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Review List of レインボー 

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     2019/09/17

    ロベルト・シュトルツと言えば、現在では指揮者として知られていますが、作曲家としても1000曲を超える作品を残した多作家でした。
    特に重要なのはオペレッタですが、今まで全曲盤や抜粋盤はあっても有名な曲を集めたアルバムは少なかったので、この盤は貴重です。
    音源は全てドイツ南西放送所有の物で、現在は南西放送の独自レーベルもありますが、このCDはまだヘンスラー・レコードと提携していた時代に発売された物です。
    演奏は全曲、ドイツ南西放送カイザースラウテルン管弦楽団。
    1枚目はオペレッタの中のオーケストラナンバーを中心に選曲、指揮はエンメリッヒ・スモラ、クラウス・アルプ、ペーター・フォークと歴代のシェフによる音源に加えて、パウル・ランデンベルガー、ロナルド・シーファスが振っている。
    日本では馴染みのないマエストロだが、ドイツローカルで活躍していたベテランだけに演奏の方は緩急のついた見事な物で、シュトルツのメロディに酔いしれる事が出来る。
    2枚目は作曲者自身による物で、全て歌入り。
    これはシュトルツの指揮と、共演の歌手(中々豪華)を楽しむのが良いと思う。
    録音は1963〜1999年で、元々放送用の音源か何かなのか音は年代の割には良いです。

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     2019/09/16

    CPOレーベルはかなりの喜歌劇の録音が発売されているが、その中でも特にフランツ・レハールには力が入っており、有名な作品は勿論、かなり珍しい作品もリリースされている。
    この『ひばりの鳴くところ』も、そんな1つ。
    マリウス・ブルケルト指揮、フランツ・レハール管弦楽団によって演奏、録音された物。
    歌手はCPOの他のオペレッタ録音に出ている人物が多い。
    この作品はボスコフスキーが振ったレハールの作品集にメドレーが収録されており、曲そのものは聴けるが全曲盤は作曲者の振った自作自演ぐらいしかCDになっておらず、しかもそれは古いので今回の新録音は待望のと言った所だろう。
    演奏と歌は、これと言った物はないものの、作品を知る分には問題ないですし、録音も新しいので問題ありません。

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     2019/09/15

    19世紀のコミック・オペラの名作を集めたアルバム。
    『ザンパ』『ドンナ・ディアナ』『マルタ』などなどを集めたこのアルバム、一昔前のLP時代にこの手のアルバムがよく出ていたが、最近は中々見かけない。
    オペラの1番最初の掴みである序曲は、大変にキャッチャーなメロディである事が大半であり、このCDに収録された作品も耳馴染みの良く、親しみやすい曲ばかりである。
    演奏はランス・フリーデル指揮、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団。
    バランスの良いサウンド、引き締まった演奏と飛び抜けた演奏こそないが、どれも安心して聴ける水準の高い演奏だ。
    録音も良好。

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     2019/09/13

    アメリカの作曲家、ウォルター・ソウルの管弦楽作品集である。
    ナクソスのアメリカン・クラシックシリーズの一枚。
    正直言って全く知らない作曲家であるが、現代的な作風を取りながらも、ある程度の聴きやすい旋律が出てきてまあまあでした。
    演奏は、テオドレ・クチャル指揮、ウクライナ国立交響楽団。
    一時期ナクソスに大量な録音を残したコンビですが、アメリカン・クラシックシリーズも、ナクソスにもこの組み合わせは久しぶり。
    変わらず透明な音色と明快な音楽で、演奏はなかなか良い。
    録音時期の関係もあるのでしょうが、やはり演奏者としても力が入ったのか、タイトルにもなった『キエフ2014』はなかなかの熱演。
    2014年の12月、キエフのウクライナ国立放送ホールでの録音で、音質、録音ともに問題なし。

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     2019/09/12

    ナクソスのフィルム・ミュージック・クラシックシリーズの一枚。
    フィリップ・セイントンの映画音楽『白鯨』をお馴染みジョン・モーガン&ウィリアム・ストロンバーグが復元した物で、演奏は、ウィリアム・ストロンバーグ指揮、モスクワ交響楽団による。
    この映画どころか、作曲者についても知らなかったが、セイントンはフランス生まれでイギリスで活躍した作曲家らしい。
    管弦楽曲などを始めとした演奏会用作品もかいているが、この白鯨が代表曲らしい。
    映画音楽らしいわかりやすさと、イギリス近代の音楽らしい色彩的なオーケストレーションによる、多彩な海の表情を描いた曲だが、ちょっと地味なところもあり、このあたりはイギリスの曲らしいと言えるでしょうか。
    演奏は復元者自身の指揮によるものとあってまずまずで、モスクワ交響楽団も仄かにロシア・オケのサウンドを出しているのが良いです。
    元々はマルコポーロで出ていたアルバムをナクソスに移行した、マルコ落ちと言われるアルバムで、1997年モスフィルム・スタジオでの録音、音質は綺麗だが、ナクソス録音にありがちな弦の細さと、残響の少ない響きのない録音はちょっと残念。
    再発売にあたり、リマスタリングした方が良かったのではないかと思う。

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     2019/09/10

    シベリア生まれで中国で活躍したロシアの作曲家、アーロン・アヴシャロモフの管弦楽作品集。
    マルコポーロは3枚もアルバムの作り、これは3枚目にあたるものです。
    『ピアノ協奏曲』『交響曲第2番』と、ディヴィッド・アヴシャロモフ 作曲『弦楽のためのエレジー』が収録されています。
    指揮は作曲家の息子にあたる、ジェイコブ・アヴシャロモフ (ピアノ協奏曲)孫のデイヴィッド・アヴシャロモフ (交響曲、弦楽のためのエレジー)、ピアニストはラリッサ・シロフスカヤ、オケはモスクワ交響楽団です。
    この中で面白い作品はピアノ協奏曲。
    全編に中国風のエキゾチックなメロディが出てきます。
    こういう曲といえばピアノ協奏曲黄河というのがありますが、それよりかも遥かに優れた隠れた名作でしょう。
    交響曲は最初はロシア風ですが、進むにつれ中国が顔を出します。
    弦楽のためのエレジーだけは孫のデイヴィッドの作品で、バーンスタインに捧げられたらしいのですが、曲としては全く面白くありません。
    演奏はなかなか良く、モスクワ交響楽団もかなり良いと思いますし、ピアニストのラリッサも大変上手です。
    音は綺麗ですが、ナクソスらしい線の細いところのある録音です。

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     2019/09/07

    ポーランド生まれのドイツの作曲家、イグナーツ・ワーグハルターの管弦楽作品集である。
    ワーグハルターは知られざる作曲家であったが、近年再評価されている作曲家なのだそうで、ドイツ・ロマン派の流れを汲む作風が特徴です。
    この盤に収録されているのはドイツ時代とアメリカ時代の作品であり、標題にもなった『新世界組曲』はアメリカ風というよりはアメリカの音楽を取り入れたドイツ的な作品、マンドラゴラからの音楽は正しくドイツ・ロマン派のオペラらしい生き生きとしたメロディ、マサリクの平和行進曲は管弦楽行進曲らしい隙のない構成と、チェコ国歌をフィーチャーした職人技が光る一曲と、どれも魅力のある作品です。
    またどの曲も管弦楽法が優れていて、オケがよく鳴る効果的な書き方をしています。
    演奏はアレクサンダー・ウォーカー指揮、新ロシア国立交響楽団で、指揮者のウォーカーはナクソスにブライアンの交響曲を録音している(オケも同じ)イギリスの指揮者で、オケの新ロシア国立交響楽団とは、かつてゴレンシテインが率いて、現在バシュメットが率いている、ノーヴァヤ・ロシア国立交響楽団という名称で知られるオケで、来日もしている。
    このCDではある程度インターナショナルしているとは言えロシア・オケらしい力強いサウンドが特徴であり、メリハリのある明確な解釈とオケの熱演もあって、なかなかの見事な演奏だと思う。
    勿論、録音も良好だ。

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     2019/09/06

    レオ・ファルの喜歌劇『パロリ』の全曲盤です。
    アクセル・コーバー指揮、ケルン放送管弦楽団による演奏で収録されたものです。
    歌手はコーバーがケルン放送管と録音した『兄弟の争い』に出ていた人と何人か共通です。
    このパロリというオペレッタ、1幕物で台詞入りで全51分と短な作品ながら、メロディは親しみやすくもっと知られても良い作品なのではと思いました。
    コーバーとケルン放送管弦楽団の演奏もファルの豊かなメロディを見事に出していますし、歌手も舞台での上演のような楽しさもあり、なかなか良い演奏だと思いました。
    パロリは他にフランツ・マルスツァレク盤(オケは当盤と同じケルン放送管弦楽団)があるぐらいで、このコーバー盤は入手のし易さも含めて、この曲の代表的録音と言えるでしょう。
    勿論、最新のデジタル録音なので音質も良好です。

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     2019/09/05

    一昨年、エドゥアルト ・シュトラウス没後100年を記念してマルコポーロが彼の作品集を出したのですが、これはその第2弾にあたるCDです。
    演奏は変わらず、ジョン・ジョージアディス指揮、チェコ室内パルドビツェ・フィルハーモニー管弦楽団です。
    今回も最初から最後まで珍しい作品のオンパレードで、オーケストラによる世界初録音とあります。
    ただし、曲はやはり1巻でも感じたのですが、同じシュトラウス・ファミリーの中でも実用音楽的で耳あたりの良い作品が、最後まですっと抜けて行くような感じで、とにかくこれはと思うような作品はありませんでした。
    一方で、演奏は作品のもつ良さ、悪さを過不足なく伝えており、安定した水準の演奏です。
    録音、音質は良好。
    資料的な価値の方が高い一枚でしょう。

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     2019/09/04

    ヴィルヘルム・シュテファン大佐指揮、ドイツ連邦軍司令部軍楽隊の演奏で吹き込まれたドイツ軍隊行進曲集。
    ドイツの軍隊行進曲を体系的に集めたアルバムとして、またシュテファン大佐の名盤として有名な音源です。
    このCDは3巻にあたるもので19世紀半ば頃から後半にかけて書かれた作品を収録しています。
    古典派的な作りから近代行進曲の形になる過渡期にあたる時期の物で、シンプルな作りだったり、一般的な行進曲スタイルだったりと様々です。
    意外とこのCD以外では見かけない曲もありますから要チェック。
    指揮のシュテファンはドイツ国防軍時代に軍楽隊に入隊、楽長資格を取得後、陸軍第59歩兵連隊軍楽隊の楽長を務め、終戦までベルリン国立高等音楽院で軍楽隊長の育成に関わり、戦後はハンブルク放送などで指揮者を務めた後、ドイツ連邦軍軍楽総監を務めました。
    経歴から分かるように戦前派のシュテファンですが、同世代の楽長達の演奏に比べ意外と洗練されたサウンドを聴かせたりします。
    もちろん戦前派らしいカチっとしたリズムや豪快な音楽作りに伝統的なドイツ軍楽の響きを感じさせます。
    これは当時の隊員に戦前から活躍した人物がまだ多数いたのも大きいでしょうか。
    1960年の録音ですが、年代の割には良い方かなっといった音質です。

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     2019/09/03

    ジャック・オッフェンバックのオペレッタからのメロディを集めたアルバム。
    100に近いオペレッタを残したオッフェンバックだが、ここでは全てオーケストラのみの演奏である。
    演奏者は何人かおり、まず最初はハンス・ユルゲン=ワルター指揮、ハンブルク放送管弦楽団による『パリのバレエ』『パリの生活』『ペリコール・メドレー』で、パリのバレエはロザンタール編曲のパリの喜びに似たような編曲だが、これ以外に録音のない珍しいもの、パリの生活はオペラの前に演奏される序曲、ペリコール・メドレーは名前の通りオッフェンバックの代表曲の1つ、ペリコールからのナンバーを繋げた物。
    但し最後にチラッと天国と地獄が出てくるが。
    次に、ハインツ・サンダウアー指揮、ウィーン市民歌劇場管弦楽団による『オッフェンバック・メドレー』で、これは1と2があり、両方ともオッフェンバックの知られた旋律を繋いだ物となっている。
    次はハンス・ハーゲン指揮、ウィーン市民歌劇場管弦楽団による『パリの喜び』はこちらこそ、ロザンタール編曲の物と同名だが、天国と地獄のカンカンで始まり天国と地獄のカンカンで終わるかなり希少なバージョン。
    三者とも演奏はB級と言って良いが、このチープ感はこれでありと思わせるし、何より三者ともにオッフェンバックらしくリズミカルな演奏なのでこれはこれで悪くない。
    録音年はわからないが、アナログなのは間違いなく、だとしたら1950〜1960年代だろうか、サンダウアーは音質の悪さが目立つが、他はヒストリカル録音としてはまずまず。
    尚、ワルター、ハーゲンの音源は、スイスのタキシードというレーベルが出している、A.パウリク指揮、ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団のオッフェンバック管弦楽集の音源と同じ。
    パウリク(1901〜1975)は実在だし、ユルゲン=ワルター(1919〜2011)サンダウアー(1911〜1979)ハーゲン(1915〜1979)も、ドイツ&オーストリアで活躍した指揮者で、このあたりの詳しい事情はわからない。
    CDは簡素ないかにも廉価盤と言った作り。
    基本的にはオッフェンバックの収集家向きの一枚だ。

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     2019/09/02

    ジョン・ジョージアディス指揮、パルドビツェ・チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団による、シュトラウス一族の同時代の作曲家たちシリーズ、早くも4枚目となる。
    今回は前巻以上に貴重な物で、収録曲全てが世界初録音との事。
    今までのシリーズに何度か登場している、シュランメルや、イヴァノヴィチ、ケラーらの他に、このCDではフォン・ブロンや、ハイネッケ、コムツァーク三世などがシリーズ初登場となる。
    曲によっては忘れられたのもわからないでもない曲もあるし、魅力のある曲もあるし、ともかく資料などでしか聞いた事のない曲が聴けたというのは大変に素晴らしい。
    演奏もいつもながら丁寧に演奏しており、過不足なく曲の魅力を伝えてくれる。
    録音も良好である。
    次の巻も楽しみなシリーズだ。

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     2019/09/01

    現在では『ドルの女王』を別にすれば、その他の作品はあまり知られているとは言い難いレオ・ファルですが、近年CPOレーベルが音源を出しているお陰で、名前しか知らないような作品も耳にする機会が増えてきました。
    この『女帝』もその1つ。
    オペレッタにありがちな、実在の人物を登場させた愛の物語で、初演時は受けたものの、その後忘れられたというクラシックにはよくあるパターンの作品です。
    確かに作品は地味な所も多いのですが、時折流れるファルらしい美しいメロディが聴けます。
    演奏はマリウス・ブルケルト指揮、フランツ・レハール管弦楽団による物。
    歌手はあまり知らない人物ですが、調べでまると、CPOの他のオペレッタ録音に出ている人物が多いので、オペレッタ中心の歌手なのかも知れません。
    それだけにか、演奏、歌唱共に不満はないのですが、この録音ライヴでして、セリフパートは音が小さい(遠い)のが残念。
    尚、はっきりとライヴとわかるような音(拍手など)はありません。

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     2019/08/30

    ナクソスが発売している、スーザの吹奏楽作品集も早くも18枚。
    今回の収録曲は行進曲がほぼ無くなり、完全に吹奏楽のための作品集となっている。
    前半はスーザにしては珍しい交響的スケッチと題されたシリアスな作品や後半は前回のアルバムで、パート1で終わった、パン・アメリカン諸国のマーチの続きなどが収録。
    CDの殆どが世界初録音との事だ。
    指揮者はお馴染み、キース・ブライオン。
    オケは前回と変わり、トリニティ・ラバン音楽大学ウィンド・オーケストラである。
    このトリニティ・ラバン音楽大学はイングランドにある大学だそうで、イギリスの一流音大の1つとの事。
    オケは中低音が太く、ガッシリとしたサウンドが特徴で、演奏も作品を知るなら十分な演奏です。
    録音もいつものメンバーによる優秀な録音です。

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     2019/08/28

    ヴィレム・タウスキー指揮、サドラー・ウェールズ劇場管弦楽団と吹き込んだ喜歌劇『こうもり』のハイライト盤。
    タウスキーとこのオケは当時所属していたHMVにオペレッタのハイライト・アルバムを制作していて、これもそんな一枚です。
    基本的に主要な曲のみが収録された、全50分収録でセリフはありません。
    また歌は英語歌唱です。
    星のある程あるこの作品の録音では、名盤とは言えませんが、ライヴ感のあるいかにも劇場で聴いてるようなノリの良い演奏は悪くありません。
    尚、HMVの権利を持っていたEMI本家からも出てましたが、このCDはオリジナルのジャケで復刻されています。
    1959年録音であり、音質はまぁまぁでしょう。

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