マチェラル&フランス国立管/エルサ・バルレーヌ:交響曲第1、2番、他
2025年12月19日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - Classical

抑圧の時代を生き抜いた作曲家バルレーヌ。燃える精神と気高い音楽がここに蘇る
エルサ・バルレーヌ(バレーヌ)は、その生涯において注目すべき、そして政治的にも果敢な人物であり、近年その独自の作曲語法が再び聴き直されつつある作曲家です。パリ音楽院でポール・デュカスに師事し、オリヴィエ・メシアンとは同門であった彼女は、わずか19歳にしてジャンヌ・ダルクを題材としたカンタータで、極めて名誉あるローマ大賞を受賞。長いキャリアの中でフランス音楽界の要職を歴任し、20年以上にわたり教授職を務めましたが、一方で強い左翼的信念を持つ作曲家でもあり、第二次世界大戦下の占領時代にはレジスタンスで重要な役割を果たしました。
このアルバムでは、フランス国立管弦楽団の音楽監督クリスティアン・マチェラルの指揮によって、バルレーヌの4作品を取り上げています。1931年にイタリアで完成された『交響曲第1番』、1938年に作曲され、フランス語表記では「Voina(ヴォイナ)」〜ロシア語で『戦争』という不吉な副題をもつ、緊密ながら強靭な『交響曲第2番』、1945年〜ベトナムがフランスからの独立を宣言した年〜に書かれ、8つの楽章で描いたベトナムを流れる『紅河』、そして1959年にさかのぼる『ツィガーヌ』〜恐らくラジオ番組のために書かれたもので、その名の通りジプシー文化に着想を得た作品〜です。バルレーヌの音楽は調性に根ざしつつ、確信に満ちた端正な構築と、時代や作曲者自身の思想的・精神的関心を映し出す、明確でありながら繊細に彩られた管弦楽の響きを特徴としています。
第二次世界大戦中のバルレーヌのレジスタンス活動は、指揮者ロジェ・デゾルミエール、作曲家ルイ・デュレと共に創設した「音楽家の国民戦線」によるもので、これはフランス共産党と結びついた組織でした。さらに彼女の活動を危険なものにしていたのは、父親がユダヤ人であったという事実でした。彼女の作品にはユダヤ的主題を扱ったものがいくつかあり、特に1933年に作曲された交響詩『ポグローム』は、フランスにおける近代政治シオニズムの代表者アンドレ・スピールの詩に触発されたものでした。1941年には父マテューがパリ・オペラ座管弦楽団の首席チェリストの職を追われ、2年後に亡くなっています。戦争末期には、レジスタンス活動でたびたび逮捕寸前の危険な場面を経験したバルレーヌは、カトリーヌ・ボナールという偽名で生活するという措置を取っていました。
解放後の時期には、バルレーヌは大きな評価を受けました。『交響曲第2番』はロンドンでBBC交響楽団により初演され絶賛を博し、戦後にはコンサート・ホール、劇場、映画、ラジオ放送などのために数多くの委嘱を受けました。『紅河』もそのひとつであり、マニュエル・ロザンタールの指揮により、現在のフランス国立管弦楽団の前身である国立放送管弦楽団が初演を行っています。
※ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説書・帯付き。日本語解説書には、オリジナルブックレット掲載解説の日本語訳、相場ひろ氏による書下ろし解説を掲載。(輸入元情報)
【収録情報】
バルレーヌ:
1. 管弦楽のための変奏曲『紅河』
La source(源流)
La haute plaine(高原)
Les chemins celestes(天の道)
La ville de Son-Phong(ソン・フォンの街)
Le retour des pavillons noirs(黒旗軍の帰還)
La riviere Noire(黒河)
Le fleuve Rouge recoit la riviere Noire(紅河の黒河への合流)
L'arrivee a la mer et la mor(海への到達と死)
2. 交響曲第1番
Andante - Vivace
Adagio - Vivace
Finale. Adagio - Allegro giocoso e leggiero
3. 交響曲第2番『戦争』
Adagio - Allegro moderato
Marche funebre. Lento
Finale. Allegretto
4. ツィガーヌ
フランス国立管弦楽団
クリスティアン・マチェラル(指揮)
録音時期:2024年9月3-8日
録音場所:パリ、メゾン・ド・ラジオ・フランス
録音方式:ステレオ(デジタル)
世界初録音(1,4)
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