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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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1 people agree with this review 2010/10/10
以前、この「レクイエム」演奏の別盤に書き込んだものを一部転記させていただきます・・・「フォーレのレクイエムについてはLPでの名盤クリュイタンスのものを聴いておりましたが今回CDでこのデュトワ演奏のものを購入しました。クリュイタンス盤はご存知のように少し厚めの演奏でありロスアンヘルス、フィッシャーディスカウという大物独唱者陣で結構気に入ってましたがデュトワのを聴くと透明感というものフォーレの音楽特有のエスプリに満ち溢れた気品ある美しさがを感じさせるところに新鮮さをおぼえました。クリュイタンス盤独壇場にいろいろ競合が出てきて愛好家には楽しみとなってきます」。イメージとしてはほぼ同じ東京都の方のレビューも参考にして下さい。1987年の録音(デュトワ51歳の頃)で演奏タイムとしては@7’25A8’59B3’01C3’43D6’03E5’20F3’21であり先輩のクリュイタンス盤よりは各章短めなのですがその他の演奏からすると決して短いという印象ではありません。同年録音の組曲「ベレアスとメリザンド」(タイム@7’16A2’39B3’54C4’43)そして「パヴァーヌ」(同6’42)も優雅・清冽な詩情を湛えた運びで素晴らしいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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1 people agree with this review 2010/10/09
クライバー/Bsoによるベートーヴェン交響曲ライブ盤は1982年第4番、1983年第6番そしてこの第7番1982年録音の盤であります。個人的好みとして第6番は暑苦しくて今一なのですが第4番とともにこの第7番の演奏生命力は凄いもので元々のクライバーのエネルギーたっぷりな演奏ぶりが再確認されます。本盤かなりの件数のレビューが書き込まれており表現こそ違えそのライブ故の興奮も手伝っての演奏には最高の賛辞が贈られ私も同様であります。第1楽章からして音楽そのものを活かしアンサンブルの少々の怪しさもリアルでこの演奏の魅力にプラス方向へ。第2楽章は弱含みでスタートしやがてやや前のめりがちに・・・最後のピツカートも印象的。第3楽章ティンパニーの扱いや節間の詰めが緊張感を倍加しそして最終楽章は更に暴れる様で合いの手のティンパニー瞬発強打もクライバーらしいですね。演奏が終わると少し間を置きバラバラと拍手・・・やがて聴衆のブラボーの轟音、ライブの臨場感雰囲気を伝えます。ただ演奏タイムはCDジャケット表示では@11’28A8’09B8’23C7’42となっていますが実タイムは@11’10A7’47B8’22C6’27で特に第4楽章一分以上の拍手がジャケット表示では含まれており冒頭の0’17の拍手別表記からすると少し不親切な感じがしました。マァ、ライブものは特に最終楽章〆でのタイムは留意を要します。なお、クライバーは 1976年にVPOとこの第7番をセッションで録っておりそのタイム@13’37A8’08B8’14C8’37と比較すれば本盤演奏の第1,4楽章の速さが分かりますね。1983年RCOを振ってのDVDも見てみたいですね。 (タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2010/10/08
私と同年代のルプーはリパッティと同じルーマニア出身のピアニストでモーツァルト、シューベルトなどを主なレパートリーとして活躍していましたが最近あまり新盤が出ないのは寂しい限りです。彼の録音盛んな折り、1974年(ルプー29歳の頃)にデ・ワールト/LPOバックで録ったブラームスのピアノ協奏曲第1番(タイム@22’57A13’01B13’05)は彼としては珍しい?選曲で録ったもので年齢からしても丁度この曲に合う時期だったのか第1楽章は全体を見渡してかつ印象的な二つの主題を繊細な青春の屈託を交えて波立たせ、続く第2楽章でのピアニズムの滴りそして魅力的な抒情たっぷりのカデンツァの入った終楽章の最後の叩き込み、何れもデ・ワールトの意外とちゃんとした指揮・・・特にティンパニーの各楽章での思索的・効果的扱いも含めてこの協奏交響曲・・・仕様向上とも相まって最高ランク盤に値すると私には聴けました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2010/10/07
ヴァントにはこの「ザ・グレイト」交響曲の演奏盤がいろいろあり流石ブルックナー指揮者が扱うべきそして扱い易い曲への傾倒ぶりが垣間見られます。古くは1980年前後のKRSOを振った録音盤(タイム@13’49A15’16B10’43C11’18)、1993年録音MPO盤(@14’16A16’25B10’54C12’16)、同年録音DSOB盤(@14’06A15’54B10’49C12’34)、1995年BPO録音本盤(@13’53A15’49B10’46C12’01)などがありその他DVDも手に入るようです。さて本盤は1995年BPOを振ったライブ盤(ヴァント83歳)でいずれにしてもBPOの低い重心をとっての端正な造型美は見事なのですが剛毅なそして厳しき「ヴァント味?」がもう一つ迫っては来ないのは私だけでしょうか。第1楽章しっかりしたホルンでスタートし「核」を保持しながらインテンポで進んで行きます。起伏を伴いながら最後結びへは大きく息を吸い込んでそしてゆっくり弱含みを経て余韻をバラまきながら終わります、第2楽章はBPOらしい肌触り感からスタート、中ほどでの回想感というか抒情性は思わず聴き込みますね。最終楽章ではドラマチック面を強調し音の構成感が明確です。リズムもややアクセントをつけ特に管での扱いを面白く聴きました。ヴァントならではの味わいがもう一つなのと、「未完成」の方(タイム@15’34A12’43とやや長め?)は未聴ですので素晴らしいランク止めにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/10/06
特に1980年代半ばから私たちの前に現れた所謂新トレンドのベートーヴェン交響曲演奏は少なからずのショックと戸惑いを与えたものでした。モダン楽器によるピッチ奏法、オリジナル楽器による奏法そして使用諸版の問題・・・これらの組合せで同じ「新トレンド」と言ってもいろいろな演奏がありましたが当初はそれまでのベートーヴェンに付きまとう事大主義的?演奏と比較して小編成なオーケストラで余分な響きを制御して曲の音構成をハッキリさせ反復演奏を実施しつつテンポは速く進めているのが一様の特徴となっている為新鮮さは感じつつも味も素っ気も無い演奏のように受取っておりました。先発的な1984〜1990年録音のブリュッヘン/18CO、以降1986〜1988年録音ノリントン/LCO、1990〜1991年録音アーノンクール/COE、本盤1991〜1994年録音ガーディナー(ガーディナー48〜51歳の頃)/ORR、1997〜1998年録音ジンマン/TOZ、2002年録音ノリントン/SRSO、2005〜2007年録音インマゼール/AEなどが「新トレンド」演奏として思いつきますが本盤ガーディナーの盤は1994年レコード・アカデミー賞受賞の演奏盤です。私自身前述の各演奏を全て聴いたわけではありませんがサンプリングでの本盤は他盤との相対的な好みで「中の上」・・・素晴らしいランク・・・となっております。と申しますのは研究成果と演奏芸術とのバランスが比較的とれているように思えたからです。ガーディナー自身が意識している様に完璧さを追求する結果不毛に陥ることの程度が軽いと感じた次第です。1990年設立の当時まだ若かったORRはキビキビとして緻密というか正確でかつ芯強い演奏を各交響曲で展開しております。原典アプローチの演奏とは言え若さに伴う現代的斬新さに「一聴」では注目。使用版は旧ブライトコップフ版ということで難しいことはともかく反復演奏などに特徴も出ております。さて、九曲中第1番、第3番、第5番はライブ演奏スタイルをとっており本盤の第5番・・・・勿論全体テンポは速く第1楽章スタートあっさりとし後半締めくくりに向かってアクセント強めに「溜め」は控えめに最後は楷書的。アクセント付けは第2楽章でも・・・第3楽章はテンポだけではなく何か急いでいる感じ、トリオの弦の忙しさには迫力さえ感じます。ちょっと我々世代が馴染んだ情緒的雰囲気が足りない?最終楽章ここでも反復演奏がされていますが速いテンポなのでトータルタイムは並。しかし現代的な鋭いエネルギーは〆で特にライブならではの処でしょう。第7番の方はややガーディナーが危惧?した平板な出来で平凡な鑑賞者である私が念頭に置いたこの曲のイメージと世界が異なった様です。次に本盤収録曲の録音年、演奏タイムをメモしておきましょう。第5番1994年ライブ@6’30A8’15B7’12C9’50、第7番1992年@13’09A7’45B8’30C9’07(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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2 people agree with this review 2010/10/05
特に1980年代半ばから私たちの前に現れた所謂新トレンドのベートーヴェン交響曲演奏は少なからずのショックと戸惑いを与えたものでした。モダン楽器によるピッチ奏法、オリジナル楽器による奏法そして使用諸版の問題・・・これらの組合せで同じ「新トレンド」と言ってもいろいろな演奏がありましたが当初はそれまでのベートーヴェンに付きまとう事大主義的?演奏と比較して小編成なオーケストラで余分な響きを制御して曲の音構成をハッキリさせ反復演奏を実施しつつテンポは速く進めているのが一様の特徴となっている為新鮮さは感じつつも味も素っ気も無い演奏のように受取っておりました。先発的な1984〜1990年録音のブリュッヘン/18CO、以降1986〜1988年録音ノリントン/LCO、1990〜1991年録音アーノンクール/COE、本盤1991〜1994年録音ガーディナー(ガーディナー48〜51歳の頃)/ORR、1997〜1998年録音ジンマン/TOZ、2002年録音ノリントン/SRSO、2005〜2007年録音インマゼール/AEなどが「新トレンド」演奏として思いつきますが本盤ガーディナーの盤は1994年レコード・アカデミー賞受賞の演奏盤です。私自身前述の各演奏を全て聴いたわけではありませんがサンプリングでの本盤は他盤との相対的な好みで「中の上」・・・素晴らしいランク・・・となっております。と申しますのは研究成果と演奏芸術とのバランスが比較的とれているように思えたからです。ガーディナー自身が意識している様に完璧さを追求する結果不毛に陥ることの程度が軽いと感じた次第です。1990年設立の当時まだ若かったORRはキビキビとして緻密というか正確でかつ芯強い演奏を各交響曲で展開しております。原典アプローチの演奏とは言え若さに伴う現代的斬新さに「一聴」では注目。使用版は旧ブライトコップフ版ということで難しいことはともかく反復演奏などに特徴も出ております。さて、九曲中第1番、第3番、第5番はライブ演奏スタイルをとっており例えば第5番・・・・勿論全体テンポは速く第1楽章スタートあっさりとし後半締めくくりに向かってアクセント強めに「溜め」は控えめに最後は楷書的。アクセント付けは第2楽章でも・・・第3楽章はテンポだけではなく何か急いでいる感じ、トリオの弦の忙しさには迫力さえ感じます。ちょっと我々世代が馴染んだ情緒的雰囲気が足りない?最終楽章ここでも反復演奏がされていますが速いテンポなのでトータルタイムは並。しかし現代的な鋭いエネルギーは〆で特にライブならではの処でしょう。第1番も同傾向ですがティンパニーの扱いが面白く攻撃的でターキッシュでもあります。全体タイムは短めと思われる第3番は第1楽章での例のテインパニーのパンパンと鳴る処や弦のリトロネリは面白いものの私には曲そのものもそうなのですがやや退屈でした。気に入ったのは第6番「田園」で速めのテンポながら古楽器の弦の音色が美しいことが気に入りました。これら九曲演奏にはスケール感は期待は出来ず又全集物につきまとう話なのですが九曲通して聴くと演奏のアイデンテイテイに少々しんどさを覚えることも正直な処でもあります。次に各曲の録音年、演奏タイムをメモしておきましょう。交響曲第1番1993年ライブ@8’22A6’33B4’05C5’27、第2番1991年@12’08A10’19B4’25C6’09、第3番1993年ライブ@15’34A12’41B5’32C10’42、第4番1993年@10’56A9’24B5’16C6’23、第5番1994年ライブ@6’30A8’15B7’12C9’50、第6番1992年@11’14A12’00B4’49C3’39D9’16、第7番1992年@13’09A7’45B8’30C9’07、第8番1992年@8’41A3’46B5’28C6’17、第9番1992年@13’05A13’08B12’05C5’30D15’55(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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1 people agree with this review 2010/10/05
この第3番交響曲は1982年(デュトワ46歳の頃・・・盤によっては1980年録音と表記しているものも・・・)のMSOを振っての演奏録音でもう約30年前の収録にも拘わらず音色はDECCA故かしっかりしたものでオルガンの機能音発揮を迫力はともかく十分捉えております。デュトワのレパートリーには所謂独墺交響曲が少なくともCD盤としては入っておらずサン・サーンス他フランス、ロシア系の管弦楽曲等に焦点を置いているようです。演奏タイムとしては@10’24+9’30A6’47+7’43とややアッサリ傾向? 演奏自体もこの交響曲につきまといがちな威圧感はなく全体明るめで洗練されたものとなっております。第1楽章前半のスタートは透明感があり息長い扱い・・・そして展開は少し足早な感じで特に弦が美しいです。表層的ではありますが音色は明るく音構成が明確。山場も明快・軽快ですね。この楽章後半でオルガン(別の録音によるモントリオールの聖ユスターシェ教会のオルガン)が出しゃばらず入ります。この後半章は循環式でゆっくり美しく流れます。その中でも高揚するシーンでは洒落た仕掛けも聴けます。第2楽章前半は前楽章後半と対照的にメリハリをつけピアノも入って活きいき感が満ちます。余談ですが私などはこの第2楽章前半の音楽を聴くと昔TVニュースのバック音楽を連想します。移行節も簡単アッサリで後半への予感を告げるように静かに弦主体に流れ後半に突入。オルガンの宣誓後コラール風を経てデュトワのカラー・色彩感がどぎつくなく展開され結構重心は低く運ばれます。そしてクライマックスへ一途、各節はテンポ速めにコーダもティンパニーを交えて・・・、オルガンは普通に引っ張ります。ハーフォードのオルガンは明快かつ清潔な感じがしました。1980年録音の「死の舞踏」(オーケストラPHO、タイム7’05)及び「動物の謝肉祭」(オーケストラLS、タイム22’21)もデュトワの色彩感が生きた演奏となっています。最高ランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2010/10/04
クリュイタンスの幻想は現在この盤を含めて後述4種演奏がリストアップされていますが私はLP時代でのこのPHOとのEMI盤(1958年録音、タイム@13’46A6’19B16’19C4’39D9’18)しか聴いていません。その範囲で述べますとPHOの性格上か無難な出来上がりにはなっております。第1楽章では穏やかな起伏が展開され後半詰めの経過は結構テンションが上がりテンポもアップ。第3楽章「野の風景」での遠くを捉えた立体感が印象的ですし〆のティンパニーと管楽器の遣り取りのニュアンスも素晴らしいです。第4楽章「断頭台への行進」での直接的ティンパニーはあるもののメリハリの効かせ処は押さえてやヽ厚めのクリュイタンス独特のサウンドを楽しめますが終楽章「ワルプルギスの夜の夢」の鐘のスポット音響等が録音のせいか弱かったり興奮を聴く者に呼び起こすにはジェントルマン過ぎるのではと思う時もありました。クリュイタンスの幻想交響曲録音は本盤演奏以外に1955年KRSO、同じく1955年ORTF(タイム@13’26A6’33B15’52C4’26D9’19)、1964年パリ音楽院Oとの東京ライブ分(@13’22A6’32B15’29C4’28D8’59)等がありますが本盤演奏はLP時代の代表盤として素晴らしい盤のランクに・・・。本盤は仕様向上されて期待もされます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2010/10/03
この第3番交響曲は1982年(デュトワ46歳の頃・・・盤によっては1980年録音と表記しているものも・・・)のMSOを振っての演奏録音でもう約30年前の収録にも拘わらず音色はDECCA故かしっかりしたものでオルガンの機能音発揮を迫力はともかく十分捉えております。デュトワのレパートリーには所謂独墺交響曲が少なくともCD盤としては入っておらずサン・サーンス他フランス、ロシア系の管弦楽曲等に焦点を置いているようです。演奏タイムとしては@10’24+9’30A6’47+7’43とややアッサリ傾向? 演奏自体もこの交響曲につきまといがちな威圧感はなく全体明るめで洗練されたものとなっております。第1楽章前半のスタートは透明感があり息長い扱い・・・そして展開は少し足早な感じで特に弦が美しいです。表層的ではありますが音色は明るく音構成が明確。山場も明快・軽快ですね。この楽章後半でオルガン(別の録音によるモントリオールの聖ユスターシェ教会のオルガン)が出しゃばらず入ります。この後半章は循環式でゆっくり美しく流れます。その中でも高揚するシーンでは洒落た仕掛けも聴けます。第2楽章前半は前楽章後半と対照的にメリハリをつけピアノも入って活きいき感が満ちます。余談ですが私などはこの第2楽章前半の音楽を聴くと昔TVニュースのバック音楽を連想します。移行節も簡単アッサリで後半への予感を告げるように静かに弦主体に流れ後半に突入。オルガンの宣誓後コラール風を経てデュトワのカラー・色彩感がどぎつくなく展開され結構重心は低く運ばれます。そしてクライマックスへ一途、各節はテンポ速めにコーダもティンパニーを交えて・・・、オルガンは普通に引っ張ります。ハーフォードのオルガンは明快かつ清潔な感じがしました。1980年録音の「動物の謝肉祭」(オーケストラLS、タイム22’21)もデュトワの色彩感が生きた演奏となっています。最高ランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/10/01
この第3番交響曲は1982年(デュトワ46歳の頃・・・盤によっては1980年録音と表記しているものも・・・)の演奏録音でもう約30年前の収録にも拘わらず音色はDECCA故かしっかりしたものでオルガンの機能音発揮を迫力はともかく十分捉えております。デュトワのレパートリーには所謂独墺交響曲が少なくともCD盤としては入っておらずサン・サーンス他フランス、ロシア系の管弦楽曲等に焦点を置いているようです。演奏タイムとしては@10’24+9’30A6’47+7’43とややアッサリ傾向? 演奏自体もこの交響曲につきまといがちな威圧感はなく全体明るめで洗練されたものとなっております。第1楽章前半のスタートは透明感があり息長い扱い・・・そして展開は少し足早な感じで特に弦が美しいです。表層的ではありますが音色は明るく音構成が明確。山場も明快・軽快ですね。この楽章後半でオルガン(別の録音によるモントリオールの聖ユスターシェ教会のオルガン)が出しゃばらず入ります。この後半章は循環式でゆっくり美しく流れます。その中でも高揚するシーンでは洒落た仕掛けも聴けます。第2楽章前半は前楽章後半と対照的にメリハリをつけピアノも入って活きいき感が満ちます。余談ですが私などはこの第2楽章前半の音楽を聴くと昔TVニュースのバック音楽を連想します。移行節も簡単アッサリで後半への予感を告げるように静かに弦主体に流れ後半に突入。オルガンの宣誓後コラール風を経てデュトワのカラー・色彩感がどぎつくなく展開され結構重心は低く運ばれます。そしてクライマックスへ一途、各節はテンポ速めにコーダもティンパニーを交えて・・・、オルガンは普通に引っ張ります。ハーフォードのオルガンは明快かつ清潔な感じがしました。他の曲は未聴ですので素晴らしいランク止めにしておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2010/09/30
1960年代に来日して大阪フェスティバルホールで演奏したクリュイタンス・・・、洒落た身こなしとルックスは充分舞台映えしフランス系作品演奏には信頼が特に置かれた指揮者でした、後年癌を患っての容貌の変化には大変痛々しいものがあって62歳という若さで1967年亡くなってしまいました。さて、そのクリュイタンスが1958年前後に珍しいことにBPOを振ってのベートーヴェン交響曲全集で私はバラで第1番、第3番そして序曲集を聴いていました(EMIへの録音ですが同年クリュイタンス主兵のパリ音楽院Oを振ってシューリヒトがやはりベートーヴェン交響曲全集をEMIに収録しておりその他のレコード会社でも同全集のいろんな演奏盤を録音しだした時期でもあります)。一般にクリュイタンスのベートーヴェンは偶数番が評判が良く第6番「田園」がよく採り上げられたものです。しかし本盤、奇数番ではあってもクリュイタンスのいつものやや分厚いハーモニーは抑え気味で聴き易いものになっています。第1番、演奏タイムは@9’32A6’06B3’28C6’03と特に過不足ありません。第1楽章ゆっくりとちょっぴりアゴーギクを咬まして当りはソフトであります。クリュイタンスということで気のせいか香り、ゆとりが感ぜられ最後の詰めの様式美は流石! 第2楽章決して軽々しくはなくこの楽章で私はBPOのカラヤンに洗脳?されていくメカニカルな音色とはまだ別の音色を嗅ぐことが出来ました。第3楽章も忙しくなくそして最終楽章・・・ゆったりとした序奏から展開は第1楽章と同様の「ゆとり」を覚えました。決して慌てずさりとて弛緩せずその辺りのニュアンスは独特にも思えました。第3番「英雄」・・・タイム@14’23A16’10B5’22C11’30とやや第1楽章が短いイメージは持っています。この第1楽章の爽快なテンポ感は当時のいろんな演奏盤、特にドイツ系統の演奏にはないものでしょう。何もテンポが速いからといってトスカニーニばりでもなくそこに微妙な伸縮アクセントが軽快感を印象づけましすね。なお、このタイムでも一応反復がなされております。第2楽章は軽快な第1楽章の後だけにスローゥな印象を受けますがそんなに本楽章独特なヘヴィ感は伴いません。第1楽章と同じく軽快な第3楽章ではホルンでBPOの意外な鄙びた素晴らしさ・・・。最終楽章も楽々と運ばれコーダでの歯切れ良い畳みかけは当時の諸演奏盤の中では新鮮に聴こえました。とにかくこの両曲、ベートーヴェンのデモニーシュ的な大層ぶりが抑制されて暑苦しさがありませんし、さりとて最近のトレンド演奏のような無味乾燥感はなく前述の様に1960年初のカラヤン/BPOの意気軒昂なスタイル直前の適温な演奏とも申せましょう。最高ランクに入れたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/09/29
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番はメンデルスゾーンの室内楽の良さを私に知らしめた作品でシューマンも「創造的才能の開花」と賞賛したらしくベートーヴェン的要素が込められてる様です。ヨーヨー・マとアックスのコンビがパールマンを迎えた形になっての2009年録音演奏盤で彼らにとって久しぶりのレコーディングだったのでは?・・・。演奏タイムは@10’02A6’15B3’52C9’00と私にはほんの少し全体的に短めな印象を受けました。第1楽章分り易いテーマで開始され変奏風に進んで行きます、短調、長調の転調も自然な無理のない作品。ややダルいものの艶のあるヴァイオリンがアクセントをつけ全体高揚しながら〆に。ピアノの前奏に続いて弦が穏やかにメンデルスゾーンらしい面を語ります。第2楽章は途中やはり転調しメロディをたっぷりチェロが歌います。続く楽章はチョコチョコとした楽章で活発さも・・・。最終楽章は舞曲風に入りスピードアップ、繰り返しつつ大きく幅をとる処もあり何回かとって代わっての反復的な幹事はやや単調さも正直覚えはしましたが充分引きつけしてそして引き伸ばし堂々と終わります。パールマンのヴァイオリンを縦糸にそしてマのチェロとアックスのピアノを横糸にしてこの曲のフレージングに絡み合った演奏と思います、バッハ的要素のある第2番の方(@11’18A6’44B3’51C8’25)は聴いておりませんのでOKランクにしておきます。それにしても1949年生まれのアックスと1945年生まれのパールマンがCDジャケットを見ますとよく似た年のとりかたをしていますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2010/09/28
あのロシア・々した迫力と派手な中にクールさが常に付きまとった演奏をくりひろげるロジェストヴェンスキーも来年80歳、往年のやはりチャイコフスキーの交響曲の録音盤が懐かしいですね。交響曲第4番については私の知っている(全てを聴いたわけではありません)盤としては1971年MRSO、1971年LPO(ライブ)、1987年LSOそして本盤1988年(1990年かも・・・)USSRMCSOと夫々オーケストラを替えてあるようで私は1971年MRSO盤(タイム@18’17A9’40B5’34C8’47)と本盤(タイム@19’18A10’30B5’42C9’23)で聴いています。このタイムだけで見ると本盤は若い頃のあのエネルギッシュなロジェストヴェンスキーにしては弛緩したようで実際演奏自体も聴きようではそう感ずる方もおられるのでは・・・。第1楽章スタートの運命の動機はあまりキツく飛ばさず落ち着いた着手。展開はスマートと言えばスマート・・・ヨーロッパ化?、峻烈さは影を潜め覇気も今一という印象も持ちながらリズム感は流石鮮やか、山場へは管強奏も美しく落ち着いたアプローチ。大きな〆の見得切りはやっぱり・・・。第2楽章オーボエの哀しげなテーマが次々バトンタッチされる楽章ではここもゆったり目、各楽器の構成感が明確で最後回想するような場面も主線、従線がはっきりと。ピチカートの第3楽章はやや精彩に乏しい感じ。最終楽章でも切り込みは烈しくなく切羽詰って欲しい場面ではある処、ただドスの効いたティンパニーは面白いですね。さて、ピーク後一旦小康状態になりそして遠くからティンパニー、ホルンが聴こえクライマックスへの運び演出は曲自体もそうですがロジェストヴェンスキーの演出の上手さが頭をもたげて来て最後の全奏はそのコントロールとともに強力! ドンドンと強めにティンパニーも轟き念を押して終わります・・・この辺りではようやく説得感達成。他の収録曲は未聴ですのでOKランクとしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/09/27
第4番、第5番どちらの曲もショルティ/CSOらしい隙の無い推進力のある本盤演奏ではあるものの指揮者の頑ななまでの意思は前回同コンビの演奏よりセーブされた感じですね。いずれにしても昨今の古楽器、版、演奏法の組合せによるトレンド演奏とは異なるモダン楽器による往年の演奏パターンの一つではありましょう。先ず第5番ですが、1986年(本盤、ショルティ74歳の頃)の演奏録音でタイムは@8’13A11’35B5’31C11’34となって最初の録音つまり1958年VPOとの@7’20A11’05B5’07C8’36とは異なるものの、前回本盤と同コンビによる1972年演奏分のタイム@8’14A11’07B5’30C11’29とは殆どタイム的には同じで基本的には反復演奏なので該当楽章にそれが反映されています。第1楽章「運命」動機のフェルマータは過度ではありません。ショルティの強引なまでの押し切りは影を潜め比較的敢えて劇的な要素はカット・・・さすがのショルティも角が丸く?、意外とCSOが機能一点張りではない処の証左に・・・。第2楽章私には余り長さを感じさせません・・・結構旋律線が楽しめました、第3楽章から最終楽章へも大層ではなく自然に、この楽章の反復は私には重厚に思われ好感を持ちました。やや行け行けドンドン的なかってのショルティの顔も見せますが最後充分ひっぱってパワーフルに〆る処など全体バランス感は別として聴きごたえあります。 次に第4番はかって1950年 LPOとの演奏盤(タイム@9’35A10’14B4’44C6’44)があり前回の1974年CSOを振った盤(同@12’00A10’59B5’19C6’39)がありそして本盤やはりCSOを振って1987年録音のもの(同@11’37A10’15B5’44C6’57)というわけででタイム的には第5番と状況は同じでしょう。 第1楽章出だしは普通、展開部は踏み外さぬ程度に筋肉質感、とにかく難しい事抜き、山場は心得ています。鮮やかにこの楽章を閉じます。第2楽章はややショルティ自身の肌合いとは異なり長く感じました、第3楽章以下はアクセント表情は強め・・・それが主に残ってしまい退屈気味。 最終楽章・・・最後はゆっくり語る如く挿入して終わります。ショルティの個性を楽しむには私は物足りない感じがしましたが辛うじて素晴らしいランクに・・・。なお、HMVでの「その他のバージョン」でリンクしている盤(カタログ番号UCCD3721)は本文でいう前回分と思われますので念のため・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/09/26
私自身はシェルヘンというと主にバッハ作品演奏を通じて親しんでいました。さて、ベートーヴェン交響曲全曲をシェルヘンは1950年代半ばと1960年代半ばに二通り録音しています。前者はオーケストラをウィーン国立歌劇場管弦楽団WSO(第1番、3番、6番、7番、9番)とRPO(第2番、4番、5番、8番)に使い分けて、後者はルガノ放送響LRSOと夫々録音しており一般的には後者がシェルヘンらしいトンデモない突飛な独自な試み演奏で注目されているようです。私は前者の1954年録音(シェルヘン63歳の頃)の第4番、第5番(オーケストラはどちらもRPO)のカップリングCDを聴いていましたので少しコメントさせていただきます。先ず第4番、演奏タイムは@8’53A9’52B5’33C4’48と後述の第5番もそうなのですが特に最終楽章の疾走ぶりが特徴。第1楽章序奏から充分引き付け速めに切れよく進めアクセントはきつい感じです。第2楽章やさしくする処、堂々とする処の対比が顕著でティンパニーの直接的音色がそれを強調しているようです。第3楽章は何かスケール感を感じました、バックのティンパニーと共に前向きでもあります。最終楽章は先ほど述べた様に速めに活き活きとした生々しい運びです。全体として当時の割には現代的要素もあって結構LRSO演奏盤と比較しなくてもベートーヴェンの音楽のパワー、エネルギーがそのまま伝わってくるイメージをもってしまいました。第5番(タイム@6’56A10’14B5’29C7’32)の方ですが第1楽章、速めにスタート、やはり現代的な感じも・・・。後半中途のオーボエ・ソロは大変ゆっくり情緒目なのも面白く反って畳みかけのフィナーレは最後のタタタターンのフェルマータはかなり引っ張りますが鮮やかに〆る印象。第2楽章終わり近くはゆっくりしかし骨々しいです。第3楽章では音の立体性が意識され最終楽章では息つかせぬスピードで反復は無い?もののその速さはすごくしゃくりながらアタック強くコマ切れさせもし畳み掛けます。最後低音引きずらせやティンパニーの使い方もシェルヘンの当時からの進取気質を垣間見た思いです。指揮者の意図が好き嫌いは別にして汲み取れある意味飽きさせない演奏となりました。聴き方では後年のスリリングな演奏の前ぶりを予感させるしイギリスのオーケストラの融通性も再確認した次第です。モノラルでも聴き易かったことも付け加えておきましょう。他の交響曲は聴いておらず今述べた二曲だけで本盤を云々するわけにはいきませんのでOKランクだけは確保ということにします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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