please enable JavaScript on this site.
Guest
Platinum Stage
Gold Stage
Bronze Stage
Regular Stage
Buy Books, CDs, DVDs, Blu-ray and Goods at HMV&BOOKS online
Advanced Search
TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
Previous Page
Next Page
Showing 961 - 975 of 2357 items
%%header%%
%%message%%
0 people agree with this review 2011/05/22
代表的なモーツァルト交響曲二曲をバーンスタインがVPOを振っての1984年のライブ録音でバーンスタイン66歳と指揮者としては正にピークの頃です。演奏は二曲共実に恰幅の立派な出来上がりですがバーンスタインならではの演奏という面からは少しトーンダウン感は否めません。多分豊穣なVPOサウンドと特に両曲反復演奏されている最終楽章の長さに私が気に取られたに過ぎないのかもしれない事と殊に第40番についてはNYPOを振った1963年のスリルに満ちた演奏盤(タイム@8’19A8’32B4’35C6’16)の記憶が残っているからでしょうか。その第40番、演奏タイムは@8’33A8’18B4’50C9’21と先述の通りの最終楽章であることは別にして前半二楽章は繰り返しになりますがバーンスタインならではといった印象は薄いもののその代わり1963年演奏盤の様に聴き飽きはしません。第3楽章はペシミスティック程度を抑えて時にちょっとレガートを噛まし最後はファッとソフトランディング。やや速いテンポで(反復演奏されている)最終楽章での〆におけるコブシ回しが面白いと言えば面白くマァ全体としては年を重ねたバーンスタイン大人の演奏と言えるのでは・・・そうかつて奇を衒った年ごろから明らかに一皮剥けたとでもここでは申し上げておきましょう。。第41番(タイム@12’00A9’12B5’15C11’39)の方は曲の性格イメージから合った演奏かもしれません・・・(なお、1968年NYPO盤のタイムは@12’04A8’35B5’26C6’46)。第1楽章から堂々とした構えでそれを押し通すだけではなく時折メリハリもつけます。第2楽章でもふと見せるロマンチックなコダワリが面白く第3楽章ではあのギリシャ的造形美をシャクリで強調。やや冗長に感じた最終楽章では次々被さって来るテーマを実に雄大なスケールで隈どって行きます・・・クラシック醍醐味が味わえる時間です。私は本盤ではバーンスタイン指揮につきまとった底浅さ?ではない結構説得力という点でも今では余り聴かれない演奏タイプのジュピター交響曲の方が気に入りました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review
Agree with this review
0 people agree with this review 2011/05/21
ブラームス「ドイツ・レクイエム」はドイツ語によるレクイエムでプロテスタントだったブラームスが新旧訳聖書から歌詞をピックアップしたものらしいです。母親とシューマンの死に触発されて書いた作品で敬愛する人への思慕と惜別の気持ちの「ドイツ・レクイエム」は他のレクイエムにもあるように7楽章から成り真ん中の第4楽章を中心に対称的になって人生への肯定的な明るさと力強さを謳いあげます。本盤は1992〜1993年にバレンボイム(当時50歳)がCSO他を指揮して収録したもので演奏タイムが@12’26A16’38B10’38C5’32D7’22E12’53F11’40と私の感じではやや第1楽章がじっくり型ではありますが循環する最終楽章タイムとバランスも取れて良いと思います。独唱者はJ.ウィリアムズ(S)とT.ハンプソン(B,当時37歳)そして合唱はCSCと米国勢で挑んだ大作で先ず出来上がりは厳めしくはなくしかしポイントはバレンボイムの持ち合わせる直観力で諸所押さえた割と分り易い演奏でこの曲への取っ掛かり安さが長所になっている様です。バレンボイムは年齢の割にはユダヤ人脈を使ってのことかフルトヴェングラーの影響も現れた物も含め結構録音数も多くその数多ある録音盤で少なくとも私が気に入ったと思うものがそんなにないのが粗製乱造の印象が免れずまだ若いのに「運を使い果たす」ことにはならないかの危惧を持ってはいます。それはこのドイツレクイエムについても1972年LPO、E..マティス、D.F.ディスカーウ等と若干30歳にして録音ベースに乗せていた事に連想した次第でもあります。しかし本盤演奏は第1楽章美しい合唱「悩める者は幸せ」での清らかさからちょっと本気で聴こうという気持にさせてくれました。第2楽章は重々しくはせずマーチ風合唱を執拗なティンパニーがフォロー。中間は一条の光りが見え後半はアレグロに転じ荘厳な合唱が先のティンパニーをより戻しつつ〆に。第3楽章はそう深刻ぶらないでパンプソンが進め後半本命の勝利感に向かっての大フーガでテインパニーを固めに使って引き締め最後は充分引っ張ります。 ピチカート風な弦をバックに平穏に流れ中程での軽いフーガの後は又平穏に戻って再度充分引っ張って4楽章は〆。第5楽章はやや恰幅の良いソプラノが穏やかな弦奏に続きます。第6楽章は交替にバリトンが彷徨う様な合唱に取っ掛かりを入れ全奏「怒り」へ・・・。区切る様にハ短調独特の押し強さを強調して堂々のクロージング。最終楽章「死に行く者は幸せ」は曲目自体ちょつと付け足し的な印象を私は持っているのですが第1楽章を断片的に循環し最後は持ち上げる様にハープとともに終わり一循環したこととなります。録音状態はマァマァといった処。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
丁度二年前、大河ドラマテーマ曲集盤(昭和38年〜平成8年分収録、カタログ番号POCN1123)でレビューを書き込んだ分を軸に本盤でも繰り返しになりますが書き込みさせていただきます・・・広い意味でクラシック・ジャンルに含めてNHK大河ドラマの冒頭テーマ音楽は殆どの人が何らかの曲を聴いたら思い出すほど日本に根ざしたもので本アルバムは昭和38年「花の生涯」から平成22年「龍馬伝」までの曲・・・何れも1.5分〜2.5分の曲・・・は懐かしい限りです。私などは昭和39年の芥川也寸志作曲「赤穂浪士」(タイム1’41)テーマ曲が長谷川一夫の「おのおのがた・・・」という台詞とともに強烈に印象に残っており台詞とテーマ曲をよく口にしたもので更に昭和44年の冨田勲 作曲「天と地と」(2’30)、昭和45年の依田光正 作曲「樅の木は残った」(2’17)はNHKSOを今は亡き森正や岩城宏之が夫々その個性を発揮しての演奏は素晴らしく最近では平成14年の渡辺俊幸 作曲「利家とまつ」(2’37)、平成20年の吉俣良 作曲「篤姫」(2’45)などもずぅっと記憶に残るでょう。ただ東京の方のレビューにもあります様にキリの良い50作目放映中の「江」も入ればなぁと私も思いました。平成5年に珍しく二作品が半年ずつオンエアーされており次回はきっちり50年分といううたい文句で来年分も入れて出るのでしょうか?・・・。とにかく大河ドラマはこの冒頭タイトル画面でのバックテーマ音楽次第で成否が決まってしまうかも知れませんし、そしてそれを良いことに・・・二番煎じのイメージ曲は許されないことも感じております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2011/05/20
ブラームスにおいて声楽・・・本欄で特定すると合唱曲はかなりのウエイトを占めており、彼の交響曲をはじめとする(クラシックファンになってから親しんだ)各音楽の歌心の源泉に触れる事が出来ます。「ドイツ・レクイエム」とかでブラームス合唱曲に親しんでおられる方でまだその他の合唱曲に触れていない方は是非本盤に限らず一度聴かれる事をおすすめします。合唱曲集のCDはそんなに種類多く出ているわけではない状況下で本盤はオルトナー指揮アーノルド・シェーンベルクCOにより1993年録音(オルトナー46歳の頃)されたものです、1972年指揮者オルトナーにより設立されたこの合唱団はアーノンクールと結構長年いろんな収録を行なってもいます・・・・。さて、本盤収録曲のタイムをメモしておきましょう。作品93a六つの歌(混声4部)12’00、作品42三つの歌(混声6部)8’45、作品62七つの歌(混声5部)19’11、作品104五つの歌(混声6部)12’03、作品17四つの歌(女声3部)13’28と夫々なっており作曲当時の民謡とか古楽とか宗教曲・・・後段に各曲タイトル掲示しましたように世俗合唱曲ながらパレストリーナの音楽からも影響も受けており時にはグレゴリオ聖歌的響きも聴かせます・・・を連想させる様なブレンド具合に合唱ぶりは全体透明感に貫かれ大したものかと思います。いずれにしても日本での合唱コンクールの課題曲になっているものも含まれており合唱に興味あるあるファンのみならず一度は聴いておきたい盤ではありましょう。私は作品62が入っている盤として気に入っています。→→各曲タイトルも参考までに掲示しておきますね・・・作品93a六つの歌「せむしのヴァイオリン弾き」「乙女」「おお、心地よき五月」「さようなら、おお小鳥たちよ」「鷹」「気掛かり」、作品42三つの歌「夕べのセレナード」「ヴィネータ」「タルトゥラの墓場の歌」、作品62七つの歌「ロスマリン」「昔の恋の歌」「森の歌」「お前の優しい恋人」「私の胸のすべての思い」「風が吹く」「幸運と幸福は私から過ぎ去った」、作品104五つの歌「夜警1」「夜警2」「最後の幸福」「失われた青春」「秋に」、作品17四つの歌「ハープの音は高鳴り」「シェツクスピアによる歌」「庭師」「フィンガルの歌」(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
ルネサンス教会音楽の研究と演奏をライフワークとするこの分野の第一人者ピーター・フィリップスが1973年自ら設立したタリス・スコラーズを率いての本盤は1994年パレストリーナゆかりのROMEサンタ・マリア・マジョーレ教会でのパレストリーナ没後400年記念のコンサートライブ録音であります。収録曲の内メインディッシュであるパレストリーナの「教皇マルケルスのミサ曲」は対位法の極致が無伴奏合唱六声で展開されるのですが高声の響きとすばらしい旋律美はこのア・カペラ・グループが聴く人を天国的世界へと誘います(タイム@4’03A5’36B8’56C6’39D6’15)。このグループはこの曲を当然何回か録音しており1980年(@4’48A6’16B9’54C7’39D8’06)盤や2005年(@3’53A5’37B8’57C6’27D6’56)盤がHMVカタログでも載っております。又これも有名なアレグリ「ミゼレーレ」もやはりこのグループで何回か録音されている十八番曲で本盤はタイム11’54の静寂・透明な時間が経過する内に五声と四声の二つの合唱団が遣り取りして後半辺りでは統合されるのですが途中グレゴリア聖歌が挿入され特に高音が昇華する有様たる特別な雰囲気をタリス・スコラーズはより素晴らしく醸し出します、モーツァルトの逸話も有名な曲ですね。(他録音にやはり1980年12’31や 2005年13’41録音があります)。ライブですから当然冒頭トラック、各曲終わりに拍手が入っているのですがこの種の音楽でトコトン別世界に浸りたい場合若干興ざめ・・・現実世界・・・に感じる方もおられるでしょう。私自身上に述べた三演奏を聴き比べしたわけではありませんので当面OKランクの仮押さえしておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/05/19
ブロムシュテットのSKD時代とSFSO時代における録音内容は概ね区分されている様に思え後者では北欧物が多いのに比し前者SKD時代にはモーツァルトの交響曲をピックアップして収録しましたがベートーヴェン交響曲全集の様に発展しなかった・・・せめて後期交響曲集としても・・・のは少し残念ですね。さて1981年ブロムシュテット54歳のときの録音第40番について見ますと本盤演奏はクラリネットが入らない第1版でいぶし銀の様なSKDの音色と落ち着いたテンポ感が先ずの印象ですね。演奏タイムは@8’34A7’53B4’45C7’12と反復している最終楽章が長めですが数値の割りには遅めな感じがしたのもその「落ち着き」さから来るのでしょう。第1楽章ソフトなやや残響ぶくみで進めますがあくまでインテンポ、少し高音勝ちになる傾向があります。第2楽章は退屈させない穏やかなテンポが素晴らしいです。第3楽章は中ほどのホルンが懐かしい美しさ。最終楽章はブロムシュテットの構成力を更に発揮し反復も含めゆっくりしたペース。とにかく菜食主義者ブロムシュテットの真面目さが若干遊びの欲しい処に結びつく時もありますが素晴らしい聴き飽きしない演奏には違いありません。ジュピター(タイム@11’28A9’36B5’03C9’10)では心持ち軽快というか厳つくないはないもののちゃんとメリハリをつけた第1楽章、憧憬に似た第2楽章、そして第40番同様構成力が上手く発揮された最終楽章、正直な処はもう少しスケール感が感じたかった気持が残ります・・・第40、41番どちらも基本的には声高には自己主張せずただただ音楽そのものに語らせるオーソドックスで素敵な演奏です。音質にも期待しましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review
3 people agree with this review 2011/05/19
ピアノ協奏曲第20番は一時第一線を退いていたフランスのルフェビュールが1954年彼女50才、フルトヴェングラー68歳の死の年に収録されたライブ盤です。第1楽章はやヽ指揮者主導気味ながらそうデモーニッシュな事なく第2楽章は素晴らしく美しい運びとなって終楽章はピアノの方が俄然本調子になって来たように・・ドラマチックに終わります。演奏タイムは@12’57A9’10B6’45で中間楽章を除いてややテンポは速めの印象であります。一方「皇帝」協奏曲・・・これも以前から有名な演奏盤で私の時代では擬似ステレオLP盤で聴いたものでした。1951年録音の「皇帝」ピアノ協奏曲は同じ年に生まれた二人の巨匠・・・従って両名共65歳・・・が結構まともに進めて行ってます。タイム的には@20’24A7’46B10’10と過不足感はなくとにかくがっちりと演奏しております。第1楽章は伴奏部になるとフルトヴェングラーらしさも垣間見せますがオーケストラPHOとの共演でもあるし大きく拡大することなくフッシャーの知的な演奏が楔を打って行きます。後半少しピアノと伴奏でキャツチボールする際の細かい部分に徹底さが欲しいと思わないでもなかつたですが・・・カデンツァ前の余裕などは忘れられません。第2楽章・・コラール風に進めて行くのはもう彼らの独壇場で続く第3楽章との橋渡しの幽玄な間合い・・・。最終楽章の終わりもゆっくり閉じます。この辺りは最早同年の大人の演奏なのですね。モノラルながら今回リマスタリングにより音質も期待され最高ランクにしたいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
3 people agree with this review
0 people agree with this review 2011/05/18
バレンボイムがCSOを振って収録したブラームス交響曲全集からの単発で1993年録音(バレンボイム51歳の頃)の第4番は演奏タイムとしては@12’44A11’33B6’08C9’43とやや最終楽章が短い印象がありますが気にはなりません。それより全体として私は全四曲交響曲の内一番面白く聴けた演奏でマァいろいろ仕掛けている処が割りとツボに嵌っている様で繰り返して聴く前提を無視すれば素晴らしいランクの演奏にしたいですね。第1楽章比較的しっかりした歩調で進み少し哀切とは別の世界ですが最後の詰めのティンパニーの踊らせも含めクロージングのソフトランデングにも説得性がありました。第2楽章は通常枯淡境地が持て囃されるのですがこれも別世界で輪郭を明確に描き時としてこの楽章に付きまとう冗漫感を排除しています。そして第3楽章も得てして姦しいドタバタ楽章に終えないで時に有効にクレッシェンドを咬ませて単調に陥るのを避けています。最終楽章は出だしコツテリとスタートしますが変奏後半ではスピードアップがなされやはり対照的な最後の〆の微妙な呼吸は捨てがたいですね。時折演奏の意気込みなのか物音らしきものが聞こえますがかえってリアルな出来上がりに寄与している様です。CSOの生々しい情が通った演奏かと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2011/05/18
1970年生まれというから本盤演奏を録った2007年では既に37歳のアンスネス、モーツァルト・ピアノ協奏曲では前回のNO.9&18に引続いてのNO.17&20ですね。例によってアンスネスのピアノ自体はこれ見よがしの派手なものではなくごく自然体というのでしょう。注目は弾き振りという点でオーケストラが少しローカル性を帯びたNCOでピリオド奏法で小編成な処が響きとしての特性が認められますね。先ずポピュラーな第20番の方は演奏タイム@14’00A8’19B7’27とやや中間楽章が早めという印象。第1楽章出だしオーケストラ前奏に続き粒の揃った切れ良いピアノが入ります。暫くはやや華奢で綺麗な展開をしますが次第に熱を帯びて来てオーケストラも強弱を強めティンパニーを固めに効果的に使います。そしてピアノの方も節が替わる毎に切れを更に大粒にし、カデンツァに入る前の一呼吸も置かない性急さが面白い処です・・・ピアノが一方でワンパート的役割に・・・?。圧巻のカデンツァが過ぎると「流れ」を大切にしている演奏意図が分かります。中間楽章は前述の様に割りとサッさとした扱いで弦の美しさに耳を傾けました、最終楽章は更に句読点を明確にしつつ進め唯一自由奔放なカデンツァが聴く楽しみを倍加してくれます。最後オーケストラの活き活きとした詰めも印象的です。全体ややピリオド奏法ながら冒険的なオーケストラと個性をカデンツァ以外では抑制したピアノの対照状態を楽しめました。第17番(タイム@11’34A9’19B7’08)ですが第1楽章絹触りで柔らか・しなやかな弦の伴奏をピアノが縫う如く進みます、アンスネスのピアノの切れは透明感を伴って来ます。繊細なカデンツァの変化の微妙な色合いも中々ものです。冒頭室内楽的な弦伴奏の中間楽章はすぐに管楽器に導かれ一旦落ち着くのですが転調後数々のテーマが現れ結構所謂二十番以前の協奏曲では作品としては深く意味深長な場面です。最終楽章は短調パッセージを挟むものの全体軽快なトーンでの変奏曲で演奏は基本的には今まで述べた延長線上です。何れにしてもアンスネスのピアノはモーツァルトのこれらの曲全体の一つのパート的な感じで抜きん出た存在を主張するタイプではないとも思いました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review
3 people agree with this review 2011/05/17
シューマンのピアノ・弦楽奏を個性あるピアニストが受け持った面白い盤で私が初めて聴いたLP盤と同じ組み合わせで何か久しぶりという感じです。このピアノ四重奏は1968年録音で演奏タイムは@9’13A3’38B8’05C7’00であります。珍しいグールドのシューマンであり中味は切っ先鋭いグールド(当時36歳)ながらも弦楽と波長の合ったロマンチック性も迸る演奏をしています。第1楽章の無調性な執拗さ、第2楽章スケルツォの合間に聴こえるグールドの例の呟き、アンダンテ第3楽章は弦の美しさもあるが渋さもあり他の演奏と比べてタイムは充分取られています。そしてその代わりなのかややテンポ速めな終楽章へ、兎に角曖昧な演奏ではありません。もう一つピアノ五重奏の方(1964年録音、タイム@9’12A8’32B4’19C7’23)はやや第1楽章が長め、第3楽章が短めの印象のうちに達者過ぎるバーンスタイン(当時46歳)のピアノではありますが四つの楽章で夫々分り易く彼の奔放なピアノが聴ける(他の曲盤でも彼の場合多く残されてはいますが)のも取り得で必ずしもジュリアードSQと方向性が揃っているわけではありませんが本盤では私にとっては曲の好みも伴ってこちらの方が楽しめました。いずれにしても欧風ではないシューマンも又良いものです・・・素晴らしい盤です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/05/17
小学校の頃ブラームスと言えばハンガリー舞曲と子守唄くらいしか知らなかったのですが後者はブラームスが指導していた合唱団のメンバーの出産祝いに贈ったものらしくこの曲を含めた歌集が作品49の「五つの歌」となっており、この様にブラームスにおいて声楽・・・本欄で特定すると合唱曲はかなりのウエイトを占めており、彼の交響曲をはじめとする(クラシックファンになってから親しんだ)各音楽の歌心の源泉に触れる事が出来ます。「ドイツ・レクイエム」とかでブラームス合唱曲に親しんでおられる方でまだその他の合唱曲に触れていない方は是非本盤に限らず一度聴かれる事をおすすめします。合唱曲集のCDはそんなに種類多く出ているわけではない状況下で本盤1990年録音ガーディナー(当時47歳)/モンテヴェルディCの盤は演奏共々収録曲のバランスの良さが魅力ですね・・・・無伴奏物あり、ピアノ伴奏物あり、ホルン・ハープ伴奏物ありと曲種も・・・・。収録曲のタイムをメモしておきましょう。作品52愛の歌ワルツ18曲(4重唱)22’55、作品17四つの歌(女声3部)13’22、作品42三つの歌(混声6部)8’24、作品92四つの歌(4重唱)8’43、作品104五つの歌(混声6部)13’05と夫々なっており合唱ぶりはやや全体潤いと言うかブラームス的翳りがもう少し欲しい場面もありますが当時の民謡とか古楽とか宗教曲を連想させる様なブレンド具合は大したものかと思います。いずれにしても日本での合唱コンクールの課題曲になっているものも含まれており合唱に興味あるあるファンのみならず一度は聴いておきたい盤ではありましょう。作品52愛の歌ワルツでの合唱の生々しさも面白いし遊びがあるとも言えるのでは・・・?作品104五つの歌は若干ゆっくり目なのがブラームスらしさを助長しています。本盤では作品92四つの歌が珍しく入っているのも良いですね。全体世俗合唱曲ながら時にはグレゴリオ聖歌的響きが見せます。ガーディナー自身ブラームスの見直しについてかつて語っておりバロック物に踏み留まらない姿勢を見せた盤であり又今やブラームス合唱曲集の代表盤ともなっております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
4 people agree with this review 2011/05/16
以前数種の他演奏のハイドン「天地創造」CD盤レビューで必ず触れていたミュンヒンガー盤が久しぶりに出るとの事で大変嬉しい限りです。交響曲や弦楽四重奏曲のジャンルでほぼ一定の達成感を見たハイドンは晩年宗教曲の方に傾倒して行くのですがこの「天地創造」はミルトン「失楽園」を題材として特にヘンデル「メサイヤ」に触発され当初大量なスケッチを単純・直截化すべく慎重に作曲された開放的な安定した穏やかさが特徴の正しく大家の作品に出来上がっており結構聴き易い曲だけに演奏盤も多く例えばVPO演奏録音CDのものだけでも古くはクラウス盤(1942年収録)やカラヤン盤(1965年及び1982年各収録)そして本盤演奏のミュンヒンガー盤(当時52歳頃、1967年収録)等があります。冒頭の「混沌状態」から大きな起伏と共にスタート・・・この出だしは演奏とは別に全くハイドンの才能による本当に傑作だと思います・・・、演奏タイムとしては第一部(創世記第一章〜)37’55、第二部(第1日〜6日分)39’40、第三部(アダム&イブ)29’30と時間的には過不足感なく運んでいます。自然、神を賛美する場面ではその風雷雨の描写は激しくはあるものの決して羽目を外すことは無くVPOサウンドが楽しめる一方ハイドンに求めていいのかは分かりませんがスケール感は抑制気味。五人体制の独唱陣はアメリング(S34歳)、スポーレンベルク(S41歳)、クレン(T24歳)、クラウセ(B33歳)、フェーアハースト(B26歳)と若干女声陣が年かさがある事と出来或いは好き嫌いに凹凸があるのは仕方ありませんがSのアメリングの清澄さとTのクレンの安定感は語りもアリア歌唱にピッタリと思います(確かクレンはカラヤン指揮下でもおつとめしたはず?)。全体としてはほぼ同じ頃、合唱団は異なるけれど同じVPOを振ったカラヤン盤が緊張感と集中力で進めた演奏に対してミュンヒンガーは懐深くおっとり目な(決してダルくはありません・・・)雰囲気が何か懐かしい感じがしてこの曲にも合って私は好みとして「天地創造」最高演奏盤と思っております。個人的には朝比奈が大フィルを振った1975年ライブLP盤もその武骨さに聴き入った一時期もかつてありました・・・いい曲ですね。ただし本盤の他の収録分小オルガン・ミサ曲(1974年録音、タイム16’26)については私は未聴ですので★一つ保留しておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
4 people agree with this review
0 people agree with this review 2011/05/15
2 people agree with this review 2011/05/14
スクロヴァチェフスキーと言えばつい最近まではブルックナーの交響曲振りという認識に私の中では留まっていたのですがポーランド出身なのでショパン・ピアノ協奏曲の伴奏盤が複数あっても不思議ではありませんね。第1番について見てみますと1961年LNSOを振ってルービンシュタイン(タイム@19’40A10’43B10’08)、1967年PCOを振ってワイセンベルク(同@21’01A10’30B10’03)そして本盤はスクロヴァチェフスキー何と80歳の2003年にRSOSを振ってポーランド女流ピアニストであるE..クピーク(当時39歳)(同@19’51A9’30B9’59)を迎えての各伴奏であります。HMVレビューにもあります様に以前NHKSOを振った際オーケストレーションで若干補強をしたらしく本盤でもスクロヴァチェフスキーは改訂を加えてある意味ショパンの管弦楽曲切り口をミスターSで聴く盤にもなっております。第1楽章出だし結構表情を見せる処から今述べた前哨戦でオーケストレーション工夫がこの前奏の聴き物。マァこの辺りで半分勝負がついた感じでピアノが入る前にぐーんとテンポも落します。さて、ピアノは線は決してか細くないのに何か特に管楽器に隠れてしまう弱々しさ・・・存在感がもう一つでした。最後は割りと粘ってクロージングへ。中間楽章では前の楽章でややオーケストラに押されていたピアノがその綺麗な音粒を聴かせてくれます、ただ決して過度な情緒に陥りません・・・大人の演奏という印象です。充分な余韻を持った〆が素晴らしいです。最終楽章では再びバックサポートが対位法?らしき処を強調して濃い個性を見せつつ頭をもたげます。リズム感をばら撒きながらそして最後は引っ張って終わります。第2番・・・タイム@14’42A9’28B8’34・・・は未聴ですがオーケストラ部分のウエイトが軽いだけよりE..クピークのテクニックを含めたピアノが発揮されている様です、とにかく余りはしゃがない大人のショパンが期待されそうですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/05/13
メニューインが弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲には結構録音盤が数多く残されていてバックがフルトヴェングラー指揮のもの(1947年、1953年録音分)と同じ存在感があるのが本盤クレンペラー/NPOの1966年盤です(これにも実はスタジオ盤とライブ盤があるそうですが一般的には前者が聴かれているようです)。1966年というとクレンペラー81歳、メニューイン50歳の頃、クレンペラーの悠然たるテンポの運びが第1楽章から主導権を握るかに思えましたがヴァイオリン・ソロが入る間際の気遣いらしきものが素晴らしいですね、まさに一期一会と言うべき「間」が所々感じられるのは私だけでしょうか。メニューインの方も決して流れずに手綱を引き締めておりカデンツァも一応メリハリをつけます。そして彼の真骨頂は第2楽章で発揮されクレンペラーは寂寥感でサポートします。最終楽章のバックはやや強めに演奏されベートーヴェンのこの曲における構築性を聴き応え・見栄えあるものに仕立てて行きます。演奏タイムは@24’24A10’23B10’07と心持ち第1楽章が長めではありますが気になる程ではありません。一般評価的にはクレンペラーペースが強調される演奏の様ですが重心の低さとメニューインの音楽の持つ意味を伝える姿勢が魅力的な素晴らしい演奏には間違いありませんね。参考までに他のメニューイン盤をメモしておきますね・・・1945年ロジンスキー/NYPO(タイム不詳)、1947年フルトヴェングラー/BPO(@23’44A10’26B9’56)、同年フルトヴェングラー/LFO(@23’57A10’53B10’16)、1953年フルトヴェングラー/PHO(@23’43A9’36B10’16)、1958年ベーム/VPO(トータルタイム43’12)、1960年シルヴェストリ/VPO(@23’23A10’27B10’48)、1962年メニューイン/BFO(タイム不詳)、同年スヴェトラーノフ/USSRSSO(タイム不詳)、1963年オイストラフ/MPO(@23’49A10’19B10’56)、1981年マズア/LGHO(@24’40A10’42B11’30)等であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
Back to Top