Billy Mayerl,who? 小生には初めて耳にする作曲家であるが、ライナーノートによれば米国のガーシュインとほぼ同年代の英国人とのこと。このCDに収められている曲目は精々2〜5分程度の小品ばかりで、ほぼ’20〜’30年代頃の作品群である。当時はラグやシンコペーションのリズムが流行していたのだろうか、一聴したところガーシュインと共通するような節回しも散見され似た様な雰囲気が漂う。しかしその風合いはやはり「似て非なるもの」であり、ガーシュインが夜の酒場で葉巻を燻らすムードなら、メイエルの方は午後カフェテラスでのティータイムといった風情が似合う。木漏れ日降り注ぐなか一塵の微風が吹き抜ける…、そんな爽やかな印象である。BGM的と言ってしまえばそれまでだが、この演奏には軽やかさのなかにも粋な味わいが有る。偶然とはいえこのCDに巡り会えたのは幸運であった。