルガンの音色影響もありますがこうした色彩豊かな曲は指揮者の加齢による味が出にくい・・・つまりサウンド色彩に任せる部分が大きく何回か録音を重ねてもどうしても二番、三番煎じに受取ってしまいがちにはなります、その点で少し割を食った感じですね、しかし前二回分とは少し異なるのは華々しさで全体終始するのではなく前述のように一様性から脱した処の演奏自体は本番の素晴らしさなのかも・・・、録音も特筆すべきですが他の収録曲は未聴ですので素晴らしいランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/08/29
本盤は珍しい組合せの盤ですね。シューマン、レスピーギ、ラヴェル・・・バラエティに富んだ何れもトスカニーニ名演の復刻盤というわけです・。1949年録音の「ライン」交響曲・・・演奏タイムは@9’29A5’27B4’30C5’09D5’46と心持ち中三楽章が早い感じはしますがトスカニーニとしては普通なテンポです。それより曲運びは曲想とは裏腹にカンタビーレを噛ませつつの緊迫感がありトスカニーニ面目躍如たるものです。第1楽章では弦のアタックは素晴らしいのですが一方出場の多いホルンですがもう少し大らかさも欲しくはありました。第2楽章はあの滔々と流れるラインになぞらえてこの曲名が呼ばれる所以の楽章で若干弱含みで進み優しく歌う第3楽章へ繋げます。第4楽章はライン河河畔の古城を彷彿させる楽章でデモーニッシュさにも厳しさがありバロック的フーガ風では音の構成が明確なのもトスカニーニらしく語られます・・・印象的な処であります。最終楽章は追い込みで前楽章と対比的に活発さを表に・・・この辺りは上手いですね。何かと賑やかな「ローマの祭」(シューマンと同じ1949年録音@4’48A6’55B7’08C4’47)での勢いにも単に「勢い」だけではなく底に流れる緊迫感が聴き読み取れます。第1楽章の凄い祭りの始まりと悲しみの行進との対比の絶妙さは聴き物、鐘なども混じっての山作りの上手い第2楽章そして第3楽章では跳ねる弦を管の旋律が縫って行きソロ弦が官能的に魅了します。活発な最終楽章では歌う処と踊る処が最後渾然一体となり決して力任せでなく説得力ある演奏であることを改めて認識させてくれます。ともすれば一様的演奏の印象を持っていたトスカニーニの存在感に脱帽! 本盤は冒頭申しました様にローマ三部作ではない処がミソ。さて、本盤に戻ってラヴェルは聴いておりませんが東京の方のコメントからも察せられる演奏仕上がりとなっていることを前提に全体演奏は最高ランクと思って間違いないでしょう。なお、この欄をお借りして謝っておきたい件があります。つまりトスカニーニ「ローマ三部作」盤のカタログ番号GS2029,JMM24XR01,BVCC38040について2010/6にコメントした際、三番目の本「ローマの祭」を「ローマの松」とミスタイプしてしまいました・・・コメント内容からは「ローマの祭」と判断されるでしょうが「間違いは間違い」、申し訳ございませんでした。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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