ハルモニア・ムンディ・ゴールド・ボックス「合唱品集」(10CD)
ハルモニア・ムンディ・フランス創立50周年を記念してつくられた名盤シリーズ「HM GOLDエディション」からのセレクション。このセットは「Choral works 合唱作品集」ということで、バッハの哀悼行事用カンタータからマーラーの千人の交響曲まで多彩なプログラム構成となっています。(HMV)
Disc1 バッハ:哀悼行事用のカンタータ。
名曲として名高い2つの哀悼行事用のカンタータを収録。198番は、ザクセン選帝侯アウグストT世の夫人、クリスティアーネ・エーバーハルディーネのための追悼音楽。彼女はプロテスタント信仰の象徴のような女性で、国民の信頼も厚い人物でした。夫がポーランド王の称号と引き換えにカトリックに改宗したにも関わらず、プロテスタントの信仰を貫くために宮廷を離れるといったこともしています。受難曲を思わせる比較的規模の大きな作品で、最後は王妃の栄光と不滅を讃える輝かしい合唱で終結します。ヘレヴェッヘの指揮も冴える名盤です。(キングインターナショナル)
【収録情報】
● バッハ:カンタータ第78番『わが魂なるイエスよ』 BWV.78
● バッハ:カンタータ第198番『侯妃よ、願わくばなお一条の光を』 BWV.198(哀悼頌歌)
イングリート・シュミットヒューゼン(ソプラノ)
チャールズ・ブレット(カウンターテノール)
ハワード・クルック(テノール)
ペーター・コーイ(バス)
コレギウム・ヴォカーレ
シャペル・ロワイヤル
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
録音:1987年11月
Disc2 ビーバー:ミサ曲『キリストの復活』
この作品は、おそらく1674年の復活祭を祝うために書かれたものと推測されています。その存在は知られていたものの、2000年にジェイムズ・クレメンツ校訂の楽譜が出版され演奏されるようになりました。2対の四声合唱を持つ規模の大きな作品で、ビーバーらしい手の込んだ音楽は聴きごたえ満点!
マンゼはさらに、ファンファーレや各種ソナタを加えることで、一層の華やかさを引き出しています。イングリッシュ・コンサートの演奏能力も極めて優秀です。(キングインターナショナル)
【収録情報】
● ビーバー:ミサ曲『キリストの復活』
● ビーバー:ファンファーレ第1番
● ビーバー:ファンファーレ第2番
● ビーバー:ソナタ第1番
● ビーバー:ソナタ第3番
● ビーバー:ソナタ第5番
● ビーバー:ソナタ第7番
● ビーバー:ソナタ第11番
● ビーバー:6声のソナタ
● シュメルツァー:ソナタ第12番
イングリッシュ・コンサート合唱団
イングリッシュ・コンサート
アンドルー・マンゼ(指揮、ヴァイオリン)
録音:2004年9月20-23日
Disc3-4 ブラームス:世俗合唱曲集
「申し分のない声のブレンド具合、生まれ出た響きはどこまでも愛おしいもの、まちがいなく、彼らの演奏は聴き手にこれ以上ない愉悦の時をもたらすだろう」とグラモフォン誌でも絶賛された、RIAS室内合唱団によるブラームスの合唱作品集。共演の器楽奏者たちも注目の、豪華な2枚組となっています。(キングインターナショナル)
【収録情報】
Disc3
● ブラームス:3つの歌op.42
● ブラームス:2つのホルンとハープの伴奏による女声のための4つの歌op.17
● ブラームス:7つの歌op.62
● ブラームス:5つの歌op.104
Disc4
● ブラームス:4つの四重唱曲op.92
● ブラームス:3つの四重唱曲op.31
● ブラームス:3つの四重唱曲op.64
● ブラームス:2つの四重唱曲op.112a
● ブラームス:4つのジプシーの歌 op.112b
● ブラームス:11のジプシーの歌op.103
ステファン・イェジェルスキ, マフレット・クリール(ホルン)Disc3
マリー=ピエール・ラングラメ(ハープ)Disc3
アラン・プラネス(ピアノ)Disc4
RIAS室内合唱団
マーカス・クリード(指揮)
録音時期:1995年11月、1996年4月、1997年4月
Disc5 フォーレ:レクィエム
1893年の室内楽稿による演奏。オリジナルの響きを蘇らせたヘレヴェッヘ初期の名盤。発売当時、従来のオーケストラ稿とは異なる1893年の室内楽稿によっている点でも話題になった1枚。もともとフォーレのレクィエムは、1901年にオーケストラ版が出版される以前に、マドレーヌ寺院で執り行われたある葬儀で1888年に演奏されており、その時の編成が室内楽稿でした。残された手稿譜とフォーレ自身の書き込みを基に、マドレーヌ寺院で演奏された響きを忠実に再現したというこの録音、清澄無垢さが際立っており、純化された世界が広がります。(キングインターナショナル)
【収録情報】
● フォーレ:レクィエム(1893年版)
● フォーレ/メサジェ:小ミサ曲『ヴィレルヴィルの漁師のミサ』(1882年版)
アニェス・メロン(ソプラノ)
ペーター・コーイ(バリトン)
シャペル・ロワイヤル
サン=ルイ少年合唱隊
アンサンブル・ ミュジック・オブリク
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
録音:1988年9月
Disc6 クシェネック:預言者エレミアの哀歌
この作品を書いていた当時(1941年完成)、クシェネックの作品はナチ政権に「退廃音楽」として弾圧され、クシェネックはアメリカに亡命していました。預言の書から自身で選んだ言葉に、12音技法をとりいれたポリフォニー作品です。1948年に創立され、第2次世界大戦後の混乱期のベルリンの音楽シーンを支え続けた伝統と実力の合唱団の技が冴えます。(キングインターナショナル)
【収録情報】
● クシェネック:預言者エレミアの哀歌 op.93(1941)
RIAS室内合唱団
マーカス・クリード(指揮)
録音:1992年12月
Disc7-8 マーラー『千人の交響曲』
5管編成の大オーケストラ、8人の独唱者、2組の混声合唱団、少年合唱団、それにオルガンという空前の規模を要する『千人の交響曲』は、聖霊の降臨を讃えた第1部に、ゲーテの『ファウスト』終景を題材にオラトリオ的な進行を見せる第2部という独特の構成を持っています。そのため、交響曲というよりも壮大な交響的カンタータともいうべき大規模声楽作品として捉えることも可能です。
一方、ケント・ナガノといえば、現代音楽のほかに、大規模な声楽作品も得意とし、これまでにも、オペラのほか、ベートーヴェンの『オリーブ山上のキリスト』や、シェーンベルクの『ヤコブの梯子』&『地には平和を』、バーンスタインのミサ曲などで話題を呼んでいたものです。
マーラーの作品にしても、交響曲第3番と『大地の歌』、カンタータ『嘆きの歌』、それに歌曲集をすでにレコーディングしていますが、これらはどれも声楽入りの作品であり、その選曲傾向には、そうしたナガノの嗜好が如実に反映されていると見ることもできます。
実際、演奏はナガノらしく独特の雄弁さを備えたものといえ、対位法を駆使したパワフルな第1部では、二群のコーラスのダイナミックな捌きぶりも鮮やかに、緩急差の激しい迫力満点の演奏を聴かせてくれています。
一方、ゲーテの『ファウスト』の終景「山、峡、森、岩、荒地」のドイツ語テキストを用いた第2部では、64分もかけて細部にいたるまでじっくりと描きこんでおり、序奏部の豊かな雰囲気と次第に昂ぶる熱い情念の噴出をはじめ、マリア崇拝の博士による“Blicket auf!”以降の高揚感と深い感動などにも素晴らしいものがありました。(HMV)
【収録情報】
● マーラー:交響曲第8番変ホ長調『千人の交響曲』[88:15]
シルヴィア・グリーンバーグ(ソプラノ:罪深き女)
リン・ドーソン(ソプラノ:贖罪の女)
サリー・マシューズ(ソプラノ:栄光の聖母)
ゾフィー・コッホ(アルト:サマリアの女)
エレナ・マニスティナ(アルト:エジプトのマリア)
ロバート・ギャンビル(テノール:マリア崇拝の博士)
デトレフ・ロート(バリトン:法悦の教父)
ヤン=ヘンドリク・ローテリング(バス:瞑想の教父)
ベルリン放送合唱団(合唱指揮:サイモン・ハルジー)
ライプツィヒMDR放送合唱団(合唱指揮:ハワード・アーマン)
ヴィンツバッハ少年合唱団(合唱指揮:カール=フリードリヒ・ベリンガー)
ジーグルト・ブラウンス(オルガン)
ベルリン・ドイツ交響楽団
ケント・ナガノ(指揮)
録音:2004年4月29日〜5月4日
Disc9-10 モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り
天上に響く聖母の祈り 魂を浄化する至純のハーモニー。当時の典礼の進行にしたがって、各詩篇の間にそれぞれにふさわしい「アンティフォーナ」(グレゴリオ聖歌)を演奏。6声のマニフィカトIを含む全13曲版です。(キングインターナショナル)
【収録情報】
● モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り
アニェス・メロン(ソプラノ)、ギユメット・ロランス(ソプラノ)
ヴィンセント・ダラス(カウンターテノール)、ハワード・クルーク(テノール)
ウィリアム・ケンドール(テノール)、ジェラール・オベイルヌ(テノール)
ペーター・コーイ(バス)、デイヴィッド・トーマス(バス)
コレギウム・ヴォカーレ
トゥールーズ・サックブーティエ
シャペル・ロワイヤル
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
録音:1986年7月