クラリネットは、ネヴィル・マリナーの息子アンドルーの演奏ですよ☆

邦題が「見よ、満ち足りた最後の犠牲を」である。フィンジの書いたオルガン伴奏付きの宗教合唱曲集である。いずれも透明感のある曲であり、また20世紀の曲としてはロマンティシズムの香り豊かな曲集である。今後フィンジは日本人に愛される作曲家になるはずと思い始めて20年、まだまだ一部のファンのものだけなのが惜しい。演奏はやや表現過剰なものもあるが、必要かつ十分な美しいものである。多くの人に聞いて欲しい。

Finzi (1901 - 1956)の曲もLeighton (1929 - 1988) の曲も全く同じ傾向の曲である。灰色で憂いを帯びた落ち着いた、いい感じの音楽で、エルガーのチェロ協奏曲と似ている。霧の中の豊かな自然も感じることができる。知られざる名曲は原則として無いとは思うが、このCDの両曲は名曲と認定して良い。たびたび今後も聞くだろう。たぶんエルガーより聞く機会は多いと思う。