Hosokawa, Toshio (1955-)
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Posted Date:2025/06/28
去年だったか、サントリーホールでの公演で「二人静」がプログラムにのぼっていたが残念ながら行けずにいたので「ようやく聴ける」と喜んでいる。 音楽作品としては「セレモニー」の方が近作となる。フルートとオケが互いによりつ離れつしながらフルートが歌と祈りを奏でオケがそれを包み込むようなイメージで聴いている。細川作品では初期のころからフルートの曲が多いように思うが、楽器の使い方や音の味付けはより多彩になり面白く、そして心に澄み渡るように響きが入ってくる。 「二人静」は能にインスピレーションを得ている。これは細川作品では定番といえるが、ここでのテーマは静御前(の霊)と難民の女性二人の邂逅。それぞれが運命で引き寄せられるように出会い、ひとつに重なって、おそらくやがて離れていく。そこに残るのは心の繋がり。どのようなストーリーかは聴いてみていただきたいが、おそらく聴く人それぞれに違った心象風景が現れると思う。私個人の感想としては音楽を聴くというより二人の女性の言葉の掛け合いがまずあり、そこに音楽が付随するような作品と捉えている。ここに使われている言葉がシンプルな分、いろいろな思考が往き来する、「言葉の呼吸」のような作品のように思う。できれば映像作品として舞台上演で観たいところではあるがそれはリクエストとして。また、「班女」「松風」のリリースも待ちたいし、さらに今年(2025年)8月にお披露目されるオペラ「ナターシャ」も楽しみ。今後も細川俊夫の作品を楽しみにしている。
うーつん .
Posted Date:2024/12/07
現代音楽でなく、日本の音楽として紹介したらいいな、と感じる一枚だ。 この中で聴かれる音楽はゲンダイオンガクが苦手な方に聴きやすく、懐かしい。逆に現代音楽を聴きたい方には物足りなさを感じてしまうかもしれない。 ケッレルマンの委嘱により「12の日本の歌」が生まれたそうだが、どれもが懐かしい歌ばかり。黒田節や五木の子守唄など細川がよく編曲する作品や万葉集をテキストにした歌もある。エーレンスの声にのり、いにしえの歌を聴くことができる。 ギターによる作品集だが、どれも静謐な美しさと強さを持っている。琴の音を連想させるパッセージも時々出てきてじっくり聞きたくなる作品揃い。 そういえば、武満徹もギターによる「12の歌」を編曲していた。それとセットで収めたディスクや演奏会があったら楽しいだろうな、と感じた。 ひとつ残念なのは演奏者がすべて日本国籍でないこと。むしろ日本人が積極的に参加し様々な国の方に紹介していきたい作品ばかり。日本人でないと…というつもりは全くない、日本の歌を「紹介してもらわないと気づけない」自分の浅い気持ちが恥ずかしい。 細川は今もドイツを拠点にしているのだろうか。外国にいるほど自国のことがよくわかる。国内にいるとなかなか気付こうとしないものだ。 以前とある美術展で日本の美術品がヨーロッパの美術館に渡り収蔵されているのを聴かされた女性が係の方に「外国人に日本の美術が分かるのかしらねぇ」と自慢げに語ったところ、係の方は「日本美術が評価されたのはむしろ外国の方が価値を認め評価したからです。対して日本人は外国で評価されたから『日本美術はすばらしい』と又聞きで評価している向きもありますよ」と応えていた。なるほど、と思ったものだ。 細川氏はドイツから日本の歌や芸術を見つめてそこにインスピレーションを得ているのだろう。当盤に収録されている「故郷(ディスクでは「Kokyo」と書かれているが「ふるさと」と読むべきだろう)」の歌詞が特に思い出される。実際には分からないが、細川俊夫氏も同じような心持ちを胸に抱いているのかもしれない…。「故郷は、遠きにありて、思うもの」という言い方があるように、細川氏も日本から遠く離れたドイツより世界を見つめ、日本を見つめている…。何となくそう感じられる。 こころざしをはたして いつの日にか帰らん 山はあをき故郷 水は清き故郷
うーつん .
Posted Date:2024/07/30
当シリーズ第4弾。待望の「渦」を含む美しい一枚に仕上がった。「渦」は2019年サントリーホールでの世界初演(望月京との個展。2人のどの作品もすばらしかった)で耳にして、今までにないような細川の勢いを感じたのを思い出させてくれる。その次の年からコロナ禍の渦に巻き込まれて世界はとんでもない方にいってしまったが、それでも新譜として発表される時期になったのは喜ばしいかぎりだ。改めて聴いてもいつもの細川の語法でありながら、より深みを増した「音響のうねり」とその果てにみられる彼岸のような美しい静けさ。 「ゲネシス(2020)」に聴けるヴァイオリンとオケによる「生のドラマ」も聴きごたえがある。彼の協奏曲によくみられる「個の楽器」「オーケストラ」で描かれる「見立て」の楽想や「自然への畏敬」はここでも健在。 最近初演されたもう一つのヴァイオリン協奏曲の録音もぜひ期待したいし、2025年上演予定の新作オペラ「ナターシャ」も収録してほしいものだ。今後も細川俊夫の作品をじっくり追いかけてその響きに身を浸してみたい。他の盤のレビューでも述べさせてもらっていることだが、現代音楽と肩ひじ張らずに聴いてみてほしい。少なくとも私は現代音楽としてより精神世界の体験として、閑けさを心に取り戻す材料として彼の音楽に親しんでいる。そんな聴き方でもお薦めしたい。
うーつん .
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