please enable JavaScript on this site.
Guest
Platinum Stage
Gold Stage
Bronze Stage
Regular Stage
Buy Books, CDs, DVDs, Blu-ray and Goods at HMV&BOOKS online
Advanced Search
TOP > My page > Review List of 遊悠音詩人
Previous Page
Next Page
Showing 316 - 330 of 608 items
%%header%%
%%message%%
2 people agree with this review 2009/04/25
バーバーの協奏曲に対してのコメントが不足しているので追記する。この曲は、作曲家の故郷ペンシルバニアへのオマージュだろうか。懐かしい映画のように時代錯誤的な甘美さがあり、特に第1楽章は田園風景とそこに暮らす素朴にして温もりを忘れぬ人達の姿が目に映るようだ。終楽章など疾走する馬のようである。いわゆる無調音楽だが、とても旋律的で美しい。かくも素敵な曲が余り知られていないのは哀しいが、シャハムの濃厚かつ繊細なヴァイオリンを是非聴いて頂きたいと思う。
2 people agree with this review
Agree with this review
2 people agree with this review 2009/04/24
この曲に限らず、演奏には様々なアプローチ方法が可能だとは思うが、このラフマニノフは頂けない。ポーカーフェイス的な演奏なら例えばマゼール&BPOがある。個人的には好きではないが、精妙さには秀でており、普通は埋没してしまいそうな副旋律を押し出したりする。ゲルギエフには、このような甘美さの欠如を補うものがない。つまり中途半端なのだ。ラフマニノフが甘美一辺倒ではないことは認める。しかし一方で、西村朗氏やグリーンフィールド氏が言うように、ロシア音楽の要は旋律にあることを忘れてはなるまい。まして、プロコフィエフやストラヴィンスキーなどが進んで前衛音楽を書き、スクリャービンが神秘主義に傾倒しても尚、「チャイコフスキーに帰れ」と提唱し、ロマンティックな作品を作り続けたラフマニノフである。更にこの曲は、第1交響曲の
9 people agree with this review 2009/04/22
ロシア音楽には確かに「野趣」が必要だ。しかし一方、評論家エドワード・グリーンフィールド氏が指摘するように、ロシア・スラヴ系の音楽が初めから旋律によって栄えてきたことを忘れてはなるまい。R=コルサコフのみならず、チャイコフスキー、ボロディン、グラズノフ、バラキレフ、それにラフマニノフに至るまで、叙情的な旋律は不可欠な要素だったのである。その意味において、例えば最も旋律的な《若い王子と王女》などは、もっと歌い込んで欲しいと思う。終曲に顕著なように、「野趣」に偏重しすぎた挙げ句、もう一つの重要な側面――旋律――の歌わせ方が御座なりになっている。従って当盤を評価する訳にはいかない。因みに個人的には、野趣と旋律美を両立させたコンドラシン&コンセルトヘボウを推薦したい。
9 people agree with this review
2 people agree with this review 2009/04/19
奥へ、心の奥へ、じわりと染み渡る名演。白眉は第4交響曲で、冒頭の一音からして、とろけるように滑らかだし、潤沢を湛えた弦の美しさは筆舌に尽くし難い。第2楽章など、むせ返らんばかりのロマンで満たしてくれる。なだらかな山の稜線のように自然に曲を盛り上げつつ、実に細部まで肌理細やかに仕上がっている。見事という他ない。対する第2協奏曲は、SKDの柔らかなサウンドとベロフの硬派なピアノが一見ミスマッチかと思えるが、両者の美点が生かされた名演だ。だが、ヨッフム指揮なら有名なギレリス盤の方が、四つ相撲のような厳しさがあって好きだ。それにしても、これ程素敵な演奏に巡り合える私達は恵まれているのか、それとも……。
0 people agree with this review 2009/04/19
結論から言えば《スコットランド》は“OK”で、ヴァイオリン協奏曲は“最高!”だ。メンデルスゾーンは勿論ゲヴァントハウス管の十八番の中の十八番である。だが《スコットランド》はコンヴィチュニーの最晩年の録音(正しくは1962年ステレオ)の為かテンポが遅く、壮大さよりもむしろ緊張感の不足を感じてしまう。同じゲヴァントハウス管なら僕はブロムシュテットのライヴ録音を採る。対してヴァイオリン協奏曲は1956年のモノラル録音ながら音質が良く、イーゴリ・オイストラフの親父譲りの骨太で濃密な演奏を堪能できる。濃厚な音色で、ポルタメントの多用が何とも甘美、テンポの揺れも小気味よく、緩急自在だ。両端楽章のテクニックのキレもさることながら、第二楽章の夢見るような美しさは絶品!後年の来日ライヴ(1967年、指揮はコンドラシン)を完全に忘れさせる演奏だ
0 people agree with this review
5 people agree with this review 2009/04/09
これぞドイツ!今のゲヴァントハウス管からは望むべくもない、バリバリの重低音に支えられた迫力の燻し銀サウンドで、ベートーヴェンの名交響曲二題を堪能出来る。《運命》冒頭の動機は遅めだが、これが却って深い溜め息のように聞こえ、怒濤の叫びの裏に潜む哀しみを顕にしてみせる。全曲一貫して暴れたりせず、極めて落ち着き払っているが、しかし内在するエネルギーの塊は計り知れないものがあり、それ故終演後の感銘は格別である。第7番も、昨今の流行の産物とは明らかに一線を画している。ピラミッド型のサウンドで、骨太で大らかに曲をつくっていく。両端楽章の横綱の体当たりのような響きもさることながら、第2楽章での深々とした雄渾の演奏が強く心に染みる。音質もモノラルのライヴ録音ながら明晰だ。
5 people agree with this review
0 people agree with this review 2009/04/07
過度にロシア的情緒を意識せずとも、曲の魅力を充分に引き出してみせるヤルヴィの手腕に感銘を受けた。余り演奏されないグラズノフだが、同郷のチャイコフスキーやラフマニノフ、ボロディンやリムスキー=コルサコフなどと並べても決して聴き劣りしないし、むしろ巧みな管弦楽法は彼ならではと言えよう。交響曲第6番では、特に第2楽章が美しい叙情に溢れているし、終楽章の変則拍子も面白い。ヤルヴィの手堅い表現が素晴らしく、キリリと冴えた響きやリズム感も特筆される。音質は、やや厚みが欲しい気もするが、概して良好である。
2 people agree with this review 2009/04/05
コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲はプレヴィンの十八番。既に録音も3種類存在し、全て聴いてみたが、個人的にはこのシャハム盤がベストだ。パールマン盤は音質が、ムター盤はヴァイオリンの癖が引っ掛かったが、シャハム盤にはそうした問題が皆無だ。シャハムならではのスッキリとした技巧と、確かな歌心、なかんずく甘美で深みのある音色がコルンゴルトに相応しい。《空騒ぎ》ではプレヴィンの素晴らしいピアノ伴奏が聴けるし、バーバーの協奏曲でもリリカルな音楽を堪能できる。素晴らしい一枚だ。
1 people agree with this review 2009/04/04
廉価で知名度の低いオケの演奏から、初めはメンデルスゾーン生誕200周年にあやかった企画程度にしか思わなかった。しかし、店頭で流れている“ピアノ版ヴァイオリン協奏曲”の正体が知りたくて購入を決意。それが、実はヴァイオリン協奏曲完成前に書いた未完のピアノ協奏曲ホ短調であることを知り、目から鱗が落ちた。実際かなりの部分で両者は似ており、特に終楽章はそっくりそのままであり、ビックリ仰天だ。メンデルスゾーンが僅か13歳の時に書いたとされる《ピアノと弦楽オーケストラの為の協奏曲》も収録されている。勿論メジャーな番号付き2曲も入っている。その上演奏も録音も素晴らしい!是非お聴き頂きたい名演だ。
1 people agree with this review
0 people agree with this review 2009/04/02
ノッポ氏に同感。ラフマニノフに比肩する実力を持っていたスクリャービンの美しい初期作品ではあるのだが、如何せんSevidovのピアノがギクシャクしている。明確なテンポ感覚に乏しく、おおよそ悪趣味としか言えない無駄なアゴーギグが散見される。おまけにスタジオ録音にも拘らずミスタッチも多い。音色自体にも怪しいところがある。こんなに癖のあるピアノも珍しい。クリメッツの指揮も、アンサンブルは乱れるしピッチは合っていないしこれもイマイチだ。《左手の為の二つの小品》も指がもつれている。ただ、スクリャービンの初期作品を廉価で聴ける点は評価できる。よって「いまいち」。因みに、個人的にはクームズやウゴルスキが好きだ。
3 people agree with this review 2009/04/02
何と素晴らしいアルバム!ラフマニノフのオーソリティ、プレヴィンによる全集は、まさに決定盤と言って良いだろう。特に交響曲第2番に関しては、大巨匠ムラヴィンスキーの進言によって完全版復刻を成し遂げたプレヴィンの世界初録音という曰く付きの名盤である。プレヴィンはこの曲に対して無条件の愛情を注いでおり、録音も既に3種類存在しているが、当盤が最も優れている。交響曲第3番も、揺れ動く作曲家の心情にも似て、陶酔的な部分と狂暴な部分とが入り乱れるさまが見事に奏でられている。その他の作品もオーソドックスながら味わい深く仕上がっている。なお音質は、リマスタリングがやや古いため十全とは言い難いが、雰囲気を味わうのに不足ない出来だ。
3 people agree with this review
1 people agree with this review 2009/03/30
ここに聴く曲は、ラフマニノフの中では余り人気がない。交響曲第3番は第2番の、ピアノ協奏曲第4番は第2番や第3番の影に隠れて霞んでしまうのである。ライナー・ノートも、遠巻きに不人気作品を暗示するような書き方をしている。しかし、ラフマニノフのスペシャリスト、プレヴィンの手に掛かれば、これらの曲も実に生き生きと再現される。特にピアノ協奏曲第4番はノーブルな味わいがあり、加えて創作力の枯渇に苦しんでいたラフマニノフの心情も垣間見ることが出来る。ラフマニノフの推敲に推敲を重ねた書き込みにも忠実に従ったらしく、殊に木管楽器が随所でよい味を出している。音質もリマスタリングがよい所為か明瞭で、後年のEMI録音よりも立体感に優れている。
むらび氏に同感。響きそのものが薄っぺらで、おまけにテンポが速いとなれば、皮相上滑りの表現としか言いようがない。ロシア的だろうがなかろうが、この演奏が良い訳がない。因みに、私には「この曲はすべからくロシア的でなくてはならない」などという考えは毛頭なく、名盤にしてお気に入りのプレヴィン盤など、3種類とも非ロシア的にして甘美なロマンティシズムを縦横にたぎらせた名演だ。要は、ロシア的云々という前に、曲に対する明確なコンセプトがあるかどうかということ。この意味において、ゲルギエフ盤の評価は下げざるを得ない。
0 people agree with this review 2009/03/30
定評ある名盤だが、敢えて苦言を呈す。合奏がメチャクチャだ。特に第4楽章など、縦横ともに合っていない。金管が随所で出しゃばり、弦楽器が悲鳴をあげている。響きが悪いうえにテンポが速いので拙速に聞こえてならない。本当にコンセルトヘボウの演奏なのだろうか。メンゲルベルク時代から定評のある艶やかな弦や潤いのある管がちっとも響いてこない。よくプレヴィンやマゼールと双璧のように言われるが、マゼールはいいとしてプレヴィンと比較してしまったら、プレヴィンに申し訳ない。ただ、《死の島》は幾分マシなので「いまいち」に留めておく(交響曲は「だめ!」以下)。
1 people agree with this review 2009/03/29
“テンポが速い=拙速、ロシア的でない”という見方は偏見でしょう。「じゃあムラヴィンスキーはどうなの?」と言いたいです。ムラヴィンスキーは相当速いテンポを使っていますが、決して拙速ではありません。そして凄くロシア的です。ロシア的云々というのは、テンポによるものでなく、例えば哀愁を帯びた奥深い響きとか、金管楽器の独特のヴィブラートとか、旋律の歌い回しなどに、他の国々のオケでは出せないニュアンスが出ることがあり、これを総称して“ロシア的”と呼んでいるのだと思います。その上で当盤を批評すると、やはり響きが薄く、録音の悪さも相まって表面的に聞こえてしまいます。その辺が“拙速”と感じる所以だと思います。
Back to Top