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Review List of QBE 

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  • 4 people agree with this review
     2015/10/28

    一年余り前にリリースされた第1集と同じく古典派ロマン派の視座に立つ演奏。ロマンティックな陰影が濃く、心に深く沁み入ってくる。それでいてテンポのコントロールが絶妙なので古典の枠を踏み外さない。思えば20世紀の後半に現れたグールドのモーツァルトは、当時の世相を反映して未来の可能性を感じさせる演奏だった。これに続く古楽器派のモーツァルトにしても、それまでの演奏様式を革新するスタイルを提示した点では同じだった。対してメジューエワのモーツァルトは、グールド以前の、半世紀以上前の様式に先祖返りしているように見える。しかし、21世紀に生きる演奏家が旧態依然としたロマンティシズムを素朴に信じられるものだろうか。ましてや、亀山郁夫等と対話する知性の持ち主である彼女のこと。その演奏に耳を澄ますと、ロマンティシズムを演出するために、注意深く選ばれた音の羅列が見て取れる。それは、ときどきの感情に任せて弾きまくるスタイルの対極にあるものだ。である以上、むしろ今風の言葉を使って、その古典派ロマン派の演奏様式は一周回って再帰的に選び取られたものというべきかもしれない。しかし、再帰的であるということは、テンネンに振る舞うのと異なり無理が生じる。その軋みに耐えて、彼女はどこに向かおうとしているのだろうか

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  • 3 people agree with this review
     2014/12/01

    テンポを落とすことなく、ここまで徹底的に腑分けされたモーツァルトは稀だ。情報量の多さに目が眩々してくる。それでいて原形を保っているのは、メジューエワの鋭敏なリズム感ゆえのこと。ロココ調の愛らしいモーツァルトを期待すると肩透かしを食いますぞ。

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     2014/10/31

    これがドイツのオケが出す音だろうか。沸き立つリズム、色彩的なハーモニー、まるでチャイコフスキーがアレンジしたようなベートーヴェンだ。しかも重すぎず透明感を漂わせて聴き疲れしない。時間さえ許せば1番から9番まで連続して聴きたくなる。ヤンソンスの至芸に拍手。

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  • 4 people agree with this review
     2014/08/30

    ヤンソンスは良いんですよ。祖国が生んだ大作曲家として真摯にラフマニノフに向き合っている。まるで、ベートーヴェンやブラームスをベーム(墺太利だけど)やヨッフムが演奏するときのように(歳がばれるな)。扇情的なメロディの裏側に、実は巧妙に付けられている対旋律をクッキリと浮かび上がらせる。頻発する繰り返しにしても、微に入り細に入り表情を変えて聴く者を飽きさせない。だから純管弦楽曲は星5つでおk。これでピアニストに恵まれていたら文句なしのオススメセットなのだが、残念ながらルディの技量が著しく落ちる。何よりもリズム感がgdgd。ヤンソンス指揮するオーケストラと強弱の拍が揃わないのは聴き苦しい。ゆえに星2つ減。

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     2013/11/18

    既にドイツ・ロマン派の主だった作品を録音し終えているメジューエワが、いよいよ奥の院ブラームスの後期に挑んだ。その覚悟の程を語っている彼女のライナーノートは必読。若書きのバラード(作品10)は既にセッション録音とライヴ録音の二種類がCD化されており、今回は再録しなかったのだろう。晩年のブラームスは渋い、退屈などと敬遠されがちだが、これを聴けばウソだと解る。奇をてらわぬ丁寧に弾きぶりはいつものメジューエワだが、聴いていて眩暈がしてきた。単調な繰返しを廃した書法が際立たせる和声の変幻に聴覚が追いつかない。その酩酊感はとりわけ三拍子系の曲で顕著にあらわれた。ショパンのときよりシューベルトのときより、私は酔いつぶれそうになった。

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     2013/05/31

    この素晴らしい5枚組BOXがリリースされて3か月が経過したというのに、一つのレビューも付いていないのはどうしたことでしょう。非力なれど、これをキッカケに他の人が書き込んでもらえればと思い先陣を切らせていただきます。すべてを聴きこんだわけではないのでディスク5に収録された「展覧会の絵」について。この曲には半世紀前に録音されたホロヴィッツとリヒテルのスタンダードが存在します。しかし、メジューエワさんで聴くと二人の演奏とはすいぶん印象が異なりました。一番の違いはリズムです。五拍子と六拍子を組み合わせた冒頭のプロムナードから始まってキエフの大門に至るまで、グルーヴが途切れることはありません。一方、往年の巨匠からは特にグルーヴは感じられませんでした。同じくロシア出身のフェルツマン盤もグルーヴに乗った快演でした。とはいえ、彼女が単調なインテンポで弾き続けている訳ではありません。曲想に合わせてテンポを変え、ルバートを挟みます。しかし、どれほどリズムを崩しても、聴き手の意識の中では拍子が保持されグルーヴが失われることはないのです。そのうえ、リズムとテンポの変化には必ず音色や和音の変化が伴っています。彼女のパレットは色彩が豊かです。ペダルを駆使して様々な色合いを作り出します。その代償に多少音の濁りが感じられるとしても止むを得ないでしょう。もう一つだけ。メジューエワさんはロシアン・スクール出身らしく溢れんばかりの歌心の持ち主です。彼女にとってピアノを歌わせるとは、表層に現れたメロディだけを綺麗に弾くことではありません。主旋律の陰に隠れがちな対旋律や伴奏にも生き生きとした歌を与えます。このBOXには稀代のメロディメーカーであるシューベルトの作品が幾つか収められていますが、主旋律の流麗さを犠牲にしても、十本の指が紡ぎ出す音型のすべてを歌わせようとする姿勢は一貫しています。

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  • 2 people agree with this review
     2013/01/20

    りゅーとぴあのホールトーンにチェンバロの色彩を見る。フェルツマンのゴルトベルクが賢者の語らいだとすれば、こちらは妖精のお喋りか。おっと、グダグダフェアリーズじゃござんせん。

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  • 5 people agree with this review
     2012/11/27

    古典派ロマン派の視座に映ったドビュッシー。構造、リズム、ハーモニー。奇跡も魔法もあるんだよ、ね、さやか。

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