祝75歳、カール・ライスター自選ベスト・アルバム!
今年(2012年)75歳を迎えた名クラリネット奏者カール・ライスター。その記念盤として、30年以上にわたりカメラータ・レーベルから発売したアルバムの中から、自ら選曲したベスト盤をリリース。
収録曲は、ロマン派の名曲から現代作品まで多岐に及び、タイトルどおり「キング・オブ・クラリネット」の活動の変遷を辿ることができます。
往年の名演から円熟味を増した近年の録音まで、クラリネット奏者の教本ともいうべき必聴盤です。(CAMERATA)
【収録情報】
CD1
・メルカダンテ:クラリネット協奏曲変ロ長調 op.101より Allegro maestoso
・ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調 op.115より Adagio
・ベリオ:リート
・ヴィドール:クラリネットとピアノのための序奏とロンド op.72
・シューベルト:6つの歌曲(編曲:カール・ベールマン)より:知りたがる男(歌曲集「美しき水車小屋の娘」D.795 op.25より)
・シューベルト:6つの歌曲(編曲:カール・ベールマン)より:アヴェ・マリア D.839, op.52-6
・シューベルト:6つの歌曲(編曲:カール・ベールマン)より:セレナード『聞け、ひばり』D.889
・モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K.622より Adagio
・シューマン:幻想小曲集 op.73より Zart und mit Ausdruck
・ニールセン:幻想小曲集
・ヴェーバー:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 op.34より Rondo(Allegro)
・パガニーニ:24のカプリース op.1より 第12番変イ長調 op.1-12
・フランセ:クラリネットとピアノのための主題と変奏
CD2
・ルトスワフスキ:舞踏前奏曲より(I. Allegro molto / IV. Andante / V. Allegro molto)
・J.ホロヴィッツ:クラリネットとピアノのためのソナチネより Con brio
・シュポア:ロマンツェ 変ロ長調
・ストラヴィンスキー:3つの小品
・ゲーゼ(ゲーダ):幻想曲集 op.43より Ballade;Moderato
・西村朗:独奏クラリネットのための『ウトパラ(睡蓮)』
・モーツァルト:クラリネット五重奏曲断章『アレグロ』変ロ長調 K.Anh.91(516c) (R.D.レヴィン補作)
・ブゾーニ:エレジア
・レーガー:アルバムのページ
・レーガー:タランテラ
・クルーゼル:クラリネット四重奏曲第1番変ホ長調 op.2より Rondo; Allegro vivace
・プーランク:クラリネット・ソナタより(II. Romanza / III. Allegro con fuoco)
・ルフェーヴル:ソナタ第9番より Adagio
・ロッシーニ:序奏と主題と変奏曲変ホ長調
カール・ライスター(クラリネット)
豊田耕児指揮、群馬交響楽団
ウィーン弦楽四重奏団
ウェルナー・ヒンク(第1ヴァイオリン)
フーベルト・クロイザマー(第2ヴァイオリン)
クラウス・パイシュタイナー(ヴィオラ)
ラインハルト・レップ(チェロ)
フィルハーモニア・クヮルテット・ベルリン
ダニエル・シュタブラーヴァ(第1ヴァイオリン)
クリスティアン・シュタデルマン(第2ヴァイオリン)
ナイトハルト・レーザ(ヴィオラ)
ヤン・ディーセルホルスト(チェロ)
フェレンツ・ボーグナー(ピアノ)
アントニー・シピリ(ピアノ)
録音:1980〜2010年
【カール・ライスター(クラリネット)】
ライスターはドイツのウィルヘルムスハーフェンに生まれ、最初の音楽のレッスンを、RIAS交響楽団のクラリネット奏者だった父から受けた。1953年から56年にかけてベルリン音楽大学で学び、1957年に19歳でベルリン・コーミッシェ・オーパーのソロ・クラリネット奏者となり、ヴァーツラフ・ノイマンやウォルター・フェルゼンシュタインの指揮のもとで演奏した。
1959年にヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮するベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のソロ・クラリネット奏者に就任。その後、カラヤンと共に国内外で演奏した30年は、彼の人生にとって、最も意味と意義のある期間であった。同時に、ソリストや室内楽奏者としての活動も始める。室内楽で共演した演奏家には、アマデウス弦楽四重奏団、フェルメール弦楽四重奏団、ライプツィヒ弦楽四重奏団、ヴィルヘルム・ケンプ、ピエール・フルニエ、ギドン・クレーメル、リタ・シュトライヒ、キャスリーン・バトルの他に、ジェームズ・レヴァイン、リッカルド・ムーティ、ゲルハルト・オピッツ、クリストフ・エッシェンバッハ、ブルーノ・カニーノ、エレーナ・バシュキローヴァ、エリーザベト・レオンスカヤ、パウル・グルダ、シュテファン・ヴラダー、フェレンツ・ボーグナーなどがいる。さらに、ヘルベルト・フォン・カラヤン、カール・ベーム、小澤征爾、オイゲン・ヨッフム、ラファエル・クーベリック、アーロン・コープランド、サー・ネヴィル・マリナー、パーヴォ・ベルグルンド、フリューベック・デ・ブルゴス、ケント・ナガノの指揮のもとでソリストとして演奏している。カール・ライスターはベルリン・フィルハーモニー木管アンサンブル、ベルリン・ソロイスツ、アンサンブル・ウィーン=ベルリンの創立者の一人でもある。
ライスターは、ベルリン・フィルハーモニー・ヘルベルト・フォン・カラヤン・アカデミーの創設以来、将来の音楽家たちの教育に当たり、彼から教えを受けた生徒たちの多くが、現在、ドイツ国内や国際的オーケストラで重要な地位を得て活躍している。
またライスターは、国内外のコンクールで数多くの賞を受けており、さらにドイツ・グラモフォン、EMI、フィリップス、テルデック/ワーナー、オルフェオ、MDG、BIS、Nimbus、ソニー、カメラータ・トウキョウなどのレーベルにクラリネットのレパートリーのほぼ全てにわたる録音を残している。
1987年にはロンドン王立アカデミーの名誉会員および客員教授に任命され、また1993年から2002年にかけてベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学の教授を務めた。(CAMERATA)
75歳を迎えた今も現役。30年以上にわたってカメラータ・トウキョウで録音してきた中から自選した2枚組。得意のロマン派の作品を中心に、モーツァルトや現代音楽も取り込んだ多彩な構成で、“キング”の名にふさわしい艶やかな音としなやかな音楽性がたっぷりと味わえる。(堀)(CDジャーナル データベースより)