Wednesday, October 24th 2007

 デビュー10周年、新たな軌跡を歩むべくシングル『超える』リリース!
  GRAPEVINEインタビュー! 2/2

―インタビュー続き―

アナログフィッシュ / Rock Is Harmony
アナログフィッシュ / Rock Is Harmony
Tobaccojuice / Happy Rebirthday
Tobaccojuice / Happy Rebirthday
髭(HiGE) / Chaos In Apple
髭(HiGE) / Chaos In Apple

-先ほど前の発言で、亀井さんがアナログフィッシュのことを挙げていらっしゃいましたが、最近のバンドでいいなって思えるバンドって?

亀井「1-2年前に若手のバンドと対バンでライブを演った時があるんですけど、その時共演していたバンドはみんな良かったですね。アナログフィッシュ、Tobaccojuice、髭(HiGE)とか」

-そういうバンドのみなさんから先輩扱いみたいなのはされます?

亀井「されますね。“昔聴いてました!”とか。“高校生のときに聴いてました!”とか」

-そういうこと言われるとなんか違和感を感じたりしませんか?

亀井「嫌ですね(笑)。嬉しいんですけど、何か不思議な感じです。でもまあ最近は慣れてきました」
西川「そこから初対面で話が始まると会話が続かないですよね。“聴いてました!”って言われても、“あ、ありがとうございます”、で終わりですから(笑)」
田中 「膨らませようがないもんな、そういうのって」

-でもまあそう言われると、長く活動を続けて来たんだなという実感が沸いて来ますよね?

田中「そうですね。実感せざるを得ないですよね」

-やはりそのキャリアというものを背負って活動しているというものを意識せずに活動していきたいという気持ちが強いんですかね?

田中「そうですね。あと、やはり、うちらはばしっとわかりやすいことをやっているバンドでもないので。いわゆる明確なフォロワーとかも現れ難いバンドだと思いますし。だから、客観的に見て、こういうバンドがいてもいいんじゃないのかな、って思いますけどね」

-それでは逆に、今後のことや未来を見据えて活動していくということを考えたことはありますか?

田中「あんまりないですね。10年前も、10年後のことを考えてもみなかったから。その頃は “俺たち続いているか?続いていないか?”とういことすら想像しなかったです

-それでは、10周年という区切り以外で今までバンド活動をしながらある地点で区切るということはしたことがあるんでしょうか?ライブが終わった、レコーディングが終わった、のようなタイミングで。

田中「あんまりないんですよね。こうやって時間がたって振り返れば、“あ、ここで一つの節目があったんだ”というような、ある程度の区切りをつけることが出来るのですけどねやっている時はあまり感じないんです。その10周年というのも、去年の終わりぐらいから、“来年デビュー10周年ですね”と人から言われて、だんだんそういう気分になってきたという感じで。それでようやく、“じゃあ、記念ライブでもやろうか”ってなったんですよ。それでやっと感慨深い思い出に浸ったというかんじですかね。“あー、この日にデビューしたんだぁ”っていう感じです」

-“ここまで辿り着くことが出来たんだ”という感覚ですか?

田中「いやいやそういうのではなくて。“10年前の今日がデビューだったんだ、おめでとう”みたいな感じですよ(笑)。ほんと。あんまり、だから、区切れてないですよ。『超える』のタイトルをつけたりするときも頭の中では考えるんですけど、作品をレコーディングしてるときにはそういう意識は全く無いですね」

-なるほど。それでは今後の活動のことに関してお聞きしたいんですが。

亀井「今度、12月に民生さんのライブに出るんですよ(※奥田民生主催「DOUBLEHEADER @ZEPP LEAGUE」にて『奥田民生 vs GRAPEVINE』としてzepp福岡でライブ)。「ユニコーン・トリビュート」のアルバムに参加しているので(※『超える』同日発売のアルバム。GRAPEVINEは「ニッポンへ行くの巻」をカバー)、その縁でライブをという感じで」

-今まで民生さんと共演したことはあるんですか?

田中「僕は一人で出させてもらったことがあります」
亀井「縁はありますね。民生さんのバックでやっている根岸さん(根岸孝旨)とか長田さん(長田進)にプロデュースしてもらってますし。エンジニアが一緒だったりして」
ユニコーン・トリビュート
Various / ユニコーン・トリビュート

-『ユニコーン・トリビュート』に参加してみて、ユニコーンの楽曲(「ニッポンへ行くの巻」)をカバーしてみての感想は?

田中「楽しかったですよ。曲選びも“学園祭で何を演奏するか?”を決めているような感覚で(笑)。最初に、“民生さんのほうにしますか?ユニコーンのほうにしますか?”って聞かれた時に、参加ミュージシャンのリストを見せてもらったら、民生さんカバーのほうが多かったんですよ。なので、僕らはユニコーンにまわって。で、色々ユニコーンの楽曲を聞いて、面白くなりそうな曲ということで決めましたね」
亀井「アレンジをして面白くなりそうなものでという」
田中「それと、“民生さん作詞作曲の曲を選ぼう”という取り決めはしていましたけど」

-聴きどころを教えてもらえますか?

亀井「原曲と聞き比べてもらいたいですね。全然違うので。それが面白いかと思いますね」

-それでは、『超える』が出たばかりでこのようなことをお聞きするのもなんですが、“もうアルバムが出るんじゃないの?”なんていうファンの期待も膨らむんですが…。

田中「レコーディング中です。はい(笑)」
亀井「でも年内には出ないですよ。来年ですね」

-このようなリリースペースを、コンスタントに続けていく中で、創作活動にあたっての壁にぶち当たるようなことはないんですか?

田中「個人個人ではジレンマはあるとは思うんですけど。うちのバンドはみんなで作ってるので、その辺は助かってる感じだと思います」

-それでは、メンタル的なところも含めて、誰かが凹んでいたりするときは、誰かが“イケイケ!”となるようなバランスがあると?

田中「いや。むかしっから “イケイケ!”という感じになりにくいバンドなんです。リーダーシップを取る人がいないからかなりゆるーい感じで進んでいきますね

-誰かしらが、“やってやるぜ!”みたいにメンバーを鼓舞したりもない感じですか?

田中「もうそんな、“やってやるぜ!”とまでも盛り上がらないですよ(笑)」

-それでは『超える』今までの活動の延長線上であり、さほどバンド内の変化はないという感じですか?

田中「テンションは変わりませんけど、試したいことややりたいことが沢山出てきますね。この曲をライブで演って行けば変わって行くと思います」

-マイペースな部分を保ちながら、道を切り拓きながら、演って行くものを新に掴みつつ進んで行っているということでしょうか?

田中「まあかっこよく言うとそうですけど。そういうモチベーションは無くなる物じゃない気がしてて。だから、“イケイケ!”もないし、停滞することもないと思います」

-自分たちの音楽が与える影響力に可能性を見出しているという意識はありますか?

田中可能性は信じていますけど。ただその、むかしっから、音楽で何かを変えてやろうとかは思ったことがなくて。だから、僕らはあまりやっきにならないのかもしれません(笑)」

-それでは最後に、『超える』リリースにあたって、ファンのみなさんに一言お願いします!

田中「聴き応えのある3曲だと思います。3曲セットで聴いてもらえると嬉しいです。今後の作品もレコーディング中なので楽しみにしていてください」

-ありがとうございました!  

 

 

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