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【最終回】 はじめてのジャズ 高平哲郎さん

Thursday, January 17th 2008


最終回
「ジャズをBGMにした映画って結構あったんだよ」

高平哲郎

いよいよ最終回。
第2回に引き続き、高平さんのフェイヴァリットをご紹介します。

ここでは、「ジャズと関係の深い」映画作品をテーマに、
DVDを主にしたセレクトをしていただきました。

「スピルバーグの「ターミナル」って映画あったろ?
あの映画の中でさ、英語の通じない男が、自分の父親が共演した、ベニー・ゴルソンとか、セロニアス・モンクとかっていうジャズ・ミュージシャンを、写真だけを頼りに会いたがってくるっていうのがあるんだけど。」


「その時に、彼のトランクの中から、ミュージシャンの写真が沢山出てくるんだよ。その中の1枚のモンクの写真がさ、DIG(新宿のジャズ喫茶)のマスターの中平(穂積)さんが撮ったものだったっていう。モンクの息子が持ってたんだな」

こんなこぼれ話、そうそう聞けませんよ!
そのほか、高平さんのお話の中に出てきた作品も
できるかぎり掲載してみましたので、併せてご覧下さい。

最後に、高平さん、ほぼ日のスタッフの皆さん、ご協力ありがとうございました。

Movie『死刑台のエレベーター』  Movie 『死刑台のエレベーター』

パリでモダン・ジャズが大流行している最中に出た映画。

マイルスがフランス人のミュージシャン達と一緒に演っていて、
映像をどんどん見せて、
その映像に合わせてマイルスが雰囲気で音を付けるっていうのが
この映画のスコア。

映画もイイけど、
マイルスのトランペットもすごくイイよね。

ゴダールの「気狂いピエロ」に
モンクの曲が入ってきたりとか、
ヌーヴェル・ヴァーグの監督って結構モダン・ジャズを意識していたんだよ。


CD版「Nuit sur les Champs-Elysees」が視聴できます♪

Movie  『アメリカ交響曲』   Movie 『アメリカ交響曲』

コレはジョージ・ガーシュウィンの生涯を描いた伝記映画。

勿論タイムリーで観ていないんだけど、
昭和20年代にガーシュウィンの映画を観て
ミュージシャンを志したってヒトは結構いたっていう話をよく聞いたよ。

例えば、「網走番外地」なんかをアレンジしてた
八木正生さん(日本のジャズ創世記に活躍した
ピアニスト/作曲家/アレンジャー)とかさ。                                      


   

Movie 『恐怖のメロディ』  Movie 『恐怖のメロディ』 

原題は『Play Misty For Me』って言って、
クリント・イーストウッドの初監督作品。

この映画には、モンタレー・ジャズ・フェスティヴァルのシーンが出てくるんだよ。だから、ジミー・ジュフリーや、ディジー・ガレスピーなんかが出ててさ。

彼は、ディスク・ジョッキー兼ディレクターの役で、
放送の最後に毎晩視聴者の女から
「エロール・ガーナーの「Misty」をかけて」ってリクエストが来て...
とある日に、出来心からその女と一夜を共にして以来、
女の態度が常軌を逸してくるっていうストーリーでね。

『危険な情事』はコレをパクったって言われたんだよ。

で、クリントがモンタレー・ジャズ・フェスを取材に行くシーンがあるんだけど、
これが延々とあってさ。20分ぐらいあるんだよ(笑)。
そのアングルが『真夏の夜のジャズ』そっくりなんだよな!                                                                             


               

Movie『黄金の腕』   Movie 『黄金の腕』

これは、エルマー・バーンスタインが音楽を担当している作品。
「荒野の七人」なんかもやっていて、
別にジャズとは関係ない、白人のヒトなんだけどさ。

でも、音がわりとモダン・ジャズ風だから、選んでみたという感じで...
音楽自体は、ヒットパレードの中でも流行ってたんだよね。

ジャズをBGMにした映画の中でも、これは特にオススメ。




Leonard Bernstein / Bernstein On Jazz What Is Jazz?  Leonard Bernstein
   『Bernstein On Jazz What Is Jazz?』 (Sony)

要するにコレは、
バースタインが「ジャズとは何か?」っていうのを、
子供達を集めて解説と演奏をしてるライヴ盤なんだよ。

ジャズの源流になっているベッシー・スミスとかのブルースの音源なんかを
聴かせて紐解いたりしているわけ。

当時のLPには日本語の解説が付いてて、
それを読みながら、っていうのがホントは誰にでも分かるんだけどね

ダニー・ケイがこの作品を意識して作った
「クラシックとは何か?」っていうのがあって、
それも素晴らしいんだよね。

「What Is Jazz, Pt. 1 (Types of Jazz - Jazz Elements)」が視聴できます♪


そのほか、高平さんのお話の中に出てきた作品は

まだまだありました。高平さんのお気に入り。
今回惜しくも「次点」扱いとなってしまいましたが、本当に素晴らしい作品ばかりです。
中には、お気に入りではないものもあるようですが、
とにかく高平さんの口から出てきた作品を
できるかぎり拾ってみましたので、最後にこちらをご覧下さい。 

Sarah Vaughan 『At Mister Kelly's』   Sarah Vaughan 『At Mister Kelly's』(Verve)

サラ・ヴォーンが
ロスアンジェルス・フィルハーモニーと演ってるアルバム
(『ガーシュウィン・ライヴ!』。現在廃盤。)があるんだけど、
その中の「ガーシュウィン・メドレー」と、「ポーギーとベス・メドレー」が
ものすごくいいんだよ。

でも、この『At Mister Kelly's 』もいいんだよな。



「How High The Moon」が視聴できます♪

Charlie Parker『Jazz At Massey Hall』   Charlie Parker 『Jazz At Massey Hall』(Debut)

これは名アルバムなんだよ。

パーカーのほかに、マックス・ローチがいて、クリフォード・ブラウンがいて、
ディジー・ガレスピー、チャーリ・ミンガス、デューク・エリントンもいる。
すごいアルバムなんだよな。
巨人達が集まってさ。

まさに今、ビ・バップが生まれた!って感じで。

でも、オレなんかは当時聴いて全然面白くなかったんだよな(笑)。  



「A Night In Tunisia」が視聴できます♪

美空ひばり『Love! Misora Hibari: Jazz & Standard Complete Collection 1955-66』  美空ひばり 『Love!:Jazz & Standard Complete                   Collection 1955-66』(Columbia)

あ!美空ひばり入れよう!

と思い立った高平さんでしたが、
お話しはいつの間にか、フランキー堺とシティ・スリッカーズに。
結局は・・・

やっぱり、美空ひばりはやめよう。
(セレクトが)気取った感じになっちゃう。



「スターダスト」が視聴できます♪

日野皓正『Hi-Nology』   日野皓正 『Hi-Nology』(Columbia)

「白昼の襲撃」ってある?
日野さんが演ってる。

この曲は、当時シングルで出て、
チャートのベスト15位ぐらいに入ってさ。
ようするに「Watermelon Man」と同じで、(テーマが)16小節で、
14小節目にブレイクがくるんだよ。
当時流行ってたジャズ・ロックのスタイル。

このアルバムってのはね、
日野さんがマイルスみたいに電気楽器を取り入れたんだよ。
・・・失敗作だよ(笑)。

西村潔って監督の(同名)映画に、使われてんだよね。



「白昼の襲撃」が視聴できます♪

Soundtrack 『黒い太陽 / 狂熱の季節』   Soundtrack 『黒い太陽 / 狂熱の季節』

日活の『黒い太陽』ってある?

これは、音楽をマックス・ローチとアビー・リンカーンが演ってるんだよ。

映画は、川地民夫と、
チコ・ローランドっていう変な黒人が出てて。

つまんねぇ、映画だった(笑)。 


Soundtrack『ハンナとその姉妹』   Soundtrack 『ハンナとその姉妹』(Universal Victor)

これもサウンドトラックだけど、
ジャズのアルバムとして、すごくいいんだよ。

『マンハッタン』と同じで、
監督はウディ・アレン。

持ってたんだけど、なくしちゃってさ(笑)、
最近、中古で買ったんだよ、コレ。  



Movie『モ'ベター・ブルース』  Movie 『モ'ベター・ブルース』(Columbia)

監督は、スパイク・リーね。
これも悪くないんだよ。

コルトレーンの「至上の愛(Love Supreme)」が、
BGMになるなんて、さすがに思わなかったんだよ。
マンハッタンの橋を車で渡ってるシーンかなんかでさ。

ほかにも、キャノンボールの「Mercy、Mercy、Mercy」だったり。

そういう各シーンでの使われ方とかが、すごい面白かったね。  



Movie『バード』   Movie 『バード』(Columbia)

コレと、レイ・チャールズの『Ray』は、
別に急いで買うこともないと思うけど(笑)。


上掲の『恐怖のメロディ』と同じく、
筋金入りのジャズ・マニアであるクリント・イーストウッドが
監督を務めた映画です。

ジャズ・ミュージシャンとしての
下積み時代を送っていたクリントが、
10代の時に目の当たりにしたチャーリー・パーカーの独創的で驚異的な演奏。
そのことを、40年余り忘れることができず、
1988年、遂にその秘密に迫るべく映画化に踏み切りました。

彼は後にこう語っています
「アメリカがもっている独自のアートは、ウエスタン映画とジャズだけだ・・・」  





> 第1回「60年代のジャズ喫茶でよく耳にしたものを」
> 第2回「当時最初に聴いたまんまのモノを聴きたい」
> 第3回「山下さん、タモリさんによるはじめてのジャズ」


・「はじめてのジャズ 2」のイベントに足を運びました

中州産業大学&ほぼ日刊イトイ新聞 presents 『はじめてのJazz 2』   中州産業大学&ほぼ日刊イトイ新聞 presents 『はじめてのJazz 2』


去る11月26日、昭和女子大学人見記念講堂で開催された『はじめてのジャズ 2』。
前回同様、超満員となった客席を前に、糸井さん、山下さん、タモリさんが、「ジャズの歴史」をテーマにした、「タメになる」トーク、さらには、思わず唸ってしまう素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

年代、スタイルごとの代表プレイヤーや、その名曲、名盤を、演奏を交えテンポよく紹介しつつも、ところどころでしっかり「脱線」してくれるあたりは、さすが、このイベントならではのもの。あっという間の3時間でしたが、この夜、「ついにジャズの楽しみ方を発見した!」と心の中で叫んだ方も多かったことでしょう。

また、タモリさんの70年代の伝説のネタ、「中洲産業大学のタモリ教授」を目の当たりにできたのには、とても感激しました!

このイベントの様子は、バックステージ風景を含めた、会場作りの模様からエンディングまでを事細か(!)に追った
「ほぼ日刊イトイ新聞」のサイトでご覧になれます。是非アクセスしてみてください。

> 「はじめてのジャズ2」イベント内容はこちら



・「はじめてのジャズ」とは?

中州産業大学&ほぼ日刊イトイ新聞 presents 『はじめてのJazz 2』


糸井重里さんが編集長を務める「ほぼ日刊イトイ新聞」が、ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんとタモリさんを講師に招き、ジャズに興味はあるんだけれど、その「入り口」が見つからなかったり、どうしても敷居の高さを感じて二の足を踏んでしまう、そんな人達に向けておくるジャズ・イントロダクション企画。それが『はじめてのジャズ』。2005年3月に行われた生演奏と解説、さらにはQ&Aコーナーなどを交えてのイベントは、700人に及ぶ客席からの感嘆の声、笑い声、鳴り止まぬ拍手の渦に終始包まれる盛り上がりを見せました。

その大成功のイベントの構成を担当したのが、高平哲郎さん。コピーライターから、創刊当時の『宝島』編集員などを経て、その後、構成作家、スーパー・バイザー、作詞家など様々な肩書きでTV、音楽、映画、演劇などが最も活気のあった時代の文化・流行を生み出してきた高平さん。
そんな高平さんの「お眼鏡にかなった」、ジャズ入門編に相応しい「はじめてのジャズ」ディスク・セレクション。

当時のLP購入時の思い出や懐かしきジャズ喫茶四方山話を交え、「こんな感じのなかなか選べないよ(笑)。」と自讃しつつも、「比較的メロディの良いものばかりだから、入りやすいと思うよ。」といった気配りも忘れない高平さん。
「モダン・ジャズっていう匂いだけで纏めた方がいいかなって思ってこの辺にしたんだ。」

こちらでご紹介したアルバムが、あなたにとってのジャズの「おたのしみ」の最高の入り口になっていただければ幸いです。


  

今回、高平哲郎さんにお聞きしたおすすめCD取材のようすは、「ほぼ日」サイトでも「ほぼ日」バージョンとして掲載されていますので、そちらもお楽しみください!

> 「ほぼ日 はじめてのJAZZプロローグ」第10回 ジャズのCDがいっぱいあるところ

> 高平哲郎さんインタビューはこちら


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