『顕現〜現代フィンランド作品集』　カンガス＆オストロボスニア室内管弦楽団

カンガス率いるオストロボスニア室内管による
フィンランド・モダニズムの第一人者ティエンスーほか
現代フィンランド作曲家たちの作品集

オストロボスニア室内管弦楽団とユハ・カンガス[1945-]の新しいアルバム『顕現』は、初録音の４曲を含む「同時代」の作品集。
　ユッカ・ティエンスー[1948-]の『溝』はオストロボスニア室内管弦楽団のために作曲された作品です。「鼓舞し、歓喜に酔う音楽。きわめて清澄な音色のため理解しやすいかもしれないが、決して、先が読めるとか、わかりきったことといった作品ではない」（ティエンスー）。
　エルッキ・サルメンハーラ[1941-2002]の『カンツォネッタ』は、２部からなるオルガンのための『カンツォーナ』の後半を作曲者みずから弦楽オーケストラのために編曲した作品。
　ヘレナ・トゥルヴェ[1972-]は現代エストニアの中間世代を代表する作曲家のひとり。ソロ楽器の性格をもつ３つのヴィオールと弦楽オーケストラのための『あなたのうしろの影』は、タリン室内管弦楽団の委嘱により作曲され、2012年１月、カンガスの指揮によりタリンで初演されました。
　ラトビアのペーテリス・ヴァスクス[1946-]が「わが友ユハ・カンガス」に献呈した『顕現』は、１月６日の公現祭（顕現祭）とは関係なく、夏の夕べにバルト海のほとりを散歩していて主題のアイデアが湧いたといいます。
　『夏の夜の夢』の副題をもつウスコ・メリライネン[1930-2004]の『夏の協奏曲』はオストロボスニア室内管弦楽団の委嘱作。はかない気分の「レント」を生命力にみちた２つの「ヴィーヴォ」が挟む構成をとった作品は、地の精やノームもイメージしながら、サーミ人の住むラップランドで完成されました。（キングインターナショナル）

【収録情報】
・ティエンスー：溝 (2011)
・サルメンハーラ：カンツォネッタ (1971)
・トゥルヴェ：あなたのうしろの影 (2011) 〜3つのヴィオールと弦楽オーケストラのための
・ヴァスクス：顕現 (2010)
・メリライネン：夏の協奏曲『夏の夜の夢』 (1994)

　オストロボスニア室内管弦楽団
　ユハ・カンガス（指揮）

　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　SACD Hybrid
　CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND