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TOP > My page > Review List of ほんず内閣総理大臣
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1 people agree with this review 2012/03/18
十数年ぶりに聴きました。以前に聴いた感想は「面白くないのう」ということで、そのためずっと聴かなかったというわけです。今回、久々に聴きなおし、全く考えを改めまして、まことに敬服の至りであります。マゼールさんのアプローチは、例えばバーンスタインのように情感豊かな没入型ではありません(これは予想通り)。大きな感動で聴く者を圧倒することはないでしょう。一方、レヴァイン(新旧)のような美麗な管弦楽作品再現型でもありません。音響美とオケの名人技で堪能させる「耳のごちそう」でもありますまい。そしてその中間ということでもありません。この演奏は、プロ中のプロによってこの曲のあらゆる秘訣が解析され、その凄みを突きつけてくる、そんな印象でしょうか。たとえるならば、天にそびえる大教会の、建築としての構造がまずは解明され、次に(あるいは同時に)内部を構成するそれぞれの部分の役割や細部の装飾の意味が明白にされるという感じでしょうか。ウィーンフィルは充分な美感を誇りつつ、指揮者のそうしたすこぶる理知的な姿勢を、自らの誇りを示しつつ、音化しております。演奏自体の物凄さ(スーパーハイレベル)にはほとほと感心し、敬服いたしました。但し、この演奏は「頭で聴く」ものであって、「ハートで聴く」ものではないな。この曲に関しては、それではやっぱり物足りないというのも正直な感想です。さっきの教会のたとえを使うなら、建築としての意味や凄さはわかったけど、「何のためにこれを建てたの?」とか「宗教ってどんな意味があるの?」とかいうような、問いかけに応えてくれるものではないのですね。10番のアダージョも同傾向ですが、こちらはもっと耽美的な傾向が強いかな。録音はいささか鮮度不足。もうそろそろ録音から30年にもなるんだもんねぇ。
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0 people agree with this review 2012/03/18
すこぶる軽めの演奏。「軽め」とはどういうことかと言いますと、まず、音響的に大管弦楽が鳴りきっておらず、迫力が今一つなこと。そして、気分の変化が明確に反映されず、淡々とした表情付けで進んでいること、であります。ま、第4楽章の「ずり上げオーボエ」とか、「あひゃっ?!」というところはあれど、総じて「軽め」。悪くはないのですが、この演奏ならではの特徴に欠ける感は否めず。水準以上でも以下でもない、としておきます。録音は良好。なお、第3楽章のポストホルン、何だかおもちゃのラッパみたいな実に奇怪な音。実演でもレコードでもこんな音のポストホルンを聴いたことがない。実演だと終演後に楽器を持ってステージに奏者が現れてまさにポストホルンの音色は確認しておりますから、これまで私が聴いてきたポストホルンの音が違うということはない。何でしょうね、これは?!
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6 people agree with this review 2012/03/15
みなさまの大変高い評価が並んでおりますが、私としましては、残念ながら同意できない、といふところです。何よりも、この演奏(出来栄え)にチェリビダッケ自身はどのように思っていたのかが疑問となって仕方がないのであります。違和感を覚えるのは、管弦打のバランスでありまして、特に木管がやたらに前面に出て聴こえる個所があって、バランスを壊しているように思え、細部にこだわったあのチェリビダッケらしい「細心さ」がないように思えます。少なくとも、のちのミュンヘンフィルとの演奏では、テンポはともかく、こうしたバランス感覚における違和感は感じませんでしたので、当日の演奏が問題なのか、あるいはディスクにする際のマスタリング(これはもうプロデューサーらのせいか)によるものか、指揮者の意図通りの演奏ではなかったように思えてしまうのです。まずこの点を申しておきましょう。では、それを差し引いて、いい演奏かと言うとそうとも思えません。第1番と第2番では力強さに欠け、前者では劇性が、後者では開放感が、特に感じられないのがつらいなあ。第4番もいま一つ。但し、細部にまでしっかりと注意を働かせた高水準の演奏です。このセットで最も成功していると思われたのは第3番。曲の持つ、一種の屈折が、この指揮者自体の持つ屈折性とマッチして、いかにも「腹に一物」という感じの、一筋縄ではいかないブラームスの世界を実感させます。次に、このセットで不満があるのは録音、音質です。第1番を再生して出てきた音が、いかにも潤いや鮮度がなく、ヴェールを一枚かぶせたような音で、すこぶるがっかりしました。これもやっぱりマスタリングに問題があるのではないですかねえ。ヒストリカル音源で常に問題になっていますが、過剰なノイズリダクションとか、いろいろやっているのかな。以上、疑問や不満が大きくて、期待しただけに残念なセットでした。多くの方と正反対の印象になってしまいました。ま、ご興味がある方は、ご自身の耳でお確かめを。最後に、リハーサルは面白いなあ。これで聴くと、チェリビダッケはずいぶんと騒々しい奴ですなあ。絶叫マシン的で、元気はつらつ。でもオケにいたら、なんだかやる気がなくなるようなリハという気もしないでもない。同じオケを相手に、ジュリーニさんがブルックナーの交響曲第9番で行っているリハーサル(DVDあり)は本当に共同作業としての音楽づくりですこぶる感動したのですが。(-_-)
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1 people agree with this review 2012/03/14
期待通りの名演でありましょう。オケ、声楽とも、仕上がりは極上。全編美しさの限りで、しかし弛みのない、クーベリックならではの見事な統率のとれたすばらしい演奏です。ぜいたくな不満を申せば、やはりいささか「美」に傾斜して「痛み」「悼み」の感情がちょっと希薄かなあという気もしてしまいます。ま、でもそれはそれでいいのでしょう。壮大さで聴く者を圧倒するタイプではなく、素直に向かい合う時に安らぎと喜びを与えてくれる、そんな感じでしょうか。録音も極上で、何の不満もなし。立派な演奏であります。大いに推薦。
2 people agree with this review 2012/03/13
クロサキさん、快速パッセージも実に鮮やかな技巧で弾き切り、見事な腕を見せています。とはいえ、曲は総じて優美で典雅なもの。ハープシコード及びオルガンの静かな響きに乗せて、ヴァイオリンが美しく奏でられ、まことに結構な出来栄えとなりました。思えば、これらの名曲、古楽とかいうことを意識しないで、ヴァイオリンの歌の要素を思う存分伸びやかに発揮したフェリックス・アーヨの名演が忘れがたいのも事実でして、その辺、クロサキさんは古楽演奏の枠をきっちり守っているのかなあ、ちょっと不足も感じないわけではないですが。しかし、大いに堪能しました。まことに結構です。
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4 people agree with this review 2012/03/12
お酒でいう淡麗辛口ってんですかね。表情付けはあっさりめですが、凝縮された響きを主体として、適度に盛り上げつつしっかりとまとめました。今、「適度に」に記したように、ここには壮大な開放感、細部への異様なこだわり、さらには華麗な音響美、といった要素はありません(少なくとも希薄であります)。クーベリックという、真摯で穏健なる音楽家が、音楽の大きな流れをぐっと捕まえて、禁欲的な姿勢で取り組んだブルックナーです。多少の物足りなさも感じないことはないのですが、何べんも聴いて「味わう」という姿勢が聴き手にも求められているのかもしれませんね。硬派の演奏。オケは驚異的な精度を誇り、鮮やかなもの。これもクーベリックさんの薫陶のおかげでしょうね。セッションよりも、近頃よくリリースされるライヴに名演の多いこの巨匠の音楽、もっと聴きたいものです。録音は基本優秀ですが、若干打楽器がオフかな。ティンパニの迫力、今一歩の気がします。実演ではもう少し鳴っているんじゃないかなあ。
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0 people agree with this review 2012/03/12
さて、これはなかなかに評価の分かれるところでしょう。演奏の完成度は、ライヴであるということを差し引いても、高いとは言えますまい。個々の奏者のミスはもとより、アンサンブルの精度が悪くて全体に引きずるような重ったるい調子。特にフレージングがいかにもゴツゴツしていて、セッション録音にあったとろけるような甘みが欠けています。録音の加減もあるのか、音色も全体に鈍くモノトーンで輝きに不足します。そういう意味では、正直、欠点だらけの出来栄えでしょう。ところが、個人的にテンシュテットひいきの者としては、このゴツゴツ・グダグダぶりが何ともたまらなく魅力的であります。スマートに、あるいはスリムに演奏されてもさっぱりいい感じにならないこの曲、クレンペラーもそうでしたが、こういう一種の武骨さが皮肉にも曲の破天荒な魅力をきわだたせてくれる、と個人的には思うのであります(但し、クレンペラーはやはり奇演だと思いますけど)。といふことで、マーラーの交響曲第7番に充分になじみ、なおかつテンシュテットのファンにとってはこれはもう★五つしかない評価ですな。そうでない方は、大減点されることでしょうし、そういう方には全くお薦めしない演奏です。「ジュピター」は、大編成による大きな作りで、ま、こんなもんでしょう。個人的に好きな曲ではないので、それ以上の感想なし。録音は年代的水準ですかな。特に良くもなく、悪いというほどでもありません。もう少しレンジが広くて、音に鮮度があるといいんですけどね。なお、ギターやマンドリンはやけに明瞭。バランスはちょっと変かな。
1 people agree with this review 2012/03/11
日本におけるクラシック音楽の普及は、やっぱり戦後におけるレコード(それもステレオ以降のLP)によって曲や演奏者に親しむというパターンが中心であったように思います。ホールなどの関係上、どれほど流行していた時期であっても(今も)、マーラーやブルックナーの実演が聴かれることのない地方都市はいくらでもあります。私自身、メディアによく出た音楽家の名前は知っていますが、本当にその人たちが実力者なのかは検証しえず、メジャーな名前にとらわれていただけではないかと今も思います。山崎氏が取り上げるヒストリカルのディスクは、欧米における劇場の実演の状況が反映されたものが多く、メトのライヴはその典型です。歌手も指揮者も未知の人が多いですが、それらについて多くの情報をもたらしてくれる山崎氏のお仕事は大変に意義深く、貴重であると思います。こうした仕事によって、メジャーレーベルが提供したディスクにとらわれない、本当の意味での音楽界のありようを踏まえた(聴衆側の受容も含め)音楽史はもとより、私たちの音楽観もディスクのチョイスも広くなるのではないでしょうか。私もかつて『レコード芸術』誌を愛読したものですが、村田武雄氏や大木正興氏らの、喜びとしての音楽であるよりかは、芸術至上主義・美学的な音楽への態度はいかにも堅苦しく、権威主義的でもありましたね(難しい語彙が多くて、勉強にはなりましたけど)。新旧は価値ではなく方向性やあり方の違いであると思えば、山崎氏が教えてくれるヒストリカル情報は大変に有益です。ヒストリカルは録音面でハンディがあるのは自明だし、大枚の金をはたいて失敗するだけの余裕がない者としては、大いに参考となるからです。こういうお仕事を今後も続けていただきたく、私は強く希望して(期待して)おります。なお、不満を申すならば、注の形でよかったので、情報をどんどん増補してほしかったなあ。あと、ヒストリカルについて何らかの音質評価基準を設けてほしいですね。たとえば、もっとも普及していそうなフルトヴェングラー&バイロイトの第9(EМI)を70点、とかね。ぜひご検討を。
0 people agree with this review 2012/03/11
マルティノンのマーラー、いくつか既出のようですが、私は初めて聴きました。ライヴで、特にオケの乱れも散見されるのですけれど、ここに聴く演奏、大変すばらしいものと思います。表情付けは濃厚ではなく、テンポの緩急やバランスの強弱も含め、特別個性的なところはありません。むしろ、スコアを読み込んだ上で一定の軌道を作り、その上で、しっかりと手綱を引き締めつつ指揮しているという感じです。それが最終楽章に至って、感極まるというのでしょうか、豊かな歌が溢れて果てしなく拡がってゆき、感動的なフィナーレを迎えます。ライヴならではの素晴らしいエンディングにて、大いに満足しました。オケのミスや乱れは目立ち、声楽陣も特に感心はしませんが、そしてマルティノンならではの個性も特に感じないのですけれど、それは措いといて、充実した聴後感たっぷりですのでこれでいいんです。第1楽章終了後に拍手が起きるのはご愛敬だなあ。70年代半ばのブーレーズ&ニューヨークフィルでも同様なことが起こってます。当時はそんなもんだったんだな。「ルル」はなかなかに衝撃的な音楽。以上、録音は優秀。ヒスも少なく、フルオーケストラの迫力もしっかりとらえられております。さて、蛇足を二つ。ジャケットは、ユニコーン=カンチャナ発売のホーレンシュタイン&ロンドン響のディスクに何やら似ております(水とか色が)。実は演奏のコンセプトも似ている感じ。剛と柔の使い分けがいかにも共通。面割は、1枚目にマーラーの交響曲の1〜5楽章が、2枚目に6楽章が収められ、そのあとに「ルル」が入る。やっぱり逆だよね。1枚目の頭が「ルル」で、その後にマーラーの第1楽章を。マーラーの残りを全部2枚目に収める、もうこれしかないでしょう。特にマーラーの4〜6楽章はアタッカでつなげることになっているのだから、これが必然。製作者さん、ちゃんとしておくんなさい。
ヒストリカルですのでまず音について。6年の開きがありますが、それはほとんど感じられず、そしてダイナミックレンジの広い、大編成オケの曲ですが、驚異的な高音質といえましょう。ノイズもなく、音は明瞭で、フルオーケストラでの迫力も十分。やや乾いた音で、この辺は悪名高い(!)ゴットフリート・クラウス氏のリマスタリングのせいかもしれませんが、音楽を楽しむ分には何の不満もありません。そして演奏。「死と変容」は迫力はありつつも、全体には端正と言いうるもの。いいんじゃないでしょうか。そしてメインの「アルプス」。若干早めのテンポにてこちらも基本は端正なアプローチ。各エピソードをしっかりと踏まえて進めつつ、もったいつけずに全曲をきっちりとまとめました。描写にはあまりこだわらず、また、いたずらに粘らず、比較的あっさり目の演奏ですかな。この指揮者のある一面をよく示すものでしょう。クナッパーツブッシュは、怪物的演奏ばかりよく取り上げられ(中には失敗作も含む)、リハーサル嫌いとか振り間違いのエピソードとか、これも異常な側面ばかりが強調されることが多く、私自身、ずいぶんそういう情報によって彼のイメージが作られてしまい、実際彼はどうだったのかと疑問を多く持っていました。このディスクによるならば、そして先に聴いたバイエルンでの『トリスタン』全曲の印象も合わせると、劇場での職人的な技をしっかり持った、基本は至極まっとうな指揮者だったのではないか、と拝察いたします。時折やらかす変演奏が独り歩きして「怪物」イメージを作っちゃったのではないかしら。なんてなことを思ってしまいました。でもそれはまたこちらがクナッパーツブッシュを多く聴いていないせいかもしれませんな。どんどん聴いてゆくと、まともなものはやはり少なくて、やっぱりホントに「怪物」だった、ってなこともありますかもな。
驚異的な低価格(!)にて、購入。ソフィアの劇場、勝手な先入観としてはヨーロッパの一地方の田舎劇場でしょうというところで、聴き始めてすぐ、オケと合唱がちょっと頼りないかなあ、なんて気はしました。でも、間もなく持ち直してあとは終結までそんな不満はもちません。ソリストも、主役のギュゼレフさんを除くと有名どこはおりませんが、いいんじゃないでしょうか。たとえば、ムーティやファブリティース盤のような有名歌手たちの強力な歌と比べなければ、これはこれで結構だと思います。マリノフさんの指揮は、曲の壮大さに合わせてもっとスケールアップが欲しいですが、全体のまとめはこれまた結構でしょう。少なくとも、聴いていてそれなりにこのオペラを堪能しましたよ。コストパフォーマンスを考えれば、実にすばらしいといえましょう。興味がある方はまずこのディスクを何度も聴いて曲になじみ、その上で、上記ディスクに手をのばしてはどうでしょう。この傑作オペラ、もっとメジャーになってほしいなあ。録音は文句なし。
0 people agree with this review 2012/03/09
当方、あまり感心せず。まず、オケの技量にやや問題あり。特に弦楽器が人数も少ないのですかねぇ、細身でなおかつナマな音で鳴っていて、磨き上げの余地、相当ありそうです。声楽陣も感心しない。アルトソロはいかにも高い音がきつそうで、十分な表現力を持たない。合唱もいま一つ美しくないなあ。カエターニさんのアプローチは、比較的大きく構えたもので、壮大な迫力を目指しているように思えますが、オケや合唱の技量の限界上、うまいこと感動に結びつきませぬ。また、結構オケのずれが気になって、特にバンダとはずいぶんずれているような気がするなあ。そこは指揮者の問題かな。但し、妙な自己顕示欲とかがなく(ラトルはそれが気になる)、取り組みは真摯であるように思います。ライヴじゃなくて、セッションで録音したらよかったんじゃないかなあ。といふことで、悪くはありませんが、総じて今一歩、という結論であります。録音は優秀。ラストでオルガンがしっかり聞こえるのはよいことです。
1 people agree with this review 2012/02/27
一言で表現すると「爽快」なブルックナーということになるのでしょうな。速めのテンポで進めつつ、オーケストラを存分に開放してよく鳴らし、大曲を一気に終わらせました。但しこれらの特徴はそのまま裏返して問題点にもなりそうです。つまり、速めのテンポのせいで落ち着きと歌にいささか乏しくなり、この曲の持つ「雰囲気」が希薄になってしまいました。また、オケはよく鳴っていますけど、正直、けっこう野放図な鳴らし方。ここしばらくの間、精妙に仕上げられたブルックナーを我々はずいぶん聴いてきました。管弦打のバランスはもとより、同じ金管群の中だけでも相互のバランスにしっかり留意して演奏する、そういうタイプになじんでいます。そういう耳からすると、ここに聴かれるのはいかにも「野放図」な開放。その辺、いろいろと不満を感じるものではあります。全曲の終結もまた「あれっ?!」というあっけない終わり。トータル、やや期待外れかなあ。カップリングの「タリス〜」は名曲。「グリーンスリーブスの〜」よりもはるかにすばらしい曲で、バルビローリに実に素敵な名演があります。こちらも弦楽器を上から下まで存分に鳴らした威力十分の演奏。ただ、ブルックナーでもそうでしたけど、もっとニュアンスを大切にした演奏をしてほしかったな。曲の持ち味、若干損なわれている気はします。なお、この「タリス〜」のディスク収録の音量レベルが相当に高くて、ブルックナーでのフルオーケストラの際よりもこちらの弦楽の斉奏の方が音量が大きいのはいくらなんでも問題でしょう。ディスク製作者はこういうあたりに気は使わないのかなあ。やっぱりこういうのは実演でのダイナミクスを基準にして、ディスクも仕上げるべきだと思いますね。さて、全体の録音は良好。ややヒスはありますが、気になるほどではなく、音楽を楽しむ分には問題ありません。
1 people agree with this review 2012/02/26
ま、なんたってカップリングが絶妙。購買意欲、大いにそそられます。さて、「惑星」は1971年、「スター・ウォーズ」は1977年の録音で、ちょっと開きがあります。それが録音や演奏に若干の影響を与えているかな。「惑星」は、これまでの多くのレビューで言うほどには迫力はないんじゃないですかねえ。まず、当時のデッカの録音の特徴で、細部はやたらにクリアーだけどマスの量感がとらえられていないこと。打楽器も固有の音色はすごくよくわかるけど、打撃の迫力は薄くて、だからフルオーケストラでもさほど盛り上がらない感じ。また、この後、デジタル録音時代になってまさしく力任せのパワフルな「惑星」のディスクがたくさん出たので、このくらいではさほど大したことなしという印象があること。さらに、ウィーンフィルとの「復活」をはじめ、傑作を生み出すほんの少し手前の頃、メータ自身も大化けするちょっと前くらいの段階で、まだ甘いかな。総じて、目下のところでは「まあまあ」というレベルではないかなあと思います。一方の「スター・ウォーズ」は、はっきり言えばこの曲においてメータ&ロスフィルと正面きって争う相手はいませんので、どうだと言わんばかりの吹っ切れた実によい演奏。こっちは文句なしに聴いていて気持ちよい。といふことで、トータルとしては、大いに結構なアルバムです。
0 people agree with this review 2012/02/22
リストの二つの交響曲に、有名どころの交響詩をくっつけたお得なアルバム。とはいえ、聴いた後の感想はなかなかに微妙だなあ。ファウスト交響曲は、バーンスタインが高く評価して愛情を注いだ曲で(映像まであるね)、ショルティも確か傑作と評していたらしいですが、ショルティ流の即物的な(張り手の利いた)演奏で聴きますと、印象的な部分はあるけれど、一貫した流れや勢いのなさがかえって目立つ、残念な結果となりました。ロペス=コボス指揮のダンテ交響曲はいっそうまとまりの悪い曲で、どうにも魅力を感じません(シノーポリで聴いた時と同じ)。このアルバムで最も魅力的なのは、やはり「レ・プレリュード」ということになっちゃいますね。ただ、そうなると今度はロンドンフィルがなんだか鈍重で演奏の魅力が薄いという結果。全般的に残念な感じのアルバムです。でも、これらの曲にご興味がおありの方はどうぞ手に取ってみてください。(プラスアルファの説得力がないだけで)高水準の演奏ではあります。
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