Free
新商品あり

Free (フリー) プロフィール

Free | プロフィール | CD、DVD、ブルーレイ(BD)、ゲーム、グッズなどを取り扱う【HMV&BOOKS online】では、コンビニ受け取り送料無料!国内最大級のECサイトです!いずれも、Pontaポイント利用可能!お得なキャンペーンや限定特典アイテムも多数!支払い方法、配送方法もいろいろ選べ、非常に便利です!

正統派ブリティッシュ・ロック・グループとして人気バンドとなったフリーはわずか5年余りという活動期間ながら、いまなお伝説の存在として語り継がれている。ブルースをベースにした熱狂的なロックという点で、第二のローリング・ストーンズなどとも言われたフリーだが、彼らの場合にはストーンズのネバっこいリズム感覚とは違う、シンプルでタイトな独特の重さを持ったハードなロック・サウンドが身上だった。それは熱を帯びたロックというスタイルをとりながらも、飽くまで全体的にはどこかドライな印象を残す、という魅力を生み、ここ日本の同時代のバンドにも大きな影響を与えた。

1968年春頃、元ブラウン・シュガーのポール・ロジャース(vo,g)、ブラック・キャット・ボーンズのメンバーだったポール・コゾフ(g)、サイモン・カーク(ds)らが出会い、フリーの原型となるバンドが出来た。ロンドン郊外の「フリックル・ピックル」というパブで出会い、意気投合した3人は、元ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズのアンディ・フレイザー(b)を加え、バンド活動を開始する。活動開始当初はまだブラック・キャット・ボーンズを名乗っていたが、1968年秋頃からはフリーという名前で活動するようになった。この名はアレクシス・コーナーのバンド、フリー・アット・ラストからとられたもので、またアレクシスが彼らに譲った名前だとも言われている。そしてフリーはアレクシス・コーナーの協力もあって、ロンドンで人気を高めていった。また有名なDJ兼音楽評論家のジョン・ピールの協力も受けた彼らは、アイランド・レコードと契約。1968年11月アルバム『トンズ・オブ・ソブズ』でデビューした。 しかしこの作品は高い評価を受けたもののセールス的には決して成功したとはいえなかった。1969年に入ると、フリーはエリック・クラプトンやスティーヴ・ウィンウッドらを擁するスーパー・グループ、 ブラインド・フェイスのサポートとして全米をツアー。名前をある程度売った帰国後に制作されたセカンド・アルバム『フリー』を同年10に発表している。これは全米トップ30入りするヒットとなり、フリーの存在は以前に比べて大きくクローズ・アップされるようになった。

しかし何と言ってもフリーの人気は、翌1970年6月に発表された3rdアルバム 『ファイア&ウォーター』で決定づけられた。この中からシングル・カットされた“オール・ライト・ナウ”が全英ナンバー・ワンを獲得。また同年12月には早くも4thアルバム『ハイウェイ』を発表。この当時メンバーらはまだ20歳そこそこであったが、彼らの人気はここで絶頂を迎えた。1971年に入るとフリーは全米ツアーを行い、これも大成功のうちに終える。またこの後同年5月には初の来日公演を敢行。しかし驚いたことにこの直後のオーストラリア公演終了後にフリーはあっけなく解散してしまうのだった。好調な活動のさなか解散を表明したフリーは、その後ライヴ作『フリー・ライヴ』をリリース。またバンド解散後、メンバーはそれぞれユニットを組んだが(ポール・ロジャースはピースというグループを結成)、結局どれも長続きはせず、成功を収めるには至らなかった。

そして1972年になるとフリーは何と解散から一年もしないうちにオリジナル・メンバーで再結成する。新生フリーは同年5月に『フリー・アット・ラスト』を発表。その後ツアーも開始し再び順調な活動を続けていくように見受けられた彼らだったが、そのツアー中にポール・コゾフの病気が悪化し、彼がツアーをリタイア。またこれをきっかけにコゾフとアンディ・フレイザーの脱退という事態も招いてしまう。その直後、1972年8月に再来日を果たしたフリーのメンバーはこのとき、ポール・ロジャース 、サイモン・カーク、日本人の山内テツ(b)とアメリカ人、ラビット(key)という4人編成となっていた。1973年1月、その4人となった新生フリーは ハートブレイカー を発表。 “ウィッシング・ウェル”のヒットも生まれ、高い評価を得たがその後予定されていたツアーを前に、ロジャースとラビットの権力争いなどがもとで、結局この年を最後にフリーは本当に解散してしまった。

ヒットした“オール・ライト・ナウ”に代表されるシンプルなリフやリズムの刻み方を強調した独特のサウンドにしても、バラード的な歌にしても、フリーの場合にはどこかストイックな感触がある。ひょっとすると現在のやや過剰なロック・サウンドに耳が馴れているリスナーには、フリーのサウンドは地味過ぎるように感じられることがあるかもしれない。しかし彼らのサウンドをよく聴いていくと、シンプルさを身上とした美学と、テクニックに裏打ちされた隙間を生かしたアンサンブルの絡み合いなど、そのサウンドの見事さに徐々に気づくに違いない。そうした通好みのするサウンド美学と、その短命なバンド生命による伝説度の度合いも相俟って、フリーの鮮烈な活動は今でも語り継がれ、どこかロマンティックな輝き方をしているように思う。

%%message%%