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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2011/11/22

    カラヤン/BPOのメンデルスゾーン交響曲は彼には珍しくそんなに多く録られていない様で本盤は1971年カラヤン63歳頃の演奏録音であります。私の盤は交響曲第3番「スコットランド」(タイム@13’57A4’25B11’47C9’24)と序曲「フィンガルの洞窟」(同10’46)分で残念ながら交響曲第4番「イタリア」(同@8’04A6’27B8’00C5’39)の方は未聴であります。さて、「スコットランド」交響曲と言えばクレンペラーの屈託感&重量感ある名演盤がすぐ思い浮びますがカラヤンの演奏はもう少し風通しの良いもので1971年当時のBPOの強靭な筋肉質の精緻なアンサンブルが先ず聴きものであります。特に第1楽章はその序奏での沈鬱たる抒情と展開部に入ってからの歌う旋律はカラヤンの巧者ぶりを発揮した楽章であります。第2楽章は割合速いテンポで舞曲風とはいうもののちょっと軽い感じもしますが続く第3楽章は反転してじっくりと運び重厚な弦サウンドのその情感豊かさは前楽章との対比感(タイムも充分)を出しているのかもしれません。間断なく続く最終楽章はすばやいスタートで進めやがて詰めへのアプローチは濁る事なくスッキリとした迫力を増して行き〆はゆっくり伸ばされます。とにかくBPOの元気良さが私には印象に残った演奏であります。「フィンガルの洞窟」は単品料理として聴き処ポイントを見事に描写チェックした演奏でした。「イタリア」交響曲は先述しました様に未聴ですので他の方のレビューを参考にしていただくとして本盤全体素晴らしいランクに・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/21

    ワルター/コロムビアSOのベートーヴェンはホッとする面があります。この「運命」は昔から聴き慣れた第1楽章最初の運命の扉動機のフェルマータはワルター特有のものでさりとて決して深刻ではありません。1958年録音という事はワルター82歳の高齢でもありこの調子で行くとタイム的に長いのかなと思うと「さにあらず」でむしろ短い・・・全体タイム@6’24A10’50B5’47C9’32・・・「運命」の曲を聴く上で何を期待?するかにより評価は微妙ですが私の年代では冒頭記したように無形の財産として貴重です。その第1楽章は反復されていない事と最初の運命扉動機のフェルマータから反転した様に展開部はやや性急さの為短めになってはいますが終始弦のリアルな擦り音や後段詰めでの絶妙な瞬間の溜め切りにより面白い楽章になりました。第2楽章はスタート跳ねる様な感じでゆっくりした足取り、「間」を充分取りながらの運びは正直ダレル直前で更に中間段落での引き伸ばしはワルター独特の「歌う」範囲なのでしょう。第3楽章はまぁ無難に過ぎますが最終楽章への移り変わりにはもう少し効果的なものを期待しなかったわけではありません。コロンビアSOは映画音楽などを専門にレコーディングしていた音楽家達を集めた急造オーケストラである為か録音のせいかやや甘ったるい処もあり暖かい響きで最終楽章での勝利の雄叫びの力強さに少し物足りなさを覚えはしました。なお、ワルター指揮の運命交響曲はHMVカタログ等では他に何れもNYPOを振った1941年物、1950年物(タイム@6’15A11’29B〜C14’31)、1951年物等が見られます。本盤他の収録曲「コリオラン」序曲(1959年録音、タイム8’02)、「エグモント」序曲(1954年モノラル録音、タイム8’15?、オーケストラはNYPO)は未聴であります。又ボーナストラックでのリハーサルは本盤分は聴いてはいないのですが他盤で聴いた多分運命交響曲(コロンビアSO)第1〜2楽章からのものかと思われます。高齢者ワルターの意外とかなり情熱的で細かく、分かり易い指示を頻繁に出し、自身の演奏をしっかりとオーケストラの面々に植え付けてベートーヴェンの作品を「歌心」の下に造形して行く貴重な肉声と現場の雰囲気が聞けるのではないでしょうか。貴重さを勘案して最高ランクに。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/20

    カラヤンはショスタコーヴィッチ交響曲の収録をこの第10番だけ行なっておりこの盤は1966年の一回目(演奏タイム@22’00A4’04B11’13C13’35)から15年後1981年カラヤン73歳頃の再録(同@22’35A4’16B11’42C13’02)であります。私自身は当時のカラヤンレパートリーのインパクト(このショックが実に大きいのです)も手伝って一回目のものが忘れられないのですがこの二回目分は先ず音状態は旧盤より当然優れていることとタイム的には第1,3楽章は旧盤より長め、終楽章は短めとなつて情緒的な面が強調され外面の美麗さは更に練り上げられたものとなっています、本盤は当然フォーマット向上により更に音は向上しているのですが演奏自体は正直二番煎じの印象は拭えません。特にカラヤンは大きく年代によって演奏スタイルが変化をするタイプではないので本盤は割を食う形となりました。いずれにしても旧盤ショスタコービッチにはカラヤンの語り上手にある興奮を感ぜざるを得なかった私には旧盤イメージが邪魔をして本盤に対しては素晴らしいランク止まりになってしまいました。なお、カラヤン/BPOのこの曲演奏録音にはもう一つ有りそれはモスクワでのライブ分(同@23’13A4’08B12’09C13’51)がHMVカタログには載っておりますが私は聴いておりません。余談ですがこのモスクワ・ライヴの際、当日会場に訪れていたショスタコーヴィチが終演後、壇上でカラヤンと並び立ったという有名なエピソードも残されており、バーンスタインが1959年NYPOを引き連れて交響曲第5番のモスクワ演奏時同じ様に当該作曲家と指揮者とがお互い舞台上で手を取り合った写真があった事を思い出しました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/19

    現在販売されていない盤・・・限定販売での完売の為・・・ですがバッハの作品の中でも演奏が決して多いとは思われないシェメッリ歌曲からの宗教的リートを集めた1974年録音のアルバムで是非復活すべきと私は思って最高ランクにあげたい歌唱集です。ソプラノのE..シュパイザー(当時34歳)が12曲(トータルタイム29’03)、テノールのP.シュライヤー(同39歳)が14曲(トータルタイム28’23)で全部で26曲選抜されております。ポジティーフ・オルガン伴奏はH.ビルグラム(同41歳)が落ち着いた宗教的雰囲気を程よい距離感でサポートしています。各曲はそれこそ正しく宗教歌詞(福音主義)なので我々その基盤を有しない者にとっては「縁遠い」世界なのですがぼんやり聴き流し心身を安らげる効用は充分。シュライヤーにはこれらシュメッリ歌曲宗教的リートの一部は既にベルリンクラシック・レーベルから彼のドレスデン十字架少年合唱団時代等での収録?もあり更に本盤と同じアルヒーブ・レーベルでは後年1978年20曲・・・本盤と一部同じ曲も含まれています・・・をリヒターのオルガンで録音したものもある様ですが本盤での全盛期シュライヤーの艶ある歌いぶりは何ものにも替えがたいものがあります。シュパイザーも勿論その清潔真摯なアプローチに聴く者の心身を洗って透明にすらしてくれます。私は以前ソプラノ歌唱の曲の一部をA.ギーベルやK.フェリヤーでも聴いていましたがとにかく聴かれる機会も少ないバッハ作品ではあり未聴の方は是非一度聴かれる事をおすすめします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/18

    以前レビューを入れた者ですがデータ的なものを中心に追加させていただきます。私はLP時代本盤収録曲のBWV1044の協奏曲を聴いており当時当バロックの室内管弦楽団が雨後の筍の如く目白押しの中で少し堅苦しいイメージを持っていました。この協奏曲の演奏タイムは@9’23A5’49B7’08で1960年の録音、バウムガルトナー(ヴァイオリン)43歳、ニコレ(フルート)34歳、カークパトリック(チェンバロ)49歳とそれぞれ充実期で、個性溢れる面々・・・曲自体がやヽ小うるさいだけに正直暑苦しく感じはしました。1959〜1960年録音のブランデンブルグ協奏曲第1番(タイム@5’09A4’21B4’58C8’16)、第2番(タイム@5’17A3’51B2’59)、第3番(タイム@7’09A5’27)には更に当時第一線プレイヤーのシュナイダーハン(ヴァイアオリン)、ヴィンシャーマン(オーボエ)、エスポジト、シュルント(ホルン)、シュルバウム(トランペット)、リンデ(リコーダー)等々が加わって中々豪華な顔ぶれ、やや研究講釈的な演奏ではあり昨今の古楽器演奏アプローチを予感させますがあくまで当時の演奏であります。なお、バウムガルトナー/ルツェルン弦楽合奏団によるブランデンブルグ協奏曲には1978年録音のもの(第1番タイム@4’45A4’28B4’30C8’07、第2番タイム@5’20A3’53B3’01、第3番タイム@7’02A4’50)もありこちらではスーク(ヴァイオリン)等が独奏者となっております。まぁ、とにかく私がクラシックを聴き始めた当時の懐かしい演奏者そろいの本盤は素晴らしいランクにさせていただいております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/17

    カラヤン/BPOのメンデルスゾーン交響曲は彼には珍しくそんなに多く録られていない様で本盤は1971年カラヤン63歳頃の演奏録音であります。私の盤は交響曲第3番「スコットランド」(タイム@13’57A4’25B11’47C9’24)と序曲「フィンガルの洞窟」(同10’46)分で残念ながら交響曲第4番「イタリア」(同@8’04A6’27B8’00C5’39)の方は未聴であります。さて、「スコットランド」交響曲と言えばクレンペラーの屈託感&重量感ある名演盤がすぐ思い浮びますがカラヤンの演奏はもう少し風通しの良いもので1971年当時のBPOの強靭な筋肉質の精緻なアンサンブルが先ず聴きものであります。特に第1楽章はその序奏での沈鬱たる抒情と展開部に入ってからの歌う旋律はカラヤンの巧者ぶりを発揮した楽章であります。第2楽章は割合速いテンポで舞曲風とはいうもののちょっと軽い感じもしますが続く第3楽章は反転してじっくりと運び重厚な弦サウンドのその情感豊かさは前楽章との対比感(タイムも充分)を出しているのかもしれません。間断なく続く最終楽章はすばやいスタートで進めやがて詰めへのアプローチは濁る事なくスッキリとした迫力を増して行き〆はゆっくり伸ばされます。とにかくBPOの元気良さが私には印象に残った演奏であります。「フィンガルの洞窟」は単品料理として聴き処ポイントを見事に描写チェックした演奏でした。「イタリア」交響曲は先述しました様に未聴ですので他の方のレビューを参考にしていただくとして本盤全体素晴らしいランクに・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/16

    2008年にレビューを入れた者ですがデータ的なものを中心に追加させていただきます。クレンペラー75歳の時1960年にPHOを振っての演奏録音で交響曲第3番の演奏タイムは@15’21A5’13B9’34C11’53そして交響曲第4番の演奏タイムは@8’22A6’24B6’22C6’10 であります。前者「スコットランド」については以前から名演奏ということでしたが個人的な曲&演奏の好みから「最高」とまではランク出来ませんでした。確かに深遠壮大な面はありますが聴き続けると「しんどく」なるほど「押しの強さ」を感じるわけです。スコットランドの重く雲垂れ下がる空などの自然を思わせたい処で特に最終楽章の音色の混濁・・・これこそクレンペラーのクレンペラーたる処なのでしょうが(メンデルスゾーンは果たしてそこまでこの曲で意図したのか?とも思ってしまうのです)・・・の重さに曲自体の方向と違和感を覚えてしまいました。クレンペラー自身1951年にVSOとこの曲を録っていますがその時のタイム@15’55A4’12B8’07C9’54と比較しても本盤演奏のゆったりさと言うか沈深さが分かり存在感充分であります。一方後者「イタリア」は演奏版の違いからタイムは短めですがHMVレビューや他の方のレビューにもあります様にテンポとしてはそう不自然ではなくスコットランドと同じくどんなフレーズもはっきりと表現して第2楽章の沈うつな愁い・重さはクレンペラーならではだし最終楽章の迫力も大したものですがやはり私にはトスカニーニの突き抜ける青空へのメリハリ感の方に惹かれます。スコットランド交響曲と同様このイタリア交響曲も1951年VSO(タイム@10’07A5’56B5’55C4’26)とも録っているようです。本盤は仕様向上されており期待されますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/15

    この3枚組みにはムソルグスキーの「展覧会の絵」(1976年録音、タイム33’45)と「禿山の一夜」(1981年録音、タイム12’00)、リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」(1981年録音、タイム@9’41A11’56B8’18C11’43)、スメタナの「わが祖国」(1986年録音、タイム77’02)が入っていますが私は「シェエラザード」について単独盤を聴いていますので参考メモを入れておきます。フェドセーエフが49歳の時の録音で第1楽章、やや管を抑え気味に弦を強調してレガートを咬ました運びはテンポの微妙な調節も利きやがて底力を見せつけるMRSOの高い集中力に思わず感心してしまいました。ソロ・ヴァイオリンはボリス・コルサコフという奏者でアルベジヨ風のハープと上手くその効果を出します。第2楽章でも後半の押しの強さは素晴らしいです。ちょつと話しは逸れますがフェドセーエフはこの「シェエラザード」を何回か当然再録しており私の手元資料で見ますと1994年MRSO(タイム@9’51A13’28B9’10C11’50で日本のNPSO木野雅之をソロ・ヴァイオリンに起用した注目盤)、2003年MRSO、2007年FRPO、同年BSO(タイム@10’53A13’32B10’12C12’46)等一部タイム不明分があるものの、本盤に話しを戻しますと第3楽章のテンポの速さが分かります。正直もう少し情緒的でもあったらとは思いました。最終楽章はロシア色満開というか豪放な迫力が感じられ最後の〆はしっとりと終わります。他の曲は未聴なのですがフェドセーエフの過度に重厚・壮大に陥らない着実なコントロールは平均点以上が期待されこの三枚CDでこの価格は何よりですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/14

    本盤は1989年フェドセーエフ57歳の時の演奏録音で中でも聴き物はロシア的馬力のある「展覧会の絵」(トータルタイム34’25)でありますが、ゆっくり進めている為か少し一本調子の傾向なきにしもあらずです。しかし最後の「キエフの大門」でのバスドラムの扱いなどはクライマックスに中々似合った迫力であります。当然フェドセーエフには他演奏録音がありオーケストラはほとんど本盤と同じMRSOで1976年盤(33’45)、1993年盤(33’38)等がHMVカタログでは見られます。さて私の買ったCDにはこの曲以外にハチャトリアンの「仮面舞踏会」(17’31)等が入っておりこれは個人的には気に入りました。残るスペースにはシベリウスのやはりスローペースの「フィンランディア」(9’13)が詰め込まれており他の方のレビューにもあります様にフィンランドとは逆の大変重々しいロシア側に立ったフィンランディアで私には違和感があると思いました。それはさておきこれなどは大した問題ではなくメーンのムソルグスキーで勝負となると素晴らしいランクは確保したいものですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/14

    本盤は1989年フェドセーエフ57歳の時の演奏録音で中でも聴き物はロシア的馬力のある「展覧会の絵」(トータルタイム34’25)でありますが、ゆっくり進めている為か少し一本調子の傾向なきにしもあらずです。しかし最後の「キエフの大門」でのバスドラムの扱いなどはクライマックスに中々似合った迫力であります。当然フェドセーエフには他演奏録音がありオーケストラはほとんど本盤と同じMRSOで1976年盤(33’45)、1993年盤(33’38)等がHMVカタログでは見られます。さて私の買ったCDにはこの曲以外にハチャトリアンの「仮面舞踏会」(17’31)等が入っておりこれは個人的には気に入りました。残るスペースにはシベリウスのやはりスローペースの「フィンランディア」(9’13)が詰め込まれており他の方のレビューにもあります様にフィンランドとは逆の大変重々しいロシア側に立ったフィンランディアで私には違和感があると思いました。それはさておきこれなどは大した問題ではなくメーンのムソルグスキーで勝負となると素晴らしいランクは確保したいものですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/13

    代表的なモーツァルト交響曲二曲をバーンスタインがVPOを振っての1984年のライブ録音でバーンスタイン66歳と指揮者としては正にピークの頃です。演奏は二曲共実に恰幅の立派な出来上がりですがバーンスタインならではの演奏という面からは少しトーンダウン感は否めません。多分豊穣なVPOサウンドと特に両曲反復演奏されている最終楽章の長さに私が気に取られたに過ぎないのかもしれない事と殊に第40番についてはNYPOを振った1963年のスリル&サスペンスに満ちたスピーディな演奏盤(タイム@8’19A8’32B4’35C6’16)の記憶が残っているからでしょうか。1960年代半ば、バーンスタインがVPOとモーツァルト交響曲他を録り出す時彼は楽団メンバーに対して「モーツァルトは皆さんの音楽です。私はそれを教わりに来ました」と言ったのは大変有名な話しでその後二十年近くを経ての一連後期交響曲を振ったライブ録音の一環である本盤・・・その第40番、演奏タイムは@8’33A8’18B4’50C9’21と先述の通りの最終楽章であることは別にして前半二楽章は繰り返しになりますがかつてのバーンスタインならではといった印象は薄いものの・・・彼の加齢の証し?・・・その代わり1963年演奏盤の様に聴き飽きはしません。第1楽章、緩めのテンポでたおやかに紡ぎ出されて行く音色にバーンスタインの変貌ぶりが歴然と捉えられます。第3楽章はペシミスティック程度を抑えて時にちょっとレガートを噛まし最後はファッとソフトランディング。やや速いテンポで(反復演奏されている)最終楽章での〆におけるコブシ回しが面白いと言えば面白くマァ全体としては繰り返して申し上げますが年を重ねたバーンスタイン大人の演奏と言えるのでは・・・そうかつて奇を衒った年ごろから明らかに一皮剥けたとでも更に付け加えるならば分り易い肉感的な演奏とここでは申し上げておきましょう。第41番(タイム@12’00A9’12B5’15C11’39)の方は曲の性格イメージから合った演奏かもしれません・・・(なお、1968年NYPO盤のタイムは@12’04A8’35B5’26C6’46)。第1楽章から堂々とした構えでそれを押し通すだけではなく時折たっぷりとした休止時間をおいてメリハリもつけます。第2楽章でもふと見せるロマンチックなコダワリが面白く第3楽章ではあのギリシャ的造形美をシャクリで強調。やや冗長に感じた最終楽章では次々被さって来るテーマを実に雄大なスケールで隈どって行きます・・・クラシック醍醐味が味わえる時間です。私は本盤ではバーンスタイン指揮につきまとった底浅さ?ではない結構説得力という点でも古楽器奏法やピリオド楽器を使用したオーケストラによる演奏が比較的持ち上げられている昨今では余り聴かれないかつての演奏タイプのジュピター交響曲の方が気に入りました。仕様も期待されます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/12

    2000年マイスキー52歳、アルゲリッチ59歳の時の日本ライブ録音であります。本盤CDの解説メモには当時のマイスキーの奥さんが夫君とアルゲリッチ両名のライブ録音前後の様子を伝えておりそれまで四半世紀に近い共演関係での今回演奏との結びつきなど・・・意思疎通を有した盟友関係とでも言うのでしょうか・・・も語られており興味深いですね。さてショパンのチェロ・ソナタ(演奏タイム@15’03A5’03B3’55C5’37・・・拍手除く→以下各曲最終楽章タイム同様)は第1楽章が過半を占める曲・・・しかも初演時はこの楽章がカットされたらしいです・・・でピアノとチェロが自在創意を溌剌に表現するのですがショパン作品故なのかアルゲリッチ故なのかどうしてもピアノの攻勢場面が目立ちチェロが思わず対応しているのかなとも感じない事もありませんでした。内部ロマンへの胎動が両奏者のアゴーギグ、ルバート、ディナミークを交えた技巧が輪をかけた様で双方刺激に高まって行く感興は正直この楽章だけでも聴き応え充分です。第2楽章はニ短調・ニ長調の簡潔な対比をチェロが朗々と歌います。ノクターン的第3楽章を経て最終楽章では再び縦横無尽なピアノが出ますが最後はチェロ・ピアノ共に堂々の力強い〆であります。この作品演奏自体私はそんなに他演奏を聴いてはいないのですがチェロ・ソナタとして若干頭でっかちではありますがもっといろいろ演奏が出て来ても・・・と思った演奏でした。続くフランク チェロ・ソナタ(同@6’27A8’12B7’22C5’34)と,ドビュッシー チェロ・ソナタ(同@4’55A3’38B3’15)はこの両者共演での演奏がすでにありそれは1981年録音のフランク チェロ・ソナタ(同@6’14A8’06B7’27C5’35)及びドビュッシー チェロ・ソナタ(同@4’29A〜B6’38)であります。マイスキーは特にフランクの方が気に入りでこれらの他にも録音がなされている様ですね。周知の如くフランクの方はヴァイオリニストであるイザイに献呈された元々ヴァイオリン・ソナタで本盤演奏(と1981年演奏も)タイム的には普通のペース。チェロの低い音域・音色がフランクの例の循環形式で繰り返される楽章間でもバランスとれた作品です。第1楽章の印象的な基本テーマが続く楽章で手を変え品を変え現れ特に第3楽章でのチェロの底深い音色が叙情的に時には高揚して流石何回も演奏しているだけあるなと思いました。最終楽章は親しみ易いカノンロンドから先の基本テーマをおさらいしつつ分り易く力強く曲は閉じられます。原典がヴァイオリンであっても実にチェロをハンディに扱ったマイスキーでありました。ドビュツシーの方は大変内省的というか技術より精神面が難しい作品で第2楽章など弦ピツィカートとピアノスタッカートが何か不思議な雰囲気を醸し出しモダンというか抽象的ではありますが切れ目無く入る最終楽章での活発化とバシッと決める〆で気が引き締まりました。アンコールのショパン 序奏&ポロネーズ(同@3’02A5’24)はピアノ序奏からロマン息吹溢れるメロディチェロに継がれ後半のポロネーズは親しみ易くアンコールに相応しい本コンサートの閉幕で会場万来の拍手歓声も続きます。ライブ特有のテンションの高まりに最高ランクで満足しました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/11

    チョン・ミョンフンは欧米暮らしが長く彼の熱い音楽は南北の垣根を越え民族の魂をも揺さぶりそうした「凄み」が演奏にも表れている場合があります。彼のレパートリーはフランス物が多くこのレクイエム二曲もその範囲と申せましょう。1998年チョン45歳の時ローマ聖チェチーリアOとCOを振っての演奏で独唱はバルトリ(S,当時32歳)とターヘル(B,同33歳)であります。収録曲で馴染み深い方のフォーレの演奏タイムは7曲通して38’32とややゆったり目であります。冒頭[入祭誦]とキリエでは先の「凄み」を利かせたオーケストラ、合唱でただならぬ緊張感と言うのでしょう。強弱も露わに叫びに近い処もあります。第2曲[奉献誦]はやや粗めな感じでそれは通常私たちが聴いているこの曲とは印象が異なるのはティンパニーの扱いなのでしょう。つまりJ.M.ネクトゥーによって復元された本来教会で行われるようなこぢんまりとした演奏へのアプローチを試みた版を参考にしたらしくその特徴は第6曲 「主よ、かの恐ろしい日に、私を永遠の死から解放し給え」 でも聴かれます。やがてコーラスはソフトになって行きそれに伴いB独唱は優しいスタート。 4曲目「いつくしみ深き主イエズスよ」でのS独唱も然りで禁欲的すら感じさせます。こうして最後第7曲まで進んで行きますが全体見通してリアルなレクイエムと言う感じで好悪が分かれるでしょう。もう一曲の作曲者M.デュリュフレは今世紀の作曲家でそのレクイエムはフォーレのレクイエムと独唱陣の立て方や曲の構成の点で似通っているらしいです。グレゴリオ聖歌の旋律を用いた古代的な要素と、それを支える近代的和声のちょつと妙なマッチングがこのレクイエムの特徴なのですが親しむまでに少し時間が私には必要であります(演奏タイムは9曲通して38’02)。韓国出身の指揮者がフランス物をレパートリーをメインにしている事に違和感を持つ時もありましたが先日亡くなったアップル社のS.ジョブズが日本の「禅」(禅自体は印度、中国から渡来したもの・・・)を嗜みそのセンスを経営に活かしていた辺りを聞かされた事が思い浮かび直接には関係ないのですが今更の様に禅とか音楽の「力」「普遍性」を認識する次第であります。本盤はチョンの前向きな姿勢は評価するものの正直デュリュフレの方が私自身親しむのに取っ組み中でありますのでOKランク以上と当面させていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/10

    スイトナーが60歳の時1982年にSKBOを振ってのベートーヴェン「合唱」交響曲であります。そして独唱陣はハヨーショヴァー(S,録音当時36歳)、プリーヴ(A,同38歳)、ビュヒナー(T,同43歳)、シェンク(B,同52歳)とほぼ年齢順が担当パート順に妥当な感じで合唱はBRCと安定した団体であります。演奏タイムは@16’15A12’56B17’07C25’19と他の演奏比で感触として第3楽章が短め、第4楽章がゆっくり目と捉えました。あまり奇をてらった指揮は行なわないどちらかと言えば地味な演奏スタイルのスイトナーはNHKSOとも多くの共演があった為日本では結構支持されていた様であの長めの指揮棒を振っての決して優美スマートとは言えない指揮姿は今でも目に浮かんで来ます。第1楽章割と粘つかないフレージングで進み強めの低音弦がやや篭もりながらも落ち着いた雰囲気を先ず創り出します。管楽器の個別音もはっきり捉えた録音も素敵です。ティンパニー協奏曲ばりの第2楽章はティンパニーの音がキツイというより豊かな感じでそういう意味では身構えた大層な第2楽章ではありません。ただ後段では詰め・攻めが強調されて行きます。第3楽章は弛緩せず滔々と歌われ音色構造も明確に大変美しく分り易い演奏で緩急をつける為得てして続く最終楽章との対照的扱いの演奏が多い中で(タイムそのものは決して短いとは思えませんが)ダラダラ感がないのが良いですね。最終楽章での歓喜テーマは割りと速く進みいよいよ声楽陣の登場・・・冒頭明るめのバリトンに続いてのテノールは独特の癖というか語りかけフィーリングに少し注目しました。合唱はガサツ・雑な処もありオーケストラとの掛合いもギスギス感で弱く思われたのですが〆に向かっては回復し頑張っております。この楽章では私の聴き違いか私のプレイヤー不具合だったら良いのですがほんの瞬間一箇所音の流れが不自然な箇所が気にはなりました。全体派手な演奏ではない古きドイツの響きが特徴とでも申しましょうか、素晴らしいランクにさせていただきます。なお、仕様も期待されますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/11/09

    1995年ピアニスト、シフ(録音当時42歳)が主宰するモントゼー音楽祭と連動して録音されたピアノ・トリオ集等(なお、シフ/塩川/ペレーニのトリオはこの1995年モーツァルトのピアノトリオをも録音しています。)でヴァイオリンはシフ夫人の塩川悠子(同49歳)、チェロはシフと同国ハンガリー出身のペレーニ(同47歳)で特に三重奏曲は彼ら三人は気心の知れたのびやかなアンサンブルが聴かれます。ピアノ三重奏曲第2番の方を主に聴いておりますがこの演奏はタイム@15’55A9’16B7’16C19’31と曲自体大曲なうえ最終楽章において一頃カットされていた百小節が復活され反復を行なっている為実に長大な曲となっております。通常このような場合私などは聴いているうち退屈感からしんどくなるのですがこの演奏は力みがなく室内楽の良さをじっくり味わえる事が出来ました。又、特筆すべきはシフの神経質ではない繊細なピアノの音色が美しく本盤響きに沿って聴き処であります。第1楽章活発なスタートを本盤響きが効果を上げます。いろいろ反復も踏まえ思索的なパッセージででもシフのピアニズムは実に美しいですね。曲は何回か段落をつけながら詰めの方へと・・・。映画「ピアニスト」の中でも印象的に使われた第2楽章は歌曲を想定させる様な暗い行進曲風からやがて力強さと悲劇性を増して行き詠嘆歌謡調で〆ます。第3楽章を経た問題の最終楽章は基本的には穏やかな調子なのですがやや執拗に変奏的に進み気分が高揚して行きます。ピアノ/チェロのデュオの箇所はアルベジョーネ・ソナタ然で息のぴったりさをクローズアップして聴きました。その「アルベジョーネ・ソナタ」の方は私はyoutubeでペレーニ/シフの演奏画像(多分1991年録画音、タイム@10’38A4’18B8’12)で親しんでいたのですがこれも力みがなく見得を切って大向こうを唸らせるような、派手な身振りのない演奏で日本ではもう一つ知名度が低いペレーニの渋めの音色が禁欲的にこの曲を中庸にバランスを取っているのが素晴らしく本盤演奏もその方向感は同様と思われます。ピアノトリオ第1番の方は未聴なのですがシフと塩川は本盤演奏録音以前1987年チェロがハーゲン担当ででも録っておりました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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