TOP > Music CD・DVD > News > Classical > Chamber Music > 追悼、トマス・カクシュカ

追悼、トマス・カクシュカ

Tuesday, July 26th 2005

追悼、トマス・カクシュカ

アルバン・ベルク四重奏団のヴィオラ奏者カクシュカ氏が、7月4日にウィーン市内の病院でなくなりました。ご冥福をお祈りいたします。

 トマス・カクシュカは1940年ウィーン生まれ。1952年よりウィーン大学で、エディト・シュタインバウアー、フランツ・サモヒルに師事。優秀な成績で、ディプロマを取得。卒業後はウィーン・ゾリステン、ヨーロッパ弦楽四重奏団のリーダー、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の第一首席を歴任、同時にウィーン弦楽三重奏団のメンバーを務めました。
 1981年、結成以来アルバン・ベルクQの奏者であった、ハット・バイエルレの後任として加入。これからABQの第3期が始まり、現在に到っています。

 その最も初期の録音はベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集で、その後、H.シフを加えたシューベルト:弦楽五重奏曲、「死と乙女」&「ロザムンデ」、ドビュッシー&ラヴェル、初のピアニストとの共演盤となった、レオンスカヤとのシューベルト:「ます」。そしてなんと言ってもバルトーク:弦楽四重奏全集は、きわめて高度なテクニックと洗練された節回し、類まれなバランス感覚をもってした緊迫感みなぎる強烈なスタイルが特徴で彼らの代表盤とされています。
 また、アマデウスQがケルン音楽大学で後進の指導をしていたのを引き継いだ縁から、パリで行われたピーター・シドロフの追悼コンサートで行われたブラームスの弦楽六重奏曲第2番では、アマデウスのメンバーと共演、ライヴの白熱感とともにこの作品の決定盤といえる名演奏を繰り広げています。
 アルバン・ベルクQ以外との演奏では、彼らが育てたベルチャQのブラームス・アルバムに収録された弦楽五重奏曲第2番に第2ヴィオラ奏者として参加したアルバムがありました。ここでも、弟子たちと真摯に共演するカクシュカの演奏が忘れられません。

 近年では、現代音楽シーンでもソロ作品やアンサンブルの奏者として活発なコンサート活動を展開していたカクシュカですが、今年になってからは体調が思わしくなかったようで、春のアルバン・ベルク四重奏団としての来日公演にも、病気療養のため参加できず、弟子のイザベル・カリシウスが代役として参加、彼の復帰がファンの間で心待ちにされていたところだっただけに、残念でなりません。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

Chamber MusicLatest Items / Tickets Information

* Point ratios listed below are the case
for Bronze / Gold / Platinum Stage.  

featured item

Comp.string Quartets: Alban Berg Q

CD Import

Comp.string Quartets: Alban Berg Q

Bartok (1881-1945)

User Review :4 points (10 reviews) ★★★★☆

Price (tax incl.): ¥1,540
Member Price
(tax incl.): ¥1,340

Release Date:08/November/2002

  • Deleted

%%header%%Close

%%message%%

featured item

Brahms:String Quartet Complete

CD

Brahms:String Quartet Complete

Brahms (1833-1897)

User Review :3.5 points (5 reviews) ★★★★☆

Price (tax incl.): ¥2,409
Member Price
(tax incl.): ¥2,217

Release Date:02/March/2005

  • Deleted

%%header%%Close

%%message%%

FEATURED TITLE