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「恋したい、恋したい、恋したい。」バイヤー寺町 今月はベック、ジャミーラ・ウッズを推薦
2017年10月04日 (水) 17:00
|HMV&BOOKS online - Rock & Pop
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HMV渋谷をはじめ計13店舗の勤務を経て現在は本社にて洋楽バイヤーを担当する寺町知秀が洋楽の森からオススメ作品をピックアップするコーナー「わくわくPOPSランド」。社内外から信頼を集める生粋の洋楽バイヤーが今月紹介する良質ポップスとは?
【第17回】恋したい、恋したい、恋したい。
この連載の命題であるわくわくするポップスを聴くことは、疑似恋愛体験を求めているとも言えます。今をときめく星野源の大ヒット曲も「恋」だし、ビギン「恋しくて」、ザ・フー「恋のピンチヒッター」etc…と、恋がつく曲って数えきれないくらいありますよね。そしてベックもまた、恋を原動力にするアーティスト。サード・アルバム『ミューテーションズ』は、当時のベックの恋人が前2作の『メロウ・ゴールド』と『オディレイ』を気に入らなかったので、彼女の好みに従って制作されたというのは有名な話。
とりわけ洋楽においてはバンド不毛の時代と言われ、“ロックがかつてのようにセクシーなものではなくなってしまった”とトレント・レズナー(ナイン・インチ・ネイルズ)も嘆くほど悲壮感漂うシーンに放たれたこのベック『カラーズ』は、そんなバンド不毛の時代つゆ知らずな痛快作。全篇にファンキーなカッティングギターが爽快に鳴らされる、タイトル通りカラフルでパーティー感満載なポップナンバーが咲き乱れています。「UP ALL NIGHT」なんてベック史上サイコーにキャッチーなナンバー。そしてやはりここでも、恋に落ちる高揚感を歌ったアップリフティングな「Seventh Heaven」を聴かせてくれるし、ベック・ハンセンにとってのモチベーションはやっぱり恋なんですよ。
今月のもう1枚はチャンス・ザ・ラッパーとのコラボレーションで注目を集めた、シカゴの若きネオソウルシンガー、ジャミーラ・ウッズ『HEAVN』を。そのチャンス・ザ・ラッパーや地元同世代の盟友ノーネームらが参加した『HEAVN』は、昨年フリーDLで発表され各所で絶賛されましたが、このたび晴れてフィジカル化。エリカ・バドゥを思わせるセンシティヴでいて芯の強さがあるしなやかな歌声と、どこかシャーデーのような都会的で洗練されたブラック・コンテンポラリー・フィーリングを兼ね備えたブライテスト・ホープがまたまたシカゴから登場してきました。ボン・イヴェールやシャロン・ヴァン・エッテンらが所属する、フォーキーなインディ歌もの作品の宝庫 Jagjaguwar からのリリースというのも時代の潮流を感じますね。
それではまた来月お会いしましょう。
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寺町知秀(てらまち ともひで)
1999年にHMV渋谷入社。HMV立川など7店舗で店長を務め、計13店舗の勤務を経て現在は本社にて洋楽バイヤーを担当。
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