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Review List of 遊悠音詩人 

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     2008/10/12

    作曲家お墨付きのマーラー指揮者、メンゲルベルク。彼の余韻が色濃く残る戦後間もないコンセルトヘボウで、これまたマーラー随一の愛弟子であるワルターが《巨人》を振る!歴史的に見てもこれ程貴重な瞬間はありません。さてこのCDは1947年のライヴ盤ですが、音が生々しく、50年代後期のモノラル録音といっても違和感のない程です。少なくとも、これより3年後の1950年にライヴ収録したもの(バイエルン国立管/ORFEO)より遥かに聴き応えがあります。また、1961年のステレオ盤(コロンビア響/SONY)には見られないライヴならではの覇気も感じられます。勿論ライヴゆえの若干のミスは否めませんが、そんな瑕疵など偉大な音楽の前に障壁とはなりません。所々に見られるテンポや強弱の揺れにメンゲルベルクの影を感じつつも、全体は、リリシズム溢れるワルターその人の音楽になっているのだから不思議です。まさに異次元の融和…!特に終楽章コーダの思い切った“タメ”が見事です。併録の《運命の歌》も、弦の美しさ、とりわけ甘いポルタメントがさすが往年のコンセルトヘボウと思わせます。

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     2008/10/11

    ピカピカ、ツヤツヤに磨かれたカラヤンならではの華麗なマーラー。カラヤンはどんな曲でも豪華絢爛に仕立ててしまいます。それが悪いとは言いません。彼の立派な芸風なのだから。しかし、ことマーラーに関しては、違和感を覚えます。これは一つの解釈なのかも知れませんが、マーラーは時に暴君、時に聖職者、時に懐疑論者、時に篤信者の様に振る舞った人であり、その音楽が彼の心情吐露であるならば、単に絢爛豪華な音響を目指していたとは、とても思えないのです。この辺からくる違和感が、他の意見にもある「マーラーらしくない」という言葉に繋がるのです。その意味において、マーラーらしい第5番を挙げるならば、テンシュテット/LPOの88年ライヴ盤です。

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     2008/10/09

    天国的で清浄な世界に突如暗雲が立ちこめ、凍てつく様なやり場のない寂寥感に襲われ、その反動なのか思い切り感情を爆発させたと思えば、再び静寂に帰結する……この第3楽章の振幅たるや前代未聞です!もしかしたら、現代人が抱える複雑な心理――相反する感情が常に同居し拮抗し葛藤する心理――を見事に音として表しているのかも知れません。痛い所を突かれる演奏です。他の楽章も一筋縄ではいきません。それにしても優秀な録音です。残響が美しく、隅々まで見渡せる音!チャポーの歌唱やパーカッションも心地よく響きます。しかも一抹の翳りを伴って。“聖ウルズラの微笑み”の哀しき妖艶さといったら!!

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     2008/10/08

    膨よかでありながら逞しく、憂愁と愉悦の念が交錯する希有な演奏です。ピアノは即興性に富んだ軽やかなタッチでありながら、オケは雄渾でどしりと構えており、総じて分厚くも柔らかな素晴らしい響きを形成しています。グルダの弾き振りによって、彼の意図するものが隅々にまで貫かれています。天才グルダの鼻歌と軋む椅子の先に、もう一人の天才“モーツァルト”の姿を見る…こんな音楽体験はそうそうあるものではありません。音質も良好です。(余談:私もアバド/VPO盤はつまらなく思います。あれは買って早々中古屋に売ったなあ…cosmosさん、グルダの逸話には吹き出しましたよ。「やっぱりな」という思いです。)

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     2008/10/08

    特に20番は、個人的には93年にグルダが北ドイツ放送響を弾き振りしたライヴ盤(NDR10072)を筆頭に据えます。自在度や即興性、光と影のコントラスト、オケの雄渾さ、全てにおいて一歩抜きんでています。さて、優等生アバドと、異端児グルダ―グルダにしては、やりづらかっただろうと思います。VPO本来の美しさが、ややもすると感じる両者の齟齬によるつまらなさを緩和しているようですが、アバドの棒のもとでは、どうも平坦で凡庸な響きになってしまっています。録音もややハイ上がりで、ピアノが硬く、今一つコシやまろやかさに欠けます。弦もVPOにしては薄いように感じます。名盤であることは、知名度とは必ずしも比例しないのではないでしょうか。

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     2008/10/03

    本当だ!ZauberがZauberではない!歌詞の改変かと思いきや、全合唱の部分ではちゃんとZauberになっているから、これは明らかにパーペの歌唱に問題がありますね。他の部分でも発音が狂っています。第九で歌詞の改変と言えば、ベルリンの壁の崩壊記念にバーンスタインが振った『自由への讃歌』(FreudeがFreiheitに置き換え)が著名ですが、あれはバーンスタイン自身が改変に対して明確なコメントを出しているから了承できるのであって、勝手に改変させられたら怒る人も出てくるでしょう。けれども、そうした歌詞の瑕疵(シャレでなく本当に)に気を取られていると勿体ない位、語る第九です。「パーペの歌唱だけを評価しろ」と言われたら“いまいち”ですがね(苦笑)。

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     2008/10/01

    私も含め、ここに記載された評価は相当な辛口だと思います。昨今の無味乾燥としたマーラーに比べれば、格段に説得力があるし聴き応えもあるのですが、皆さんも仰る88年盤が(安易な枕詞ではなく本当の意味で)比較の域を逸した演奏であるだけに、どうしても不満の方が残ってしまうのです。二つの間の四年間に、テンシュテットは喉頭癌に侵されたことで、曲に対する見方も相当に変化しています。テンシュテット自身の言葉を借りれば、「マーラーは、私の人生」なのですが、まだ健康だった84年の当録音は、どちらかと言えば健康的な、深刻ぶらない演奏で、悪く言えば他人行儀に思えるところさえあります(インタビューでも「マーラーの音楽は健康的なものだと思う」と語っています)。しかし、病に倒れた後の88

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     2008/09/30

    もう一言だけ言わせてください。人生を、どうしても悲観的に考えざるを得ないような、一生懸命悩めば悩むほど先行きに希望を見いだせなくなってしまうような方にこそ、私は真っ先にこの一枚をお薦めします。テンシュテットがマーラーの演奏を借りて、あなたとともに悩み苦しみ怒り憧れ、そして最後には力強く背中を押してくれるでしょう(私も、何かに煮詰まるとこれを聴いてパワーを貰っています!)。

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     2008/09/29

    「アダージェットは癒しの音楽であるはずがない!マーラーの悲痛な心の叫びだ!」そんな魂の訴えが聞こえてきます。妖しげな透明感に垣間見るやり場のない悲愴感が、波のように引いては寄せ、やがて大きなうねりとなっていく…私は完全に打ちのめされてしまいました。やたらと楽譜研究に躍起になった挙げ句、共感と情熱を持って全身全霊でぶつかるようなマーラー演奏を“主観的”と切り捨てるような昨今の演奏からは望むべくもない、最も綺麗事ではないマーラーがここにあります。とにかく第一楽章冒頭のTpからして、やり場のなさが込み上げてくるようだし、その他どこを取っても、マーラーの感情の心底を抉りだし眼の前に曝け出してしまう演奏なのです。もう何もかもに呪縛させられてしま

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     2008/09/28

    大変趣味の良い演奏です。私は普段、独墺系ばかり聴いていますが、フランス系は肩が凝らずに自然に浸っていられるから、いい息抜きになりますね。精神美の独墺系に対して、フランス系からは感覚美の世界を味わえるものだと思っていますが、トリオ・フォントネの演奏するこの三作品からも、小気味よい味わいを感じ取ることが出来ます。品の良さや伸びやかさを感じさせる節回しと、それによってもたらされる色彩感覚の豊かなこと!絶品です。音質良好、しかも廉価!

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     2008/09/19

    最高のベートーヴェン!冒頭のティンパニーからして、まるで淡い恋心を抱いたときの胸の鼓動のようです。ヴァイオリン協奏曲の作曲当時、ベートーヴェンは恋をしていたのです。束の間の春、彼はどれだけときめき、迷い、憧れ、苦しんだでしょうか。彼の様々な感情が、時に控え目に、時に赤裸々に綴られたこの曲を、シェリングとS=イッセルシュテットは極限まで語り尽くしています。例のティンパニーのリズムは、第一楽章の至る所で形を変えて現れ、それがこの曲の心臓であることを暗示するかのようだし、続く第二楽章では飛翔するファンタジーが絶品です。終楽章の気高さと至福の雰囲気も素晴らしく、どこを取っても非のつけ所がありません。因みに個人的には、1959年のライヴ(クレンペラー/PO、品番SBT1353)もお薦めです。

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     2008/09/13

    ライヴのクーベリックは熱い!彼の《新世界》やシェリングと組んだブラームスの協奏曲のライヴなどを聴くたびに、クーベリックの真骨頂はライヴにあることを痛感してきましたが、このフランクなどもご多分に漏れず素晴らしい熱演になっています。音質も良好で、ややハイ上がりな面もありますが、スケールの大きな演奏を伝えるのに不足なく、残響も程よく捉えられています。とりわけフランクの終楽章の盛り上がり方が素晴らしく、身体が熱くなります。

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     2008/09/13

    気高き名演!クレンペラーの伴奏はもはや伴奏の範疇をゆうに越え、渋く熱く語り尽くしています。重低音がしっかりしてコシのある、これぞドイツという響きで、イギリスのオケからこのような響きを作り出してしまうクレンペラーには、ただただ敬服するのみです。対するシェリングのヴァイオリンは、気品があって精神性を感じる素晴らしいもの。線がやや細いためか、クレンペラーとの間にギャップがあるように解釈する人もいるでしょう。しかし、「気高さ」の面では共に同じ方向を向いています。ややもすると鈍重になりそうなクレンペラーのバックに一条の光を差すシェリング。見事という他ありません。何より後のスタジオ録音にはない気迫がひしひしと伝わってくる辺り、さすがライヴ!S=イッセルシュテット盤やハイティンク盤も良いですが、シェリング好きならば是非当盤を!終演後の喝采にも納得の名演です。

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     2008/09/13

    愛弟子ワルターによるマーラー!しかも音質良好のライヴとなれば黙っていられません。ワルターの『復活』として有名なものは、他に40年代に残したVPOとのライヴや、SONYが録音したNYPステレオ盤があります。しかしながら、前者は音質面でかなり難があり、後者も晩年のワルターにありがちな不完全燃焼型の演奏であり、個人的にはどちらも余り好みではありません。ところが当ライヴ録音は、ライヴならではの気迫とモノラルながら良質な音質が融合しており、ワルターの残した『復活』の中でも格別な素晴らしさがあります。様々な紆余曲折の後、精神的な高みに押し上げられるかのような終楽章は殊に感涙モノ!終演後のブラヴォーにも納得です。

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     2008/09/11

    怒濤の求心力!音の一つひとつがブラームスを語り尽くしています。交響曲第1番は冒頭からして凄い!弦のヴィブラートの悲壮感といいティンパニーのおどろおどろしさといい、さすがとしか言いようがありません。終楽章コーダなど前のめりになる程!それから、フルトヴェングラーは“間”の取り方が巧いですね。音が実際に放たれるまでの僅かな間、エネルギーをぐっと溜め込んでいるようで聴いていて胸のすくような感覚を味わえます。音楽に流動性を感じるのはその所為かも知れません。併録の二曲も素晴らしいです。ただ、風雷暴氏ご指摘の通り、フルトヴェングラー指揮であることの必然性を求める向きには多少物足りないかも知れません。何やら「フルトヴェングラー指揮」と聞いただけで一生モノの名盤を期待して

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