ラトル&バイエルン放送響/ラッヘンマン:『ハルモニカ』
2025年12月03日 (水) 18:00 - HMV&BOOKS online - Classical

musica viva # 51〜ヘルムート・ラッヘンマン
ヘルムート・ラッヘンマンは、シュトックハウゼンに高く評価されたことが実質的なデビューとなったというドイツの作曲家。数多くの賞を受賞し「伝統の異化」を追求、シュトックハウゼン以後のドイツを代表する中核的な作曲家とみなされています。2003年にはサントリーホール国際作曲委嘱シリーズで『書』が初演され、後年は東洋的時間観にも興味を示しています。2015年にはドイツ音楽作家賞生涯功労賞を受賞。
さまざまな声部が渦を巻くように絡み合って開始される『ハルモニカ』は、大オーケストラとチューバのための協奏作品。約30分の全曲ほぼ休みなく活躍し続ける独奏チューバには幅広い音域の跳躍に加え、ダブルノートやフラッタータンギング、空気音、マウスピースを打つ、叫ぶなどあらゆる特殊奏法が要求されており極めて過酷。オーケストラも含めて長いフレーズは少なく、各パート間で次々に音を受け渡すように進められる中、音量や間の取り方でリズムに変化が生まれ、曲想が移り変わってゆきます。何度か大きなクライマックスを迎えますが、最後はソリストに曲が収斂してゆくように密やか。独奏を務めたシュテファン・ティシュラーは「とにかく難曲で、ラトルの畳みかけるようなテンポ設定に応えることも大きな課題だった」と語っています。
『Klangschatten(クランクシャッテン=音の影)』は、ラッヘンマンの弦楽四重奏曲『グラン・トルソ』終結部のスナップ・ピツィカート(指を弦に打ち付けて鳴らす特殊奏法)部分を拡張し、48の弦楽器と3台のピアノを用いて「音の影」を表現したという作品です。全体は4つの部分に分かれ、それぞれ乾いたノイズ、ト音との共鳴、時間のズレ、弓と弦の新しい接触を通して、多彩な音響が生まれます。指揮は長年ラッヘンマンの作品を取り上げてきたマティアス・ヘルマン。演奏するピアニストのひとり菅原幸子はラッヘンマンのパートナーであり、他の奏者もみな現代音楽のエキスパートという、万全の布陣による演奏です。(輸入元情報)
【収録情報】
ラッヘンマン:
● ハルモニカ (1981-83)〜大オーケストラとチューバのために
1. Strophe 1
2. Strophe 2
3. Kadenz I
4. Strophe 3
5. Kadenz II
6. Schlussstrophe
7. Epilog
シュテファン・ティシュラー(チューバ)
バイエルン放送交響楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
録音時期:2025年5月23日
録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
● Klangschatten - Mein Saitenspiel (1972)〜48弦楽器と3台のピアノのために
1. Phase 1
2. Phase 2
3. Phase 3
4. Phase 4
菅原幸子(ピアノ)
辺見智子(ピアノ)
アレクサンダー・ウェイト(ピアノ)
バイエルン放送交響楽団
マティアス・ヘルマン(指揮)
録音時期:2025年3月22日
録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
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