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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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1 people agree with this review 2009/12/30
カイルベルトの演奏するブラームス交響曲で私は盤(LPだけれど・・・)として持っているのはオケがバンベルクの第3番とハンブルグの第4番なのですが現地での普段着のコンサートを聴くといった雰囲気で力まずしかし弛緩せず曲そのものを再現する作業に徹した「素晴らしい」演奏と思っておりました。偶然FM放送で1968年ライブでNHKSOを振った第1番・・・即ち本盤・・・を聴いてコメントする次第です。後年同楽団のコンサートマスターに着任する堀さんの興味深い話もありカイルベルトのことを楽屋では「ドイツのじゃがいも」と尊敬を込めて愛称していたらしくとにかく1965年頃からNHKSOを次々と所謂実力外国指揮者が振る口火を切った人とのことでした。1908年生まれなのであのカラヤンと同年生まれ、カイルベルトは大袈裟ではなく楽員と共に音楽創りをする姿勢だったというので納得しました・・・・前述の第3,4番そして本盤の第1番の演奏に。そのカイルベルトはこのライブから数ヵ月後に急逝するわけですから僅か60歳・・・割と老け顔なのに・・・今また見直されている指揮者です。さてこの第1番、演奏タイムは概算@13’20A9’06B4’42C15’24となっており明らかに最終楽章は短めと申せましょう。第1楽章出だし早いテンポ・・・それもすごく速いという感じで次の展開は客観的には普通のテンポなのに逆にスローになったように思われましたがそれも次第に慣れて来ます。とにかくこの辺りの対比感が面白いです。NHKSOも雑種的響きというかドイツ魂が乗り移ったかのように良くマッチし各アタックの踏み込みも強いです。中間の盛り上がりへの過程、強靭な合奏が相俟ってその「山」を築きあげます。最後はゆっくり目に閉じます。第2楽章独奏ヴァイオリンも含めた弦が指揮者に引き出された様に美しく、テンポの速い第3楽章では楽員の自在性が活き活きと感じられます。いよいよ最終楽章初めのピチカートから経過するティンパニーを交えてのパッセージはやや癇癪的な気合が凄く・・・やがてホルンの宣誓であの歓喜テーマに入りこの主題間適当に切れを入れ間延びさせない心遣い。縁取りを明確にテンポも更に加速させ突き進みクライマックスの堂々としかも大層にはせず立体的に終わります。カイルベルトにはこの第1番交響曲をBPOで振った演奏もありそのタイムが@13’34A9’00B4’44C15’49とこのNHKSOライブの随分前の演奏なのに軸ずれしていないことには注目すべきなのでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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2 people agree with this review 2009/12/29
私はピアノ協奏曲第3番単独収録の盤で聴いておりますので当該曲演奏についてコメントさせていただきます。1979年TV放送の為の特別演奏会ライブで何か緊張感が伝わって来る冒頭拍手からです。第1楽章実にゆったり・・・そこがジュリーニらしい処なのでしょう、それも当たりがソフトで・・・、前奏が終わるといよいよミケランジェリのお出まし、例の剃刀の様な切れ味よろしく一瞬ゾッとする位な感じであります。その磨かれ繊細なタッチ音は時にはこれもブルッとするルバートを交えて進んで行きます。息を呑むカデンツァ・・・。第2楽章はもうひとつゆったり、もうこうなるとベートーヴェンのギリシャ的古典派というよりロマン派的な印象を与えます。第3楽章・・・通常前の緩徐楽章が終わるとすぐに入るところ少し間をおきこの最終楽章に着手します・・・この楽章はマァこんなものかなぁというイメージ。演奏タイム的には@17’46A11’03B10’46で今まで述べた感じもお分かりになろうかと思います。ミケランジェリ、ジュリーニのこのイタリア出身演奏家組合せは他にモーツァルトとかありそれも聴いてみたいですね。本盤第1番の方の協奏曲は未聴ですので「素晴らしい」ランク止めにさせて下さい・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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1 people agree with this review 2009/12/29
私はピアノ協奏曲第3番単独収録の盤で聴いておりますので当該曲演奏についてコメントさせていただきます。1979年TV放送の為の特別演奏会ライブで何か緊張感が伝わって来る冒頭拍手からです。第1楽章実にゆったり・・・そこがジュリーニらしい処なのでしょう、それも当たりがソフトで・・・、前奏が終わるといよいよミケランジェリのお出まし、例の剃刀の様な切れ味よろしく一瞬ゾッとする位な感じであります。その磨かれ繊細なタッチ音は時にはこれもブルッとするルバートを交えて進んで行きます。息を呑むカデンツァ・・・。第2楽章はもうひとつゆったり、もうこうなるとベートーヴェンのギリシャ的古典派というよりロマン派的な印象を与えます。第3楽章・・・通常前の緩徐楽章が終わるとすぐに入るところ少し間をおきこの最終楽章に着手します・・・この楽章はマァこんなものかなぁというイメージ。演奏タイム的には@17’46A11’03B10’46で今まで述べた感じもお分かりになろうかと思います。ミケランジェリ、ジュリーニのこのイタリア出身演奏家組合せは他にモーツァルトとかありそれも聴いてみたいですね。本盤第1番の方の協奏曲は未聴ですので「素晴らしい」ランク止めにさせて下さい・・・。なお、仕様改善がなされているようですので音質は大丈夫なのではないでしょうか。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
3 people agree with this review 2009/12/28
私はピアノ協奏曲第3番単独収録の盤で聴いておりますので当該曲演奏についてコメントさせていただきます。1979年TV放送の為の特別演奏会ライブで何か緊張感が伝わって来る冒頭拍手からです。第1楽章実にゆったり・・・そこがジュリーニらしい処なのでしょう、それも当たりがソフトで・・・、前奏が終わるといよいよミケランジェリのお出まし、例の剃刀の様な切れ味よろしく一瞬ゾッとする位な感じであります。その磨かれ繊細なタッチ音は時にはこれもブルッとするルバートを交えて進んで行きます。息を呑むカデンツァ・・・。第2楽章はもうひとつゆったり、もうこうなるとベートーヴェンのギリシャ的古典派というよりロマン派的な印象を与えます。第3楽章・・・通常前の緩徐楽章が終わるとすぐに入るところ少し間をおきこの最終楽章に着手します・・・この楽章はマァこんなものかなぁというイメージ。演奏タイム的には@17’46A11’03B10’46で今まで述べた感じもお分かりになろうかと思います。ミケランジェリ、ジュリーニのこのイタリア出身演奏家組合せは他にモーツァルトとかありそれも聴いてみたいですね。本番「皇帝」協奏曲は未聴ですので「素晴らしい」ランク止めにさせて下さい・・・本当は「皇帝」協奏曲を聴くべきなのかも?スミマセン・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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2 people agree with this review 2009/12/27
私はドホナーニ演奏の「新世界」交響曲と第8番セットのもので聴いております。どちらも1984年の収録ですが「新世界」交響曲の方、演奏タイムから申しますと@9’18A11’48B7’52C11’44となっておりやや第1,2楽章が早目という感じであります。ドホナーニは特にセル時代に出来上がった強靭なCLOアンサンブルを活かして(勿論あいだにマゼールが寄与してはおります・・・)更に磨きをかけて行った指揮者ですが何となく「線」の細い指揮者である印象を拭えなくなって久しいです。その創り出す音楽は決して線が細いわけではないのに・・・そう主張が我々凡人にはつかみ切れないもどかしさが有るようです。彼の演奏価値が分かるには少し時間が要るのかもしれません。例えばこの「新世界」交響曲はティンパニーを効果軸に前述CLOの緻密な機能美を活かした演奏となっており情的なものは一切排されて(この辺りがドホナーニ演奏全般についての評価を持ち上げるかどうかの境にもなっているのではないでしょうか)ある意味厳しい音楽を創りあげています。この超有名曲の一つの形にはなって私は充分気に入っております。第8番の方・・・私はCLOではセル指揮の旧盤(1958年収録@10’00A10’08B6’23C9’05)、新盤(1970年収録@10’51A10’35B6’41C9’31)で特に旧盤のキリッとした演奏がすごく気に入っております・・・はやはりドホナーニの演奏は第1楽章において音節におけるティンパニーを上手くやや硬質効果的に使い時としては「溜め」も経過的に見られ、第2楽章での抒情的な進め方そしてよく歌う第3楽章、よく鳴る第4楽章と曲本来のストーリー通り展開してその演奏タイムは@10’14A10’37B6’10C9’22と(例えば先述のセル両盤と比較しても)過不足がないだけに聴き飽きしないいい演奏には違いけれど「新世界」ほどのめり込むには到りませんでした。第7番は未聴ですので全体「素晴らしい」ランクに止めておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
1 people agree with this review 2009/12/26
私はドホナーニ演奏のこの「新世界」交響曲と第8番セットのもので聴いております。どちらも1984年の収録ですがここでは「新世界」交響曲の方、演奏タイムから申しますと@9’18A11’48B7’52C11’44となっておりやや第1,2楽章が早目という感じであります。ドホナーニは特にセル時代に出来上がった強靭なCLOアンサンブルを活かして(勿論あいだにマゼールが寄与してはおります・・・)更に磨きをかけて行った指揮者ですが何となく「線」の細い指揮者である印象を拭えなくなって久しいです。その創り出す音楽は決して線が細いわけではないのに・・・そう主張が我々凡人には摑み切れないもどかしさが有るようです。彼の演奏価値が分かるには少し時間が要るのかもしれません。例えばこの「新世界」交響曲はティンパニーを効果軸に前述CLOの機能美を活かした演奏となっており情的なものは一切排されて(この辺りがドホナーニ演奏全般についての評価を持ち上げるかどうかの境にもなっているのではないでしょうか)ある意味厳しい音楽を創りあげています。この超有名曲の一つの形にはなって私は充分気に入っており最高ランクにしておきたいです。
0 people agree with this review 2009/12/25
ワルターには意外とブルックナーの録音が少ないのでコロンビアSOとの晩年一連収録は我々ファンには貴重なものであります。交響曲第4番・・・私はブルックナー交響曲で一番好きなものでワルターのは以前LP盤でも聴いていました。演奏タイムは@18’44A15’42B11’01C20’51と特に過不足感はありません。使用版は原典版かどうか未確認ですが以前・・・ワルターが1940年NBCSOを振っての同曲で@16’38A14’35B10’29C18’26の演奏からすれば年を重ねた表れなのでしょう。さて、本盤コロンビアSOのいつもの少しハリウッド映画的サウンドもあり明るい出来上がりになっておりそこにブルックナーの本来的音楽を見出せないと先入観してしまえばそれで終わりという感じです。私はワルターのブルックナーには第9番・・・勿論LP・・・で初めて接したのでその分かり易さにはある種の「恩」を感じておりますが本盤演奏を聴くまでには他の演奏家のものもある程度聴きかじった為妙に耳が肥えて?このワルターの明るいブルックナーに最高ランクをつけるまでに今日至っておりません。いい分り易い演奏なのですが・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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マゼールの後任としてCLOを受け持ったドホナーニは特にセル時代に出来上がった強靭なアンサンブルを活かして更に磨きをかけて行った指揮者ですが何となく「線」の細い指揮者である印象を拭えなくなって久しいです。その創り出す音楽は決して線が細いわけではないのに・・・そう主張が我々凡人には摑み切れないもどかしさが有るようです。彼の演奏価値が分かるには少し時間が要るのかもしれません。さて私は本盤収録曲の内交響曲第3番を別盤(悲劇的序曲とのカップリング盤)で聴いていたのでそれに限定したコメントになります。1988年録音の第3番・・・演奏タイムは@12’18A8’44B6’17C8’34となっており第1楽章は反復されてのこのタイムなので早目に進めた演奏でその分少し頼りないというか「芸」が欲しい様な感じもしました、後半一時主題の再展開で足早に何故駆け抜けて行くのか・・・ここがドホナーニのこの曲演奏の一つの特徴かも知れませんが・・・もう一つ私には納得が行きませんでした。第2楽章は情感があり第3楽章も早目ながら結構表情をつけてくれ続く第4楽章・・・その終わる付近スローモーションでの主題アウトラインは少し抑え気味なのも好き嫌いは別にして印象的でした。本盤には入っていませんが全集にある「悲劇的序曲」(演奏タイム13’32)は縁取り鮮やかにこれも情感豊かにダメ押ししての終わりは素晴らしいです。前に触れました様に第4番は未聴でもありますので録音含めて素晴らしいランクにしておきます。なお、ドホナーニのブラームスシリーズには後年PHOとのライブ録音盤もあり玄人好みの演奏が聴けます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
2 people agree with this review 2009/12/24
本年1月だったか弟の千香士が亡くなったのですがその千香士がNHKSOのコンサートマスターに就任した時の記念コンサートが1966年に行なわれその模様が収録されたベートーヴェン「皇帝」協奏曲であります。演奏タイムは@19’59A8’21B10’08 で特に過不足感はないのですがバックのワルベルクの指揮がやや昔風にドンドンとアクセント強いベートーヴェン演奏を繰り広げて懐かしいのと何よりも繊細さより気迫が勝った田中希代子のピアノが印象的であります。時には縦線が合わないことは勿論ありますが体調不良に陥って行く前年とは思えない程のHMVレビューにもある通りの力演です。田中希代子は戦後間もない頃国際コンクールに何度か入賞を果たし各コンクール上位入賞者には後レコードでも活躍するピアニストが多く彼女も「東洋の奇蹟」とまで評されるに到った1955年ショパンコンクール入賞時の演奏・・・ショパンのピアノ協奏曲第1番(バックはグジニスキ指揮WPSOで演奏タイムは@16’17A8’59B9’26)はやや前のめり気味ではありますが彼女の曖昧さを残さぬ潔癖な印象を訴えたものでモノラルで最後の楽章も完全に終わりきれぬ内に聴衆の拍手が入り実況放送丸出しですが記録的価値としても面白いです。ショパンコンクールでは中村紘子が1965年上位入賞を果たしていますが たとえ10位でも田中希代子のその価値は消えるものではないでしょう。その他本盤には1955年、1964年に録ったショパン曲がそして1960年ステレオ収録のモーツァルト「トルコ行進曲」ピアノソナタ(タイムは@13’05A5’57B3’06と少し早目? )等が入っており私はこのモーツァルトの演奏が特に鑑賞面では気に入りました、彼女の鋭敏さというか繊細さが例のトルコ行進曲での次第に近づいて来る行進隊の様子にもうかがえました。余白には僅かのインタビュー・・・スケジュールとか留学時のこととか・・・も入って彼女の声も聞けます。その彼女はショパンのこの同じ協奏曲を1968年京響と共演した際体調不良で第1楽章の一番盛り上がり箇所でつまつてしまい演奏し直したとも伝えられております。後年当然後輩指導面に移らざるを得なくなりましたが田部京子など私もよく聴く優秀な人材を送り出したということです。そういつた事で記録的な面もありますが素晴らしい盤と思います。
4 people agree with this review 2009/12/23
私と同年代のインマゼールは周知のように自分の設置したAEを振ってのシューベルト交響曲で頭角を現して来た指揮者でモーツァルト、ベートーヴェンとか古典物にも一応進出終えた感じでの今回ロマン派ベルリオーズへの挑戦で2008年の録音です。演奏タイムは@14’59A6’47B15’52C7’32D10’29と比較的ゆっくりしたペースでの演奏であります。「幻想交響曲」にノンヴィブラート法でHMVレビューにも有りますように特に管楽器に凝ったものを使用しての演奏は確かにこれまでとは違った「幻想交響曲」のイメージを植えつけてくれます。第1楽章抒情的な中に室内楽的な味わいがあり「これはこれまでとは違うぞ」との宣言に受け止めざるを得ないですね。軽いタッチの第2楽章や不気味な低音弦がなんとも言えぬゆっくりした歩調の第4楽章。そしてテンポを大きくとって、これもゆっくりある意味リアルなバラツキをアクセントにした終わり方も印象的であります。これまでやや粘着質的な喧騒気味の演奏が多かったこの曲にあっさり味にスパイシーな処もあるというイメージに聴き様によって捉える事が出来る演奏に仕上がっておりこれも時代なのかなぁと感じました・・・・同世代指揮者の演奏なのに。目新しい面白さの点では素晴らしいです。
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0 people agree with this review 2009/12/23
ふとしたきっかけで戸田の弾くこのイザイを聴いたのですが六曲から成る無伴奏ソナタで全体にバロック的短調の色彩感が強くしかも名ヴァイオリニストが作曲した六曲各々を第1番シゲティ、第2番ティボー、第3番エネスコ、第4番クライスラー・・・といった具合に献呈したものでとにかく「根性・気合」が全く違うということです。演奏盤は何種類かあるようですが第3,4番あたりがチョイスされたものが多いようでそういう状況下で戸田弥生が2004年日本にて録音した大変厳しい演奏です。例によって演奏タイムを先ず書きますと第1番(15’22)、2番(11’56)、3番(6’56)、4番(12’34)、5番(9’25)、6番(7’06)でありタイムの短いものは二楽章なり単楽章であります。トータル63分余聴く方も所謂美人ヴァイオリニストが弾くムードクラシックの様な心構えだととんだ勘違いで、美人が弾く緊迫感の高い演奏に極めて精神的にも集中しなければならない・・・襟を正して聴く代物であります。それだけに難曲を克服したという悦びに浸れる充実感も味わえる演奏です。一曲一曲が協奏曲の中途で名人演奏家が挿入するカデンツァの緊張感も戸田の息遣いにも聴けそれだけ録音も優れているということでしょう。第1番はバッハに通じる精神性が極めて高く、第2番はそれこそスタートバッハのパルティータの片鱗から入り幻想交響曲でも用いられたグレゴリオ聖歌「怒りの日」主題がいろいろ形を変え姿を現し、ラプソディックな第3番、難易度の高い技術を巧みな弓さばきが処理していく第4番などとにかく作曲もそうですが戸田の演奏が凄いです。戸田の後輩?にあたるのかどうかは知りませんが大阪出身?の大谷玲子も2〜3年前イザイのこの曲をリリースしておりこれも一度聴いてみたいものです。国内では戸田は出身地の福井はじめ地方に出かけての諸活動を実施しており演奏家にも厳しい経済環境の昨今、頑張ってもらいたいものです。本盤の解説には今年無くなった黒田恭一さんのいつも通りの誠に適切なメモがついているのもあの懐かしい声を思い出させます。本盤はとにかく最高ランクと申せましょう。
0 people agree with this review 2009/12/22
本盤はR.シュトラウスがSKBを振ってのベートーヴェン交響曲第5番「運命」と同第7番で、前者は1928年録音・演奏タイムは@5’48A8’59B4’29C8’18であり後者は1926年録音・同じくタイムは@11’02A8’46B8’23C4’27となっております。私は以前の国産DG盤を聴いているのですが有名な作曲家が指揮したベートーヴェン演奏盤ということでただただ珍し物好きと有難やという私のレベルであります。演奏自体は第5番から申しますと変化をつけてはいるものの特に第1楽章あたりはテンポが速く時には縦線が合わないと思われる程の勢いがあります。最終楽章は現代の感覚では結構まともなタイムをとって進めているようです。第7番の方は何と言っても最終楽章がテンポを自在に活き活きと触りながらもその楽章の四分の一ほどの174小節がカットされている為普通のタイムで出だした第1楽章と比し次第に竜頭蛇尾に終わった感がします。そのことは前述にあるタイムが示している通りかと思います。旋律を前面に押し立てた第2楽章やシャクリあげる第3楽章は面白く聴けました。とは言ってもマァ演奏芸術の観点からというより記録資料的な意義の方が勝って来るのではないでしょうか。音はこの時代の録音でオーケストラも幾分縮小編成もあるのでしょうキレギレの雰囲気も否定出来ず仕方ない感じです。ただただ有難く聴くのみです。R.シュトラウスについては自作自演録音盤もあるそうですね・・・・本盤は当面OKランクにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2009/12/21
本盤は1987年に録音されたシモーネ/ISVによるレスピーギ作品で曲はリュート古代舞曲第3組曲(1931年作曲、演奏タイム17’02)、組曲「鳥」(同1927年、同16’57)、三枚のボッティチェッリ画(同1927年、同17’05)、リュート古代舞曲第1組曲(同1917年、同14’57)で有名なリュート古代舞曲第3組曲をトップバッターに据えているのが面白いですね。シモーネはアルビノーニとかロッシーニとかのイタリア物を多く録音してその穏当な演奏が聴く者を和ませてくれますが1923年作曲されたリュート古代舞曲第2組曲は録音しなかったのでしょうか、本盤収録順序(作曲年代の新しいものからになっている?)と共に少し中途半端な感じがしました。ここに収められている二組のリュート古代舞曲は演奏テンポとしてはほんの少し速めなイメージで特に第3組曲の最後はもっと引っ張ってもらいたいと感じる人もいるかもしれません。組曲「鳥」はやはりバロック的な着眼でオーケストレーションされた作品ですが面白く聴けました・・・三曲目の「めんどり」などハイドンの交響曲「雌鶏」や展覧会の絵「卵殻をつけたひよ子」を想起させました。
1 people agree with this review 2009/12/21
昔LPでN.ペトロフの弾くBWV831「フランス風序曲」(多分今はCDで探しても無いでしょう)が気に入って繰り返し聴いたものでした。さて、本盤は40歳も行かずに亡くなったロスの弾くこの曲やイタリア協奏曲BWV971(演奏タイムは12’20)、半音階的幻想曲・フーガBWV903(同11’58)そしてフランス風序曲(同27’24)、その他小曲四曲で1988年の録音、しっかりしたリズム感で構えの強固さが聴かれます。タイム的にはそう違和感は感ぜられませんが、マァ比較的「濃い」演奏とも受取る方も・・・。私の聴いているエラート盤はやヽ音のレベルが大きいようでボリュームを少し絞り込んで聴くことにしております。廃盤になっていたそのエラート盤が今回復活されるので嬉しいですね。冒頭のペトロフ盤などはもう行方不明になってしまっているのですが、ロスの盤の様にこうして廃盤が復活されるのは自分の愛聴した盤演奏の確かさを認めてもらうようなファン心理になるものなのです。ロスは日本の曽根らを指導したのですが彼女も着実にバッハのチェンバロ作品収録を増やしておりますね。
3 people agree with this review 2009/12/20
大曲「マタイ受難曲」の鈴木雅明/BCJによる1999年録音・・・2000年でバッハ没後250年記念です。タイム的には約165分で演奏そのものの方向感は他の最近演奏者盤と同じでありますがこの演奏は決して鋭角的ではなく穏やかな部類に入るものと言ってよいかと思います。独唱陣についてはバスのP.コーイは他の指揮者の受難曲、カンタータ演奏にも名を連ねているもうヴェテラン域のバロック歌手で安定した歌いぶり、テノール語り手G.テュルクは新鮮な感じがします。ソプラノのN.アージェンタもこの類の曲にはほぼ常連です。本盤アルトはカウンターテナーのR.ブレイズがやはり新鮮な声を聴かせてくれます・・・・第6、39、52曲等代表的なアルト・アリアには私は好みからもう少し抑制気味の女声アルトの方が・・とも感じた曲も正直ありましたが(あくまで私の)目先が変わる分だけ新鮮には感じました。その他テノールの櫻田、バスの浦野等カンタータシリーズでも馴染みのメンバーです。アリアで伴奏するヴァイオリンの寺神戸他独奏者も色彩が合った演奏です。また合唱陣はこのBCJという団体独特のサウンドがほぼ出来上がった時期のもので今述べたカンタータシリーズ(今ではもう45巻まで達しています)でも本録音以降ますますの充実振りです。録音場所が私のほぼ地元であり指揮者自身も地元出身なので応援したくなりますね。鈴木の場合少年時からバッハ演奏に関わりその確固としたプロテスタント信仰からこのような一般日本人にはとても到達しえない域まで昇華出来る資質を持ち合わせていることが演奏に反映していることは当然でしょう。本盤メモにも鈴木自身の演奏にあたってその心境等その辺りに触れているのが見られます。何かオーケストラ、合唱団、ソリスト等々全員が信仰者であるような印象も与える程我々凡人にはつけ入る隙が見出せません。それだけ真摯なものが感じられるのでしょう。一方どうしてもクレンペラー盤(1961年収録、約225分)やリヒター盤(1958年収録、約197分)と我々の世代は比較してしまいますがお互いスタンスが異なるのですからその違いは止むを得ない事だし私たちは夫々を聴く時間があるだけ幸せなのでしょう。サンプリングでタイム的な処に触れましょう。リヒター盤との比較タイムで行きましょう・・・。第1曲合唱「来なさい、娘たち、ともに嘆きましょう」今回鈴木8’07(リヒター1958年9’50)・・・以下同要領表示、第6曲アルト「懺悔と悔恨の情が」3’57(5’50)、第20曲テノール・合唱「イエスのもとで目覚めていよう、さすれば私たちの罪は眠りにつく」4’55(5’23)、第39曲アルト「憐れんで下さい、神よ」6’10(7’45)、第49曲ソプラノ「愛の御心から救い主は死のうとされます」5’23(4’29)、第52曲アルト「この頬の涙が何の助けにもならぬなら」5’42(8’02)、第57曲バス「来るのだ、甘い十字架よ」6’18(6’26)、第65曲バス「私の心よ、おのれを浄めよ」6’12(7’08)、第67曲独唱・合唱「今や主は憩いへとお着きになった、イエスよおやすみなさい」1’51(2’30)、第68曲合唱「私たちは涙を流しながらひざまずき」6’28(6’24)・・・・・・・・・・・・といった具合です。自分の好みとしてはやはり幾分かこれらのサンプリング曲でもその演奏面からすれば旧来の演奏にほっとする時がしばしばあることが本音ではあります。大曲故長くじっくりいろんな演奏に接することをお奨めします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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