「あなたのそのギター、泣いてますから（斬り）」今月の洋楽の森からオススメする必聴の5枚とは？

【第22回】あなたのそのギター、泣いてますから（斬り）。

今月は、わくわくポップスランドが超注目する新星トム・ミッシュのデビュー・アルバムから。ビートメイカー/プロデューサー/シンガーソングライターの三刀流にして抜群のメロウネスをたずさえた歌とギターは、リスペクトしてやまないジョン・メイヤーを彷彿させますね。J・ディラの音楽に心酔し覚醒したビートセンスもごっつ洒落てます。この夏の来日がめっちゃ楽しみっす。

続いて、昨年他界した CAN のホルガー・シューカイの宝箱ボックス。しかしこのジャケ（ロゴ）可愛い過ぎません？ 内容も5枚組CD＋DVDと超ボリューム。ソロ代表曲からシュトックハウゼン（師匠）、ヤキ（同僚CAN）らとのコラボ曲や自ら出演した映画のサントラ等収録に加え、36Pに及ぶブックレットも写真満載で最高です。

お次は、このコーナーで何度も取り上げている至宝のレーベル、スウィート・ドリームスより素晴らしくドープな2作品を。まず、新世代シカゴシーンの顔役的プロデューサー、クーパー・クレイン率いるスペースエイジ・フリークアウト・トリオ、ビッチン・バハスのニューシット。ばっちり飛べます。ミックスはジム・オルーク。

もう1枚は、フランスからアリゾナ州に移住しマイペースに活動する、ゲイブリエル・ナイーム・アモール（旧ナイーム・アモール）の新作。ロマンスたっぷりに奏でられるギターの一音一音が、愛おしくて美しい。砂漠にひっそり咲く一輪の花のような佇まい。

ラストは、先月取り上げたカルロス・アギーレと親交が深い、アルゼンチン音楽シーンの最高峰ギタリスト、キケ・シネシの新作。自らのルーツであるクラシック〜ジャズ・ギターを下敷きにしながら、多様なスタイルを折衷した流麗で滑らかなトーンで綴られる旋律の数々に心を奪われます。

それではまた来月お会いしましょう。