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TOP > My page > Review List of 風信子
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2 people agree with this review 2018/07/10
一筆書きしたマーラー テンポは適切 マーラー自身が指揮してもこうだったはず マーラーはロマン主義者でも耽美主義者でもない センチメンタリストではあってもナルシストではない 神秘主義性はあるものの自然主義者だったと言っていいと思う 過ぎ去る時間や消え去った事象に拘泥する人ではない こう云う人は合理主義者であり自己を客観視できるから 音楽のテンポに停滞や情趣の倦怠を嫌う 駆け抜ける”悲劇”こそ美しい 形而上音楽を形而下で眺めているからテンポが落ちる めそめそと泣き言のように歌う この悲しみはもうマーラー個人を超えている 生きることは”悲劇”だ そして”喜劇”でもある 過ぎ去る現実を水平に見て疾り抜ける それが人生だとマーラーは悟ったのだ そしてゲルギエフは見抜いたのだ マーラーの普遍性はここにあると 何も絵空事をまくしたてているのではない 様々な評伝を読みスコアを読めば見えることだ 誰にでも だからこの演奏に感化された人が大勢いるのだ もしまだなら あなたも如何
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3 people agree with this review 2018/07/10
8年も前の録音なのに一編の評も寄せられないとは驚いた 斯く云うわたしも”フィデリオ1805”を聴いてレビューを書こうとしたら 記入欄が見つからず 感動の遣り場をなくしていたところに シンフォニーの存在を思い出した次第だ 見ればまだ全曲に至っていないことにまた驚く ”第8番”から聴き始めた 直ぐ手が動き身体を揺すって聴き入る始末だ スコアが完璧に音化されていく 聞かせよう上手にやろう根性がない トゥッティの打ち込み鋭く ソロの幽けさはあるがままに リズムは活き活き 歌は素朴に 名曲の真影が立ち顕れた 舞踏交響曲のもう一方”第7番”へ これもスコア通りだ 切れ味は冴え渡って 音楽が微笑んでいる テンポもベートーヴェンの指示通りのピリオド奏法によること以上に このDiscの魅力はウィーンのサウンドだ ウィーンpoだけが特化されて喧伝されるが ウィーンの伝統はここにもあることを主張して止まない わたしも忘れていたが もしまだなら あなたも如何
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1 people agree with this review 2018/07/10
四半世紀以上も前の録音 キタエンコ若かりし頃の記録からもプロコフィエフへのシンパシーを感じることができる プロコフィエフはヴィルトゥオーソだった 自らが演奏して糧を得るために三曲のピアノ・コンチェルトを書いた これで充分だったし書けるものは書いてしまった 実は自らのピアニズムはそのほぼ全てを第1番に注ぎ込んだ 2番3番は追補でありヴァリアントでしかない 音楽の密度と緊張感が違うように思う 面白さにも明らかに差がある ヴィットゲンシユタインのための第4番は依頼者に演奏されなかった 恐らく演奏困難だったと聞こえる そのフラストレーションがあったか 逆に創作意欲に火が点いたのか翌年に第5番が書かれている しかしここまでだ 更に翌年ロシアではないソ連に帰還している 以後同ジャンルに手を染めることはなかった 作曲家としての意に染まない部分を抱えながらこの5曲があるように思う ベートーヴェンの5曲の幸福とは対極にあるように感じられて胸につまされる
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2 people agree with this review 2018/07/09
第1集は番号順に並ばない 1枚目は”奇跡”から始まる この神秘的な魅力で一気にハイドンの世界に曳き込まれる 2枚目は”Suprise”から始まる 巷間噂になった”びっくり”が用意されている演奏だ ミンコフスキの演出の為せる業はここだけではない 「ロンドン・セット」全体に散りばめられている 粋な遊びが演奏に隠されたスパイスを超えてハイドンの音楽の芯を突いていると言える 彼の音楽は当に”音楽”だった 雇い主のエステルハージ侯を愉しませるが為に書いていた サティが書いた”家具の音楽”そのものだった 気が利かない意匠など備えるはずもなく 退屈と目(耳)障りを最も嫌った 上記二曲以外の渾名もない四曲にも機知に富んだ仕掛けと愉悦が用意されている そしてここにあるのは六曲ではなく24曲だと認識すべきだ 楽章一つが一曲だ だから巡礼のように順次辿る必要はない 気の向くまま飛び石で聞けば好い ランダムプレーで再生しても好い 例えば第93,97&98番のFinaleを聴いてみよう ハイドンのPrestoはあの疾風怒濤期を彷彿とさせて胸を掻き立てられる もしまだであれば あなたも如何
0 people agree with this review 2018/07/09
拾い聞きをするという行儀の悪さだ ”軍隊”のFinale ”時計”のAndante ”太鼓連打”の第一楽章 ”ロンドン”は大好きなので全曲 実はベートーヴェンの頃まではシンフォニーは全曲続けて演奏されることはなかった 楽章の合間に声楽が入ったり 楽章がバラバラに演奏されることが通念だった だから一楽章で十分に鑑賞に耐えられる音楽なのだ 楽章の分断を嫌ったベートーヴェンはattacca subitoとあちこちに書き記した 交響曲第103番第二楽章も好い曲で嫌いなわけではないが 何しろハイドンの交響曲が104曲以上も残っている しかも逸品揃いときては困る わたくし目移りが激しい性状からとても付き合いきれない そこでつまみ食い的聞き方となる それでもつい聞き惚れて次へ次へと聞き続けてしまう事しばしば ミンコフスキー&ルーブル宮音楽隊の演奏はゆったりしたテンポでノーブルに奏でられる 大変心地のよいのでついつい聞き通してしまいそうになるのでいつも困っている 今更お奨めもないが もしまだならあなたも如何
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長く積んだままにしていたDiscを 作業の耳淋しさを埋めるつもりでチョイ掛けした えっ! これは‥イッサーリスの心情が一気に身内に流れ込んできた その悲しみが沁みてくる 胸が痛い 雑事もそこそこに聴き入ってしまう 添付されたガイドに目を通すとそれは知れた 奥様を亡くされていたのだ リスト ヤナーチェク フオーレの後にクルタークから贈られた追悼曲が置かれていた 改めてパッケージを見る ベニスだろうか 小舟の上の2つの背 水面に映る2つの影 回想 追想 追慕 消えぬ面影‥ イッサーリスの想いを汲んだ図柄だ ピアノを弾いたアデスのディスクタイトルとした「見出された場所」も好い曲だが ピアノ曲からの編曲だが 冒頭のリスト三曲で心を掴まれてしまった 続くヤナーチェクの「おとぎ話」には夢幻の中に童心の華やぎがあり慰めとなった フォーレのソナタでは”Andante”のしみじみとした情趣が哀しみに寄り添ってくれた 個人的なDiscとあってか注目を得ていないようだ 勿体無い あなたは如何
0 people agree with this review 2018/07/08
天国的であっても雲に載って足元の定まらない浮遊感などない ディテールが鮮明な描線で仕上げられた極めてスポーティーな”第4シンフォニー”だ 夢幻性は払底され音楽は明快な言葉として語り出された マーラーが紗幕で覆い隠そうとした本心の牙や爪が覘いている カトリック的相貌が仮面であることをもう隠そうともしていない カリカチュアの如き単純化された世界が飄飄とそしてのうのうと投げ出されている ロマン主義の視点からは見えなかったマーラーの実相があっけらかんと歌い出されている コンセルトヘボウO.の突き抜けた美音の明朗さが最大級の皮肉に聞こえる レシュマンも挑むが如く歌い抜いている 音楽が閉じると余情を残さない空白が広がった ヤンソンスの慧眼に感服する 朋よ ここにとてつもない演奏がある あなたも如何
オリジナル編成による実演を未だに聴いたことがない 無理もない 通常のコンサートホールでは載り切らない人数と楽器数を必要とする わたしが聴いたことがあるのは通常規模のオーケストラ演奏による縮小版だ だからベルリオーズが思い描いたデュナーミクの差を実現していない 百人を超える弦に四管編成の木管とホルン12 ティパニー8対 大太鼓2 タムタム4 シンバル10対 トランペット・コルネット・トロンボーン・オフィクレイド・チューバ合わせて38本を分けた4つのバンダ 200人以上の合唱という編成にノリントンがどこまで従ったかは分からないが 囁くような歌唱から大爆音のごとき轟音まで聞くことができる SACDであっても録音再生は難しい これこそBlu-rayで観て聴きたい ただ採算は取れないだろう コストの回収すら難しい だがオリジナルによる実演を聴く機会は生涯ないだろうからこそ 文化の記録として高志ある資産家に奉仕願いDiscの作製を期待したい 肝心なことを忘れた これは稀に見る美しい音楽でありまた演奏である SACDを5ch以上で朗々と鳴らせる方は是非
ベルマンのヴァイオリンが良く鳴っている 饒舌すぎるくらいかもしれない 何より聞き応えがあるのは”第2番”だ フルート協奏曲として書かれたが評価が出ないのか あまりに演奏される機会が少なかった プロコフィエフが零したのを聞いてオイストラフが改作を勧めたと言う フルート演奏が低調だったのは高い技巧が必要だったことと大戦中ということもあったようだ 結局はヴァイオリン曲として認知されていく 不思議なのは”第1番”だ この”2番”より5,6年も前に書き始められていたにも拘わらず出来上がっらず 戦後になって完成 足掛け9年かかっている 難曲でありへ短調と言う調整が激烈さと陰鬱さをもたらしている 誰のために書かれたのだろうか 結局二曲ともオイストラフが初演している ”5つの旋律”は声楽曲からの改作とあってメロディックで聞き易い 朋にはまとめて聞かずに拾い聞きを奨めよう あなたも如何
ショスタコーヴィチのピアノ・トリオには命の輝きと背中合わせに死の風が吹いている ”第2番”が作曲家ソレルチンスキー追悼のために書かれたとあり 死霊の跋扈を感じる しかしFinaleでは 第8弦楽四重奏曲にも使われたあの印象深い”ユダヤのテーマ”が雄々しく展開する 十代の結核療養中に書かれた”第1番”は不安と悲哀を抱えた状況からも青春の心を掻き立てる希望と憧憬の叫びが放たれる 第一交響曲を生み出す前夜にあってすでに才能の煌めきが眩しい 栴檀は双葉より芳し コープランドの”ヴィテプスク”は打ち付けるような前衛性の向こうに壮絶な運命の嘆きが聞こえる 一瞬生命のステップを踏むも哀感から解き放たれることはない 音楽は人間を映し出し生き様を歌わずにはいられない これは個人的なことでありながら普遍的な意味を持ってわたしたちに迫る トリオ・ワンダラーの演奏は客観性がありながら共感に満ちたものだ 朋よ聴きたまえ あなたも如何
3 people agree with this review 2018/07/06
オペラが苦手を公言している にも拘わらずベルリオーズ作品は別だ ”〜チェッリーニ”を漸く観て聴くことができた 日本語字幕とギリアム演出に拠るところが大きい 三時間の長丁場 詞の意味に突っかかりながら陳腐なドラマを下手な演技で観るのは辛い 何分外国語には翻訳をインポーズしてもらいたい 然すればオペラの鑑賞機会が増えようというもの 何はともあれ”〜チェッリーニ”は面白かった 先ず舞台の意匠が飽きさせない ギリアムらしい色とデフォルメが愉しい キャストが好い 歌唱と演技共に個性を持ち的確な伝達力がある このテンポと間はいかにもギリアム流だ 表現の幅は広いが品を失わない いやいや最も言うべきは ベルリオーズの音楽に聴き入ったことだ その美しさと楽しさは時を超えて魅力を放射している 管弦楽部の先進性と面白さは言うまでもない Blu-ray Discは絵も音も美しい NAXOSには期待が膨らむばかりだ あなたも如何
二年間求めても何か障害に出会って手に入らなかったDiscを朋の手を煩わせて漸く聴くことができた 全集完成の最後の一枚とあってどうしても聴きたかった オールソップ&サンパウロsoのノーブルでユニークなプロコフィエフの魅力を知らないのは勿体無い サイケデリックな刺激で脅かすようなことをしない演奏はセンセーショナルな世評を掻き立てるようなことがないからついつい見過ごされがちだ 明るく突き抜けたサウンドと明瞭なリズムのキレは美しいプロコフィエフを描くに必要十分な資質を持つコンビだ 果たして”第7交響曲”は牧歌的で懐かしささえ漂う柔和な表情を描き出した なんと優しさに溢れた”青春”交響曲だろうか ああ本当に聴けて好かった 朋に感謝する ”3つのオレンジへの恋”と”キージェ中尉”も聴きもの 蓋し”キージェ中尉”は名演と語り継がれるだろう 手に入れるになかなか手こずると思われるが あなたも如何 また 第6番共々Blu-ray Audio化をNAXOSにはお願いしたい
2 people agree with this review 2018/07/04
これはご機嫌になる一枚だ 冒頭”ストライク・アップ・ザ・バンド”でやられてしまう そしてグローフェ編の”ラプソディ・イン・ブルー”に流れ込む ウェイスのピアノが軽やかにスウィングするともうガーシュインの傑作の世界に浸っている いつまでもここにいたいと思わせる演奏なのだ 映画音楽から編まれた”プロムナード”はクラリネットが利いている こんないい曲があったんだと嬉しくなる そして”キャットフィッシュ・ロウ”が来る 蓋しボーエン編による”ポーギー&ベス”組曲は聴きもの これがまた愉しい演奏なのだ パーカッションが印象に残る味付けに感心仕切り それにしてもなんと爽やかでキレのいいソノリティだろうか ファレッタ&バッファローpoの傑作と言っていい ガーシュインっていいなあと溜め息が漏れる Blu-ray Audioの価値を知るだろう さあ あなたも如何
0 people agree with this review 2018/07/04
曲名辞典では《独唱・合唱・管弦楽の曲》に分類されている”月に憑かれたピエロ”は唱わないしオーケストラも登場しない それは朗読劇でありモノローグであり一人ミュージカルである だからシュプレヒスメンテ(独唱というより独演)は女優のスコーヴァが担う 周囲を五人の器楽奏者が囲う ピアノは内田光子 シュタインベルクはVnとVa持ち替え ハーゲンのVc ピッチニーニのFl マクギルはB-Cl, A-Cl, Bass-Clの持ち替え 第一次世界大戦前夜のデカダンの風が吹いている 無調の抒情が生きる孤独と存在の甘さを月光の下に語り歌い叫ぶ 人によっては不気味にまた神秘的に聞こえるだろう 妖しい青い光だけが無機質に人間喜劇を照らしている ここに何を聴くか それは人次第だろう ただ視覚が扶ける効果は大きい あなたも如何
3 people agree with this review 2018/07/03
40年も経ったんだと思うと時の重みと愛惜の情を感じずにいられない スイトナーは優れた指揮者だった 腕の故障を理由にシュターツカペレ・ベルリンを去ったのはこの二年後だった ”新世界から”を含めたドヴォルジャーク全集には今も新鮮な情感と熱情が息づいている ディテールをくっきりと描き出すバランス感覚 推進力と緊張感を担保する抜群のリズム感 ロマンチックでありながら客観性を見失わないリアリスト 20世紀後半の世界であるべき理想の指揮者像だった この第9交響曲もリズミックにされど抒情的に歌う演奏だ サクサク刻むリズムの合間に聞こえるメロディーのスマートだが切々と訴えてくる情感には胸締め付けられる 特に第二楽章は独特の雰囲気を醸し出している 鄙びた田園の風土がそのまま映し出されて ヨーロッパの原風景を見るようだ えも言われぬ音色の妙はこの演奏でしか聞けない もしまだなら あなたも如何
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