初めてレイ・ブライアントの演奏を聴いた時、その編成はトリオのものだった。非常にシンプルながら、心を打つフレーズは運動した後に飲む冷えた水みたいにすんなりと聞けた。だいたい意識しない事にはベースもドラムもほとんどいるようには思えなかったのだ。　それからかなり時間を置いて、レイ・ブライアントの名前を見かけたわけだ。それもこのジャケットで。なんとなくあこがれていた演奏家がこんなんだと知ったらどうだろう？　しかし演奏はやっぱり良かった。　彼を語る上ではゴスペルフィーリングという言葉が外せないわけだけれど、他のピアニストを語るときにこんな言葉が使われたところは見たことがない。　簡単に言ってしまうと、彼は他のプレイヤーにはないピアノを弾く。ともすればブルースで一括りに出来そうな形態ではあるのだけれど、どうもその歪なところが人を魅了するようだ。『クバノ・チャント』と『ロッキンチェアー』辺り、それが顕著に現れていると思うのだけれど、どうだろう？

この風貌に似つかわしくない真面目で遊びの無い演奏。自分の生き方をちゃんとしたいと思った時に聞くアルバムです。

評価：★★★★　Ｒ．ブライアントの魅力がぎっしり詰まったアルバム。ブルージーでいて、ユーモアもあり、リラックスした雰囲気の演奏。彼はブルース弾きの名手ですが、バラードもアップテンポの曲も本当によく歌っていて気持ちよいアルバムです。じっくり聴いても、何かしながら聴いても寛げる好演盤です。

ノリノリです。体を揺すります。揺れます。Grooveってこれですよ。ブルース弾かせたら彼にかなう人はいないでしょうね？ご機嫌です。これは一家に一枚！レイ・ブライアントの最高傑作といえます。

聞き所は 　「Ｇｏｌｄｅｎ　ｅａｒｒｉｎｇｓ」 　「Ａｎｇｅｌ　ｅｙｅｓ」 　「Ｓｐｌｉｔｔｉｎ’」 　「Ｄｊａｎｇｏ」 です。 　比較的、Ｂｉｌｌ　Ｅｖａｎｓ、Ｊｉｍ　Ｈａｌｌ『Ｕｎｄｅｒｃｕｒｒｅｎｔ』（Ｌｉｂｅｒｔｙ／Ｕｎｉｔｅｄ　Ａｒｔｉｓｔｓ）に近い所があると思います。

他サイトのレビューで圧倒的に良いコメントが多かったのですが、自分的にはソロではなくトリオの方が好みだと感じてしまう作品でした。　

柔らかなピアノの音色、弾きすぎないフレーズ、ゆったりしたリズム、日本人好みの選曲と、 いわゆる名盤の条件を兼ね備えている。 全体で約30分と短いので、「次何聴くかな〜」と考えている間のつなぎにも良い。 先頃亡くなったとのこと。合掌。

憂いを帯びた美曲“ｽﾘﾙ･ｲｽﾞ･ｺﾞｰﾝ”に香る哀感が、残り香のように耳を離れない。他にも本家MJQを凌ぐ出来の“ｼﾞｬﾝｺﾞ”や、このｽﾀﾝﾀﾞｰﾄﾞ･ﾁｭｰﾝの決定版と言えそうな“ｴﾝｼﾞｪﾙ･ｱｲｽﾞ”を収録した、深いﾌﾞﾙｰｽ･ﾌｨｰﾘﾝｸﾞにﾄﾞｯﾌﾟﾘと浸れる名盤。唯一の欠点はｼﾞｬｹ写か（笑）、ﾚｰﾍﾞﾙがblue noteじゃないのが悔やまれます。

ラジオなレイ　ブライアント 　６０年代半ばハーブ　アルパートがティファナブラスでA＆Mの元手を稼いでいた頃の作品。アート　ファーマーとスヌーキー　ヤングが「お囃子」。ソロはないけれど２人の音にはジャズの香り十分。ラジオで聞きながら仕事したり，一本道を飛ばすジャズ好きのドライバーが喜ぶ「昼間聴くジャズ」。レイのテンダネスなピアノが心を和ませる。４０年前のスムーズジャズはゴリゴリしている。「サテンドール」は名演。

いわゆる誰でも知っている作曲家の曲を、バランス良く選び自分の解釈で演奏している。決して良いメロディなどは崩さず、かなりメロディに忠実に弾いている。過剰な表現がないぶん、聴きやすくて飽きさせない。ちなみに、この時代の録音にしてはモノラルというのは残念。