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Review List of てつ 

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  • 2 people agree with this review
     2023/03/28

    マケラとパリ管弦楽団のデヴューアルバムは、あの音響の良い、フィラルモニ・ド・パリでのセッション録音。そういえば、オスロフィルとのシベリウスもセッション録音だった。最近はライブ一発取りが主流なのに、デッカがいかにマケラを大事にしているか窺い知れよう。昨年の来日直前の録音であり、当然来日公演の印象と重なる。春の祭典は一言で言うと「安全運転」である。ペトレンコがベルリンフィルと最初に出した「悲槍」と同じ印象。このコンビの実演も聞いたが、もちろん水準以上の演奏ではあるものの、コチラの期待値が高いせいもあり、数多ある先人の素晴らしい演奏に伍する、またはそれ以上かと言われると、そこまでではない。でも、ちょっと待てよ。

    うちの会社にペトレンコくんとマケラくんが入社した。どうも二人とも相当優秀らしい。現に、早々その優秀さを発揮して、ペトレンコくんはベルリン営業部へ、マケラくんはパリ営業部から求められて配属になった。二人とも上々の滑り出しだったが・・ところが二人とも優秀は優秀だが、良い評判を背景に組織を牛耳ろうとし始めた・・となると古参の営業部員は黙っていない。そりゃそうだ。ベルリンもパリも歴史と伝統と、そしてメンバーには矜持がある。さあこの後、二人とも「どうする」ってところだろう。

    話を戻すが、来日時もそうだったが、概ね春の祭典より火の鳥の方が評価が高く、このディスクも当然そうである。火の鳥の方が良い。何が良いかと言うと、マケラらしいというか、鳴らし方がとても上手いから。この曲の他のディスクは意外とここまで鳴らしていないと思う。それでもちょうど50年前に小澤征爾が同じパリ管を振ったこの曲のディスクのように「ほとばしる才気」みたいなものがない。マケラは今回もっとやりたいことがあったのかも知れないが、いきなりそれを強いて、組織との関係を悪くしては元も子もない。ディスクとして世に問うた以上、現時点では、両手を上げる訳にはいかないが、事情は理解してあげないと。そういうディスクである。

    私はシベリウスの全集と2022年都響とのレニングラードを聞いたが故に、ファンクラブの会長を自称するほど、マケラに対する期待値が高いが、このディスクはマケラから「応援は嬉しいけど、もう少し冷静になってください」と言われたような気がした。

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  • 1 people agree with this review
     2023/03/26

    この日本に「マーラーの9番はすごい曲だ」という印象を与えたのは、もちろん、バルビローリが初めだと思うが、私の年代だと、とにかくこのジュリーニ盤である。当時はクラシックの新譜をNHKーF Mで放送してくれて、そこでこのディスクを聴いた時の衝撃は忘れられない。当時の私はまだこの曲の第一楽章がどれだけすごいのか、ということがわからず、曲全体の雰囲気に惹かれ、とりわけ第四楽章に耽溺していた。年月を経て、この曲の第一楽章が西洋音楽史上、どれだけの価値があるのかを知って、(これは村井先生の著作のおかげでもある)このジュリーニの演奏がどれだけ凄いのかということも理解できた。春の祭典の凄さを世に広めたのがブーレーズなら、マーラーの9番についてはジュリーニなのである。特に第一楽章については、このジュリーニの演奏が白眉である。だから、この曲が好きならば、この演奏を聴かねばならない、とすら言いたい。このジュリーニの演奏を聴けば、他の演奏もわかってくる。このディスクを聴かれたことない方には強く勧めたい。

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  • 4 people agree with this review
     2023/03/15

    こういう演奏が出てくるから、クラシックはやめられない。間違いなく、これは名盤である。昔、誰かがよく使ってたフレーズに「血の滴るような」みたいな表現があったが、まさにそれである。とにかく、聴けばわかるのだが、まずはヴィシェフラットの最後のしみじみ感がすごい。モルダウ(やっぱりこの呼び方がなじむ)は前奏の木管がチャーミングで、チェロが入ってテーマが鳴るとそれだけで泣きそうになる。こういう演奏を「心がこもる」というのだ。中間部のホルンもすごい。徹頭徹尾じっくり歌うのが堪らない。次のシャールカも冒頭からよくここまで出来る、と感嘆する。4:50くらいの盛り上げも素晴らしい。曲の終わりに向けての畳み込みは頭がさがる。4曲目も強く主張するところと柔らかく演奏するところのニュアンスがの差が素晴らしい。それでも、もしかしたら、このディスクの白眉、クライマックスはターボルかもしれない。怖いくらい冷静に始まり、響きを凝縮させて、心の内側に響かせるような音楽。そうだ、これはケーゲルのアリアと同じ種類の音楽だ。切なさとかそういう感情を音楽に最大限押し込める音楽。つらくもあり救われる音楽でもある。ブラニークはある意味余裕がある。曲が曲だけに従来からも深く踏み込んだ演奏は多々ある。だからこそルクスはもちろん踏み込むが、全身全霊というよりは、やや客観視している。それが我が祖国の締め、として効いてくる。イケイケだけでは、ダメなのだ。最後に来てあえて引く、これが本当に曲を大きく見せる。許教授のみならず、この曲が大好きなサイトの管理人も絶賛するこのディスク。我が祖国、が好きであろうとなかろうと、このディスクを聴かないと間違いなく損をする。



    最後に、全曲聴き終わって、このジャケ写を見たら、泣けてきた。
    我が祖国は時空を越え、永遠なのだ。
    本当に素晴らしいディスクだ。心から感謝したい。

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     2022/11/30

    このディスクを聴いて、メルニコフというピアニストがすごいという事がわかった。メルニコフは硬質で辛口である。でもその度合いが徹底していて、高度な結晶みたいな演奏だと思う。確かにこの演奏を聴くと、他の皆さんは緩く聴こえてしまうかも。しかし、聴き比べたら、メルニコフの凄さはすぐにわかる。このディスクはメルニコフの代名詞である。この名曲のファーストチョイスと断言することに些かの躊躇もない。

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     2022/11/13

    これは確かにゴールドベルク変奏曲史上、
    最も優しい演奏ではないか。
    どうして、こう言う演奏なんだろう。
    モダンピアノのクセして、優しくて。
    聴き入ってそう思った。

    確かにこれは、聴かないとわからない。
    そう言うレベルの演奏です。

    ああ、でも実演でこう言う演奏聴きたい。

    ただ、リピートの省略が多いから
    これに拘る方にはアウトかも。

    それでも「優しさ」は唯一。
    皆様にも聴いて欲しい、と思うディスクです。

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  • 2 people agree with this review
     2022/11/12

    あら、1番と4番以外にこっちも出ていましたか。
    この演奏、この値段、絶対マストバイです。

    シフがどうして指揮に拘ったのか
    私は知りませんが

    この2番とエロイカは
    本当に締まっている。
    読みも深い、教わることも多い。
    シフって、そういう音楽家だったのか。
    改めて、そう思う。

    特にエロイカは
    多様な表現を受けいれる曲です。
    でもこのディスク
    重厚長大な、そう言う表現とは
    少し違うけど

    でも、良いんです。
    何が良いか?
    それは皆さんが確かめて欲しい。

    もう一度言います。
    このディスク。
    この値段なら、「マストバイ」

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     2022/11/12

    一言で言うと、「これは良い」です。
    このディスク、知っている人は少ないと思うけど
    埼玉の某サイトが絶賛して
    この良さを知る人が増えたと思います。
    私もその口です。

    で、実際聴いたら。
    その通り!

    聴かないのは損です。
    シフって、チェロでしょ?
    それが何で?とか
    先入観は捨てて
    とにかく聴きましょう。

    それほどの名盤です。
    2番とエロイカもありますが
    まずはこれから。

    ハインリヒ・シフ
    早世が悔やまれます。
    具体的なことは言いませんが
    聴いて欲しい、と願わずにいられない
    そう言うディスクです。

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  • 3 people agree with this review
     2022/09/09

    このアルバムを聴くと、自分が固定概念にいかに囚われているか、がわかる。室内オーケストラによるブラームスは、ベルグルンドのものが有名だが、彼は色付けなしでブラームスのあるがままを出そうとしたが、フィッシャーはもっと踏み込んだ。1番を聞けばわかる。冒頭のティンパニの響きから、引き締まった表現で「これこそがブラームスだ」と訴えかける。ベルグルンドと違うのはフィッシャーはとにかくアーティキュレーションに拘り、テンポを動かす。それが本当に考えた上での事だとよくわかる。その結果何が見えてきたか。1番の終楽章など、本当にいびつな曲だと間違いなく教えてくれる。本当に意図的にウケ狙いしているような、ブラームスの中でも特異な曲なんだよ、と気付かせてくれる。その意味で、全集を通じて、ブラームスのベストフォームは交響曲じゃないんだよ、と逆説的にフィッシャーは教えてくれる。2番の2楽章は気味が悪いし、3番の3楽章もスケルツォを諦めた苦し紛れの諦念だと言うし。4番の冒頭も旋律じゃなくて音形なんだと言う表現。終楽章ではなんとスル・ボンティチェロまで出て来る。まさに徹頭徹尾、スコア読み込んで浮かんだアイディアを全て書き出し、吟味を重ね取捨選択し、それをオケに徹底する。素人の想像を超える膨大な作業と思う。単に従来のアプローチへのアンチテーゼではなく、これがフィッシャーの考えるブラームスなのだろう。誰に対して、と言うわけではないが、「悔しかったらここまでやってみろ!」と言いたくなって来る。しかし、この演奏はメジャーオケでは無理だろう。練習時間の確保はもとより、絶対従来型の演奏に慣れた固定概念が抵抗勢力になる。ベートーヴェンの全集に続き、そんな凝り固まった固定概念に挑戦したフィッシャーの矜恃と見識、私は頭が下がる。でも従来型のいびつな曲想を覆い隠し、歌い上げる演奏も聴きたくなる。この演奏に惹かれつつ、そうじゃない自分もいる。自己矛盾に苛まれる。それでもジャケのフィッシャーは、「それでいいんだ、考えなさい」と穏やかに語りかける。しかし、その後ろにはうっすらと厳しい顔をしたブラームスが睨みを利かせている。まさにこのアルバムの縮図ではないだろうか。モノクロである理由がわかった気がする。

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  • 4 people agree with this review
     2022/07/17

    私はこの指揮者と相性が悪かったのだが、今回(上からみたいですみませんけど)見直した。正直、1番、2番、エロイカを聞いた段階で「いつも通り」細かい作り込みはあるがそれだけ、と思ったが、4番聞いて、あれちょっと攻めてる?と思い、5番でビックリした。もうナマの推進力バリバリのHIPスタイルである。この方、元々スコアのすべての音を聴かそうとする指揮者だが、狙いと結果が一致していないもどかしさがあった。ところが今回5番で吹っ切れたような、そんな演奏だ。私はこの5番で彼の新境地を見た。元来の狙いがやっと結実した、そんな思いがした。クルレンツィスよりセガンの方が刺激的である。本当にこの5番は名演だと思う。ここからギアが入り、田園でもすべての音を響かせたいセガンの思いとオケの気持ちが一致する。第一楽章からとにかく音が綺麗。これがセガンの求めるものだったのか、と納得した。7番も出だしから滑らすような音で彼ならでは譜読みが結実している。押しては引き、ニュアンスが多彩。これほど弦の刻みが躍動する演奏は聞いたことがない。また、この辺りから金管に強いリズムを刻ませて、あえて刺激的な音を作る。7番4楽章は少々やりすぎの感もあるが、私はあえてここまでやったことを支持したい。ところが8番になると脱力して少し落ち着いた音を出す。全集だからこそのメリハリか。8番3楽章のトリオとか、おいおい君はこう言う音楽できるのかいって感じ満載。それでもやはり9番はちょっと辛い。曲の持つスケール感と今回の前向き推進力が一致しない。それでも全ての音を極力均等に聴かせたいと言うセガンの思いは痛いほど伝わる。4楽章冒頭でブルブル震えるのが件のコントラファゴットか?合唱が入る前の歓喜の歌ではかつてないほど、セガンの曲に対する共感が聴ける。本当にECOを起用して良かったと思う。しかしこのスタイルをフィラデルフィアで再現できるのか?これは一過性の演奏ではないのか、と言う疑念は残る。この指揮者の今後を注視したい。もちろん応援するつもりだが。

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     2022/07/15

    田園はこのコンビの新境地かもしれない。ちょっと驚いた。田園はHIP奏法のオケにとっては鬼門のような曲。モダンオケに慣れた耳にはこの曲の叙情性と精神性を表現するにはHIPが一本調子に聞こえてしまうことが多かった。例えばアントニーニも直線的スタイルと曲想がマッチせず苦戦していたと思う。ホーネックも第1楽章はテンポこそ中庸だが、表現はいつも通りのスタイルを貫き、「田舎にバイクで着いた時のちょっとイケイケで愉快な気分」的音楽。これは想像できたので、この後もそうかな、と思っていたら、第2楽章冒頭で「おおっ」と声を出してしまった。なんだ、この柔らかさは!ホーネックからこんな優しい音が聞けるとは。34小節のビオラが暖かいのなんの。ホーネックが従来スタイルをやめたのか、それともHIPの枠内でこういう音を出したのかは、私には正直わからない。しかし、この音が、表現の幅を思い切り広げたのは間違いない。第3楽章もこの暖かい音を使うので、ホルンが強く鳴らしてもそれを和ませる。第4楽章は一転して直線的な従来的アプローチ。しかし第5楽章はまさに感謝で、最初からまた暖かい。このコンビでこのアプローチとは。意表をつかれたがものの、僥倖だった。とにかく第2楽章と第5楽章が白眉。田園の新しい名盤と思う。スタッキーの沈黙の春は、地元の偉人へのオマージュとのことで、各楽章には彼女の著作名がクレジットされている。主旨はよくわかるが、折衷主義的でピンとこない。もちろん私がそんな偉そうなこと言う立場ではないことは重々わかっております。でも、田園だけで凄いですよ^^

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     2022/07/10

    ますもって、巨匠の新譜が、メジャーレーベルから発売されたことを心から喜びたい。このジャケ写、本当にイエローレーベルの伝統的な趣があり、見るだけで嬉しくなる。このようなLPレコードを買い、封を切る時の喜びが蘇る。また、良し悪しは別として、「NOS.8 UNFINISHED & 9 THE GREAT」のクレジットがオールドファンには堪らない。しかし、この演奏、相当考えさせられる。未完成は最初から少し早めのテンポだが、腰の座ったスタイル。このコンビの最近の特徴とも言える低弦のピッツィカートが効いていて、それが推進力になる。第一楽章第二主題も落ち着いた表現で、素晴らしい。ティンパニのFisも節度がある。第二楽章もしっかりした鳴らし方で、かつスタイリッシュ。巨匠の現在を伝えるに十分である。ところが、グレートは違う。序奏から2/2的フレージング、主部に入っても軽い。この軽さ、昨年のムーティとウィーンフィルの来日演奏を想起させるような音である。あえて力を抜く。そういう演奏であり、第二主題も早い。もしかしたら、このような軽さが欧州におけるこの曲のスタンダードなのか??もう頭が混乱する。私はゲヴァントハウスで、ネルソンスが指揮するこの曲を聴いたが、この時もこういう感じだった。未完成とは明らかに異なる。こういう空に浮くような感じ、私の好みではない。しかし、この曲をこのように演奏するのがデフォルトなのかもしれない。多くの方の意見を伺いたい。

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     2022/06/30

    このようなディスクを名盤というのではないだろうか。企画・演奏・録音とすべて満たされている。調和の霊感全曲が名手の手で聴けるだけでも喜ばしいのに、その曲が国境を渡り、バッハの手で再構築されたという歴史的遺産を見せてくれる。今ですらカバーやリメイクは当たり前かもしれないが、この時代でも、巨匠たちは他の芸術作品にインスパイアされ、違う形で昇華させていた。そういう事実を真摯な演奏で繰り広げてくれる。アレッサンドリーニだけでも素晴らしいのに、ギエルミが参加しているのが有難いのなんの。ギエルミ演奏のバッハのオルガン、例えば有名なBWV.593聴くと、この方らしい品性の高い演奏であることがよくわかる。ギエルミはこねくり回さない。良い意味でキッチリ聴かせてくれる。こういう演奏、意外と他ではない。これを聞くともっとオルガン曲録音して欲しくなる。アレッサンドリーニのBWV.972も格調高い。余裕かくしゃく、それがカッコいい。本当に良いモノを聴かせて頂きました。本当に響きが豊かで、しっかり歌ってくれて、心が満たされる。調和の霊感全曲自体としても白眉だし、私の愛聴盤になりました。

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     2022/06/04

    代名詞というかキャッチフレーズを持っている人は強い。楽聖とか帝王とか鋼鉄の・・とか。代名詞がその人の存在感を一層高める。ピョートル・アンデルシェフスキも代名詞が似合うピアニストだ。名前からロシア人かと思っていたが、この方ポーランド人。母親はハンガリーだそうだ。昨年の演奏会に行き初めて聴いたがとにかく驚いた。このピアニスト中低音が独特で、とても柔らかいのに存在感があり、浮遊しているような・・私なら「中低音の奇跡」とでも呼びたくなる。響きが綺麗でかつバランスが良い。しかしながら紡がれる音楽は禁欲的と言っても良いくらい静謐でそっと心に染み入る。BWV.881のプレリュードを聴いていただければ、この方の音楽について理解できると思う。第2巻全曲ではなく一部のみ、かつ彼の主張を反映して曲順もバラバラ、と一見キワモノ的に見えるディスクだが、聞き通すと違和感がなく、アンデルシェフスキというピアニストの素晴らしさを伝えるに十分である。BWV.878のフーガなど、その静謐さが「侘び寂び」の世界すら感じさせる。彼は日本人の心情にマッチすると私は信じている。そうだ、「中低音の奇跡」よりも彼には「侘び寂びピアニストの名匠」の方がピッタリかもしれない。とにかくこのピアニストは凄い。一人でも多くの方にアンデルシェフスキの良さを知ってもらいたい。

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     2022/05/29

    日本の楽壇に一番貢献しているピアニストは誰かと言えば、間違いなくメジューエワだろう。毎年質の高い演奏会とディスクを出し、教鞭も取り、若手育成に力を入れ、新書まで出して啓蒙までしてくれる。来日して何年なのだろうか。感謝してもしきれない。私は彼女のファンだし、何度も演奏会に足を運んだ。彼女は間違いなくロシアンピアニズムの系譜を引き継き、強い打鍵を聞かせてくれる。しかし、いつも少し不満に思うことがある。煌びやかな高音が聞けないのである。中低音中心の音楽になる。このベートーヴェンでもそれは同じ。私は絶対に信じているが、彼女は高音が出せないわけではない。こう言う音楽を志向しているのである。それがもどかしい。また彼女は演奏会でも楽譜はピアノに置くものの、実際は暗譜である。楽譜はあくまで曲に対するリスペクトであり、その真摯な姿勢にはいつも心打たれる。それでも、私は「できるのにやらない」メジューエワの演奏に心の底から共感できない。だからこのベートーヴェンは、私にとって極めて質の高い予定調和的演奏に聞こえる。それでも私はメジューエワの演奏会にこれからも足を運ぶだろう。優勝を願い、決して応援を辞めない阪神ファンみたいな心境である。

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     2022/05/29

    確かに冒頭から「凄い」。他とは違いすぎる。ジュリーニとの演奏がいいと思っていたが、とんでもなくこちらが凄い。何が凄いか、といえば音の結晶である。皇帝は名曲だからあまた名演は多いが、このミケランジェリは別格である。でもチェリビダッケは、ミケランジェリへの対抗心丸出し、いつもの通り細いところに拘りすぎなのでで、それがちょっと引っかかってミケランジェリを少し妨げる。でも良く聞けば、チェリビダッケが拘るのはオケ部分だけ。ピアノが入れは、ミケランジェリに全て譲る。聴かせどころはテンポ落としてミケランジェリに華を持たせる。これじゃミケランジェリも文句は言えまい。皇帝中の皇帝。これを聞かないと皇帝は語れない、くらいの名盤。74年のフランス国立放送管弦楽団との演奏を聞き比べたが、こちらの方がピアノは煌びやかだが、オケは74年盤の方が王道。両方並び立つように出来ているのがなんとも言えません。

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