CD 輸入盤

交響曲全集 ノイマン&チェコ・フィル(3CD)

マルチヌー(1890-1959)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
110382
組み枚数
:
3
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD

商品説明

ノイマン/マルティヌー:交響曲全集(3CD)

チェコの田舎町ポリチカ。町全体を見おろす聖ヤコブ教会の塔につくられた鐘楼守の小さな家(部屋)に生まれたマルティヌー[1890-1959]の少年時代は、内向的な性格ゆえに、12歳の時に地上の家に引っ越すまで、ヴァイオリンの勉強の時以外はほとんどの時間を塔の部屋と回廊の中で過ごすという不思議なものでした。
 その後、プラハ音楽院ヴァイオリン科に進んだマルティヌーですが、授業に満足できなかった彼は、素人アンサンブルの活動にはまり過ぎ、怠惰を理由に退学処分となってしまいます。やがて、故郷で5年ほど小学校の教師をつとめたのち、音楽院時代の友人の紹介でチェコ・フィルの第2ヴァイオリン奏者となったマルティヌーは、子供のころから続けてきた作曲活動にいっそう精を出すようになり、28歳の時にカンタータ『チェコ狂詩曲』でスメタナ賞を受賞、作曲家としてのデビューを華々しく飾ります。
 マルティヌーの音楽は、民族的な資質のあらわれとしてのスラヴ的な要素や、自身が憧れた印象主義、新古典主義の要素、それに実際に旺盛な創作活動をおこなったアメリカの影響なども含め、多彩で複雑な要素が反映されながらも、明解な構造のおかげで比較的聴きやすい仕上がりになっているのが特徴。
 それはとたとえば6曲残された交響曲を聴いても如実に感じられることで、クーセヴィツキーやミュンシュ、アンセルメ、ロジェストヴェンスキーが絶賛していることでも明らかなように、その管弦楽の語法はきわめて雄弁であり、内容に応じたスタイルやサウンドの変化の面白さにマルティヌーの作曲家としての才能の豊かさを思わずにはいられません。
 全6曲のうち、実に5曲が1940年代に書かれていますが、このアメリカに在住していた時期は、マルティヌーの生涯で最高に創作力の高まっていた時代でもあり、ナチスにより虐殺された村人に捧げられた『リディツェへの追悼』や、アメリカ軍の誇る重量級高速戦闘機リパブリックP-47サンダーボルトを描いた『サンダーボルト P-47』、それに「ヴァイオリンとピアノ、打楽器を伴う弦楽オーケストラのためのコンチェルト・ダ・カメラ」といった傑作が数多く生まれています。
 もちろん交響曲も優れており、激動の時代を反映した多彩な内容の音楽はどれも聴かずに済ますのは惜しい傑作ばかりです。大編成から室内編成まで自在に操るその卓越したオーケストレーションを駆使して、印象主義的で浮遊感覚すら伴う独特の和声から、重く鋭くマッシヴな和声にいたるまで、ときに過激なまでのスピード感や、ジャズの影響まで感じさせる管楽器群の面白い表情、抒情的な旋律を美しく歌い上げる弦セクションなど、魅力的な部分を数多く含みます。
 ノイマンとチェコ・フィルによる一連の全集録音は、以前から演奏・音質ともに優れたものとして有名で、マルティヌーが作品に込めた故郷へのノスタルジーともいうべき、モラヴィア的な素材への配慮も万全であり、機能的なだけの演奏ではなかなか味わうことのできない複雑な表情、繊細な色彩の移ろいが聴きごたえ十分です。

・交響曲第1番(録音:1977年2月8-15日)
・交響曲第2番(録音:1977年3月17-22日)
・交響曲第3番(録音:1977年10月14-18日)
・交響曲第4番(録音:1977年8月23-26日)
・交響曲第5番(録音:1978年9月26-29日)
・交響曲第6番『交響的幻想曲』(録音:1976年1月9-14日)
 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)
 録音場所:プラハ、「芸術家の家」ドヴォルザーク・ホール(ステレオ)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Neumann, Vaclav - Sinfonie Nr. 1 H 289
  • 02. 1. Moderato
  • 03. 2. Allegro. Poco Moderato. Allegro Come Prima
  • 04. 3. Largo
  • 05. 4. Allegro Non Troppo
  • 06. Vaclav Neumann. - Sinfonie Nr. 2 H 295
  • 07. 1. Allegro Moderato
  • 08. 2. Andante Moderato
  • 09. 3. Poco Allegro
  • 10. 4. Allegro

ディスク   2

  • 01. Neumann, Vaclav - Sinfonie Nr. 3 H 299
  • 02. 1. Allegro Poco Moderato
  • 03. 2. Largo
  • 04. 3. Allegro
  • 05. Neumann, Vaclav - Sinfonie Nr. 4 H 305
  • 06. 1. Poco Moderato. Poco Allegro
  • 07. 2. Allegro Vivo. Moderato (trio). Allegro Vivo
  • 08. 3. Largo
  • 09. 4. Poco Allegro

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 6曲の交響曲は長いものでも1番が37分...

投稿日:2017/12/31 (日)

 6曲の交響曲は長いものでも1番が37分、その他は30分弱程度であり、てごろな長さである。曲の構成もはっきりしている。音楽は6曲ともどこか似た趣がある。類型的というのではないが、ブルックナーがそうであるようなぐわいだ。音楽は壮大であるとか、悲劇的であるとか、甘美であるとかはっきりした傾斜がなく、中間的」である。管弦楽法は巧妙で多彩な音響が進行するが中間色が主体で楽想をふくめ幾分混沌とした味わいを持ち、微妙な抒情に満ちている。したがって、一聴して引き付けられるわけでないが繰り返し聞くうちに味わいが出てくるといったところ。 録音は年代の水準をやや下回る。ボリュームをかなり上げないと音が出てこない。

プリン さん | 奈良県 | 不明

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