20世紀、時代に翻弄され生きた4人のチェコ人作曲家が残した作品を
現代チェコを代表する名手シュパチェクとヤムニークが演奏。
ヴァイオリンのヨゼフ・シュパチェク、チェロのトマーシュ・ヤムニーク、現代チェコを代表する2人の名手が20世紀に活躍した4人のチェコの作曲家の作品を録音。「Paths」は小さな道、散歩道などの意味から転じて「人生における岐路」、すなわち自ら選んだ道と運命的かつ必然的な道という多角的な観点をテーマにしたアルバムということでこのタイトルが付けられました。
ヤナーチェクは汎スラヴ主義の思想に魅せられその欲望のままロシアに行き、トルストイの小説から弦楽四重奏曲(当録音ではイジー・カバート編曲によるヴァイオリンとチェロ版)のインスピレーションを得て作曲。エルヴィン・シュルホフ[1894-1942]は友人であり作曲家として敬愛していたヤナーチェクに二重奏曲を捧げています。生涯200曲もの作品を残したシュルホフですがナチス・ドイツによって「退廃音楽」という烙印を押され、1942年に強制収容所で命を落としています。天才作曲家ギデオン・クライン[1919-1945]もまた悲運な人生を歩むことになった一人。テレージエンシュタット強制収容所に送致後、フュルステングルーベに移送され、25歳でナチスに殺害されています。2つの未完の楽章が残っている『ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲』がここに収録されています。そして多作曲家マルチヌーが1927年に書いたヴァイオリンとチェロのための二重奏曲第1番と晩年の1958年に書いた第2番で締めくくります。
1986年生まれのシュパチェックの経歴は華々しく、2011月9月、弱冠24歳で名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに抜擢され、以後ソロや室内楽の演奏にも情熱を注ぎ、来日公演でも質の高い演奏で注目されております。一方、チェロのトマーシュ・ヤムニークは1985年生まれ、2006年に開かれた第58回プラハの春国際音楽コンクールでチェロ部門最高位受賞。スプラフォン・レーベルからも多くの録音を発表しております。名手の2人が20世紀、時代に翻弄された4人の作曲家の物語を奏でます。(輸入元情報)
【収録情報】
● ヤナーチェク/カバート編:弦楽四重奏曲第1番ホ短調『クロイツェル・ソナタ』(ヴァイオリンとチェロ版)(1923/2021)
● シュルホフ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(1925)
● クライン:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(1941)
● マルチヌー:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲第1番 H.157(1927)
● マルチヌー:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲第2番 H.371(1958)
ヨゼフ・シュパチェク(ヴァイオリン)
トマーシュ・ヤムニーク(チェロ)
録音時期:2021年6月3-5日、7月1日
録音場所:チェコ、ニムニェジツェ城
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
