(4 Hands)le Sacre Du Printemps / 3 Dances / 4 Organs: Tilson Thomas, Etc(P)

名盤復活！ ピアノ版《春の祭典》
ティルソン・トーマス＆グリアソン
大編成オーケストラによる刺激的な作品として人気を博すストラヴィンスキーの《春の祭典》には、これまでにもピアノによる演奏がいくつか存在しましたが、今回、EMIからリリースされるのは、以前、LPでリリースされて話題になったものの、CD化はされていなかったというアルバムです。
　有名な指揮者で作曲家でもあるマイケル・ティルソン・トーマスは、ピアノ演奏でも知られており、これまでにも《ラプソディ・イン・ブルー》（RCA）などでたいへんセンスの良い演奏を聴かせてきました。
　若い頃にストラヴィンスキー本人と交流を持ち、演奏に関する具体的な助言を得ていたティルソン・トーマスは、コンサートやレコーディングで活発にストラヴィンスキー作品を取り上げており、この《春の祭典》についてもすでに、ボストン交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、ピアノ・ヴァージョンと、3度も録音しているあたりかなりのこだわりぶりです。
　パートナーのラルフ・グリアソンは現代音楽やガーシュウィンの録音のあるピアニスト。新しい《ファンタジア》サントラでの《ラプソディ・イン・ブルー》でも彼が弾いていたのは記憶に新しいところ。
　組み合わせは、スティーヴ・ライヒの《フォー・オルガンズ》（ティルソン・トーマス、グリアソン、ケラウェイ、ライヒ）と、ジョン・ケージの《2台のプリペアド・ピアノのための３つのダンス》（ティルソン・トーマス、グリアソン）というもので、複数台の楽器が織り成す多彩なテクスチュアを堪能できるのが嬉しいところ。