オダマキの花が2本
ファニー・メンデルスゾーンの『一年』をリリースしたクリスティーナ・ビャアケーとリリック・ソプラノのニナ・ボルス・ロングレーンの「デュオ・ボルス&ビャアケー」が、2022年で結成から5年が経ちました。2人は、コペンハーゲンのホルメン教会で行われ、デンマーク放送からラジオ中継されたニルス・W・ゲーゼを祝うコンサートにソリストとして出演して初めて出会い、以後、デュオとしてコンサートやデンマーク国内のツアーを重ねました。クララ・シューマンとリリ・ブーランジェの歌曲を歌うアルバム『オダマキの花が2本』は、2020年にロスキレ音楽協会の提案で行われた女性作曲家作品のコンサートがきっかけで生まれました。このコンサートは、デンマーク放送が放送のために録音していましたが、好評だったためこのセッション録音が行われました。
クララ・シューマンの詩の嗜好は夫ロベルトと重なり、このアルバムで歌われる『6つの歌曲』と『3つの詩』もロベルトが好んだハインリヒ・ハイネ、エマヌエル・ガイベル、フリードリヒ・リュッケルトといった同時代の重要な詩人たちの詩に作曲されています。またリリ・ブーランジェも同時代の詩をテキストに選んでいます。フランシス・ジャムの『空のひろがり』は、さまざまな感情を呼び起こす花や鳥といった言葉をちりばめ、ノスタルジアと憧れの気分にひたった作品です。彼女の時代に好まれた「サロン」的雰囲気からは遠い、輝かしい、当時としては前衛の音楽が、この曲集の際立った魅力と言われています。(輸入元情報)
【収録情報】
クララ・シューマン:
● 6つの歌曲 Op.13(ハイネ、ガイベル、リュッケルトの詩)
暗い夢のなかにいた
彼らは愛しあっていた
愛の魔法
月は静かに昇った
私はあなたの瞳に
もの言わぬはすの花
● 3つの詩 Op.12(フリードリヒ・リュッケルトの『愛の春』から)
風雨の中を彼はやってきた
美しいがために私を愛するのなら
なぜ他の人にたずねるのか
リリ・ブーランジェ:
● 空のひろがり(フランシス・ジャムの詩)
彼女は野原から谷へ下りていった
彼女はとてもおおらかだ
時どき僕は悲しくなる
ある詩人が言った
僕のベッドの足元に
これが全部ただのくだらない夢で
言葉にしなくてもいいくらい愛し合おう
あなたは魂をこめて僕を見つめた
去年咲いたライラックは
オダマキの花が2本
どうして僕が苦しんだかというと
彼女のもっていたメダルが僕の手元にある
明日でちょうど一年だ
デュオ・ボルス&ビャアケー
ニナ・ボルス・ロングレーン(ソプラノ)
クリスティーナ・ビャアケー(ピアノ)
録音方式:ステレオ(デジタル)