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Tchaikovsky (1840-1893)

DVD Tchaikovsky Symphony No, 6, Prokofiev, Berg, Mozart : Abbado / Simon Bolivar Youth Orchestra, A.Prohaska(S)

Tchaikovsky Symphony No, 6, Prokofiev, Berg, Mozart : Abbado / Simon Bolivar Youth Orchestra, A.Prohaska(S)

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  • ★★★☆☆ 

    Pianist  |  東京都  |  不明  |  21/January/2011

    熱演であることは間違いない。もともとユースオーケストラを指揮・指導することの大好きなアバドだし、アバドが望んだ音楽性とオーケストラのメンバーの熱意・意欲が相乗効果となって、このような大変な力演となったのだろう。ただし世界の名門オーケストラの持つ、細やかな音色や美感という点では必ずしも満足の行くものではなく、音楽の完成度の点で遜色があるとしたら、それはそれと認めなければならない。スキタイ組曲、「ルル」そして悲愴と、これまで期待されながら映像ソフトとしては接することのできなかったアバドの重要なレパートリーを、ようやくその指揮姿とともに聴けるようになったのは有難いが、これがVPOかBPOだったらな…という気がしなくもなかった。しかしそれぞれの作品のクライマックスでは、生き生きとした音の波に呑まれるようで、そうした迫力ではさすがに祝典的な場に相応しい、若い世代の音楽家達ならではのノリと感興の盛り上がりが聴ける。なまじなプロの冷え冷えとした演奏よりはよほど魅力的。スキタイ組曲はCSOとのDG盤以来だが、異様な大編成の豪快な曲でもあり、残念ながらDG盤のサウンドは精緻にまとめられたもので、演奏そのものは見事なのに、スピーカーから聴こえてくる音には今ひとつ迫力が無かった。このDVDはそれらの反証として有利。ルル組曲はLSO、VPOとの録音がともに見事で、第一曲の始まりから惹き入れられる官能美と、むれるような香水の薫香を思わせる音色が聴きものだった。今回のDVDでは何だかテンポが上がった分、あまりにスイスイと流れが良すぎて、期待したほどの感激は無かった。アバドの指揮ぶりもソツがなく、スムースだが味の濃さでは以前の名演より聴き劣りがするような… それに組曲ではルルの「死の叫び」は無い方がいいと思うのだが。悲愴は1970年代録音のVPOのDG盤の清々しい感動よりも更に成熟し、重厚になった音楽作りが聴けるが、個人的にはDG盤の方が好み。ソニー盤は録音がひどかったし、演奏も曖昧な雰囲気だったが、今回のDVDは、最近出たザルツブルクライブのBPOとの演奏とともに、もう一度聴き直してみたい。しかし悲愴の最後も照明を落とすのはどうかな? マーラーの第九のフィナーレならまあ何とか分かる気もするのだが、悲愴にまでこの演出は… と思わなくもない。いずれにせよ重要な曲目のアバドの指揮ぶり、熱く厚い、濃いタイプの演奏がお好きな方には勧められる。興奮度は高いが、感激と興奮とは異なるし、総合評価としては普通。

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