ゲーベル&ミュンヘン放送管/モーツァルト:『グラン・パルティータ』管弦楽版、他
2026年02月25日 (水) 18:00 - HMV&BOOKS online - Classical

モーツァルト名作『グラン・パルティータ』が同時代人の手で協奏交響曲に変貌、
ゲーベルこだわりの再録音が登場
古典派の時代は楽譜出版が一層の広まりを見せた時期。モーツァルトの作品に目を付けていた出版業者アンドレは、モーツァルト没後、未亡人コンスタンツェと楽譜出版の契約を結び、革新的な印刷機械を発明したアロイス・ゼネフェルダーと作曲家フランツ・グライスナー[1761-1818]を雇って1800年には早くも20作品を出版しました。このオーケストラ版『グラン・パルティータ』もそのひとつ。出版に際してグライスナーは、1800年頃の標準的な管弦楽編成(弦楽合奏、フルート1、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2)のために管楽合奏の傑作『グラン・パルティータ』を編曲し、新たな「協奏交響曲」として仕立て直しました。
指揮者のゲーベルはよほどこの編曲版が気に入っているのでしょう。モーツァルテウムで教授を務めていた2020年に一度録音(SONY)しましたが、より解釈が深まったと見えて、5年後に早くも再録音となりました。2025年10月にはベルリンでも同曲を指揮しています。
当時は編曲に際して一部の曲を省略・縮小することが多かったのに対して、グライスナーはメヌエットのトリオを一部カットしている以外はほぼそのままに編曲しています。原曲のバセット・ホルンとホルンのパートはフルートと弦楽合奏に移し替え、各管楽器をソロ楽器として用いて音色を生かしつつ弦楽器の響きを加えることにより、原曲の魅力を損なうことなくより豊かな色彩を生み出すことに成功しているのです。グライスナーがモーツァルトのスタイルをよく理解し、原曲を尊重していたことがうかがわれます。
カップリングにヨハン・クリスティアン・カンナビヒ[1731-1798]の作品を持ってくるところもゲーベルらしさ。1777年から78年にかけて母親とともにマンハイムを訪れたモーツァルトは音楽監督のカンナビヒと出会い、大きな感銘を受けています。宮廷楽団は24人のヴァイオリン奏者に加え、クラリネットを含むフル編成の管楽器群を有していました。この曲は2つのヴァイオリンを独奏楽器とした二重協奏曲の形式を採りながら、18世紀半ばのドレスデンの宮廷での数多く作られた「様々な楽器による協奏曲」のように管楽器も活躍を見せています。ギャラント様式の音楽はモーツァルトの協奏交響曲 K.364のお手本と言っても過言ではないほど優雅な旋律であふれています。
1970年代後半からムジカ・アンティクヮ・ケルンを率いて先鋭的な演奏で古楽演奏を牽引してきたラインハルト・ゲーベルは、モダン楽器の楽団を指揮しても比較的速めのテンポ設定をすることが多く、きびきびしたテンポ設定を取っています。映画「アマデウス」でサリエリが楽譜を見てその美しさに衝撃を受ける第3楽章アダージョでは、一般的な演奏が4分半から6分くらいなのに対して、ここでは3分23秒という驚異のテンポで演奏していますが、その軽やかな優美さには説得力があります。オーケストラも生彩に富んだ演奏を繰り広げ、この編曲版をまるでモーツァルトのオリジナル曲のように聴かせてくれます。カンナビヒの協奏交響曲では、ミュンヘン放送管弦楽団のコンサートマスター、スタンコ・マディッチと、首席第2ヴァイオリン奏者で日系カナダ人のユージーン・ナカムラがソロを務めています。(輸入元情報)
【収録情報】
1. モーツァルト/グライスナー編:協奏交響曲 変ロ長調(セレナード第10番変ロ長調 K.361『グラン・パルティータ』に基づく管弦楽編曲版)
2. J.C.カンナビヒ:協奏交響曲 変ホ長調
スタンコ・マディッチ(ヴァイオリン:2)
ユージーン・ナカムラ(ヴァイオリン:2)
ミュンヘン放送管弦楽団
ラインハルト・ゲーベル(指揮)
録音時期:2025年5月22日
録音場所:ミュンヘン、バイエルン放送第1スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル)
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