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Review List of 風信子 

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  • 2 people agree with this review
     2018/07/28

    驚くべき解像度 信じられない透明度 19世紀末〜20世紀初頭 最も巨大なオーケストラを駆使するR.シュトラウスの音楽がその構造形態を開示していくようだ “アルプス交響曲”は室内楽のようにパート間の絡みが見通せる フレーズとモチーフがピースとしてどう組み合わされているのか分かる 立体構造物としてのオーケストラ曲の面白さが先に立つ 情趣・感情は後から馨る 唯物論的発想がロマン派音楽の一つの帰結だったことを示す演奏 ”七つのベールの踊り”を挟んで オペラ“影のない女”からユロフスキによってセレクションされた組曲が聴ける 音楽はよりアヴァンギャルドを含むが 情感が溢れ出す 極めて人間の心情に深く根ざした音楽 ユロフスキの共感が行き渡って濃密な表情を見せる これまでの10年間もそうだったが ユロフスキ&LPOからますます目が離せなくなった あなたも如何 

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     2018/07/23

    ポーランド人によるショパン しかもピリオド楽器による演奏 わたしと言わず関心を持つのではと待ってもコメントがない みんなショパンが好きじゃなかったのかな 1830年プレイエル製のピアノ 複製だそうだがとても好い 美しくよく鳴る以上に表情が出る これはクリムシャクを褒めるべきかもしれない カペラ・クラコヴィエンシスも優れたオーケストラだ ショパンということもあってか お国訛りというか好い意味の訛りが聞けて味わい深い ショバン好い音楽だなあと素直に愉しめた 後半は一転”未完成”になる 指揮者アダムスの考えあっての組み合わせなのだろう ショパンとシューベルト 繋がらない印象があるが 不自然にはならなかった また これも好い演奏なのだ 音楽の夢を追いかけて楽壇に躍り出たものの 人生半ばにして夢絶たれた二人であってみれば 通ずるものがあるのかもしれない 新しい演奏家が次々に登場するヨーロッパが羨ましくもある 我が国の音楽家の奮起を期待したい 聴衆も故きばかりを温めていないで 目と耳を開こう あなたも如何
      

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     2018/07/23

    興奮を禁じえない 聴く度に発見がある”第8番”は前衛である それだけになかなか大衆の支持するところとならない憾みがある 緩徐楽章を持たない四楽章交響曲の意味は深い スケルツォとメヌエットの舞曲を挟むソナタとロンドにも緩徐の序奏部はなく 初めからAllegro Vivaceなのだ 快速部を生かすためにもゆっくりした部分は欲しい 何故 ベートーヴェンは第7番も含めて AndanteやAdagioを書かなかったのか 明確な意図があったはずだ そして管楽器がますます存在感を増している ディヴェルティメントの響きに近い だがその音楽が表す世界はモーツァルトとは大きくかけ離れている 舞踏交響曲は音楽が向かうべき未来を指していた それは20世紀を さて さらに大きな興奮を与えてくれたのが ヴァイオリン→ピアノ・コンチェルト ヴァリッシュのフォルテピアノは文句なく美しい かてて加えてオーケストラが面白い ピアノ編曲して音楽が愛らしく微笑んでいる 演奏も愉しそうだ 朋よ是非に あなたも如何    

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     2018/07/21

    ホルストの”祈り”から聴き始める 上昇するモチーフひとつから組み立てられた幻想曲と見た 初めて聞いたが わたしたちに知らされていない曲がホルストにはまだまだあるようだ ウォルトンのコンチェルトは聴く機会に恵まれない傑作だ 色彩感に富む透明なソノリティをP.ヤルヴィ&フィルハーモニアO.が見事に再現していることに驚く 分かり易かったり甘い物言いをウォルトンはしないから一聴難しいと聞こえてしまう 言葉は分かり辛くても音楽になっているから 流れに身を任せて今自分に見えるものを掬い上げればいい 聴く度に違った風景が見えてくる ただ一つ言えば 決して暗く重い曲ではない 最後に エルガーのコンチェルトを聴く 正に語るが如く歌い紡いでいく オーケストラとの対話も自然で融和している ドラマチックな物語など期待すると何も聞こえてこない 語らいの音楽だとイッサーリスとヤルヴィは言っているように聞こえる 息をするように音楽は奏でるものとはこの事だな 朋よ 装わない力説しないイギリス音楽を聴こう あなたも如何 

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     2018/07/21

    もう駄目だ ラヴェルが二十歳そこそこで書いて発表せず遺されたソナタにやられてしまう このパスキエとエンゲラーのDuoに優るものはない 胸が締め付けられて苦しい 何故世に問わなかったのか おそらくロマンチックに偏っていたからだろう ラヴェルが行こうとしていた音楽の新しいFieldに入れるには甘すぎた だが好い曲だ 次が主菜の三楽章から成る”ソナタ” 名曲だ 軽やかなピアノが導いて そぞろあるきの途中にふと立ち寄った風情でヴァイオリンが入ってくる 余白が生きた音楽は幻想する空間は広く残る余韻は深い それを風が触るようにパスキエは奏でていく 物語る音楽 これこそ抒情詩 これを書き終えた時 ラヴェルは天命を知る歳になっていた 後には ”ハバネラ”や”子守唄”が聞けるが 何と言っても”ツィガーヌ”のオリジナルが聴けるのが嬉しい これにチェロとのDuoが入っていたら完璧だったのにと惜しまれる さて 30年も前の録音だが あなたも如何 

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     2018/07/21

    のどかなギターが聞ける ロシアと名乗るからには”ロシア五人組”の音楽を奏でる キュイやバラキレフは兎も角 ムソルグスキーの”ボリス・ゴドノフ”からの「ポプリ」ポロディンの”イーゴリ公”からの「ホロヴェツ人の踊り」リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」からは馴染みがあり のんびりと田舎の道を散策している気分で愉しめる スリルもサスペンスもない 実に気軽に耳にできる ギターの超絶技巧を聞かせようとして眉間にしわ寄せて四苦八苦しているギタリストは一人もいない 皆ん演奏をして聞いて寛いでいる 田舎のお祭りの後のような歓談の風景が見えてくる こうした音楽の味わい方もあったのだなあと気づかされる あなたも如何

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     2018/07/19

    オノフリを知らなくても生活は廻る 況してやバロック・ヴァイオリンと来てはガット弦を張った脆弱な楽器で 奏でる音楽はテレマンだかタルティーニだか知らないが みんな同じに聞こえる曲ばかり 面白いわけがない まあ 聴かなくていいな という結論に落ち着くから 10年近く経た今も一つのコメントも載らない わたしも三日続けてライヴで”オノフリ”を聴くまで オノフリを知らなかった 今 わたしにとってヴァイオリンといえば オノフリのことである 比べるものがない存在 永遠に聴いていられるヴァイオリンはオノフリだけと断言できる 他の人が弾くヴァイオリンは飽きる 疲れる 終わったら忘れられる どんな名器だろうが オノフリが弾く二挺の無名のパロック・ヴァイオリン以上にわたしを虜にするヴァイオリンはない 息をするように奏でる それは生きている限り語りかけてくる わたしも自然の呼吸で吸収する 音楽とは息をすること 音楽とは生きていること それを教えてくれたオノフリ 聴かないで一生を終えるなんて考えられない あなたは如何

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     2018/07/19

    歌はいかようにも歌える 最後には人が残るだけ 要は好みになる 良し悪しを言うまい ヘンツェルとベレゾフスキーが”子供の不思議な角笛”をどう解したかを見る ”若き日の歌”からの9曲は3,4,5,7,8,11,14,17&18番目とどちらかといえば前半に寄り 歌曲集”子供の〜角笛”の12曲は2,6,9,10,12,15,16,19,20,21,22&23番目と後半に寄っている 冒頭1番に「死んだ鼓手」中央13番に「少年鼓手」を楔のように打ち込んでいる 歌毎に剛柔を使い分けている ベレゾフスキーのピアノにそれは顕著だ マーラーが生涯にわたってこの民謡詩に魂の掛けどころを得ていた事実がマーラーの人生観を象徴している 死と生の狭間で漂白するエトランゼ 虐げられた人々から陽の当たる権勢の座に這い上がった男の孤独は物語詩の中に自己の影法師を追う永遠の旅人へとなる わたしたちの感覚では諸行無常の世界ということになろうか しかしこれはわたし自身だと自覚できている現代人はどれほどか あなたは如何

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     2018/07/18

    半世紀前の録音 リマスタリングされているが イヤフォンでは愉しめない それなりの音量で一定程度の空間に音を解放してやれば音楽が語り出す わたしは7.1chに増幅して聴いた スターではないオーケストラを育てる仕事をしたマエストロ シュミット=イッセルシュテットの”巨人”が聴けるとは思っていなかった 半信半疑で聴き始める 第一楽章は可もなく不可もなく過ぎる 第二楽章で違和感 遅いのだ スケルツォにもレントラーにも聞こえない 第三楽章これがイッセルシュテットだ マーラーの声が聞こえる Finaleは安心して聞けた 対話が始まっている それぞれみんなの声が聞こえてくる 立ち上げから苦楽を共にした北ドイツRSOが信頼と共感の歌を絶唱する イッセルシュテットの輝く瞳とこぼれる笑みが見える こうした演奏者に奏でられた”マーラー”は幸福である 今更などと言わず あなたも如何  

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     2018/07/18

    透視図のようにスコアが見える演奏 そして何より個性ある音色の魅力に惹きつけられる 40年前の演奏だが チャイコ5番のファンの間では語り伝えられる名盤 こうしてたとえ限定的であっても手にすることができた至福を実感している ”クラリネット交響曲”といえば これとシベリウスの1番だ 冒頭クラリネットが長々とソロを吹いて導入する交響曲の代表格で もうこれでやられてしまう クルツの作り出すサウンドは中声部が豊かに鳴ること フレーズの受け渡しが明快なこと 感情移入せず意味のある言葉としてモチーフを繋ぎまた積み重ねていく 時間の流れこそ主神であり 自然なる推移を決して妨げない 非常に気っ風というか粋のいい颯爽とした演奏だ 交響曲作家チャイコフスキーの面目躍如となった 改めて聴いて感じたのは第二楽章が異様でバランスを崩しているなということ 歌う緩徐楽章の枠をはみ出す存在感で第一楽章が食われた感がある 隠されたメッセージがあるように思えてならない 朋よこれは聴かねば あなたも如何

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     2018/07/18

    曲の標題にとらわれる必要はない 他の曲に使ったフレーズを流用することは誰もが頻繁にしていることだ ただ分かり易いか否か 曲名として通用しているシューベルト曲の数々も後世他人が渾名としたものだ シューベルト音楽を必要とする者は自己と向き合わなくてはならないと思う 物語や他人事として同伴したのではその音楽は何も語らない それは”青春”という時間(時代)の真理を言い当てた音楽だから これ=シューベルトと捉えては歪曲する 芸術作品は創作物である事実を踏まえれば どんな経験も具体的事象も客観という濾過を経ていることを忘れまい 創作は建築である 音を組み立てて出来ている造形に触れ わたしの中に湧き起こる幻想は自由だ 無限のfieldを飛び回る憶い 尽きない熱情と憧憬をこそシューベルトから受け継ぎたい あなたは如何 

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     2018/07/18

    何だ ピリオド楽器のピリオド演奏でも1時間近くかかっている てっきり高速演奏になるのだと思ったら 変わっちゃいないじゃないか と思った しかし テンポはスコアの指示通りだ ベートーヴェンのようにメトロノーム記号があるわけではないから 可能な範囲は広がる 改めてスコアを見て驚く 第一楽章77小節までAndanteで第1テーマは展開してしまう 続くAllegroはnon troppoで速くなり過ぎることを注意してAlla breveだ これはブルックナーだ 歌に埋め尽くされたブルックナーだと見抜いたミンコフスキーは管を補強して オルガンの響きを醸し出している ベートーヴェン亡き翌1828年シューベルトは途轍もない革命を起こして静かに世を去った シューマンが発見しメンデルスゾーン&ゲヴァントハウスO.が演奏してわたしたちの前に現れた”グレート”の精神を受け継いだブルックナーやマーラーが登場するのにはこの世紀の末まで待たなければならなかった わたしたち20世紀人ですらその本然の姿をまだ捉え切れていない さて21世紀の若人よ あなたも如何  

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     2018/07/18

    ”舞曲とアリア”は尻上がりに好くなった レスピーギも習熟して後半に行くほどその心情を色濃く反映している ラ・ヴェッキア&RSOは速いテンポでニュートラルに奏でているが 静かな共感の波が絶えず寄せている この温もりに包まれたレスピーギは刺激物を持たない 爪や牙 泪さえ見せない 同胞だけが入れる広野があるような気がする イタリアの地で営々と文化を生み育ててきたローマ人魂の奥深さすら感じずにいられない 続く”ロッシニアーナ”はダイナミックな管弦楽を聞かせる 後半のピアノ・コンチェルトと”変容”は教会旋法を用いたレスピーギが生涯拠り所とした古楽研究を反映した個性ある大作だ その管弦楽法の面白さを堪能できる レスピーギはふとした時に聴きたくなる 長く雨が続いた後に見る青空のように 心晴らす音楽だ あなたも如何 

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     2018/07/17

    ト短調op.25が素晴らしい シュニーダーのピアノの音色にやられてしまう どこのピアノだろうかと詮索したくなるほど魅力的だ メンデルスゾーンの繊細さがいじらしく儚さの中に煌めく若さが眩しい ボイド指揮するヴィンタートゥールmcも負けじと闊達な演奏で応える だがこれが災いしたのか 第2番になると力強い演奏に重心がかかってしまったようだ メンデルスゾーンが重厚な響きに終始しては興が削がれる 聴き疲れを覚えた スイスのピアニストとオーケストラと言ってもドイツ語圏では 耳慣れたフランス語圏の趣は失われてしまうのか ドイツ=荘重・重厚って公式がまだあろうとは全く意外だった これはわたしの趣味の問題だが 須く音楽は軽やかであってほしい ベートーヴェンもブラームスもワーグナーも 勿論ブルックナーも 脱線してしまった 兎にも角にもシュニーダーは優れた演奏家だと強調して閉じる わたしの好みは別に あなたも如何 

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     2018/07/17

    音楽は時間の芸術だと云うこともできる ブリテンの無伴奏チェロが胸にストンと落ちないのは時間の感覚を失うからだ 冒頭いきなり重音奏法で入りフーガへ バッハの同種曲を意識したが故の無茶振りである 決してアヴァンギャルドになれず調性の海を渡るものは歌と踊りを忘れられない いや寧ろそれに身を任せたからバッハは不滅の傑作を遺し得た 第1番でまとまりを欠いたブリテンも第2番に至って漸く焦点が定まったかに見えたが 結局 歌と踊りに徹せない 第3番は再び構成感を失う それぞれの歌は印象深いのに 霧の中を彷徨うが如く方向が定まらない 愉悦も高揚もなく 永遠に回り続ける万華鏡の無限絵のように 一瞬の煌めきを繰り返す ケラスは没入して見事に弾いた

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