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2018/07/19
歌はいかようにも歌える 最後には人が残るだけ 要は好みになる 良し悪しを言うまい ヘンツェルとベレゾフスキーが”子供の不思議な角笛”をどう解したかを見る ”若き日の歌”からの9曲は3,4,5,7,8,11,14,17&18番目とどちらかといえば前半に寄り 歌曲集”子供の〜角笛”の12曲は2,6,9,10,12,15,16,19,20,21,22&23番目と後半に寄っている 冒頭1番に「死んだ鼓手」中央13番に「少年鼓手」を楔のように打ち込んでいる 歌毎に剛柔を使い分けている ベレゾフスキーのピアノにそれは顕著だ マーラーが生涯にわたってこの民謡詩に魂の掛けどころを得ていた事実がマーラーの人生観を象徴している 死と生の狭間で漂白するエトランゼ 虐げられた人々から陽の当たる権勢の座に這い上がった男の孤独は物語詩の中に自己の影法師を追う永遠の旅人へとなる わたしたちの感覚では諸行無常の世界ということになろうか しかしこれはわたし自身だと自覚できている現代人はどれほどか あなたは如何