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HMVインタビュー:Large Professor

Wednesday, June 24th 2009

interview

Large Professor

俺のヒップホップ・サイエンスは、できるだけニューヨークのストリートなフィーリングを音楽という形にすることだね。

--- 今回のリイシューにあたり、アルバムには「Amaman」、「Queens Lounge」、「Bowne」、「Big Willie」といった未発表曲が追加収録されています。これらはどの時期に録ったどういう位置付けの曲なのでしょう?

これらの曲はもともと『The LP』を作っていた93年から95年ごろにレコーディングしたんだ。でも未完成のリリックやらラフなミックスやらで、あの当時は発表を控えてたんだ。でも最近になって昔のデモを聴いたら、ポテンシャルがあるなと感じたので、完成させて磨きをかけて、今回のプロジェクトに加えたいと思った。これらの曲はこのアルバムのその他の曲と一緒によく聴いてたし、ただ完成させてなかっただけなんだ。そして今やっと完成したのさ!

--- 『The LP』の収録曲中で最も気に入っているビートはどれになりますか? その理由も含めて教えてください。

一番気に入っているビートは「Large Pro Verbs」かな。僕の相棒Vanがちょうどビートメーカーとしても上達した頃で、そうやって彼がステップ・アップするのを見るのは良かった。

--- 『The LP』制作当時のあなたの制作環境/使用機材を教えていただけますか?

EMU SP 1200 とAKAI S 950。とにかく家の地下室に大量のレコードとDJの機材があったんだ。

--- 同様に、アルバム中で最もお気に入りのリリックをあげるとしたらどれになりますか? その理由も含めて教えてください。

一番気に入っているリリックも「Large Pro Verbs」なんだ。ちょうどそのころ自分自身、聖書にはまりだしていて、だから自分なりの格言(Proverb)が書けたのが良かったね。あのリリックの言葉は永久的に生き続けると思う。

--- 『The LP』がお蔵入りになったことは、以降のあなたのキャリアにどのような影響を与えていますか?

キャリアという意味では打撃だったね。業界の人は、みんな俺がちゃんとした仕事をしなかったと思ったんだ。そしてそういう定評が下されてしまうと、この業界から追放されかねないからね。でも音楽自体は何の影響もなかったよ、ただ政治的な部分だけだね。

--- 『The LP』はあなたのキャリアにおいてどのような意味を持つ作品だと考えますか?

初のソロ・アルバムの試みだったわけだから、すごく重要な位置を占めているよ。それに音楽業界のルールも学んだしね。

--- 細かい質問になりますが、「Intro」や「That Bullshit」でスクラッチを披露しているのは誰ですか? ひょっとしてRob Swiftですか?

いや、あれは俺だよ。

--- そのRob Swiftに以前インタビューした際、彼が「Large Professorの言われた通りにやるとなぜか必ずタイトになるんだ」と語っていたのが非常に印象深かったのですが、Large Professor流ヒップホップ・サイエンスの奥義を端的に言うならば、それはどんなものになりますか?

俺のヒップホップ・サイエンスは、できるだけニューヨークのストリートなフィーリングを音楽という形にすることだね。

--- 最後に今後の予定について詳しく教えてください。昨年には『1st Class』から6年ぶりの新作『Main Source』をリリースしていますが、また近々アルバムを制作するプランはありますか?

そうだね、新しいレコーディングはする予定だよ。新鮮でドープなビートやライムを作るのは大好きだからね。

新譜The LP
Main Sourceの中心人物として知られ、プロデューサーとしても数々の名曲を生み出した、レジェンドLarge Professorがグループ離脱後、メジャーのGeffen/MCA Recordsと契約、シングル「The Mad Sicentist」「IJUSWANNACHILL」をリリース、96年にアルバムとして発表するはずだったもののGeffen倒産の為、お蔵入りしていた、あの幻の1stソロアルバムが遂にオフィシャル・リリース!弟子とも言うべきNasとの「One Plus One」、90年代のNYの匂いプンプンの「Funky 2 Listen 2」など涙なくしては聴けない曲のオンパレード。しかも、門外不出な鬼レア・デモ音源も加えた、完全盤という形でのリリースです!
profile

DJプレミア、ピート・ロックらと並び90年代のヒップホップ・シーンを代表するプロデューサー/ラッパー。ヒップホップ界の偉人ポール・Cに師事してプロダクション・スキルを学び、エリック・B・アンド・ラキムやクール・G・ラップ・アンドDJポロらの作品に関与。メイン・ソースの一員として91年に名盤『ブレイキング・アトムズ』をリリース。グループ脱退後はソロとして活動し、Nasのデビュー・シングル「Half Time」を始め、トライブ・コールド・クエスト、コモン・センス(現コモン)、ピート・ロック、バスタ・ライムスらの楽曲をプロデュース。今でも現役で活動し、その人気は衰えることがない。

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