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2 people agree with this review 2012/10/15
ヒスノイズの多い音だが、明晰で色彩感のあるステレオ録音で巨匠の名演が遺されたことに、われわれは感謝しなければならない。有名な48年のウィーンフィルライヴや、この直前のNYPとのライヴ盤のほうが、テンションも高く演奏としてははるかに優れ、面白いのだが、この端正なセッション録音もまた、後世に彼が残したかったものを伝えている。造形的には大きく変わらないのだが、巨匠の音の色彩感や細部のバランス感覚などは、この鮮明な録音を通じて得るものが少なくないからだ。特にフィナーレの高揚感と迫力は圧倒的で、演奏は勿論、音質も50年以上前の録音とは思えないような明瞭さだからこそ、巨匠の芸術の真骨頂を楽しめる。当時のCBSの録音技術の高さの一端を感じさせるものだ。
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1 people agree with this review 2012/10/14
有名な名盤。70年代末から今まで、ベートーヴェンの晩年ソナタを語る上では避けて通れない1枚の地位は変わらない。磨きぬかれた技巧と音色は神々しく、多言を弄さずに作品の深い精神性を表現している。最近、ショパンの再録音が目立つが、できれば、ベートーヴェンの全ソナタを録音・発売するとともに、最後の3曲だけは再録音してほしい。最近のライヴを聴いて、今の巨匠の境地こそがこの曲の録音を残すのに相応しいと思えるからだ。
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3 people agree with this review 2012/10/14
佐渡さんのショスタコーヴィチ5番は、いかにも彼らしいダイナミックな演奏で感銘を受けた。印象に残ったのは第3楽章。かなり遅いテンポで震災の犠牲者を悼むレクイエムのような祈りの音楽だった。阪神大震災でも東日本大震災でも、師の教えを守って被災地支援や交流に心血注いできただけに、その感情がこの演奏に昇華したものだろう。第3楽章以外は師匠バーンスタインの演奏に実に良く似ており、一瞬バーンスタインがベルリンフィルに再登板したような錯覚を覚えた。悪く言えば、バーンスタインのコピーなのだろうが、ベルリンフィルの高いアンサンブルを背に極めて洗練された響きを手にしており、佐渡さんの代表的録音といってよいものになっている。代わりに、彼の持ち味でもある粗野さと紙一重の荒々しさは息を潜めている面も否めず、アメリカの有名オケならまた違う結果が出たかも知れない。武満徹「フロム・ミー・フロウズ・ホワット・ユー・コール・タイム」は比較的有名な曲なのに初めて聴いたので、論評を差し控えるが、映像で見たほうが絶対面白い。NHKBSでも見てCDもだいぶ前に買っていたのにすっかりレビューを書きそびれていたが、ベルリンフィルの演奏会には優れた若手が次々ひしめくが、その中で佐渡さんのベルリンフィル再登板を祈りたい。
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クレメンス・クラウス指揮による最後のニューイヤーコンサート。WPやORFに元の音源が残されていないのか分からないが、この音源は昔からエアチェックもののようで、これもその音源をLP化したものに基づいているようだ。年代を考えると、意外とややさえない音質だが、会場の雰囲気はよく伝わるし、音楽を楽しむにもまずまず十分だ。クラウスのDeccaの一連の録音より音楽が自然に息づいているのが好ましい。ニューイヤー・コンサートはクラウスやボスコフスキーの時代はウィーンのローカル色が強かったが、マゼールが登壇して以降の指揮者の個性が注目されるようになった。この録音はクラウス時代の様子を伝えるもので貴重だ。貴重な音源を手軽に提供するメーカーの姿勢は賞賛に値する。
目下廃盤中の通常のCDしかなくSACDは持っていないので、その音質にコメントできないのが残念だが、CDの印象ではライヴらしい生々しさと熱気を捉えた素晴らしい演奏と録音だ。フィッシャー=ディースカウの声は張りがありパワフルで、レコードにはない熱さを感じさせる。自然なライヴ録音の舞台の響きを録音したFM東京の技術力も素晴らしい。CDもぜひ再発売していただきたいと思います。
2 people agree with this review 2012/10/14
フィッシャー=ディースカウは三大歌曲を何度も違う伴奏者と録音しているが、LP時代末期にはこのDGのムーア伴奏のものが定番的な位置づけであった。特に冬の旅はその前後にもバレンボイムやブレンデル、デムス、ペライアら様々な個性のピアニストとも録音を残しているため、選択に困るほどだが、初めて聴く人には、節度あるムーアの伴奏が光るEMI時代かDGのこの録音がお勧めだろう。それにしても世紀の名歌手のためとはいえ、地味なリートという分野で何度も贅沢な録音が許された60年代から80年代末までの時代は、クラシック音楽の最後の黄金期だったのかもしれないと思える。
7 people agree with this review 2012/10/13
旧東独のローカルなピアニストというイメージが強いレーゼルだが、聴いていただければお分かりのように、思索的で渋いだけでなく、洗練された響きと優れた技巧にも長けた演奏家と言える。ブラームスは彼の十八番で、LP時代から名盤の誉れが高かったもの。3曲のソナタでの華やかなスケールの大きさや構成力、晩年の作品での内省など、曲想を巧みに描き分ける。強い個性や自己主張よりは、作曲者の意図に奉仕しようという姿勢が好ましい。しかも値段も魅力的で、ブラームスのピアノ曲をはじめてまとめて聴くには最適だ。レーゼルは、ベルリン・クラシックスなどから出ていたチャイコフスキーやラフマニノフの協奏曲のアルバムでは、ロマン的なヴィルトオーゾとしての側面も発揮しており、「ドイツ的」で「渋い」だけではない興味深い演奏家と思う。不幸にも大手レーベルと契約しなかったために知名度が実力に比して低めなだけで、もっとファンに注目されていい名演奏家である。
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8 people agree with this review 2012/10/12
クライスラーのEMI全録音のみならず、彼の残した主な録音がここにそろっている。この値段で協奏曲やベートーヴェンのソナタ、自作などが聴けるのは有難い企画だ。これにラフマニノフとの共演などのRCA録音が加われば、彼の録音の9割は揃うことになる。今の感覚では、クライスラーの演奏は、音程が甘いなど技巧的に限界を感じさせる部分があるが、昔懐かしい柔らな音色、気品、歌心など独特の魅力がある。あらえびす氏がかつて指摘していたとおり、協奏曲は音質をとるならバルビローリ盤、演奏をとるならブレッヒ盤だが、LP時代のGRシリーズ同様、ベートーヴェンでは低弦が歪みでビリつく部分があるなど、復刻は必ずしも成功していないのは、オバートソーン氏の復刻によるNAXOS盤を聴くと明らかだ。これからも、EMIが再リマスターをせず、この音質のままで次代に伝えていくつもりかは知らないが、自社の既存の復刻音源を他社の製品と比較して、改善しようとする姿勢が薄いのが惜しい。音楽の歴史遺産は、何もフルトヴェングラーだけではない。フルヴェンの音源のリマスターは何度も行われているが、ほかの往年の巨匠の音源にも当然同様の措置が必要だと個人的には思う。というわけで、曲によっては、Naxos盤もあわせてお持ちになることをお勧めする。
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3 people agree with this review 2012/10/12
普通かやや速めのテンポで小気味よく流れる演奏。最近流行のピリオド奏法に背を向け、一昔前のアバドやムーティを彷彿とさせるようなオーソドックスな造形感覚だが、一味違うのは彼ららしい演奏行為そのものを楽しむ姿勢だ。この巧い学生オケみたいな(演奏は仕事ととらえる一般のプロオーケストラにはないような楽天的に演奏行為を集団で楽しむ)独特の感覚は、何をやってもドゥダメルとシモン・ボリバル交響楽団に共通する姿勢で、曲によっては違和感を招くことがあるのだが、このエロイカでは第2楽章で幾分深刻さが薄れて災いする部分はあるものの、全体としてはその明るさ(悪く言えば能天気さ)が曲の持つエネルギーにマッチし、成功している。このコンビは好悪は分かれようが、面白いことは間違いない。スタイルは違うが、この音楽を楽しむ姿勢は、南米育ちのカルロス・クライバーを髣髴とさせる。このコンビには、今後も、良い意味でのアマチュア的な姿勢を捨ててつまらないヴィルトオーゾ・オケにならず、ベートーヴェンやマーラーなども含めて個性的録音を重ね、欧米中心のクラシック界に南米からの新風を送り込んでほしい。
1 people agree with this review 2012/10/10
ショスタコーヴィチは稀代の名演。オイストラフの明るい美音と朗々とした歌いまわしと、ミトロプーロスの暗く燃える響きの対比が印象的だ。ムラヴィンスキーとの共演盤が正統派の表名盤としたら、こちらは裏名盤。ロストロポーヴィチとオーマンディのチェロ協奏曲第一番も確か初のセッション録音のはず。いずれもコンドラシンやムラヴィンスキのように本場の土臭さは薄いが、音楽を客観的に聴くためには音質も含め優れた音源だ。
3 people agree with this review 2012/10/09
30年以上前には、マーラーといえばバーンスタインとNYPがファーストチョイスと言われていた。今となっては、録音の古さやオケやコーラスの洗練さという点では難がないでもないし、完成度では後年のVPOのDVDやDG盤のNYPライヴにはかなわないとはいえ、若さと燃焼度で価値は色あせない。6楽章のうねるロマン的な表現は特に印象的だ。録音は古いとはいえ、複雑な音の絡み合いは解像度高く録られており、SACDにより3ch再生が可能になって、録音の真価をようやく知らしめたともいえそうだ。ジャケットが中古LP店で見かけるオリジナルデザインなのも魅力だ。
2 people agree with this review 2012/10/09
30年以上前には、「復活」といえばこの名盤がファーストチョイスと言われていた。今となっては、録音の古さやオケの洗練さという点では難がないでもないが、燃焼度では少し前のフランスライヴ同様、壮絶で、いまだに価値は色あせない。録音は古いとはいえ、複雑な音の絡み合いは解像度高く録られており、SACDにより3ch再生が可能になって、録音の真価をようやく知らしめたともいえそうだ。
0 people agree with this review 2012/10/09
私的なことで恐縮だが、この曲といえば、小生の思い出の1枚。少年期、この曲が好きで、アシュケナージ盤、ホロヴィッツ=ライナー盤やオーマンディー盤、作曲者自演盤とともに親しんだものだ。遅いテンポでうねるオケに、余裕綽々たる硬質なピアノが、ロマン的な大河小説のような世界をみせる。フランス国立管弦楽団の独特の明るいサウンドも魅力的だ。オリジナルジャケットなのも嬉しい。あれから30年たち、この名ピアニストも世を去り、時の流れを感じるが、CDに刻まれた録音はそのまま当時の熱気を切り取り、そのまま現代、後世に伝えるのに、不思議な感慨を覚える。後世にしっかり残していきたい名盤だ。
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8 people agree with this review 2012/10/09
昔、DGからお蔵いり?のセッション録音がでた時、某レコード雑誌の有名評論家たちは、その音のよさと演奏の壮絶さを絶賛していた。遅めのテンポでのた打ち回るような暗澹さを漂わす演奏は、確かにこの巨匠の晩年の凄みを後世に残す名盤だ。しかし、このそれをも凌ぐ熱気に溢れたライヴ盤はそれより数年前に発売されていたにもかかわらず、「推薦」ぐらいには選ばれたものの大して話題にされなかった。大手レーベルが出せば職業評論家は必ず絶賛するのかと疑問に思ったものだ。ここでは、きちんと多くのレビューアーのみなさんがきちんと高い評価をしており、良識を示しているのが喜ばしい。DG盤が劣るというわけではなく、小生としてはDG盤もこのOrfeo盤も巨匠フリッチャイの晩年の芸術を伝えるものとして大切に聴かれるべきだと思う。アニー・フィッシャー独奏のバルトークは、有名なアンダ盤より洗練され、彫りの深い印象の演奏になっていると思う。せめてバルビローリやセルの亡くなった70年ごろまで活躍していたら、数多の名盤を残していただろうと惜しまれてならない。
リパッティが40年代後半〜死の直前までにEMIに録音した一連の有名な録音の一つ。このほかにバッハのパルティータ第1番やコラール集、モーツアルトのソナタ第8番、ショパンのソナタ第3番、グリーグとシューマンのピアノ協奏曲などが残されている。このショパン集の中では、清廉さの中に熱い情熱と感情が迸る舟歌が個人的には白眉だと思うが、リパッティの代表的録音の一つであるセッション録音のワルツ全14曲も、心なしか命にかかわる病にあって、すべてを達観したような清澄さに満ちた音楽だ。古くからの名盤で全集などですでに持っている方も多いはずだが、若いリパッティ入門者なら、この安い1枚から試しに聴いてみてもいいかもしれない。音の状態の良くないブザンソンの最後の演奏会ライヴをいきなり聴くというのも、デジタル世代の多くにはおそらく苦痛だと思われる。
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