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Review List of レインボー 

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     2015/08/04

    喜歌劇『ファンタジオ』は、オッフェンバックのオペレッタの中では後期に属する作品で、HMVのレビューにある通り、あまり成功もせず、その後忘れ去れた作品の1つです。
    ただ録音は全くないわけでもなく、シュテファン&ハンブルク放送管による全曲盤や、旧作の歌曲を転用したバラード『ごらん、黄昏の中』にはたまに演奏されるなど完全に忘れ去られたわけではないようです。
    今回新しく録音されたこの音源は、エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団の演奏に、イギリスの名指揮者、マーク・エルダーの指揮、そしてミンコフスキのオッフェンバック上演の際のアドバイザーとして知られたジャン・クリストフ=ケックの監修、構成された楽譜を使っての録音で、確かに上記のシュテファン盤に比べて、曲が少し違います。
    いつものオッフェンバック節とも言える陽気なメロディも出てきますが、バラードのようなゆったりとした美しいメロディーを中心にしたロマンティックな作風は、ラインの妖精やホフマン物語に通じる所があります。
    演奏は、オケ、歌手共に不足なく、作品を知るには十分です。
    録音はもう少し鮮明であればと思いますが、まぁ問題なく聴けるでしょうか。

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     2015/08/02

    このCDで振っているマルセル・カルヴァンはフランスの指揮者で、オペレッタやポピュラー音楽の録音を中心に活躍した指揮者です。
    このCDはオペラやオペレッタの序曲やメドレー、ワルツといった管弦楽作品を集めた物です。
    1〜7、14が、ラムルー管弦楽団、9がブッフ・パリジャン座劇場管弦楽団、8、10〜13が名無しの管弦楽団を指揮した物です。(記載はありませんがいくつか歌入りの物があります)
    演奏は特筆する程ではないですが、ツボを抑えた演奏でしょう。
    メサジェ、オードラン等の珍曲も入っており、貴重です。
    尚、最後のスッペの軽騎兵は残響が残っている中、ブチッと切れるのが難点です。
    1933〜1948年にかけての録音で、音質は録音年を考えれば良好でしょう。

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     2015/08/01

    ベルギーが誇る吹奏楽団、ベルギー王立近衛兵軍楽隊の演奏で収録された、フランス行進曲集。
    1985〜2003年まで隊長であったノイベール・ノジーの指揮で1997年に録音された物。
    元々はルネガイーというレコード会社が発売していた音源で同社が倒産後、引き継いだワールドウィンドミュージックより再発売された物です。
    但し、時代の流れかプレス盤ではなくR盤なのが残念。
    かつては、フランス行進曲といえばギャルドの演奏が一世を風靡していましたが、時代の変化に伴ってギャルドは行進曲の演奏をほとんど録音しなくなったため、このギィデの演奏はフランス式吹奏楽編成によるフランス行進曲として貴重な物です。
    もちろんフランス行進曲の特徴である吹奏楽団&喇叭隊の特色を最大限に生かした演奏はギィデの演奏でも、上位に入るのではないでしょうか。
    選曲面では18世紀から20世紀前半ぐらいまでに活躍した作曲家の作品を集められており、微妙にマニアックな選曲がまたgood!
    また多数の楽譜はギィデの名楽長、アルトゥール・プレヴォーの手が入った、恐らくここでしか聴けない秘蔵譜を使った大変貴重な物で、ギィデのカラーも出ています。
    先程R盤と書きましたが、音質面では大きな問題はなく、このレーベルらしい残響のある豊かな響きが聴けます。

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     2015/07/31

    バルカン半島のクラシックの作曲家の作品はほとんど知られていませんがその中でも特に有名な、クロアチアのヤコブ・ゴトヴァッツの交響詩を中心にオペラや弦楽のための作品等、オーケストラのための作品を集めたのがこのCDです。
    最後に収録された7つのバルカン舞曲のみ、セルビアの作曲家、マルコ・タイチェヴィチの筆による物。
    ゴトヴァッツは後期ロマン派風の管弦楽法に非常に民族色の強い物で、ちょっと中東風のメロディあり、静かで美しいメロディありと、どの曲も魅力的だ。
    タイチェヴィチも題名通りの国民学派路線の作品。
    演奏はモーシェ・アツモンの指揮、北ドイツ放送ハノーヴァー・フィルハーモニー交響楽団による物で、演奏は水準に達しており、なかなか良いと思いますが、ゴトヴァッツの『コロ』は、もう少し推進力が欲しい所です。
    1999年録音で、音質は綺麗です。

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     2015/07/30

    ノルウェーの作曲家、オーレ・オルセンの管弦楽作品集である。
    オルセンの作品集は今のところ2枚でているが、このテリエ・ミッケルセン指揮、ラトヴィア国立交響楽団の演奏で収録されたこの盤が世界初の物のようだ。
    ラトヴィア国立交響楽団の演奏は、もう一つの作品集で演奏していたアークティック・フィルの物に比べて攻めと歌わせ所が優れているように思う。
    特に分かり易いのが1曲目『アスゴールの騎行』で優等生的だったアークティック・フィルに比べて 演奏時間はこちらが長いが、劇的な第一主題と中間部の穏やかな所のコントラストのメリハリの付け方が見事だ。
    このCDは厳密いえばSACDハイブリッドで、私は普通のCD層でのみ聴いているが、これだけでもなかなか優秀に録音されている。

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     2015/07/28

    このCDはスロヴェニアの行進曲やファンファーレと言った曲を集めた物です。
    演奏は、スロヴェニア国防軍軍楽隊、指揮の大半はヤニ・サラモン中佐が担当していますが、他にもミリヴォイ・ズルベック、アルヨサ・デヘッリ、アンドレア・ソーラが何曲か受け持っています。
    スロヴェニアの行進曲というのはほとんど日本で知られていませんので、このCDは大変貴重な一枚と言えるでしょう。
    演奏は指揮者によって多少違いますが、一つ一つの音を区切った、いかにも軍楽隊らしい演奏というのはどの演奏にも共通します。
    『タラタタ』では軍楽兵の歌まで入り、なかなか楽しい&熱い演奏となっています。
    録音はどちらかというと残響の少ない硬めの録音ですが、演奏が演奏なのでこれはこれで良いでしょう。
    録音年は不明ですが、音質面は問題なし。

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     2015/07/27

    このCDは1963年にカール・シューリヒトが、ウィーン国立歌劇場管弦楽団を振って録音したヨハン・シュトラウス2世の作品集である。
    収録された作品は何百とあるヨハンの作品では有名な作品ばかりで、収録曲の面で特筆する点はないが、落ち着いた雰囲気の中、はっきりしたリズム、さっぱりしながらも、柔らかなニュアンスと、時折オケにタメを作って僅かに揺らしたりとなかなか個性的な演奏を聴かせてくれる。
    ウィーン流とは違うがなかなか良い演奏である。
    また、オケの名前がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ではなく、ウィーン国立歌劇場管弦楽団でクレジットされているのも珍しいだろう(通常はウィーンフィル名義が多く、歌劇場の表記の方はフォルクスオーパー等の変名である場合が多い)
    今回の復刻に関してどれほど音が良くなっているのかは、1990年に出たという国内盤がないので不明だが、年代を考えても特に問題なく聴ける音質だと思う。

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     2015/07/25

    "非常に珍しいオッフェンバックのオペレッタを集めたCDです。収録されているのは1873年作曲の『ポム・ダピ』1861年作曲の『シェフルリ氏は日にご在宅』、1858年作曲の『市場のかみさん達』で何れも1幕物。今日では滅多に上演もされず、ましてや録音も他にない(シェフルリ氏のドイツ語盤が過去にある位)ため大変貴重と言えるでしょう。演奏もとっても良く、歌手も思いっきり笑わせてくれるなかなかの好演。1983年録音でステレオ録音なので音質は悪くはないもののDDD録音初期のため細部がクリアではない事が唯一の残念な点です。"

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     2015/07/25

    ビュルゲン・ヤール指揮、ボヒュース連隊軍楽隊の演奏によるこのCD、行進曲を集めた内容となっています。
    タイトルに3とあるように全5枚出ていた3枚目にあたる物。
    演奏団体がスウェーデンの団体だけあってか、スウェーデンの行進曲が多く収録されており、いくつかは指揮者のヤールの編曲譜が使われている。
    またその他の国の作品にも珍しいのが多数あり、行進曲好きには嬉しい一枚。
    演奏は時々アンサンブルが不安定な所があり、普通な演奏が多いのですが、当たった時の演奏はなかなか熱いです。
    録音、音質良好。

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     2015/07/24

    スウェーデンの現国王、カール16世グスタフ王が1996年に50歳の誕生日を迎えられるに当たり発売されたのがこのCDで、スウェーデンの王室の音楽を歴代の王の時代順に収録した物。
    マッテス・ヨハーゲン指揮、スウェーデン王立陸軍中央軍楽隊の演奏で収録。
    その内容から大半は行進曲や短いファンファーレが中心で、前半の古い時代には古典派の管楽ディヴェルティメントのような作品もありバラエティーに富む。
    演奏はさすがともいうべきで、統一されたアンサンブルと流暢な音楽で、得意分野という事もあるだろうが行進曲からクラシックまで見事に吹いている。
    記念盤だけあり、詳しい楽曲解説等がついた解説書とプラケースに入ったCDが厚紙に入った作りは豪華。
    音も綺麗。

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     2015/07/23

    ヨハン・シュトラウス1世の作曲した管弦楽曲を紹介してこのシリーズの第24枚目。
    シリーズとしては最後の方にあたり、シュトラウスが亡くなる年に書かれた作品を収録しています。
    『ピーフケとプフケ』はボスコフスキーも録音しておりまだ知名度はあると思いますが、それ以外の作品は全くと言って良い程知られてないでしょう。
    またこの巻の特徴として他のシリーズのCDに比べ、作曲時期がらか行進曲が多数収録されているのも特色と言えるでしょう。
    演奏はクリスティアン・ポラック指揮、スロヴァキア・シンフォニエッタといつものコンビによる演奏です。
    高い技術力とはいかないまでも、オケの実力はまずまずですし、クセのない音楽なので作品を知るには全く問題ないと思います。
    どちらかというと資料としての価値の方が高い一枚でしょうか。
    録音、音質良好。

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     2015/07/22

    ノルウェーの作曲家、オーレ・オルセンのオーケストラ作品を集めたCDです。
    オルセンは今まで行進曲の作曲家として知っていましたが、本格的な管弦楽曲を残していたとは驚きです。
    その作風は、ノルウェーの民謡を元にした非常に親しみやすい旋律と、巧みな管弦楽法により、こんにち忘れられているのが不思議なぐらいです。
    演奏のアークティック・フィルハーモニー管弦楽団はこのCDがデビュー盤との事ですが、ハルヴォシェン、リンドベルイのタクトの下、非常に丁寧な演奏を聴かせてくれます。
    最もアースガルズの騎行のようにもう少し攻めてみてはと思うのもあるのですが、作品を知るには問題ないでしょう。
    通常のCD層でしか聴いてないですが、音質も特に不満なく聴けます。
    19世紀北欧オーケストラ曲ファンにお勧め。

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     2015/07/21

    このCDは1998年、イギリス王立空軍創設80周年を記念してバービカン・センター・ホールで開催された記念演奏会を収録したライヴ盤です。
    演奏団体は、イギリス王立空軍中央軍楽隊と、イギリス王立空軍連隊軍楽隊で、記載はないのですが恐らく合同編成での演奏でしょう。
    指揮者は、当時空軍軍楽総監であった、ロビン・ウィルキンソン中佐、空軍中央軍楽隊の指揮者であったロブ・ウィッフィン中佐。
    ただし、個別の担当曲の記載はありません。
    選曲は、空軍の記念演奏会らしく、『威風堂々』『英国空軍分列行進曲』『戦う司令官』『ダムバスターズ』と言った空軍関連の、ロイヤル・エアフォースお得意の楽曲をピックアップした物です。
    演奏は記念演奏会のライヴという事もあり、明るく楽しい演奏となっています。
    上記に挙げた空軍の行進曲は絶品ですし、シング・シング・シングでは大編成バンドによるノリにノった快演が楽しめます(途中のティンパニのソロは見事!)
    ポリフォニックのライヴ盤はこじんまりとしたサウンドになっている物が多く、せっかく大編成で演奏しても、大編成ならではの良さが分からないといった難点がありましたが、このCDはリマスタリングされているようで、その心配はありません。
    最上とは言えないまでも十分、バンドのサウンドを伝えてくれる音質です。
    尚、このCDのプロデューサーはフィリップ・スパークが担当しているようです。
    彼の作編曲はありませんが、ファンの方一度耳にしてみてはどうでしょうか。

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     2015/07/20

    20世紀中頃にかけて活躍したボリス・リャトシンスキーの交響全集の一枚。
    録音当時ナクソスに多数の録音を吹き込んだ、テオドレ・クチャル指揮、ウクライナ国立交響楽団のコンビによる演奏。
    このCDは5曲あるリャトシンスキーの交響曲のうち、第2、第3の交響曲を収録した物。
    演奏はこのコンビの中でも特に良いと言える物。
    ちゃんと爆発する所では金管が吼えているし(下品な音にならないのがこのオケらしい)時にはハッとさせる美しい演奏を聴かせたりする。
    作曲家への共感に満ち溢れた好演と言えるだろう。
    録音も問題なし。

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     2015/07/18

    ヴァーツラフ・ノイマン指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録されたこのCDは、チェコ(ボヘミア)出身の作曲家の手によるワルツとマーチ、ポルカを集めたもの。
    フチークを初め、クモッホ、コムツァーク、ラビツキー等、いわゆるウィーン・ライト・ミュージック系統の作曲家の作品ばかり収録。
    といってもシュトラウスとは一味違う作品で、素朴であったり影があったりと面白い。
    第1巻、第2巻の2枚がリリースされているが、現在HMVでは何故か同一盤となっている。
    カタログ番号の末尾が101が1巻、201が2巻である。
    収録曲の作曲家は主に19世紀中頃から20世紀前半に活躍した人物で、この年代のボヘミア出身の作曲家の手による主要な作品はこの2枚で大体揃う。
    ノイマン&チェコ・フィルの演奏はリラックスした、実に楽しいもの。
    細かい事は言わず、素直に曲を聴くのがこのCDの正しい聴き方だろう。
    2枚とも1983年8月の録音、音質は特に問題なく聴ける。

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