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Review List of ユローヂィヴィ 

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     2010/08/25

    期待を裏切らない本家ロシアの録音。

    有名な序曲に出てくる主題は第2幕でルスランが歌うアリアからとられている。
    第5幕のフィナーレも序曲に合唱がつくようなかたちになっている。

    タイトル・ロールのルスランとリュドミラだが、リュドミラがソプラノというのは分かるが、ルスランがバスというのが以外というか面白い。
    (テノールの役柄のようにとらえるのが自然だ。)

    Ratmirを歌うTamara Sinjavskajaが素晴らしい。

    このCDにはロシア語の歌詞がついていないのと、解説が簡単ということだけが不満だ。

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     2010/08/23

    ハルトマンの協奏曲は第一楽章でシベリウスの音楽にあるような北欧的な響きを感じた。
    また第二楽章ではオネゲル的なものも感じた。

    ソロ・ヴァイオリンと管弦楽団のための作品ではなく、弦楽オーケストラがバックをつとめるというのが渋くていい。

    彼の音楽はこの他に交響曲しか知らないがこの作品は彼の傑作の一つに違いないだろう。

    素晴らしい作品だ。

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     2010/08/22

    音楽が気高く高貴な印象を受けた。

    残念ながら録音状態が悪い。

    この録音では第3幕第6景をカットして上演している。
    第三幕のオレステとピラーデの友情を歌う場面はその後の歌劇でもよくみうけられるが(歌劇『ドン・カルロ』や歌劇『真珠採り』などなど。)これはもともギリシャ悲劇などにある形式(場面)の流れであるのかと思った。

    ラストで天から女神ディアーナがおりてきたりするのが古代ギリシャ劇らしい。
    もっとも室町時代の能でもよくあるが・・・。

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     2010/08/20

    Pavel Borkovec(1884‐1972)のピアノ協奏曲第2番はチェコ民謡を古典的な形式とモダンなオーケストレションでもって組込んだ新古典主義的な作品。

    Hindemithは名前の知名度のわりには作品の知名度が低いように思う。
    ここに収録されているヴァイオリン協奏曲とチェロ協奏曲はたいへん魅力的な作品で、もっと頻繁に演奏されてしかるべきだ。

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     2010/08/19

    映画版ということもありセリフを多く追加している。

    「オランピア」 
    エリアスが破産したことがすぐにわかってしまう演出はどうなのか?
    オランピアをお客に紹介している間に(かげで)破産したことを知り、オランピアを壊しにくる方がいいように思う。
    金をやるからコシュニーユに手伝わせるというくだりも通常オペラにはないくだりだ。

    皆がディナーに行った後のホフマンの歌はオッフェンバックの作曲か?
    通常オペラでは聴かない曲のようだが。
    機械じかけが分かった後の合唱のテンポがいい。編曲してるようだが。


    「アントニア」
    アントニアの物語は何度観ても涙を誘う。永遠のテーマがうまいこと描かれている。
    音楽もアントニアの父の娘に対する情の深い音楽からホフマンとの愛のメロディー、フランツのコミカルなもの、ミラクルの不気味さ、アントニアの母の霊による感動的なもの、最後の悲劇的なものから怒りまで表現の幅が実に広い。

    実に濃い一幕だ。
    アントニアに歌の代わりにヴァイオリンを与えるくだりは映画用の(フェルゼンシュタインの)演出なのか? それとも原作にあるのか?


    「ジュリエッタ」
    ダペルトゥットが水先案内人としてホフマンと出会ったり、ジュリエッタの最期などは映画版ならではの創作か?

    ピティキナッチョの存在がシュールな感じでいい。

    決闘場面でシュレミルの影が映らない演出もいい。

    影を失うという発想が実に面白い。


    最後の酒場の場面でのオペラではない色々なセリフも映画ならではのもので面白い。
    人生のいろいろな断片をみせる「ホフマン物語」。おすすめです。

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     2010/08/19

    第一幕の闇市の場面ではソロパートが多く、歌手が多く必要だ。(第二幕でもセリフの取り合いというか集団の中での会話、議論?を何人かの歌手にうたわせている。)
    合唱団のメンバーが歌っているのだろうか?

    第二幕は工場の場面。モソロフの『鉄工場』のような音楽だ。

    工場の作業着のデザインがいい。
    表がオレンジ色で後ろが黒。ソロをとる歌手だけが正面を向いて、残りの歌手たち(集団)が後ろを向いているところへ照明が当たると作業着のオレンジ色が映えてはっとするような効果を生んでいる。

    第三幕でのドアや窓を人が持って出たり入ったりする演出がいい。

    第四幕の英雄的なあっと驚くフィナーレもいい。(観てのお楽しみ。)


    ヘルツ役の松位浩が存在感のある歌唱と演技をみせている。

    歌劇『ボリス・ゴドゥノフ』が民衆の為の作品を目指したようにこの歌劇『氷と鋼』では労働者(ソヴィエト市民)のための作品を目指したのだろうか?

    クレムリンの官僚批判や密告、秘密警察、デモ、ストライキ、労働者、パン、女スパイ、逮捕。というようにソヴィエトのキーワードが盛り込まれている。

    スタニスラフスキイ&ネミローヴィチダンチェンコ音楽劇場のプロダクションをもとにしているようだ。

    演出がいい。

    舞台セットもどちらかというと控え目だがとても凝っている。(第二幕で出てくるロシア・アウァンギャルドのポスターのような巨大な手首も面白い。)
    舞台セットと演出によってこの作品が生き生きとしている。
    演劇的な魅力が大きい演出だ。

    輸入版で日本語字幕付きというのがうれしい。ただ字幕が一部欠けている所があった。

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     2010/08/18

    歌劇『五月の夜』は音楽的にはロシア民謡歌劇で、物語的には民話歌劇と言える。

    リムスキイ=コルサコフの歌劇では『金鶏』が最高傑作として知られるが、『金鶏』と同じく質の高い作品がこの『五月の夜』だと思う。

    ロシア民謡の旋律を用い、ロシアの民話の世界を存分に楽しめる。

    歌劇『金鶏』ではいい歌手でないと王と女王の二重唄が少しだれてしまう。
    歌劇『五月の夜』は全編魅力的な旋律に満ちていて飽きることがない。

    歌劇『五月の夜』の主役はテノールが歌うレビコフ。
    ロシア・オペラというと主役がバスといった印象が強いが、歌劇『サドコ』にしてこの『五月の夜』にしてもテノールが重要な作品も多い。

    今回のCDはSAISON RUSSEの音源から制作されたが、これまでにSAISON RUSSEで発売された
    歌劇『皇帝の花嫁』 SAISON RUSSE LDC 288 056/57
    歌劇『クリスマス・イブ』 SAISON RUSSE LDC 288001/2
    歌劇『不死身のカシチェイ』SAISON RUSSE LDC 288 046
    を是非ともブリリアントから再発して欲しい。
    国内版が出たら最高なのだが。

    またゲルギエフはフィリップからいくつかの歌劇が発売されたが、海外では発売されているのにいまだに国内版が出ていない作品も多い。
    歌劇『皇帝の花嫁』、歌劇『不死身のカシチェイ』、歌劇『賭博者』、歌劇『修道院での結婚』など。
    これらの国内版を是非とも発売していただきたい。

    クリスチャコフやフェドセーエフにも素晴らしいロシア歌劇の全曲録音があるのに国内版が出ないのが残念だ。(キング・レコードからいくつか国内版が発売されたがいずれも現在廃盤だ。)

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     2010/08/18

    尼僧のヒロインとはビゼーの歌劇『真珠採り』やドリーブの歌劇『ラクメ』を連想させる。しかもいずれも東洋が舞台だ。

    第一幕の尼僧たちの合唱からシンディアとシタの甘い旋律が美しい。

    マスネの音楽は控え目でそしてとても優雅だ。

    第二幕冒頭の戦いの場面であっても激しいものではない。

    第二幕で幕の開きが早くて月を提げているバトンが上がっていくのが見えてしまっているのが気になった。
    また、カレドのロマンス=セレナードで目隠しをつけて歌うのはいいのだが、目隠しが細くてなんか変だった。

    第三幕のバレエ・シーンではバレエを踊っている上にスクリーンを映し出すのはどうかと思う。
    意味を持たせることよりもバレエを観せる方がダンサーにしてもありがたいと思う。
    それに背景が明るすぎてダンスの動きや衣装が観にくいように感じた。

    シタを歌うアナ・マリア・サンチャスとシンディアを歌うウラディーミル・ストヤーノフがいい。

    舞台セットはシンプルだが雰囲気が良く出ている。
    また、セリが効果的に使われている。

    指揮のマルチェッロ・ヴィオッティはこれからという時に亡くなって実に残念だ。
    オーケストラも彼の指揮でのびのびと演奏している。

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     2010/08/17

    全体的にVol.1より音質はまし。

    ガウクの指揮はガラバーノフや教え子のスヴェトラーノフからするとスマートだ。

    チャイコフスキイの交響曲第四番の録音は一部編集がされている。

    キュイの組曲第3番Op.43は今回初めて聴いたがなかなかいい曲だ。

    タネエフ「オレステイア」。美しい。全曲を是非聴いてみたい。
    クラリネットと弦楽の為の物悲しい「カンツォネッタ」もいい。

    リャプノフの交響詩『Zelazowa Wola』は雰囲気が良く出ていて名演だと思う。

    TSINTSADZEの『Fantasia』はどこか映画音楽みたいだがなかなか面白い。

    Ivanovsの交響曲第7番もなかなか聴き応えがあった。(民族色がうまいこと現代的に明るく表現されている。)

    以外というと変かもしれないが、シューマンの「クライスレリアーナ」の管弦楽編曲版もなかなかよかった。

    ボリス・チャイコフスキイを演奏するなど同時代の作曲家の作品をいち早く演奏しているというのが素晴らしい。

    以外ということで言うとルーセルやピストンの録音があることだ。

    全てライブ録音とあるが、明らかにライブと聞こえたのはボリス・チャイコフスキイの『弦楽の為のシンフォニエッタ』とTSINTSADZEの『Fantasia』、Ivanovsの交響曲第7番、ルーセルの交響曲第4番ぐらいだった。

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     2010/08/16

    まず短いがアルプスの山間の村を表現した美しい序奏があり、村人たちの短い合唱(無伴奏)がそれに続く。印象的な幕開きです。

    第一幕の一部(侯爵が帰っていく所)でほんの少し音声に乱れがあります。おそらく録音時の機材の問題でしょう。

    この映像は1996年9月4、7日の2つの公演からつくられていますが、第一幕のリンダのアリアが映像と音が微妙にズレているように感じられ、見ていてなんか気持ち悪い所があります。これは二つのいい所をつなげたからなのでしょうか? それとも映像がなんらかの理由で遅れた?

    第二幕は戯曲も音楽も良く出来ていると思いました。

    ただ第二幕のカルロのアリアの時、右の袖から糸が垂れているのが気になりました。

    全体を通してピエロットの悲しい歌がリンダの悲劇を象徴する重要なもので物語が悲劇に進む程この旋律がより悲しく聴こえてきます。

    第三幕も最後はハッピー・エンドになるので観ていて救われた気がしました。

    この作品や『ランメルムーアのルチア』のように女性が正気を失うという作品がありますが、(ロシアでいうと『マゼッパ』や『皇帝の花嫁』)これはのちにフロイトが明らかにするいわゆるヒステリ−で、ヨーロッパの貴族など身分の高い女性の症状としてフロイトはとらえましたが、日本も戦後までは自由恋愛は少ないと言われますが、ヨーロッパにおける自由恋愛がかなわないことで起きる悲劇の一例がこういった一連の作品のテーマとなっているのでしょう。(ここでは身分の差が悲劇を生む。)

    ヨーロッパ女性の一つの象徴として狂女が出てくる。(日本では室町時代の能に狂女を主題とした作品群があります。)その例として歌劇『シャモニーのリンダ』をとらえることもできます。
    また、歌劇『夢遊病の女』にしても臨床心理学から診るとなかなか面白いかも知れません。


    ≪歌手について≫
    リンダの母を歌うナディー・アッシャーの歌唱(発声)が少しきつすぎるように思います。現在の生活の苦を嘆くのですが、それにしても大声を出そうとしすぎに感じました。

    リンダは母に対してとても強い心のつながりを持っている。

    リンダの父、アルマンド・アリオスティーニは素晴らしいです。

    ≪演出について≫

    村の貧しさのために人々は都会(パリ)へ出稼ぎにいくという設定ですが、それにしてもリンダや父、母、村人の衣装が地味(質素)すぎるように思います。舞台背景も暗く、照明も暗い。
    舞台なんですからそこまでしなくてもと思いました。

    そのために、侯爵の喜劇的な音楽としぐさが妙に浮いてしまって、いかにも場違いな感じがします。お芝居ならではの面白さもみせて欲しかった。侯爵がはしゃぎすぎで楽しい感じが伝わらない。せっかくがんばって歌い演技しているのに。

    この悲劇の中で第三幕の始めはとくに侯爵が持っている喜劇性の運びかたでこの物語の清涼剤となる働きをするので、侯爵の登場で照明を明るくするなどして欲しかった。

    第一幕のピエロットの歌の時にも(この歌はこの作品の中でとくに重要なものです。)歌詞の内容にあわせて舞台がやはり暗い。なんとも気が重く沈んでしまう。

    もっともこのように感じさせれば演出家としては成功なのかもしれない。

    舞台装置でいえば大道具が少なく背景も簡単なので少し物足りない感じがしました。
    変な言い方ですが、あまりお金がかかっていないというか・・・。

    第二幕ではパリの喧騒や婚礼のあわただしさを薄い幕のむこうで人が行き来することで表現したり、第三幕では薄い幕の向こうでダンサーが(?)吹雪の中故郷に向かうリンダを表現したりしています。

    最後にピエロットの映写機(?)がこの演出を締めくくっているのが面白い。(この物語を舞台に映し出していてそれを我々が観ていた。)

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     2010/08/15

    シベリウスに対する尊敬、敬意を表した素晴らしい演奏。若い頃の作品がほとんどだがどれも清新で美しい。

    テンペラ四重奏団による演奏(美しい音色とアンサンブル)がとくにいい。

    一人の作曲家の習作を含めた全作品を聴くことができるというのは実に大きな喜びだ。

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     2010/08/15

    CD-2のThree short piecea(1888)が愛くるしくってよかった。

    ピアノ編曲版で「フィンランディア」があることは知っていたが、「カレリヤ組曲」や「クリスティアン二世」の編曲版が聴けたり、全集ならではの多くの習作が聴けるのでシベリウスファンには是非押さえて欲しい商品だ。

    CD-5のTen Bagatelles op.34やTen Pensees Lyriques op.40そしてAndante In C sharp minor(交響曲第一番の断片)もいい。

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     2010/08/15

    シベリウスの管弦楽曲集の名曲・名演集です。

    まず演奏が素晴らしい。そして音質も。

    以前オスモ・ヴァンスカとラハティ交響楽団の日本公演(シベリウス交響曲全曲演奏会)を聴きに行きましたが、そのときは正直そんなにオーケストラの演奏能力も上手いと思わなかったし、そんなにいい演奏とも思えなかったが、これらの演奏はこれらの曲の決定版と言っていいものではないのだろうか。

    「レンミカイネン組曲」のオリジナル版やフィンランディアの原型とも言える「フィンランドの夜明け」が聴けるのも貴重だ。

    ヤルヴィ指揮による「歴史的情景 第一組曲」op.25が特に印象にのこった。

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     2010/08/15

    物語は単純だがそれだけに分かりやすい。上演時間も短い。

    序曲からして素晴らしい演奏。
    ライブ録音でしかもモノラルなので音が割れていて悪いのだが逆に臨場感というか勢いを感じる。

    グワルティエーロを歌うピエール・ミランダ・フェルラーロが素晴らしい。
    高音がしっかり決まって出ている。

    第一幕第一場の嵐の場面をヴェルディの歌劇『オテロ』と比較しても面白い。
    合唱が嵐の中の船を心配する所など詞章はよく似ている。

    ベルリーニが国際的に有名になったという出世作ということだが、彼にしては激しい音楽だろう。
    歌手たちに高音を要求するような劇的な場面が多い。

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     2010/08/15

    カレル・チャペック原作の奇想天外の面白い作品だ。

    前奏曲からしてエネルギッシュでヤナーチェク以外のなにものでもない力強い音楽で幕が開く。

    マッケラスの指揮はもちろん。ゼーダーシュトレームやドヴォルスキーの歌唱が素晴らしい。

    ドヴォルスキイは派手さはないが、素直で我を出さずに作品に没頭するような控え目な表現が素晴らしい。水を得た魚のようにのびのびと歌っている。

    自国の作曲家の作品を歌う誇りや世界にこの作品を紹介するという使命が伝わってきた。

    また解説書がしっかりしていて読み応えがあった。

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