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Review List of レインボー 

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     2025/08/29

    日本を代表する打楽器奏者の1人、有賀誠門と打楽器アンサンブルによって収録された、パーカッション・アンサンブル作品を集めたもの。
    1981年にキング・レコードで収録されたもので、録音を売りにしている。
    収録作品はまず一般的なクラシック・リスナーなら知らないであろう作品ばかりで、かろうじてチャベスのトッカータが知られているかぐらいのマイナーな選曲。
    選曲だけなら中々良いだろう。
    しかし、演奏の方はというと当時活躍していた日本のトップクラスの奏者が集まった割には、真面目と言うかあまり楽しいものではなく、作品自体もちょっととっつきにくさはあり、資料的な価値の方が高いディスクだなと感じます。
    そこそこの値段もしますし、演奏者のファンか、作品に興味がある人以外はおすすめしません。

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     2025/08/28

    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団そしてウィーン交響楽団で演奏活動をする奏者によって結成された木管五重奏団、アンサンブル・ウィーン=ベルリン。
    このCDは1983年の結成の近い時期に録音された音源であり、古典派と近代派の作品を集めた内容だ。
    古典派からはハイドン『ディヴェルティメント変ロ長調』ダンツィ『木管五重奏曲変ロ長調』を収録。
    近代からはボザ『管楽器のためのスケルツォ』イベール『3つの小品』ヴィラ=ロボス『ショーロスの形式で』を収録している。
    演奏者はそれぞれの団体のトップ級だけあり、演奏は実に素晴らしい。
    ハイドンやダンツィに聴かれる上品で優雅さを感じる演奏、イベールに聴ける明るい響き等同じ団体とは思えない多彩な表現力で曲を演奏していきます。
    また全体的に柔らかなサウンドと奏者の阿吽の息のあったアンサンブルは、まさに美しくアンサンブルの醍醐味を味あわせてくれます。
    録音も年代を考えれば聴けると思います。

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     2025/08/26

    今は無き東芝EMIは吹奏楽CDを多数リリースしていましたが、特に1990年代にリリースされた吹奏楽名曲コレクション・シリーズは珍しい作品も多数含んだ貴重なものでした。
    このCDはその40枚目にあたるもの。
    吹奏楽コンクール・レパートリーと言うタイトル通り、全日本吹奏楽コンクールの自由曲のアマチュアでも取り上げられる作品を収録したもの。
    ゴセックの『古典序曲』、グールド『アメリカン・サリュート』オリヴァドーティ『バラの謝肉祭』エリクソンと言った古典となった吹奏楽レパートリーに、発売当時の新作を入れた選曲で、1曲を除いてアメリカの作曲家の作品もしくはアメリカ式に書き直された楽譜を使って演奏しています。
    曲目を見れば分かるようにおおよそ5分前後の作品が多いのですが、当時の吹奏楽コンクール課題曲が7分近い演奏時間のため、比較的短い作品中心となった様です。
    また序曲とつく作品が多く、吹奏楽のために書かれた序曲がこれほど集まったアルバムも珍しいのではないでしょうか。
    演奏は尚美ウィンド・オーケストラ、指揮者は小澤俊朗、近藤久敦の2名が振っています。
    音大のバンドらしい技術的に無理のない優等生的な演奏ですが、序曲祝典の様に聴かせる演奏もあります。
    ライナーには演奏メンバー表や楽曲解説に加え、楽譜の変更点等が書かれており、参考演奏集らしい作りとなっています。
    1993年録音で、硬めのEMIらしい録音ですが、音は問題ないでしょう。
    収録曲目と演奏データは以下の通りです。


    1.アメリカン・サリュート(グールド/ラング)
    2.ランドマーク序曲(コウディル)
    3.古典序曲(ゴセック/ゴールドマン、スミス)
    4.バートンウッド序曲(プロイヤー)
    5.コヴェナント(R.スミス)
    6.ジャクソン・レイク序曲(M.ウィリアムズ)
    7.イーグル・マウンテン序曲(シェルドン)
    8.サンコースト・カーニヴァル(シェーファー)
    9.マーキュリー行進曲(ロースト)
    10.序曲『バラの謝肉祭』(オリヴァドーティ)
    11.序曲『祝典』(エリクソン)
    12.コラールとカプリッチョ(ジョヴァンニーニ/ロビンソン)

    演奏
    尚美ウィンド・オーケストラ 1ー12
    指揮
    近藤久敦 1、5、6、9、12
    小澤俊朗 2、3、4、7、8、10、11
    録音
    1993年8月26日から28日、バリオ・ホール

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     2025/08/24

    日本コロムビアから出ていた吹奏楽燦選シリーズ。
    ポニーキャニオンにレコード会社を移して制作されたこのアルバムは、日仏米の作曲家が書いた作品を収めたもの。
    選曲としては良い作品ながら今まで音源に恵まれていなかった作品が多く収録されており、これが本CDの売りの一つになっています。
    例えばCDでは録音すらなかった表題曲クレストンの『ザノーニ』の収録は快挙ですし、ギャルド・レピュブリケーヌ軍楽隊の元楽長、パレスが書いた『リシルド序曲』の収録は素晴らしい!と言えます。
    欲を言うならリシルドは現代編成に書き直したものではなくオリジナルのフランス式編成の版を収録してほしかったですが。
    演奏は大井剛史指揮、東京佼成ウインド・オーケストラ。
    正指揮者に就任してちょっとたった頃の収録ですが、演奏はとても素晴らしい。
    基本的に端正なサウンドと丁寧に仕上げられたその演奏は、どれもが安心して聴けるものですが、マーチ『カタロニアの栄光』のわかりやすい演奏や、『リシルド』のロマンティックな旋律を活かした壮大な演奏、『炎の詩』の勢いの良さ等、後半のプログラムに良い演奏が集まっています。
    録音は2014年9月3日、4日に埼玉の和光市民文化センターにて収録されたもので、聴きやすく優秀な録音です。
    吹奏楽ファンにおすすめの一枚。

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     2025/08/19

    アメリカの作曲家、スティーヴン・メリロが自作を出版してるストームワークスより出した参考演奏集で、1984年から2000年にかけて書かれた作品を集めた内容となっています。
    『ハッジ』組曲『オーロラ』『ウィズアウト・ヘジティション』『夜が開ける』『ア・セディング』『パトリック・ルーン』『吹奏楽のための3つの音楽詞』は、ドイツを代表する吹奏楽の一つ、ライプチィヒ放送吹奏楽団の演奏で収録されています。
    指揮はメリロ自身による自作自演となっています。
    同団体はすでに第2集でも起用されており、ドイツのバンドらしい低音がしっかりと効いた、プロ団体らしい深い表現力と余裕のある演奏が特徴です。
    個人的にはハッジ等映画音楽顔負けのブラスが活躍する曲も良いのですが、吹奏楽のための3つの音楽詩の様なゆったりとした作品も演奏の素晴らしさもあって良いと思います。
    『アメリカの騎士、奉仕する人々』『モンティ』『クラス39の戦いの歌』『ジャスト・サックス・ママ』『古代の規則の崩壊』はイタリアのヴァルテッリーナ吹奏楽団の演奏です。
    こちらはメリロの指揮ではなく、同楽団の創設者、ロレンツォ・デッラ・フォンテの指揮となっています。
    収録曲は前半に比べると軽めの小品で、メリロには珍しいマーチもあります。
    ヴァルテッリーナ吹奏楽団はイタリアのバンドでもアメリカ式編成をとり、1991年に創設され、ヨーロッパ中で高い評価を受けているバンドです。
    演奏も明るいサウンドが作品によくあっており、マーチや異国情緒溢れる小品を楽しく聴かせてくれます。
    録音年は不明ですが、CDの発売年が2001年だそうで、近い時期だと思います。
    基本的には悪くはないと思いますが、立体感がもう少し欲しいかなと思います。

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     2025/08/15

    オランダの楽譜出版社、デ・ハスケ。
    現在では日本でも吹奏楽をやっていればその名前が広く知られる人気作曲家を多数抱えたヨーロッパの出版社となっています。
    デ・ハスケには自社と系列の新譜を集めた参考演奏集フェスティバル・シリーズがありますが、本作はその初期のアルバムにあたります。
    演奏はピエール・キュイペルス指揮、オランダ王立陸軍軍楽隊です。
    指揮者のキュイペルスは1986年にこの軍楽隊の指揮者となり、1996年に退任するまで隊長を務めました。
    在任中にはモレナールを初めとして様々なレーベルに録音を残していますが、デ・ハスケのフェスティバル・シリーズ初期に何枚かアルバムを残しました。
    これはそのうちの一枚、冒頭2曲はクラシックの編曲で、ベートーヴェン『エグモント』ロスコシュニー『モルダウ川の人魚たち』を、そして今や人気作品となったローストの行進曲『マーキュリー』、チェザリーニの組曲『メキシコの風景』やタイトルのブロッセ『7インチ・フレーム』最後は日本の桑原洋明の『吹奏楽のための3つの断章』で終わります。
    演奏は参考演奏とは思えない立派なもの。
    冒頭のエグモントの重厚な響きはドイツ顔負けですし、マーキュリーは今持って名演と言える輝きを持っています。
    もちろんその他の作品もバンドの豊かな音楽性を感じられる好演奏です。
    録音は1991年11月26日、27日にかけてデン・ハーグ復活教会にて収録。
    同所は近い時期にキュイペルス&陸軍軍楽隊の録音に使われていました。
    教会での録音だからか、豊かな残響もあり、録音も良く良質な一枚です。
    収録曲目は以下の通り。

    1.エグモント序曲(ベートーヴェン arrポス)
    2.モルダウ河の人魚たち(ロスコシュニー arrヴァン・デル・ベーク)
    3.マーキュリー(ロースト)
    4.アダージョ(ベアマン arrアレス)
    5~8.メキシコの風景(チェザリーニ)
    9.7インチ・フレーム(ブロッセ)
    10.別れのタラップ(ロータ arrパールス)
    11~13.吹奏楽のための3つの断章(桑原洋明)

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     2025/08/10

    ベン・パーマー指揮、ドイチェ・メルク・フィルハーモニー管弦楽団によって演奏された映画音楽のCD。
    特定のテーマはないようで20世紀から21世紀に書かれた映画音楽の作曲家による作品を集めたもの。
    よく知られた作品もありますが、マイナーなスコアもあります。
    指揮者はイギリスの指揮者で、作曲家でもあり、本CDにも自作が収録されています。
    指揮者としてはクラシックから映画音楽の指揮者として活躍しているようで、CDも多数出しています。
    オーケストラは1966年に創設され、2016年より現在の名前になりました。
    地方のオーケストラながら演奏は中々立派なもの。
    この手の作品の演奏は英米の得意分野ですがそれに比べて派手さはないですが、堅実な演奏でドイツらしいと言えるでしょうか。
    ライブ録音ですが、大きな不満はなく聴けると思います。

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     2025/08/05

    現代吹奏楽界で著名なフランコ・チェザリーニのミトロパ・ミュージックから出版された楽譜の参考演奏集。
    日本では大作で知られるチェザリーニだが、本CD収録作品はコサック民族舞曲や、コーカサスのスケッチの様なタイトル通りのわかりやすい曲調の組曲が中心の選曲。
    演奏はルガーノ市民フィルハーモニー吹奏楽団、指揮者はフランコ・チェザリーニ。
    つまりは自作自演集だ。
    チェザリーニは1998年よりこの楽団の指揮者としても活動しているらしく、ミトロパに幾つか録音がある。
    名称からして市民バンドのようだが歴史は古く1830年から活動し、現在は70名の音楽家によって構成されているとの事である。
    本CDではやや技術的に怪しいところはあれど、演奏は中々立派。
    最後に収録されたMGBマーチは、チェザリーニらしいスタンダードスタイルの行進曲だが、これをご機嫌に聴かせる。
    録音年はわからないが、音質は良いと思う。
    収録曲目は以下の通り。

    1.ジョイフル・ファンファーレ
    2~5. ブルガリア舞曲
    6~8.イタリア小組曲
    9.蝿の偶像
    10~13.コサック民族舞曲
    14~17.コーカサスのスケッチ
    18.ジュビリー・ファンファーレ
    19.MGBマーチ

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     2025/08/04

    このCDはイギリス王立空軍中央軍楽隊によって録音されたアルバム。
    指揮者は録音当時の音楽総監督ダンカン・スタッブス中佐と中央軍楽隊指揮者のピアーズ・モレル少佐です。
    ドワイエンというレーベルから発売されたもので、同社は英国式ブラスバンド系のCDに強い様だが、時々吹奏楽のCDもあり本CDもその一つ。
    吹奏楽CDらしい雑多な選曲となっていて、マーチ、吹奏楽アレンジ、吹奏楽オリジナル、ジャズ等が収録されています。
    特定の出版社の参考演奏集ではないので、色々な出版社から作品が集まっており作品の質は高いと思う。
    演奏のイギリス王立空軍中央軍楽隊はイギリスを代表する吹奏楽団の一つで、日本でも過去多数の音源が発売されていた。
    近年は自主レーベルからのリリースが多く(因みに本CDにも自主レーベルのマークがあるので共同制作なのかもしれない)あまりその音を聴く機会は少なかったが、ダンカン・スタッブス中佐が指揮者に就任して以来録音が活発になり、日本でも再びその音源が出回る様になりました。
    このCDでは近年の吹奏楽団らしい柔らかなバランスの良いサウンドに、マーチからジャズへとフレキシブルに対応し、どの曲も高い水準に仕上げてくる。
    かつてこの軍楽隊の指揮者をしていたロブ・ウィッフィンのスカイピースという作品は元楽長の作品だからか、中々隅々まで手の入った好演奏。
    録音は2016年1月、程よい残響と立体感のある演奏で、悪くない録音だ。
    最後に収録曲と演奏者データを書いておきます。


    1.行進曲『モントリオール・シタデル』(オードイル transホーナー)
    2.スカッフ(ベルリオーズ arrウィラー)
    3.タイムピース(ウィッフィン)
    4.アメジング・グレイス!(フィリップス)
    5.クラリネット・ソナタ第2番より第1楽章(ブラームス transファー)
    6.ハイ・ヴォルティージ(ドゥルルイエル)
    7.スカロボー・フェア(arrラングフォード)
    8.ジャスト・アズ・ユー・アー(ウィッフィン)
    9.モック・モリス(グレインジャー arrクラインズ)
    10.ホルン協奏曲第2番よりロンド(モーツァルト transフィリップス)
    11.セレスティアル・プロペイント(ヒートン transウィラー)
    12.組曲『3つの小品』からワルツ(ゴダール arrリチャーズ)
    13.神はこの世界を深く愛した(ステイナー transホーナー)
    14.ウィンド・レーサー(ベル)

    演奏
    イギリス王立空軍中央軍楽隊 1~14
    指揮
    ダンカン・スタッブス中佐 1~5、8、11、13
    ピアーズ・モレル少佐 6、7、9、10、12、14
    ソリスト
    グラハム・ジョーンズ伍長(クラリネット) 5
    マシュー・エドワードソン曹長&アンドリュー・テイラー伍長(トロンボーン) 7
    エド・ダイアー曹長(ホルン) 10
    ホリー・ブロムフィールド曹長(フルート) 12

    録音
    2016年1月27日から29日、ワールド・オブ・サウンド・ロイヤル・エアフォース・ノースホルト

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     2025/08/02

    このCDはヨハン・シュトラウスファミリーとその周辺の作曲家からワルツやポルカのよく知られた作品を集めたもの。
    演奏はウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団。
    指揮者はアルフレッド・エシュヴェ、フランツ・バウアー=トイスル。
    エシュヴェは同オケの指揮者と録音が幾つかあり、日本でもキングレコードから音源が出ていましたが本CDはそれとは別の音源。
    演奏はポルカでは推進力とメリハリが効いていてよく、ワルツではテンポを自由自在に変化させて、本場ウィーンの響きを聴かせます。
    バウアー=トイスルはフォルクスオーパーのオケとの録音が有名ですが、このCDでもオケを存分に鳴らしベテランらしい演奏を聴かせます。
    メリーウィドウ・ワルツは中々に濃厚な演奏です。
    このCD、大手飲料メーカーが制作したもので、原盤等は不明、さらに録音年もわかりません。
    ただ聴いた感じ少し古い録音のようで、クラシック初心者でも楽しめる様にか各楽器が強調されたようなドイツの放送用録音の様な録音となっています。
    収録曲目と演奏者は以下の通り。

    1.皇帝円舞曲(シュトラウス2世)
    2.南国のバラ(シュトラウス2世)
    3.アンネン・ポルカ(シュトラウス2世)
    4.春の声(シュトラウス2世)
    5.ピチカート・ポルカ(シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス)
    6.鍛冶屋のポルカ(ヨーゼフ・シュトラウス)
    7.メリーウィドウ・ワルツ(レハール)
    8.トリッチ・トラッチ・ポルカ(シュトラウス2世)
    9.無窮動(シュトラウス2世)
    10.芸術家の生涯(シュトラウス2世)

    指揮
    アルフレッド・エシュヴェ 1~4、8~10
    フランツ・バウアー=トイスル 5~7
    オーケストラ
    ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団 1~
    10

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     2025/07/30

    仲田守指揮、名古屋アカデミック・ウィンズの第10回定期演奏会ライヴCDです。
    本CDは2022年6月4日、青少年文化センターアートビアホールで行われたもので、2人のマーチ王を取り上げた内容のコンサートでした。
    1人は世界のマーチ王J.P.スーザ、もう1人はボヘミアのスーザと言われたユリウス・フチークの作品です。
    共にこの年は記念の年で、スーザは没後90年、フチークは生誕150年に当たります。
    選曲は比較的珍しい作品を中心に編まれたかなり意欲的なプログラム。
    特にスーザはあえて有名な作品を外したのではないかと言うぐらいで、マーチ以外の作品、ワルツやファンタジア等の作品も取り上げています。
    フチークはまだ有名作品よりではあるものの、一般の吹奏楽リスナーには珍しいのではないでしょうか?
    演奏は優等生的なまとまりのある演奏で、悪くはないのですが、良くも悪くも無難かなと思います。
    録音はライヴと言う事も考えれば良いと思います。
    収録曲目は以下の通りです。 

    1.大行進曲『フローレンティナー』(フチーク)
    2.ポルカ『小言の多いお爺さん』(フチーク)
    3.行進曲『剣闘士』(スーザ)
    4.ワルツ『ドナウの伝説』(フチーク arr仲田守)
    5.行進曲『ドナウ渡河』(スーザ)
    6.ユーモレスク『バンドの帰還』(スーザ)
    7.行進曲『ファンファーレの響き』(フチーク)
    8.ワルツ『海の女王』(スーザ trans仲田守)
    9.行進曲『連隊の子供たち』(フチーク)
    10.喜歌劇『エル・カピタン』より第2ファンタジア(スーザ)
    11.行進曲『ミシシッピー川』(フチーク)
    12.組曲『グラスに住む人々』より第3曲ウィスキー、第4曲コーディアル(スーザ)
    13.行進曲『剣士の入場』(フチーク)
    14.古き名誉砲兵中隊(スーザ)

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     2025/07/28

    イギリスの作曲家、チャールズ・オブライエンは、1882年にイングランドのイーストボーンに生まれ、エディンバラに移り住みマッカンに音楽を学び、この地で活躍し1968年に亡くなった。
    バターワース、ブリッジ、アイアランド、バックスと同世代のイギリスの作曲家はモダン的だったり、保守的だったり様々だが、オブライエンは遅れてきたロマン派とでも言いたくなるような抒情的かつ明快な作風で、生前はともかく没後は生まれた時代が悪かったのか忘れられ、toccataが発掘するまで知られずにいた作曲家である。
    このCDはピアノのために書かれた作品を収録したもので、オブライエンの才能を感じる事の出来る一枚。
    冒頭に収録された、ピアノ・ソナタはCD中最もシリアスな作品。
    4楽章形式で静かさと明快さを活かした佳作だ。
    2つのワルツはヴァイオリンとチェロパートを書いた別バージョンがあり、これもtoccataから出ている。
    ピアノのみの本盤よりも音に厚みのある三重奏版の方が個人的には好み。
    組曲『スコットランドの情景』は作品17と作品21が収録、この作品はスコットランドの国民楽派ともいえるオブライエンの真骨頂。
    オーケストラにアレンジされたバージョンも知られる作品17は、このピアノ版はオケに比べより軽やかな印象を受けます。
    オケ版も面白いけど、ピアノ版も良い。
    作品21も基本的に作品17と同じスタイルで、スコットランド風のメロディが出てきて聴きやすいです。
    演奏しているのはウォーレン・メイリー=スミス。
    イギリス出身の新進気鋭のピアニストらしく、すでにアルバムも何枚か出しているという人物。
    この方のディスコグラフィーを見てみると、モーツァルトやショパンといったクラシックの定番の作曲家が並ぶ中、突如オブライエンが登場するので場違い感がすごいが、CDをかけると聴いて納得、隅々まで手の入った立派な演奏であり、聴き入ってしまう。
    録音は2009年と2013年、音質は良好だと思う。

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     2025/07/26

    ドイツの楽譜出版社ルンデルと日本のブレーンがコラボしたルンデル・シリーズの最新作。
    ルンデル社出版の楽譜の参考演奏集で2004年に発売されたオリンパスからこのサラヴァスまで9作出ています。
    本作では初期の4枚を担当した、陸上自衛隊中央音楽隊が再び演奏を担当しており、指揮は音楽隊長の樋口孝博1等陸佐と演奏科長の澤野展之2等陸佐が振っています。
    但し、CDには2名の指揮者がどの曲を担当したのか、個別の担当曲は書いていません。
    本CDには吹奏楽のために書かれた新作から、オペラやバレエと言ったクラシック音楽からの編曲、そして吹奏楽の基本、行進曲までをバランスよく選曲した内容となっています。
    陸上自衛隊中央音楽隊らしいまとまりのある演奏となっていて、表題にもなったサラヴァスや、ヨハネス・ブラームスに捧ぐ等は中々にハイレベルな演奏となっています。
    また行進曲はさすが音楽隊と言うか、ベートーヴェンの古典的な行進曲の豪快さや、フチークの短調で異国情緒豊かなキニシ等、名演ともいえる安定感のある演奏が聴けます。
    録音、音質は問題なく聴けると思います。
    録音年の記載はないですが、コピーライトが2021年となっているのと、指揮者のプロフィールを見るに、2020年3月以降から2021年の間に録音されたものと思われます。
    最後に収録曲は以下の通りです。

    1.歌劇『グワラニー族』序曲(ゴメス arrシュワルギン)
    2.歌劇『エジプト王妃ベレニーチェ』からアンダンテ・ラルゲッタ(ヘンデル arrルンデル)
    3.サラヴァス ザールラントの歌による交響的変容(クラース)
    4.アルプス・ホーンを今吹いて、ヨハネス・ブラームスに捧ぐ(シュワルギン)
    5.ケーぺニック(ゴッツ)
    6.民謡による交響的コラール ゴーイング・ホーム(ホゼイ)
    7.行進曲ニ長調『軍隊行進曲』WoO24(ベートーヴェン arrシュワルギン)
    8.ティビ・ソリ・ペッカビィ・オルランド・ディ・ラッソ(ストゥドニカ)
    9.ベートーヴェンの9つの交響曲のテーマによる1-9(ホゼイ)
    10.行進曲『キニシ』(フチーク arrルンデル)
    11.アイーダより『凱旋行進曲』(ヴェルディ arrシュワルギン)

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     2025/07/25

    オーストラリア出身の作曲家、パーシー・グレインジャーの作品集。
    グレインジャーが書いた吹奏楽作品を集めた内容となっています。
    演奏は、ジェリー・ジャンキン指揮、ダラス・ウィンド・シンフォニーです。
    グレインジャーは数多くの吹奏楽作品を作編曲しており、それらを集めたCDも多数出ています。
    本CDは代表作の『リンカンシャーの花束』『子供のマーチ』を含む13曲を収録しています。
    演奏しているダラス・ウィンド・シンフォニーはアメリカの数少ないプロ・バンドとして1985年に結成され、CDも現在に至るまでかなりの枚数を出しています。
    演奏はプロの団体を名乗るだけあって、技術面では大きな不満もなく聴けますが、どの曲もあと一つ何か物足りなさを感じます。
    一方で、アフター・ワードの数少ない録音だったり、子供のマーチはオプションの合唱団入りのプロによる演奏だったりとこのCDならではの聴きどころもあります。
    2008年8月23日、24日にテキサス州、ダラス、マイヤーソン・シンフォニー・センターにて収録されたもの。
    HDCDを名乗るだけあり、ホールを残響を感じる優秀な録音。
    今だとそれなりの値段ですし、悪くはないけど演奏者かグレインジャーのファンだと言う方以外はおすすめしないです。

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     2025/07/16

    映画音楽の中には合唱団をメインにした楽曲があるが、このCDはそう言う作品ばかりを集めたアルバムです。
    発売元のシルヴァ・スクリーンは映画音楽を中心にリリースするレーベルとして知られており、この盤は同社がもつ音源より集められた編集盤のようです。
    演奏はプラハ市フィルハーモニー管弦楽団、指揮者はニック・レイン、ポール・ベイトマン、ケネス・オルウィンの3名が振っています。
    オーケストラのプラハ市フィルハーモニー管弦楽団は、1947年に設立されたチェコ映画交響楽団のメンバーからなる団体で1992年に名称を現在のもに変更しています。
    シルヴァ・スクリーンではベイトマン、ニックと組んで多数の録音を残しています。
    コーラスは、クラウチ・エンド祝祭合唱団、指揮はデヴィッド・テンプルによるます。
    この団体はイギリスの団体との事。
    収録音源は全てオリジナルのサントラではなく、再演奏盤と言われるものですが、オリジナルを意識したアレンジで悪くありません。
    合唱団の重厚繊細な歌や、ダイナミックなオーケストラ等映画音楽らしい、キレの良い演奏が続いて演奏も良し。
    時にはオリジナル・サントラより良いのではという曲もある。
    録音年は不明だが、デジタル録音であり、音質は良好だ。

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