hitomi interview 3

大きく比較すると『LOVE LIFE』の時は、独身だったんですよね。今の『LOVE LIFE2』は結婚して子供ができてっていう変化があって。一人の人間としてもそうなんですけど、一人の女性として、大きく人生の中で何かが明らかに変わった。自分で変えようとする変わり方ではなく、絶対的に何かが変わるんだろうなっていう時期な気がしたんですよね。2000年に作った『LOVE LIFE』と比較すると、顔つきで言えば“女の子”“GIRL”な所から、“女性”という所に大きく変化しているというか。約10年の月日が流れてますけど、その中で感じてきて、本当に脱皮をする寸前が今、ちょうどそんなタイミングが今なんですよね。『LOVE LIFE』っていう言葉の意味として、「愛ある日常、生活、生き方」っていうところで、それは死ぬまでずっと掲げていたいテーマです。あの頃の、自分の事ばっか考えてた頃も幸せであり『LOVE LIFE』だったんですけど、今は、誰かを思う喜びとか、、全部含めて、あの頃と違った形の『LOVE LIFE』に変化している。

そうですね。捉え方が、今とあの頃とでは違いますね。あの頃に分からない事はやっぱりいっぱいあったし、わかんないなりに一生懸命やってた自分もいて。

そうですね。やっぱりお客さんを近くに感じながらやりたいっていうのはありますね。

どうですかね。あの頃の曲をまた歌うと自分がどんな感覚になるんだろうっていうのは楽しみですね。 これは余談かもしれないですけど、うちの副社長が「オレはお前の『LOVE LIFE』って曲が好きなんだよな」って言うんですよ。作り手側からすると、随分昔に感じているし、だけど、その頃の曲を今でも聴いて「良いんだよな」って言われると、何か不思議な気持ちになるというか。だから、ずっと音楽って生き続けるのかなと思いますね。

そうですね。すごい孤独だったと思うし。今は今で、孤独なときは孤独なんですけど。でも何か“強いもの”があるかな。今は。ぶれない何かが。 「ぶれないわよ！」って強がってぶれないんじゃなくて、自然にぶれない。過去の『LOVE LIFE』の時の自分は、ぶれないように頑張ってた。「ぶれてたまるか」みたいな。

弱い自分を認めながら、生きれるようになった事は大きいかもしれないですね。強がるだけじゃなくて、「こういう所ダメなのよね」って。 たとえばやっぱり子供といても、泣きたくなるときとかもたまにあって、そういう時は素直に泣いちゃう。でも過去の自分だったら泣かないように我慢をしている気がして。

ひとつきっかけでいうと、『悪夢探偵』という映画に女優としてチャレンジした事があったんです。女優業というのは、自分にとって未知の世界で。 自分が歌を歌うっていうのは、自分のやりたいようにできる。でも女優っていうのは、その真逆で、誰かが誰かを動かすというか。今までは自分で自分を動かしていたのに、誰かの指示でその役に徹しなくてはいけない。そこが全然それまでと違ったので、まずhitomiを捨てなくてはいけないところから始まって・・・ もう十何年hitomiで来ちゃったから、鎧が硬すぎちゃって、 本来のhitomiじゃないところの一人の人間としての部分がすごい奥の方に行っちゃってて。要はhitomiだったら泣かない。だけど役では泣かなきゃいけない。その泣くっていう所まで、たどり着くまですごく大変なんですよ。ｈitomiをやってた分。 そういうことも一つきっかけでしたね。 感情をあらわにする。hitomiを捨てて挑まなければいけない。それを女優の世界でこれからももっと深めていきたいです。

多くの人々がいて、色んなきっかけで、私に触れてくれる人がいて、共に生きてるって事ですかね。