TOP > My page > Review List of シャルヴェンカ

Review List of シャルヴェンカ 

Showing 16 - 30 of 35 items

%%header%%

%%message%%

  • 0 people agree with this review
     2021/11/21

    オケコンについてのみコメント。この録音の2年前にRCA初デジタル録音されたオーマンディと手兵フィラデルフィア管の演奏がレコード・アカデミー賞を受賞して話題になった。ジャケット全面のバルトークの赤い顔。吹奏楽部の合奏練習の合間、みんなに聴かせた記憶がある。ショルティもこの録音に触発されたのだろう。確かに全曲通して圧倒的な演奏には違いないが、その後のデュトワやシャイーなどの演奏と比較すると、オケの技術で押し切ってしまった感がある。そんな中ショルティ盤が圧倒的に優れている箇所を紹介する。第1楽章6分半から始まる金管セクションのコラール。ここでの2ndトロンボーンの素晴らしさ。本来高音部で目立つべき1stが食われてしまっている。私自身2ndトロンボーンで全日本吹奏楽コンクールを経験しているが、一般に管楽器パートで一番技術が高いのは1st奏者だ。これは私の勝手な想像だが、この部分だけ奏者を入れ替えたのではないかと感じている。間違っていたらシカゴ響の皆さん、ごめんなさい。どちらにしてもこれぞ世界一の金管セクションと断言します。蛇足だが、シカゴ響のオケコンはショルティ、レヴァイン、ブーレーズといずれもレコード・アカデミー賞を受賞している。同じ楽曲で同じオケでここまで受賞が続くと、賞自体の権威が疑われはしないか。ただ、金管セクションについては同じオケなのにショルティ盤が圧倒的、実に不思議だ。私の勝手な想像はここから来ているのである。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2021/11/21

    手兵コンセルトヘボウ管との81年デジタル再録音。勇退後ウィーン・フィルとの95年新録音が確かレコード・アカデミー賞を受賞したと記憶しているが、私は断然前者が好きだ。ショスタコーヴィチの一連の交響曲にも言えることだが、仄暗くて重圧な作品にこそ、このオーケストラの個性的な音色がぴったり合う。ホルン・セクションは癖がなくほぼ世界最高。これに対し、トランペットとトロンボーン・セクションは少々癖がある。特にトロンボーンは粘る。賛否分かれるところだろう。この演奏の一番の特色は素晴らしいホールの響き。ムジークフェラインも響きが良いことで知られているが、音の溶け合いという点でコンセルトヘボウに軍配が上がる。空席と満席で殆ど残響時間が変わらないと言われているが、残響が長いと却って演奏は難しくなる。指揮者も奏者も残響を計算しておかないととんでもない演奏になってしまうのだ。ハイティンクはほかの作品もいくつかウィーン・フィルと録音を残してるが、あちらはアバトやカラヤンもあるので、78年録音の7番も含め、コンセルトヘボウ管でデジタル再録音して欲しかった。この8番はショスタコーヴィチの8、13番、マーラーの7番と共にハイティンクの交響曲録音の金字塔である。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2021/11/19

    高校2年、全日本吹奏楽コンクールを目指して猛練習に励んでいた頃にレコードを入手。強烈なジャケット写真も未だ新鮮だ。カセットテープへの録音を頼んだフルートパートの女子から狂った音楽だと言われてしまった。一方の私は冒頭のソロがどの楽器なのか認識出来ず、早速スコアを入手。それがファゴットだと知った。独特な響きだ。続くは世界一の木管セクションの独壇場。軽々と演奏している。そしてこの演奏が他の追随を許さないシーンが強烈な絃楽器の返し奏法で始まる乙女たちの踊り。裏泊の8本のホルンはほぼ100%の演奏がグシャッとただの不協和音なのだが、この演奏は唯一ハーモニーとして成立している。続く絃楽器、16分音符の3拍目休符のリズムと他の楽器群の8分音符のリズムがガッチリ噛み合う。今聴いても鳥肌が立つほどの鮮やかさ。全体に他の大多数の演奏の一つ上の次元を行くリズム感とダイナミクス。ホルン・セクションは正に世界一だ。これが45年前の録音だとはとても信じられない。春祭は特に後半に変拍子が多発するが、スコアを見ながらCDの演奏に合わせて指揮をしても99%最後まで辿り着けない。当時1%は成功してました。かつてカラヤンが最後の3小節の指揮のうまい方法を思い付いたと子供のように喜んでいたという逸話がある。サー・コリン・デイヴィスという指揮者は、例えばハイドン、シューベルト、シベリウスなど決して冒険の必要のない正当的な演奏をするというイメージがあるのだが、ペトルーシュカ、火の鳥と、コンセルトヘボウ管との録音は別人のようなインスピレーションに溢れている。ハイティンクがこれら三部作をベルリン・フィルとのセッションまで持ち越したのは、デイヴィス盤を強く意識したからではないか。指揮者、オーケストラ共にベスト録音と言い切ってしまおう。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2021/11/19

    それにしてもこのオーケストラは音楽監督が目まぐるしく変わる。普通ならばオケの演奏水準に悪影響が出るのだが…。ドビュッシーについては高校時代、吹奏楽部で夜想曲の祭りや海をコンクールシーズン以外に練習曲として取り入れていた。また牧神の午後への前奏曲は、当時好きなフルート・パートの女子に、ソロのパート譜を印刷と間違えるくらい正確に五線譜に写譜して渡したことがある。ドビュッシーの作品についてはハイティンクとコンセルトヘボウ管の演奏が素晴らしく、ここのレビューにも投稿したので、ロイヤル対決が実現。美しく行儀の良い正確な演奏ではあるが、そこから先に訴えてくるものがなく、単に上手な演奏だなで終わってしまう。大好きなオケだけに期待が大きく、評価もより厳しくなってしまうのかも知れないが、演奏そのものへのアプローチは指揮者のインスピレーションが決めるものだから、オーケストラ側に罪はない。やや癖のあるコンセルトヘボウ管と、殆ど癖のないスコティッシュ・ナショナル管、文字通りロイヤル対決。現在両者の聴き比べが私の一番の楽しみである。その聴き比べを一冊の本にするのが夢です。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2021/11/19

    カリンニコフ?聞いたことがないなあが第一声。このオーケストラは本当に異常なほどにレパートリーが広い。私の手元にある交響曲だけで、バックス、ルーセル、ステンハンマル、ダンディ、バーバー、アルヴェーン、ガードナー、スタンドフォード、ラウタヴァーラなどメジャーではない作品に溢れている。これらにマーラー、ブルックナー、ドヴォルザーク、ショスタコーヴィチ、シベリウスなどのメジャー作品が加われば、下手するとちゃんと聴かずに終わってしまうものもあるかも。さてこのカリンニコフ、35歳で急逝したと知って興味を持った。いきなり日本人好みの懐かしく素朴なメロディーに心を奪われる。その一方で金管セクションの扱いは野心的で、ドヴォルザークの前半の交響曲を彷彿とさせる。カリンニコフの方が少し洗練されているかな。聴いていて爽快感もある。チャイコフスキーを卒業したい方、された方にお勧めするロシアの交響曲、そして瑞々しい演奏です。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2021/11/19

    80年代初めフランス物で世界のクラシック・ファンを驚かせたデュトワとモントリオール響の演奏も悪くはないが、このハイティンクとコンセルトヘボウ管の瑞々しい演奏を聴くと、無味乾燥に感じてしまうのは私だけか。76年録音と言えばディヴィスの名盤「春の祭典」と同じ時期。静と動の対比がえげつない。夜想曲は金管セクションのバランスに不満を感じるが「管弦楽のための映像」と「牧神の午後への前奏曲」は身も心も溶けてしまいそうな美しさだ。世界一の木管セクションに拍手!!当時のレコード芸術誌の批評(名人芸の集積、自由自在に吹く木管、どこまでも伸びてゆく絃楽器。それらは常に目のつんだ響きの中から決して抜け出さない……)正にその通り。この演奏を聴いたらベルリン、ウィーン、シカゴのオーケストラも黙ってしまうのではないか。オーケストラの極限の美しさを追求した名盤は、数あるハイティンクの録音の中でベスト3に君臨する。亡くなられたハイティンク氏に改めて敬意と感謝を捧げたい。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2021/11/19

    私が最も信頼しているこのオーケストラは兎に角レパートリーが広い。しかも招く指揮者もバラエティーに富み、いつ練習しているのかとこちらが心配してしまう。このオケを一流に育て上げたのはヤルヴィの功績だが、様々な客演指揮者とのセッションもオケを育てた大きな要因だろう。特にトムソンとのニールセン、ギブソンとのシベリウス、セレブリエールとのグラズノフなどは決定盤と言える。そしてラフマニノフ。指揮者として駆け出しだったアシュケナージとコンセルトヘボウ管の演奏を長く愛聴しているが、さすがにオケのバランス処理にはやや不満がある。さあスコティッシュ管はどうか。う〜ん、演奏そのものはいつも通り品のある美しさだが、そこまで訴えかけるまてば…。第一はテンポかな。全体にやや遅めの設定が裏目に出ているのでは。同じロシア出身のアシュケナージの感性に軍配を上げざるを得ない。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2021/11/19

    5年ほど前だろうか。まだネットを利用していなかった私は、年に数回千葉の田舎から高速バスで東京に出掛け、御茶ノ水のディスクユニオンで中古CDを漁っていた。ある時そう言えばドヴォルザークの交響曲は7番以前は知らないなと思いつき、手にしたCDかこの全集だった。ヤルヴィもロイヤルスコティッシュナショナル管弦楽団もお初。選んだ理由は単に格安だったから。そしてまず聴いた1番、冒頭ホルンの響きに圧倒されてしまった。それまで散々世界の一流オーケストラの演奏に接してきた上で驚いてしまったのだ。以来このオーケストラのCDを集めまくり、遂に私の中でロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団を押し退けて世界一のオーケストラになった。ドヴォルザークのほぼ無名な交響曲に生真面目に全力で取り組んだ演奏は、私たちに作品の真価をも教えてくれる。特に金管セクションは常に品位を保ちながらも過不足ない演奏を聴かせてくれ、世界中のオーケストラが手本とすべき水準だ。1番、2番、4番、5番が演奏作品共に素晴らしく、7〜9番はもういいかなと思えるほど。更にこのオーケストラのレパートリーの広さも世界一ではないだろうか。沢山の作品全てにどうやって高水準な演奏を保っているのか。きっと各パート間で納得いくまで話し合い、高い理想を掲げて練習に取り組んでいるのだろう。私もそういうオーケストラに勤務したかった。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2021/11/18

    シカゴ響のマーラー第9と言えばレコードアカデミー賞を受賞した1976年録音のジュリーニ盤が有名だが、その6年後の82年にショルティが15年振りに再録音したこの演奏は、良くも悪くもジュリーニとは好対照。柔のジュリーニ、剛のショルティだろうか。私は基本オーケストラ曲はスコアを見ながら鑑賞するのだが、ジュリーニ盤は特に金管セクションが聴き取れない箇所が多々ある。これに対しショルティ盤は第1楽章に限ってはスコアをほぼ完璧に再現している。冒頭4小節目、ハープに導かれるホルンのゲシュトプフの響きを聴いただけで、ショルティの並々ならぬやる気が窺える。その雰囲気のまま最後まで一気に駆け抜ける爽快な演奏。さて、スコア通りの演奏が必ずしも良い演奏とは限らないが、スコア通り演奏するのはプロとしては最低限。なので私はショルティ盤を高く評価する。但しそれは飽くまで第1楽章のみという条件付きで。残る三つ、特に後半の二つの楽章はボロボロ。あまりに第1楽章に精魂を注ぎ過ぎたのだろうか。もう一つシカゴ響にはブーレーズ盤がある。こちらはいつも通り一流オーケストラの能力に乗っかった自己主張の希薄な演奏。ところで、第9の第1楽章のテンポ、即ち演奏時間について触れてみる。一番遅いのが31分後半のジュリーニ、次が30分後半のテンシュテット、そしてショルティとシャイーが30分前半と、主要な演奏で30分を超える演奏はこのくらいしか見当たらない。作品によって極端に遅いテンポを取るバーンスタインですら29分後半。逆にショルティはいつも速めのテンポを取るのにここだけは遅めのテンポだ。極論だが第1楽章に30分以上かけた演奏なら全体として外れはないと思います。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2021/11/15

    本来ならばベルマンと組んだ全集の方にコメントすべきだが、私には敢えてこちらを選ぶ理由がある。それはオラシオ・グティエレスへの強い思い入れがあるからだ。グティエレスは1970年のチャイコフスキー・コンクールで2位になった。その後にプレヴィン/ロンドン響とチャイコフスキーとリストのそれぞれ1番の協奏曲を録音したレコードを街のレコード店で偶然手に入れた。グティエレスの写真はとても若くて初々しく、また解説では彼こそ1位とコンクール会場でブーイングが起こったとあった。そして彼のピアノをマスカットのような透明な響きと絶賛していた。実際に聴いてみると、響きの美しさは何か特別なピアノを使用しているのではと感じる上、リズム感も技術もゾクゾクするほどで正に完璧。私にとって今日までこの演奏に太刀打ちできるピアニストを知らない。前置きが長くなったが、そのグティエレスとヤルヴィ、そして大好きなコンセルトヘボウ管と揃えば悪いわけがない。透明なピアノの響きと冴え渡るリズム感はここでも健在だ。プロコフィエフの作品は親しみ易いものとそうでないものの格差が大きい。交響曲もピアノソナタも一部の作品しか判らない。ピアノ協奏曲はギリギリかな。それよりもコンセルトヘボウ管ファンとしては、アシュケナージと5番しか録音していない交響曲全曲を誰でもいいから録音してもらいたい。ヤルヴィ/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管の全集と是非聴き比べてみたい。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2021/11/15

    1979年、即ちアナログからデジタル録音に移行する直前の名録音盤。私は当時17歳、高校2年でトロンボーンで全日本吹奏楽コンクール金賞を受賞した頃にレコードを入手。当時私は世間のブームに先立ち、マーラーの交響曲のスコアを取り寄せ、片っ端からトロンボーンの練習材料にしていた。オーケストラは、ベルリン・フィルよりもシカゴ響の演奏を模範としていたので、コンセルトヘボウ管は初めて聴いたように記憶している。この出会いによってコリン・デイヴィスのストラヴィンスキーやベルリオーズの演奏を知り、このオーケストラの大ファンになった。取り分け「春の祭典」は未だにデイヴィス盤を超える演奏を知らない。さてコンドラシン盤、冒頭の重圧なトロンボーンのテーマに続くヴァイオリン・ソロ。これほど甘美な演奏はほかに存在しない。クレバースは大多数のソリストが自分の腕を鼓舞するように時にはもの凄く早いテンポで演奏するのに対し、どこまでもたっぷり、慌てず品良く演奏する。それが却ってアラビアンナイトの幻想的な雰囲気にぴったりマッチしているのだ。第2、第3楽章の木管楽器の音符沢山のソロも同様で、全く崩さずに雰囲気たっぷりに演奏している。最も印象に残るのは第2楽章のトロンボーンのソロとトッティ。ソロは楽譜上の3連符の音符の間隔を少し開けて演奏していて、普通の3連符の演奏よりも遙かに説得力がある。続くトッティも知っている限りコンドラシン盤が最もエキサイティングだ。と言うより圧倒的だ。フィナーレは少々問題あり。リズム感そのものは最高なのだが、勢い余ってリズムが乱れる所がある。中間の一旦静かになったシーンでスネアが走ってテンポを外し、加わるフルート、クラリネット、トランペット、ホルンがどれに合わせようかと迷ってしまっている。また、弦セクションの3連符が4連符に変わる箇所もテンポが追いつかない。ライブではないのだから録り直して欲しかった。全体的にはアラビアンナイトの物語の雰囲気豊かな演奏で、純音楽的なアプローチに立ったほかの沢山の演奏とは一線を画している。コンドラシンは1978年に旧ソヴィエトから亡命。コンセルトヘボウ管とはこれより以前から共演し、かなりのライブ録音を残している。スタジオ録音はこのシェエラザードが第一弾と認識していた。さあ亡命して西側のオーケストラと自由に共演出来ると期待していた矢先、1981年3月、急遽テンシュテットの代役で3時間後に迫った公演を引き受け、リハーサルなしで本番を終えた直後に心臓発作で急逝している。その公演を引き受けなければ、コンセルトヘボウ管に限らず、様々なオーケストラとの録音が残っていたはず。今でもとても残念に思う。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2021/11/15

    1979年の録音直後に心臓発作で急逝したキリル・コンドラシンとアムステルダム・コンセルトヘボウ管による記念碑的名盤を長年愛聴してきたが、つい最近今一番信頼しているオケ、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管とヤルヴィの84年録音盤を聴き、これはコンドラシンを意識したな、とニヤリとした私。80年代初期のレコード芸能誌の評論家投票で、そのコンドラシン盤を抑えて1位になったのが、このロストロポーヴィチ盤、今回HMVで中古盤を入手。するとコンドラシンこそロストロポーヴィチを意識したのではと、またニヤリとしてしまった。まず第1楽章冒頭、トロンボーンの重圧なテーマ、これほどたっぷり響かせた演奏はほかにない。楽章全体でもコンドラシン盤より2分も遅い。そして第2楽章のあの静寂を引き裂くトロンボーンのソロ、楽譜上の3連符の音符の間隔を少し開けて演奏しているが、この方法は10種類以上聴いた中で、ほかにコンドラシンしか採用していない。これを聴き慣れてしまうと、単なる3連符が滑稽に聞こえてしまう。このトロンボーンのソロと続くトゥッティについてはコンドラシン盤が最もエキサイティングだ。一番の聴き所はリズムが目まぐるしく変化するフィナーレ。コンドラシン盤は勢い余って時々リズムが乱れるのに対して、ロストロポーヴィチ盤はほぼ完璧。オーケストラ側も指揮にぴったり食いついている。そして船の難波を表現する終結部へ。全曲を通じて大変面白く聴かせてもらった。私の中では感性のコンドラシン、理論のロストロポーヴィチ、そしてその中間がヤルヴィという印象だ。但し、全ての楽章に象徴的に登場するヴァイオリン・ソロは圧倒的にコンセルトヘボウ管のヘルマン・クレバースの演奏が抜きん出ている。当時、コンセルトヘボウ管が余りにも好きで、ヨッフム、アシュケナージ、その後しばらくしてシャイー指揮の東京公演に足繁く通ったな。デュトワ、プレヴィン、バレンボイム、古くはカラヤン、マゼールなど、世界の一流オーケストラの演奏が沢山あるが、私には前述の3つの演奏がベスト3である。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2021/11/15

    中学時代にマーラー、ブルックナーを発掘し、高校ではトロンボーンで全日本吹奏楽コンクール金賞。更に30歳でプロのオーケストラ事務局に就職と、絵に描いたような音楽人生を送ってきた私が、唯一手を出さなかったのが室内楽であり、その中心が弦楽四重奏曲。それが一変、今年5月から204曲を集めるに至る。きっかけはテレビ東京で放送された映画「鍵泥棒のメソッド」。半沢直樹コンビの堺雅人さん、香川照之さん主演の映画冒頭3分半から流れる美しいアダージョに心を奪われた。それこそが弦楽四重奏曲の金字塔、ベートーヴェンの14番だった。以来弦楽四重奏曲に取り憑かれしまう。私の名曲認定の流儀は、まず両端楽章が短調であること。あとは私の感性を刺激するかどうか。短調作品は意外と多く全体の4割強。残る長調作品については中々名曲が見つからない。その壁を見事に突き破ったのがこのボロディンの2曲だ。ボロディンと言えばまずはオペラ「イーゴリ公」。良くも悪くもロシア臭い傑作だが、同じ時期にこの弦楽四重奏曲が生まれたとは信じがたい。いやそもそもこれほど爽やかで穏やかで明るくて美しい音楽とボロディンが繋がらない。ロシア臭さのないこの音楽の作者を当てられる人は世界に一人もいないと断言できる。短調作品は敷居が高いと思う人は、まずはこの2曲から弦楽四重奏曲の世界に足を踏み入れることを勧めたい。ハイドン四重奏曲の演奏も、これら名曲の魅力に花を添えるほどに美しい。価格もリーズナブルです。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2021/11/12

    2曲とも短調作品。私は少なくとも弦楽四重奏曲については、短調作品にこそ本物の傑作が多いとの持論から、かなりの期待を持って購入。5楽章制の2番はやや冒険作で好みが分かれるが、1番は正しく正統派の傑作だ。4つの楽章それぞれ個性的な魅力に溢れ、あっという間に全曲聴き終えてしまう。それはステンハンマル四重奏団の素晴らしい演奏による効果も大きいだろう。私が知っている約200曲の弦楽四重奏曲の中で、ベスト10に入るほど気に入った作品。7曲を残したグラズノフとステンハンマルという弦楽四重奏曲作曲家の最高峰にたった2曲で対抗するカバレフスキー。彼の作品は例えばピアノ協奏曲のように出来不出来の差が大きい印象を受けたりもするが、この1番は100%の自信を持って名曲と言い切ります。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2021/11/08

    ステンハンマル同様このシャルヴェンカも、クラシック歴40年の人生で全く知らなかった。きっかけは大好きなロイヤルスコティッシュナショナル管弦楽団との録音が多いヤルヴィを信頼してだったのかな。世間に知られたピアノ協奏曲は一通り聴いてきたが、シャルヴェンカの4作品は、それらを一気に飛び越えてしまった。ヴェルディのオペラが始まったかと思わせる1番、ゾクゾクした旋律で始まる2番、ホルンが印象的な3番、そして冒頭すぐ強烈なピアノソロで始まる4番と、それぞれがとても個性的な魅力に富んでいる。あまりに有名なせいか、私は長年ショパンの協奏曲が苦手だったのだが、同じポーランド生まれにこんな名曲があったのかと目から鱗体験であり、その後ハイペリオンのロマンティックシリーズで、新たに120曲のピアノ協奏曲を発掘するきっかけとなった。ポーランド出身者では、ほかにもモシュコフスキ、パデレフスキ、メルツェルなどピアノ協奏曲の名曲がかなりある。私は評論家ではないので、愛好家として演奏の良し悪しではなく、無名ながら素晴らしい作品をこれからも紹介していきます。私のニックネームはシャルヴェンカです!!

    1 people agree with this review

    Agree with this review

Showing 16 - 30 of 35 items