CD 輸入盤

オットー・クレンペラー/ワーナー・クラシックス・リマスター・エディション〜交響曲、管弦楽曲、協奏曲作品録音全集(95CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
5419725704
組み枚数
:
95
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


巨匠指揮者オットー・クレンペラー没50年
2023年最新リマスター音源による旧EMIへのシンフォニック作品と協奏曲作品録音全集


2023年7月8日に、巨匠指揮者オットー・クレンペラーは没50年をむかえます。それを記念して、ワーナー・クラシックスのカタログに収録されている彼の完全な録音全集を、オリジナル・マスターテープより2023年24bit/192kHzリマスター音源による2つのボックスとして発売いたします。その第1弾として『シンフォニック作品&協奏曲作品録音全集』(95CD)を、2023年6月に発売いたします。第2弾の『オペラ&宗教的作品全集』(29CD)は2023年末に発売を予定しています。
 これらの95枚分のCDは、主に交響曲のレパートリーに焦点を当てており、オペラや宗教的作品ボックスに先行して発売したします。この2つのボックスを合わせて『オットー クレンペラー/ワーナー・クラシックス・リマスター・エディション』の全体が形成されます。これは、偉大なるクレンペラーのワーナー・クラシックスが現在権利を持つカタログの全てです。元々は 旧EMIコロンビア、HMV、エレクトローラ、パーロフォンのために録音されたもので、オリジナル・マスターテープ、または入手可能な最良のソースから、2023年「Art & Son Studio」において新たに24bit/192kHzでリマスターされたものです。レコーディング・アーティストとしての彼の黄金時代は、ロンドンのフィルハーモニア管弦楽団と緊密な関係を築いた1950年代に始まり、クレンペラーが亡くなる2年前の1971年まで多くの録音が行われました。
 ここに収録された音楽の大部分は、18世紀後半から20世紀初頭にかけてのオーストリア=ドイツ派の主要な作曲家によるものです。しかし、作曲家の完全なリストが示すように、レパートリーはバロックから近現代、そして他の国の作品まで及びます。
 3つの初出音源(デニス・ブレインとのヒンデミット:ホルン協奏曲からのテイク、ディスク4)(シューベルト:交響曲第4番からのテイク、ディスク58)(クレンペラー作曲の弦楽のためのフーガと変奏、ディスク93)を収録。さらにクレンペラーの自作自演音源集(ディスク93〜94)と、音楽ジャーナリスト、ジョン・トランスキーによる、クレンペラーと演奏した経験を持つ音楽家へのインタビュー(ディスク95)が収められています。

「オットー・クレンペラーは文字通り、20世紀の膨大な音楽史を具現化した。リスナーを音楽の核心に引き込む彼の最高の演奏には、緊張感で構築的な見事な統率」と、ニューヨーク・タイムズは書いています。また「クレンペラーの最も特徴的なパフォーマンスは、厳密に外向きのデザインを投影し、荘厳な落ち着きと重量を蓄積し、指揮における誠実さと道徳的権威の塊として知られていた。彼が提示したテンポとインスピレーションを受けた文字通り、正しい演奏に対する彼の鉄のような主張は、ベートーヴェン、マーラーなどの彼の朗読に新しい意味をもたらした・・・彼の指揮は、テキストの厳密な遵守によって特徴付けられている。彼は決して明白で派手な効果には興味がなく、常にオーケストラを完全に指揮した。彼は素晴らしいオーケストラのバランス感覚を持っていて、音楽の中心的な本質を伝えるために全力を尽くした」と、アメリカの作家ジョーゼフ・ホロヴィッツは書いています。
 プロデューサーだったウォルター・レッグは「彼が求めたのは音価と質感の明瞭さだけだった・・・彼はすべて知的な力と花崗岩のような意志だった」と、1974年に「Gramophone」誌で述べています。レッグは、1926年にヴィースバーデンのオペラハウスでクレンペラーの指揮を初めて聴いたとき「フィデリオとドン・ジョヴァンニの彼の演奏は啓示だった」とも述べています。
 クレンペラーのキャリアの側面は劇的で、若い頃にグスタフ・マーラーに師事し、1920年代のベルリンで前衛芸術家として著名な人物となった後、ナチスによって亡命を余儀なくされました。時には気まぐれで荒々しい性格の彼は、アメリカとヨーロッパの間で暮らし、働き、しばしば経済的に不安定な生活を送り、肉体的および精神的健康に起因する挫折を繰り返し苦しみ、克服しました。特に1939年に脳腫瘍が彼を部分的に麻痺させ、彼は生涯を通じて双極性障害に苦しみました。彼は作曲も行いました。1973年7月8日にチューリッヒで88歳で亡くなりましたが、20世紀の音楽史演奏史にその名を刻みました。

なおワーナーの音源のリマスターを数多く手がける「Art & Son Studio」のリマスターのモットーは、オリジナル・マスターの音を忠実に届けることです。必要以上のイコライザーやノイズリダクションは使用せず、アナログ盤で再生した音を再現するものではありません。耳心地によく聞こえる音質とは異なりますが、これまで以上に生き生きとした音楽をそのまま復活させ、後生に残していくことです。

※ディスク23の紙ジャケの表裏の作品番号と調性、ブックレット P.41の交響曲第1&8番の作品番号と調性に誤記がございます。なお、数量限定生産盤につき、正しく記載されたウォーレットとブックレットの配布は行いません。ご了承下さい。
※旧EMIから発売されておりました、バイエルン放送交響楽団とによるライヴ録音は、バイエルン放送所有の音源のため、このリリースには含まれておりません。
※輸入商品のため、入荷時点で、商品(ジャケット・外装ビニール・外装箱・ケース・封入物など含む)に、細かい傷・折れ・擦れ・凹み・破れ・汚れ・角潰れ・再生に影響のないディスク盤面の傷・汚れ・イメージ違い・個体差などが見られる場合がございます。商品の状態・品質につきましてはあらかじめご了承の上、ご購入いただけますようお願い申し上げます。(輸入元情報)


【収録情報】
Disc1
1. ブラームス:大学祝典序曲 Op.80
2. ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
3. ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』〜第1幕への前奏曲(1859年版)
4. R.シュトラウス:『サロメ』〜7つのヴェールの踊り

 シュターツカペレ・ベルリン
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:23.VI.1927(1,3), 20 & 27.XII.1927, 3.II & 26-27.VI.1928(2), 25.V.1928(4), Singakademie, Berlin(モノラル)
Disc2
1. オーベール:歌劇『フラ・ディアヴォロ』 S.18〜序曲
2. オッフェンバック:喜歌劇『美しきエレーヌ』〜序曲
3. R.シュトラウス:交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』 Op.28
4. R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』 Op.20

 シュターツカペレ・ベルリン
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:22.V.1929(1,2), 3 & 24.VI.1929(3), 28.VI & 25.X.1929(4), Berlin(モノラル)
Disc3
モーツァルト:
1. 交響曲第29番イ長調 K.201
2. 交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:8-9.X.1954(1); 5?6.X and 24.XI.1954(2), Kingsway Hall, London(モノラル)
Disc4
1. ヒンデミット:バレエ音楽『気高い幻想』組曲
2. ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:7-8(1) & 9(2).X.1954, Kingsway Hall, London(モノラル)

3. ヒンデミット:ホルン協奏曲〜 第1楽章(部分演奏 Take3) ※初出音源

 デニス・ブレイン(ホルン)
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:7, X.1954, Kingsway Hall, London(モノラル)
Disc5-6
J.S.バッハ:
● 管弦楽組曲第1番ハ長調 BWV.1066
● 管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV.1067
● 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068
● 管弦楽組曲第4番ニ長調 BWV.1069

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:19-20, 22-23.XI and 3-4.XII.1954, Kingsway Hall, London(モノラル)
Disc7
ベートーヴェン:
● レオノーレ序曲第1番 Op.138
● レオノーレ序曲第2番 Op.72a
● レオノーレ序曲第3番 Op.72b
● 歌劇『フィデリオ』 Op.72〜序曲

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:17-18 & 24.XI.1954, Kingsway Hall, London(モノラル)
Disc8
● ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:3-4 & 17.XII.1955, Kingsway Hall, London(モノラル)
Disc9
● ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:5-6.X & 17.XII.1955, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc10
ベートーヴェン:
● 交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:6-7.X & 17.XII.1955, Kingsway Hall, London(モノラル)

● 『献堂式』序曲 Op.124

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:21 & 25.VII.1956, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc11
1. モーツァルト:セレナード第13番ト長調 K.525『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』
2. ヘンデル:合奏協奏曲 Op.6-4 イ長調(シェーンベルク編)

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:25(1), 28.III & 26.VII.1956(2), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc12
1. モーツァルト:セレナード第6番ニ長調 K.239『セレナータ・ノットゥルナ』
2. モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K.546
3. ベートーヴェン:大フーガ Op.133

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:25(1), 26-27(2,3).III.1956, No. 1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc13
モーツァルト:
1. 交響曲第35番ニ長調 K.385『ハフナー』
2. 歌劇『後宮からの逃走』 K.384〜序曲
3. 交響曲第36番ハ長調 K.425『リンツ』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:19-20.VII.1956(3), 29.IX.1960(2), Kingsway Hall, London; 22-23.X.1960(1), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc14
モーツァルト:
● 交響曲第38番ニ長調 K.504『プラハ』
● 交響曲第39番変ホ長調 K.543

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:23-24.VII.1956, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc15
モーツァルト:
1. 交響曲第25番ト短調 K.183
2. 交響曲第40番ト短調 K.550

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:21 & 23(2) & 24-25(1).VII.1956, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc16
ブラームス:
1. 交響曲第2番ニ長調 Op.73
2. 悲劇的序曲 Op.81

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:29-30.X.1956(1), 29.III.1957(2), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc17
● ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:29 & 31.X.1956, 1.XI.1956 & 28-29.III.1957, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc18
● ブラームス:交響曲第4番ホ短調 Op.98

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:1.XI.1956 & 28-29.III.1957, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc19
ブラームス:
1. 交響曲第3番ヘ長調 Op.90
2. 大学祝典序曲 Op.80

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:26-27(1) & 29(2).III.1957, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc20
ベートーヴェン:
1. 交響曲第2番ニ長調 Op.36
2. 序曲『コリオラン』 Op.62
3. 『プロメテウスの創造物』 Op.43〜序曲

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:4-5(1) & 21(2).X.1957, 25.XI.1957(3), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc21
● ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:7-8.X.1957, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc22
ベートーヴェン:
1. 交響曲第4番変ロ長調 Op.60
2. 『献堂式』序曲 Op.124

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:21-22.X.1957, Kingsway Hall, London(1); 28.X.1959, No.1 Studio, Abbey Road, London(2)(ステレオ)
Disc23
ベートーヴェン:
● 交響曲第1番ハ長調 Op.21
● 交響曲第8番ヘ長調 Op.93

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:28-30.X.1957, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc24-25
ベートーヴェン:
● 交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』


 オーセ・ノルドモ=レーヴベリ(ソプラノ)
 クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
 ヴァルデマール・クメント(テノール)
 ハンス・ホッター(バス・バリトン)
 フィルハーモニア合唱団
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:30-31.X & 21-23.XI.1957 , Kingsway Hall, London(ステレオ)

● 劇音楽『エグモント』 Op.84〜序曲とアリア

 ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:25.X and 21 & 25.XI.1957, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc26
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』


 オーセ・ノルドモ=レーヴベリ(ソプラノ)
 クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
 ヴァルデマール・クメント(テノール)
 ハンス・ホッター(バス・バリトン)
 フィルハーモニア合唱団
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:15.XI.1957, Royal Festival Hall, London(ステレオ/ライヴ)
Disc27
ベートーヴェン:
● 交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
● 『シュテファン王』序曲 Op.117

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:22-24 & 29.X.1959, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc28
● ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:29.X & 11-13.XI.1959, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc29
ハイドン:
1. 交響曲第98番変ロ長調 Hob.I:98
2. 交響曲第101番ニ長調 Hob.I:101『時計』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:18-19(2) & 19-21.I.1960(1), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc30
メンデルスゾーン:
1. 序曲『フィンガルの洞窟』 Op.26
2. 交響曲第3番イ短調 Op.56『スコットランド』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:22, 25 & 27.I.1960(2), 15.II.1960(1), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)

Disc31
● メンデルスゾーン:劇付随音楽『真夏の夜の夢』 Op.61(抜粋)

 ヘザー・ハーパー
(ソプラノ)
 ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
 フィルハーモニア合唱団
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:28 & 29.I. & 16, 18-19.II.1960, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc32
1. メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 Op.90『イタリア』
2. シューマン:交響曲第4番ニ長調 Op.120

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:15, 17 & 19.I.1960, No.1 Studio, Abbey Road, London(1); 4-5.V.1960, Kingsway Hall, London(2)(ステレオ)
Disc33
ワーグナー:
1. 『リエンツィ』序曲
2. 『さまよえるオランダ人』序曲
3. 『タンホイザー』序曲
4. 『ローエングリン』〜第1幕への前奏曲

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:23-24.II(3), 24-25.II(2), 2-3.III(1), 25.II & 3.III.1960(4), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc34
ワーグナー:
1. 『ローエングリン』〜第3幕への前奏曲
2. 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』〜第1幕への前奏曲
3. 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』〜徒弟たちの踊りとマイスターたちの入場
4. 『トリスタンとイゾルデ』〜前奏曲と愛の死
5. 『神々の黄昏』〜ジークフリートの葬送行進曲

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:27.II(1,5), 1-2.III(2), 1-3.III(4), 8.III.1960(3), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc35
ワーグナー:
1. 『ラインの黄金』〜ヴァルハラ城への神々の入城
2. 『ワルキューレ』〜ワルキューレの騎行
3. 『ジークフリート』〜森のささやき
4. 『神々の黄昏』〜ジークフリートのラインの旅
5. 『タンホイザー』〜第3幕への前奏曲
6. 『パルジファル』〜第1幕への前奏曲

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:3.III.1960(5), 10.III.1960(2), 24.X.1961(1), 24.X & 13.XI.1961(3), 14.XI.1961(6), 22.XI.1961(4), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc36
R.シュトラウス:
1. 交響詩『ドン・ファン』 Op.20
2. 『サロメ』 Op.54〜 7つのヴェールの踊り
3. 交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』 Op.28

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:5.III(2), 8-9.III(3), 9-10.III.1960(1), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc37
1. ウェーバー:歌劇『魔弾の射手』序曲
2. ウェーバー:歌劇『オイリアンテ』序曲
3. ウェーバー:歌劇『オベロン 序曲
4. フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』序曲
5. フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』よりパントマイム
6. グルック:歌劇『オーリードのイフィジェニー』序曲

7. クレンペラーのアナウンス
8. ケルビーニ:『アナクレオン』序曲

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:5 & 6.V.1960(1,3), 27 & 29(4,5), 28(2)& 29.IX.1960(6), 28.IX.1960(7,8), Kingsway Hall, London(ステレオ)

Disc38
モーツァルト:
● ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412
● ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
● ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
● ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495

 アラン・シヴィル
(ホルン)
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:11, 12, 18 & 19.V.1960, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc39
1. シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
2. リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124

 アニー・フィッシャー
(ピアノ)
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:22-24.V.1960 and 9-10, 31.V. & 16.VIII.1962, Kingsway Hall, London(1); 24.V.1960 & 10.V.1962(2), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc40
● ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

 ダヴィド・オイストラフ
(ヴァイオリン)
 フランス国立放送管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:17-19.VI.1960, Salle Wagram, Paris
Disc41-42
J.S.バッハ:
● ブランデンブルク第1番ヘ長調 BWV.1046
● ブランデンブルク第2番ヘ長調 BWV.1047
● ブランデンブルク第6番変ロ長調 BWV.1051
● ブランデンブルク第3番ト長調 BWV.1048
● ブランデンブルク第4番ト長調 BWV.1049
● ブランデンブルク第5番ニ長調 BWV.1050

 フィルハーモニア管弦楽団
 ジョージ・マルコム
(チェンバロ)
 オットー・クレンペラー(指揮)

 録音:X-XI.1960 , No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc43
● ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:25.X, 19.XI & 3.XII.1960, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc44-45
● ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107(1885年ノヴァーク版)

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:1-5.XI.1960 , Kingsway Hall, London(ステレオ)

● ワーグナー:ジークフリート牧歌

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:24.X & 13.XI.1961, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc46
● シューベルト:交響曲第9番ハ長調 D.944『グレート』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:16-19.XI.1960, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc47
● マーラー:交響曲第4番ト長調

 エリーザベト・シュヴァルツコップ
(ソプラノ)
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:6-8, 10 & 25.IV.1961, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc48
● チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 Op.74『悲愴』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:18?20.X.1961, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc49
1. J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーン気質』 Op.354
2. J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』序曲
3. J.シュトラウス2世:皇帝円舞曲 Op.437
4. ヴァイル:小さな三文音楽(『三文オペラ』からの管楽オーケストラのための組曲)
5. クレンペラー:メリー・ワルツ

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:20.X.1961(1,3), 30.X.1961(5), 30-31.X & 2.XII.1961(2,4), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc50
R.シュトラウス:
1. 交響詩『死と浄化(変容)』
2. メタモルフォーゼン(23の独奏弦楽器のための習作)

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:23.X & 13.XI.1961(1), 3-4.XI.1961(2), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc51
● マーラー:交響曲第2番ハ短調『復活』

 エリーザベト・シュヴァルツコップ
(ソプラノ)
 ヒルデ・レッセル=マイダン(メゾ・ソプラノ)
 フィルハーモニア合唱団
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:22-24.XI.1961 & 15, 24.III.1962, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc52
1. ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
2. ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』より『イゾルデの愛の死』
3. ブラームス:アルト・ラプソディ Op.53
4. マーラー:リュッケルト歌曲集より『私はこの世に忘れられ』
5. マーラー:リュッケルト歌曲集より『真夜中に』
6. マーラー:『子供の不思議な角笛』より『うき世の暮らし』
7. マーラー:リュッケルト歌曲集より『私は快い香りを吸いこんだ』
8. マーラー:『子供の不思議な角笛』より『美しいトランペットの鳴りわたるところ』

 クリスタ・ルートヴィヒ
(メゾ・ソプラノ)
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:21-23.III.1962(1-3), 17-19.II.1964(4-8), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc53
モーツァルト:
1. 交響曲第40番ト短調 K.550
2. 交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:6-7(2), 8 & 28.III.1962(1), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc54
モーツァルト:
● 交響曲第38番ニ長調 K.504『プラハ』
● 交響曲第39番変ホ長調 K.543

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:26-28.III.1962, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc55
ストラヴィンスキー:
1. 三楽章の交響曲
2. バレエ組曲『プルチネッラ』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:28 & 30.III and 16.V.1962(1), 18.II, 14 & 18.V.1963 and 20.III.1964(2), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc56
● チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:16-19 & 21.I.1963, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc57
● チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:23-25.I. & 2.II.1963, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc58
シューベルト:
1. 交響曲第5番変ロ長調 D.485
2. 交響曲第8番ロ短調 D.759『未完成』
3. 交響曲第4番ハ短調 D.417〜第1楽章(テイク録音)
 ※初出音源

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:4 & 6.II.1963(2), 13, 15 & 16.V.1963(1), 7.XI.1963(3), Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc59
● ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:23-26.IV. & 17 & 18.IX.1963, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc60
● ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 WAB104『ロマンティック』(1878/80年ノヴァーク版)

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:18-20 & 24-26.IX.1963, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc61
モーツァルト:
1. 交響曲第31番ニ長調 K.297『パリ』
2. 交響曲第34番ハ長調 K.338

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:16-18(1) & 18-19(2).X.1963, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc62
● ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 Op.95『新世界より』

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:30 & 31.X and 1 & 2.XI.1963, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc63
ベートーヴェン:
1. レオノーレ序曲第1番 Op.138
2. レオノーレ序曲第2番 Op.72a
3. 歌劇『フィデリオ』 Op.72〜序曲
4. レオノーレ序曲第3番 Op.72b

 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:6 & 17.II.1962(3); 6-7(1), 5-6(2) & 4-5(4). XI.1963, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc64
● モーツァルト:セレナード第10番変ロ長調 K.361『グラン・パルティータ』

 ロンドン管楽五重奏団&アンサンブル
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:26.I & 10-13.XII.1963, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc65
● マーラー:大地の歌

 クリスタ・ルートヴィヒ
(メゾ・ソプラノ)
 フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
 フィルハーモニア管弦楽団(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:19-22.II.1964, Kingsway Hall, London; 7-8.XI.1964 (Wunderlich) and 6-9.VII.1966 (Ludwig), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc66
ハイドン:
1. 交響曲第88番ト長調 Hob.I:88
2. 交響曲第104番ニ長調 Hob.I:104『ロンドン』

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:12-14(1) & 14-16(2).X.1964, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc67
モーツァルト:
1. 歌劇『フィガロの結婚』序曲 K.492
2. フリーメイソンのための葬送行進曲 K.477
3. 歌劇『後宮からの逃走』序曲 K.384
4. 歌劇『ドン・ジョヴァンニ』序曲 K.527
5. 歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』序曲 K.588
6. アダージョとフーガ ハ短調 K.546
7. 歌劇『皇帝ティートの慈悲』序曲 K.621
8. 歌劇 『魔笛』序曲 K.620
9. セレナード第13番ト長調 K.525『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』

 フィルハーモニア管弦楽団
(3,6,8)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1,2,4,5,7,9)
 オットー・クレンペラー(指揮)

 録音:7.III.1956(6), 29.IX.1960(3); 24-26 & 31.III and 1?4, 6?8 & 10.IV.1964(8); 16 & 29.X.1964(5); 29-30.X.1964(4); 30.X & 9.XI.1964(1); 9 & 14.XI.1964(7); 29-30.X & 4.XI.1964(9); 14.XI.1964(2), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc68
● ブルックナー:交響曲第6番イ長調 WAB106(1881年ハース版)

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:6, 10-12 & 16-19.XI.1964, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc69
モーツァルト:
1. 交響曲第29番イ長調 K.201
2. 交響曲第33番変ロ長調 K.319

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:20, 21(1) & 22-23(2).IX.1965, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc70
ハイドン:
1. 交響曲第100番ト長調 Hob.I:100『軍隊』
2. 交響曲第102番変ロ長調 Hob.I:102

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:20-21.X.1965(1); 25-26.IX & 19.X.1965(2), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)

Disc71
シューマン:
● 交響曲第1番変ロ長調 Op.38『春』
● 『マンフレッド』序曲 Op.115

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:21-23, 25 & 27.X.1965, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc72
● ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61

 イェフディ・メニューイン
(ヴァイオリン)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:21, 22, 24 & 25.I.1966, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc73
1. フランク:交響曲ニ短調 FWV.48
2. ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1947年版)

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:10-12 & 14-15.II.1966(1), 28, 29 & 31.III.1967(2), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc74-75
● マーラー:交響曲第9番ニ短調

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:15-18 & 21-24.II.1967, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc76
● ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 WAB105(1878年ノヴァーク版)

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:9, 11, 14 & 15.III.1967, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc77
モーツァルト:
1. ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503

 ダニエル・バレンボイム
(ピアノ)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:17-18.III.1967, No. 1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)

2. セレナード第12番ハ短調 K.388
3. セレナード第11番変ホ長調 K.375

 ニュー・フィルハーモニア管楽アンサンブル
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:14-15.III.1967, Kingsway Hall, London(2); 20-21.IX.1971(3), No. 1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc78
ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
2. ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19

 ダニエル・バレンボイム
(ピアノ)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:3-4.XI.1967(2), 11, 14 & 28.X and 4.XI.1967(1), No. 1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc79
ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
2. ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58

 ダニエル・バレンボイム
(ピアノ)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:9-10.X.1967(2), 10-11 & 14.X.1967(1), No. 1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc80
ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
2. 合唱幻想曲 ハ短調 Op.80

 ダニエル・バレンボイム
(ピアノ)
 ジョン・オールディス合唱団(2)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:3-4.XI.1967(2), 4-5 & 9.X.1967(1), No. 1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc81-82
● マーラー:交響曲第7番ホ短調『夜の歌』

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:18-21 and 24-28.IX.1968, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc83
シューマン:
1. 交響曲第2番ハ長調 Op.61
2. 歌劇『ゲノヴェーヴァ』 Op.81〜序曲

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:3, 5 & 6(1) & 7(2).X.1968, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc84
1. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92
2. ラモー:ガヴォットと6つの変奏曲(クレンペラー編)
3. ベートーヴェン:『プロメテウスの創造物』 Op.43〜序曲とバレエ音楽

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:7, 13(2) & 12-14(1).X.1968, 6, 17-18.X.1969(3), No. 1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc85
シューマン:
● 交響曲第3番変ホ長調 Op.97『ライン』
● ゲーテの『ファウスト』からの情景 WoO.3〜 序曲

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:5-8.II.1969, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc86-87
J.S.バッハ:
● 管弦楽組曲第1番ハ長調 BWV.1066
● 管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV.1067
● 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068
● 管弦楽組曲第4番ニ長調 BWV.1069

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:16-19.IX & 17-18.X.1969, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc88
オットー・クレンペラー:
● 交響曲第2番

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:3.XI.1969, No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)

● 弦楽四重奏曲第7番

 フィルハーモニア弦楽四重奏団


 録音:16-17.II.1970, No.1 Studio, Abbey Road, London - recorded under Klemperer's supervision(ステレオ)
Disc89
● ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(1884年ノヴァーク版)

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:6-7 & 18-21.II.1970, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc90
ハイドン:
1. 交響曲第92番ト長調 Hob.I:92『オックスフォード』
2. 交響曲第95番ハ短調 Hob.I:95

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:9-10.II.1970(2); 18-19.IX.1971(1), No.1 Studio, Abbey Road, London(ステレオ)
Disc91-92
● ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版)

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー
(指揮)

 録音:29 & 30.X and 2-4, 10, 11 & 14.XI.1970, Kingsway Hall, London(ステレオ)
Disc93
オットー・クレンペラー:
1. 交響曲第2番(1962年版)
2. 管弦楽のための変奏曲(1962年版)
3. 弦楽のためのフーガと変奏(1962年版)
 ※初出音源
4. 交響曲第2番〜第2楽章(alternate version)
5. 我、弾劾す(英語歌唱)
6. Recollection
7. スケルツォ

8. クレンペラーの75歳の誕生日のドーチェスター ホテルでのジョゼフ・ロックウッドとクレンペラーのスピーチ

 ニュー・フィルハーモニア合唱団(8)
 フィルハーモニア管弦楽団(1-3)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(4-7)
 オットー・クレンペラー(指揮:1-7)

 録音:19.V.1962, Royal Festival Hall(1-3); 22.III.1968(4), X.1968(5,6), III.1969(7), Abbey Road, London; 11.V.1960,The Dorchester Hotel, London(8)
Disc94
オットー・クレンペラー:
1. 弦楽四重奏曲第3番
2. 交響曲第4番
3. 交響曲第3番

 フィルハーモニア弦楽四重奏団
(1)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(2,3)
 オットー・クレンペラー(指揮:2,3)

 録音:17.III.1969(1), III.1969(2), 14.II.1970(3), Abbey Road, London
Disc95
● 音楽ジャーナリスト、ジョン・トランスキーによる、クレンペラーと演奏した経験を持つ音楽家へのインタビュー
 録音:1989-2022年

 演奏について

【クレンペラーのベートーヴェン】
ベートーヴェンの交響曲全集は、クレンペラーの代表作として知られるもので、序曲その他を含め、遅めのテンポで壮大な世界を構築したユニークな名演の数々を味わえます。クレンペラーのベートーヴェン演奏は、パート・バランスを常に適切に保つことで、情報量が非常に多いものになっているのが特徴であり、さらに目立った特質として、フレーズの形を完璧に維持し、拍も厳格に守ることで、独特の堅牢なスタイルを構築している点が挙げられます。
 クレンペラーは、当時の指揮者の常として、楽譜に隠し味的な変更を加えていることはインタビューでも言及していましたが、60年録音の第7番冒頭ではヴァイオリン・セクションをオクターヴ上げするなどかなり思い切ったこともしていました。
 また、これはクレンペラー録音全般に言えることですが、楽器配置がヴァイオリン両翼型ということで、木管楽器重視のクレンペラーの嗜好がさらに活かされることとなり、各パートが立体的に交差する情報量の多さが、独特な音響創出に繋がっています。交響曲第9番第2楽章など実に鋭くユニークです。(HMV)

【クレンペラーのブラームス】
交響曲第1番は、フォルムのがっしりしたきわめて構築的な名演で、情緒に流されることなく各素材を組みあげています。第4楽章の有名な主題も、序奏終了後、間髪入れずに開始されますが、表情は気品高く美しく、端正な“形”への意識、バランス感覚の強さを感じさせます。
 交響曲第2番の謹厳実直さもいかにもクレンペラーらしいところ。
 交響曲第3番は、第1楽章冒頭から様々な動機をきっちりと確認させる構造的なアプローチで、力強くシンフォニックな部分はもちろん、中間楽章での、木管セクションの個性的な音色も実に魅力的。15年後の引退公演にも選んだ愛好作品だけに、隅から隅まで手のうちに入った演奏はどこをとっても魅力的です。
 交響曲第4番も名演です。この曲では、第1楽章冒頭からクレンペラーとしては不思議なほど豊かな情感の示される演奏を聴かせており、改めてこの作品の巧みな書法に思いが至ります。演奏もそうした書法を強調するかのように個性的で、リズミカルな第2楽章(!)や、スケルツォでの大パウゼなど、聴きどころ多数。もちろん、終楽章での千変万化する素材と様式感の融合も見事なものです。
 クリスタ・ルートヴィヒのほの暗い美声が映える『アルト・ラプソディ』、厳しく立派な『悲劇的序曲』、堂々たる『大学祝典序曲』、各変奏が生き生きと描き分けられる『ハイドン変奏曲』と、交響曲以外の作品もみごとな演奏水準です。(HMV)
【クレンペラーのブルックナー/交響曲第4番】
副題『ロマンティック』に抵抗するようなドライな雰囲気の演奏ですが、クレンペラーとしてはまっとうなテンポで、動的かつ立体的に響き渡る音楽からは、交響曲としてのメリハリの効いた面白さも確かに伝わってきます。

【交響曲第5番】
晩年様式の巨大なフォルム構築が、作品の持ち味に合致した演奏で、第1楽章のクールな重量感、第4楽章での克明を極めた対位法アプローチなど、クレンペラーの魅力満載の演奏に仕上がっています。

【交響曲第6番】
クレンペラーのこのブル6はいわくつきです。EMIのプロデューサー、ウォルター・レッグに対し、この作品のレコーディングを幾度か提案しながらも、「売れない」というだけの理由で拒否され続けて憤慨していたクレンペラーが、EMIからの援助打ち切りにより、フィルハーモニア管弦楽団が自主運営へと組織改変し、「ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」として再スタートして間もなく、そのEMIにレコーディングをおこなっているのです。レッグへの皮肉も込めてのこと、という見方もありますが、それよりも作品への愛情の強さゆえと見るほうが妥当でしょう。
 実際、演奏は素晴らしいものとなっており、第1楽章冒頭のゴツゴツしたリズム動機の扱いからすでにクレンペラーらしさが全開です。続く第1主題での巨大さはもちろん、数多い構成動機を際立たせながら表出するのもいかにもクレンペラーらしいところで、その情報量の多さ、荒っぽいまでの迫力はさすが。第2主題でもピツィカートを強調するなど立体感の面白さはやはり比類がなく、第3主題の力強さと合わせて、その演奏内容からは、クレンペラーの意欲が見事にオケにも伝播したと見ることが可能でしょう。何しろここでは第2楽章の葬送行進曲(第3主題)まで力強いのです(しかも美しい!)。

【交響曲第7番】
クレンペラーがEMIに録音したブルックナー作品の中で最も普遍的な魅力を持つのがこの第7番。ブルックナーにしては少々冷たいとも言われますが、この醒めたバランス感覚はクセになります。美しいメロディを持つがゆえに、主旋律ばかりが強調されがちだった傑作に対し、クレンペラーのアプローチは常に情報量豊富で立体的であり、どこをとっても構成要素が手に取るように判るのが嬉しいところ。クレンペラーならではの独特の静けさをたたえたフレージングも素晴らしく、第2楽章など無骨な風情の中に漂う哀しみが崇高ですらあります。

【交響曲第8番】
クレンペラー最晩年に特徴的な澄んだ音楽づくりは、第8番の演奏という偉大な高峰の攻略を正攻法ではおこなっていないように見えるのが面白いところです。急峻な崖のような第1楽章と第2楽章は、ゆったりしたテンポで岩肌のディテールまで確認できるような手法を採用、第3楽章では通常のテンポで全素材に光をあてて、個々の旋律だけでなくパート間の絡み合いの美しさも表現、深い感銘を与えてくれます。
 第4楽章では、再びゆったりしたテンポを採用し、3つの主題を深い呼吸で描き分けて呈示部を見事に演奏しています。しかしクレンペラーはなぜか、続く展開部の大部分と再現部の第3主題部をカットしているため、呈示部の後は、展開部第3主題部→再現部第1主題部→再現部第2主題部→終結部という構成に短縮。すべてのブロックがクレンペラー最晩年ならではの魅力的な演奏に仕上がっているので、この推定10分ほどのカットは残念なところです。

【交響曲第9番】
第9番もクレンペラー最晩年の演奏。ゆったりしたテンポを基調に、力感よりも情報量を重視した音楽づくりで、第3楽章第2主題部での深々とした立体的な演奏や、同じく展開部での第1楽章第1主題の回想部分での厳しく毅然としたアプローチなど随所に聴きどころがあります。(HMV)
【クレンペラーのマーラー】
1905年、クレンペラーがまだかけだしだった頃、『復活』の初演指揮者でもあるオスカー・フリート[1871-1941]の演奏会の際、舞台裏アンサンブルの指揮をまかされたことがあります。リハーサルに現われたマーラー本人に、クレンペラーは自分が受け持った部分に満足しているか尋ねにいきました。ところが「まったく最低だ。あまりにうるさすぎる!」との答え。「しかし楽譜には“非常に高らかに”とある」とのクレンペラーの反論に対し、マーラーはこう答えました。「その通りだ。しかし、遠くかなたからだ。」クレンペラーはこの言葉を心に刻み、実際の演奏会では非常に柔らかく聴こえるよう努力しました。演奏会後、楽屋にやってきたマーラーは、クレンペラーを見つけて手を握り「素晴らしかった」と褒め称えました。クレンペラーいわく「それがどんなに嬉しかったか!」。それを機にマーラーとの親交が始まったクレンペラーは、ほどなくマーラーの推薦状を得てプラハのドイツ歌劇場の指揮者に就任、以後、実力を発揮する大きなきっかけを与えられることとなりました。
 そんな具合にマーラーに大恩あるクレンペラーですが、20世紀作品の紹介に熱心だったこともあってか、同じくマーラーの弟子だったブルーノ・ワルターとは、師の作品への好みや解釈もずいぶん違ったものになっていました。
 クレンペラーもワルターも、マーラー自身のリハーサルや本番を見ていたせいか、楽譜上の執拗なまでの但し書きにはあまりこだわらなかった点では共通していますが、クレンペラーはワルターほど情感表現には重きを置かず、きわめてシンフォニックなスタイルで一貫していたのが特徴的。
 フレーズに過剰な気持ちを込めることなく、あくまでも全体構成の一部として機能させながら、独特のパースペクティヴと細部情報の実在感を生み出すクレンペラーのマーラーからは、最期まで交響曲という伝統的な表現様式にこだわったマーラーの本音が見えてくるようでもあります。

【交響曲第2番】
マーラーとの出会いのきっかけともなったこの作品をクレンペラーは大切にし、戦後、各地で何度もとりあげていました。それらの多くは評判となり、これまでに計8種類もの音源がリリースされていますが、中でもこのEMIへのセッション録音は、充実した内容もあってすでに名盤として高い評価を得ています。
 第1楽章は冒頭から気迫に満ち、執拗なまでのコントラバスへのこだわりが有無を言わせぬ迫力を生み出す第1主題部を形成、第2主題部では無用な感傷を排して透明な美感を表出し、それらの明確なコントラストとリズム処理により、推進力に富む力強い音楽を展開。一方、第2楽章では、後半、ピツィカートに導かれる叙情的な部分でのあたたかな音楽にクレンペラーの作品への愛情が感じられるほか、錯綜としがちな長大な第5楽章では、骨太な表現で一貫、シンフォニックなまとまりの良さで作品を見事に仕上げています。

【交響曲第4番】
同じく弟子だったワルターは、第4番でも情緒纏綿とした表情を湛えた美演を聴かせていましたが、クレンペラーの場合は、第1楽章はどこまでも巨大で立体的で奥深く、第2楽章はまるで抽象化された戯画のようにグロテスクだったりユーモラスだったり懐かしかったり。続く第3楽章ではしっかりとした足取りで歩む人の覚醒した意識を示すかのようで、自然や世界の脅威描写も確実に受けとめられます。第4楽章ではシュワルツコップが雄弁に天上の生活を歌い上げており、その表情の過剰さがシニカルな作品の視点にふさわしく、「地上には天上の音楽と比較できるものは何もない...」と歌われるコーダでの陶然とするばかりの美しさとのコントラストも強烈です。

【交響曲第7番】
マニアには有名な問題演奏(?)で、第1楽章冒頭と第5楽章冒頭のトレモロが克明に聴こえる点に象徴されるように、とにかくどこまでも“見える(聴こえる)”演奏になっているのがポイント。
 良心的な指揮者たちがあれほど追いかけるのに必死になる執拗なまでの表情指定もおおむねオミットしてしまう図々しさは、マーラー自身のリハーサルに立ち会ったという自信の表明なのでしょうか?
賛否両論まっぷたつの問題演奏ではありますが、第7交響曲に興味を持つ聴き手にとっては避けて通れない刺激に富んだ内容を持っていることは間違いなく、感情重視のマーラー指揮者の演奏からは絶対に聴き取れないユニークなフォルムの美学が、初演時のシェーンベルクの感想に思いを馳せさせてくれます。
 なお、この年のクレンペラーは精力的に活動しており、2月と3月にはワーグナーの『さまよえるオランダ人』全曲をセッション・レコーディングして演奏会形式でも上演、5月と6月にはウィーン・フィルの連続演奏会に出演して数多くの作品を指揮、8月の終わりにはエジンバラ音楽祭でマーラーの9番を指揮、10月にはシューマンの2番やベートーヴェンの7番ほかをレコーディングと、意欲にあふれた年でもあったようです。

【交響曲第9番】
クレンペラー自身がマーラー随一の傑作と讃える作品の非常に優れた演奏で、マニア筋からは叙事詩的名盤として長く絶賛されてきました。
 感情に流されることなく巨大な構造を次々に明らかにしてゆく第1楽章のアプローチには実にみごとなものがあり、第2楽章のパロディ表現、第3楽章の皮肉な感触、第4楽章アダージョでの深い静けさをたたえた気品ある表現が、忘れ難い感銘を与えてくれます。第2ヴァイオリン右側の「対向配置」も実に効果的です。

【大地の歌】
クレンペラーのマーラーを代表する素晴らしい演奏。交響曲でありながら歌曲的性格も濃厚というこの複合的作品に対し、きわめてシンフォニックなアプローチがおこなわれた見事な演奏であり、その荒々しいまでの厳しさは伝説的名演の名にふさわしいもの。
 フリッツ・ヴンダーリヒとクリスタ・ルートヴィヒの歌唱も最高です。無用な感情移入をおこなわず、あくまでも明晰に高いテンションで歌われる彼らの歌唱パートは、その克明さゆえにオーケストラとの絡み具合も完璧であり、弱音部分ではまるで室内アンサンブルのような緊密な連携ぶりを聴かせています。
 同じく弟子であったワルターの退廃的で甘美な演奏に対し、荒涼・殺伐といった精神風景に向き合った感すらあるクレンペラーの解釈は、その情報量の多さと立体感ゆえ、作品の複合的性格の浮き彫り具合でも異彩を放っています。

【歌曲】
『子供の不思議な角笛』から2曲と、『リュッケルト歌曲集』から3曲を収録。この5つの歌曲セッションの直後には名高い『大地の歌』の女声楽章が収録されており、そこでの歌唱と同じく、クリスタ・ルートヴィヒの歌唱は実に素晴らしいもので、ほの暗い声が作品それぞれの世界を美しく描きあげているのが印象的。クレンペラーによる伴奏も情報量の多い立派なもので、歌と一体になった表現力がさすがです。(HMV)
【クレンペラーのモーツァルト】
クレンペラーはモーツァルトが大好きだったようで、交響曲を筆頭に、オペラから協奏曲、セレナーデなど数多くのレパートリーを演奏していました。その、武骨な中にも共感に満ちた演奏の数々は、現在聴いても存在感たっぷりで、意外にもびゅんびゅんとばす第25番や『リンツ』から、巨大なスケールと深い呼吸で対位法の面白さを印象づける『ジュピター』に至るまで、聴きごたえある演奏が揃っています。
 クレンペラーはモーツァルトを偏愛していただけに、有名なステレオ音源のほかにもいくつかの録音が残されています。 交響曲第29番、第38番、第39番、第40番、第41番、『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』についてそれぞれ2種の演奏を楽しめるというすごいことになっています。

【ワーグナー】
ヴィーラント・ワーグナーを感激させたエピソードでも知られる一連の管弦楽曲録音をすべて収録。強烈な高揚感で有名な『ジークフリートの葬送行進曲』はじめ、どれも強い表現意欲に突き動かされたような名演ばかりです。
 『トリスタンとイゾルデ』第3幕から「イゾルデの愛の死」、そして『ヴェーゼンドンク歌曲集』を収録。クリスタ・ルートヴィヒのほの暗い声が作品の雰囲気によく合う美しい仕上がりです。

【R.シュトラウス】
『メタモルフォーゼン』は抒情に流されずに、作品の構造をバランスよく表出した辛口な表現で、それだけに最後の『エロイカ』葬送主題が胸に迫る効果も。  おなじみの『ドン・ファン』『死と変容』「サロメのヴェールの踊り」『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』では、意外なほどに各動機に表情をつけ、スケール大きな中にも、作品への共感を示すクレンペラーのアプローチが聴きごたえ十分な仕上がりとなっています。

【バッハ】
クレンペラーは20世紀初頭からバッハをよくとりあげており、当時の古楽研究の進歩や演奏スタイルの変遷と共に、自身の解釈にも変化を加えるなど柔軟な対応をみせてもいました。ここで聴けるブランデンブルクは晩年のものですが、堅牢で落ち着いた雰囲気の中に、バッハの様式美が存在感十分に示されており、小編成ながら大きな枠組の中で奏でられるガレス・モリス、シドニー・サトクリフ、ジョージ・マルコムらのソロも聴きごたえ十分な仕上がりです。
 管弦楽組曲は新旧録音を収録しています。

【ヘンデル】
クレンペラーのヘンデル録音は少なく、この合奏協奏曲作品6の第4番のほかは、『メサイア』があったのみ。どちらもクレンペラー流儀の見事な演奏で、この合奏協奏曲では、きわめて力強い合奏により、短調のヘンデルの魅力を味わうことができます。

【グルック】
若い頃に師のマーラーの指揮するグルックのオペラに接して感激したクレンペラーは、自身でも戦前には何度もグルック作品を指揮していました。しかし戦後は残念ながらその機会には恵まれず、クレンペラーによるグルックの世界を味わえるのはこの『アウリスのイフィゲニア』序曲のみとなっています。
 グルックのオペラ、『アウリスのイフィゲニア(オーリードのイフィジェニー)』といえば、現在では序曲のみコンサート・レパートリーとして定着していますが、その際、オリジナル版で演奏するか、ワーグナー版で演奏するかという選択肢があり、クレンペラーはワーグナー版を採用して演奏しています。
 もともとワーグナー版は、小味なオリジナル版に較べて雄大な傾向があり、フルトヴェングラーやホーレンシュタインなどもこのヴァージョンで演奏していましたが、クレンペラーのは彼らの演奏と比較してもケタ違いのスケール感と驚くべき迫力、透明な抒情の美しさを誇っています。その二元論的な強さとでもいうべき確信に満ちたテンポと、純度の高いサウンドの構築には驚くほかなく、わずか11分の作品とはとても思えない聴後感・深い感動が、指揮者クレンペラーの特別さを象徴するかのようです。

【ラモー】
『ガヴォットと変奏』は、作曲家クレンペラー独特のセンスを感じさせる美しい編曲。原曲はラモーの新クラヴサン組曲第2集の第4組曲に含まれる第7番という作品です。編曲スタイルはクレンペラーと関係の深かったシェーンベルクら新ウィーン楽派の面々によるバロック編曲にもどこか通じる美しさが備わっています。

【ハイドン】
クレンペラー晩年のハイドン演奏は、オリジナル楽器演奏のような軽快なものではありませんが、重厚で大げさな昔風のハイドン演奏とも異なっています。その演奏の特徴は、比較的大柄で見通しの良いフォルムと、それを支える潔癖なフレージング、そして立体感の強いオーケストラ・サウンドが組み合わされたというユニークなもので、透明度の高いテクスチュアと独特の静謐なムードが、晩年のクレンペラーならではの魅力を醸し出しています。

【シューベルト】
1963年5月の交響曲第5番は、曲にふさわしい優雅な音楽を聴かせる演奏で、巨大でヘヴィーな『幻想交響曲』、『アウリスのイフィゲニア』と同じ頃の録音。作品によっては柔軟な対応をおこなっていたクレンペラーの意外な面を楽しめます。
 1963年2月の『未完成』は、チャイコフスキーの4番と5番、ストラヴィンスキーの『プルチネッラ』と同じ頃の録音。それらとも共通する明確な造形美と少し抑制気味の情緒表現が印象的な演奏。
 1960年11月の『グレート』は、当時、交響曲第7番と呼ばれていたこともあってか、同時期にベートーヴェン第7番、ブルックナー第7番が録音されており、ここでもそれらに通じる雄大なスケールの音楽を味わえます。面白いのは第1楽章序奏部から主部への移行部分。通常はギアチェンジで大幅に速くなる部分ですが、クレンペラーでは遅いままたっぷりした感覚で第1主題が呈示されています。

【メンデルスゾーン】
1960年1月から2月にかけて集中的に録音された一連のメンデルスゾーン作品は、昔からクレンペラー・ファン以外にもよく知られていた名演が多数。
 『フィンガルの洞窟』では広々とした構えの中にチェロによって示される第2主題が実に魅力的。『イタリア』も気品あるアプローチが美しく、『スコットランド』では、大幅に拡大された作品の持ち味を、ほの暗い響きの中に慌てず急がず見事なフレージングで立体的に再現。終楽章コーダでは、どこかバッハ:ロ短調ミサの終曲を思わせるような雰囲気で巨大な音楽を構築しているのが心に残ります。
 『真夏の夜の夢』は以前から有名な演奏で、木管楽器を大切にしたクレンペラーならではの色彩の豊かさと美しさ、決して力まず精妙にあたたかく表現されるメルヘンの世界が独自の味わい深さに繋がっています。

【シューマン】
1965年10月の交響曲第1番『春』は、ベートーヴェンの荘厳ミサや、ハイドンの交響曲第100番と102番、モーツァルトの交響曲第29番と33番などと同じ頃の録音で、新運営体制になって1年あまりが経ったオーケストラの高い士気を反映した演奏となっており、80歳になっていたクレンペラーもここでは気迫のこもった指揮ぶりで、オケをダイナミックに統率しています。
 1968年10月の交響曲第2番と『ゲノヴェーヴァ(ゲノフェーファ)』序曲は、マーラーの交響曲第7番やベートーヴェンの交響曲第7番再々録音などと同じ頃の録音で、それらと共通のきわめて遅いテンポによる演奏です。
 その4ヶ月後の1969年2月に録音された交響曲第3番『ライン』も、同様にクレンペラー最晩年様式の遅いテンポによる演奏。第2楽章での幅広い音の流れが独自の味わいを醸し出しています。
 1960年5月の交響曲第4番は、シューマンとリストのピアノ協奏曲や、ヴェーバーの『オベロン』『魔弾の射手』と同じ頃の録音。冒頭からハイテンションの演奏で、比類の無い緊張感と重量感でぐんぐん進み、効果的な楽器法改変も含めてすごい高揚感をつくりあげています。
 1966年2月の『マンフレッド』序曲は、フランクの交響曲ニ短調と同時期の録音。悲痛な題材に付曲したシューマン後期の傑作を、クレンペラーが緊迫した悲劇的なタッチで演奏。

【ウェーバー】
『魔弾の射手』序曲、『オイリアンテ』序曲、『オベロン』序曲ともに1960年の録音。初期ロマン派作品では、クレンペラー流儀の木管重視スタイルは非常に有効で、独特の色彩を持つ響きが味わい豊かな演奏に結実。体調も良かったのか、緊張感の持続、エネルギー・レヴェルも申し分のない水準にあります。

【ヨハン・シュトラウス】
1961年の録音で、同じ頃にR.シュトラウスやワーグナー、自作のメリー・ワルツのセッションなどもおこなっていました。クレンペラーとヨハン・シュトラウスは意外な組み合わせにも思えますが、『こうもり』序曲では各素材を丁寧に濃やかに描き出し、開幕の華やかさや本編への期待感を煽るワクワクした感じがなんとも魅力的。『ウィーン気質』でもリラックスした雰囲気でヨハン・シュトラウスらしい親密な美感を十分に堪能させてくれます。クレンペラーらしいのは『皇帝円舞曲』。序奏部から主部への盛り上がりの凄さには、いったい何事が起こったのかと思わせるインパクトの強さがあります。

【ベルリオーズ】
シューベルトの交響曲第5番と同じ頃の録音ですが、こちらは一転してクレンペラーらしいクールで巨大な演奏となっています。微視的な視点を大切にした構造的な魅力にあふれるアプローチで、長大な第3楽章での各素材の克明な表現、チェロの主題の圧倒的な存在感にはたまらないものがあります。第2楽章でも、当時珍しかったコルネット復元ヴァージョンを使用し、どこかいびつな華やかさを強調、第4楽章と第5楽章ではまったく興奮しないグロテスクなまでの冷ややかさで音楽の風変わりな要素をえぐり出しています。

【フランク】
1966年2月の録音。同一形のフレーズは律儀に正確に維持し、しかも木管など多くの声部情報を大容量で再現するクレンペラーの芸風は、この作品の「循環形式」との相性も抜群。強大堅牢な骨組みに、色彩の濃いサウンドの乗った独特な雰囲気の演奏に仕上がっており、ヴァイオリン両翼型の配置も効果的です。

【ドヴォルザーク】
1963年の10月から11月にかけての録音。ブルックナー第4番や、『レオノーレ』序曲集などと同時期の演奏。民俗音楽的要素に配慮せず、シンプルにシンフォニックにアプローチした演奏で、カッコ良さや感傷趣味もスルーされるため、その仕上がりは実にユニーク。拡大されたフォルム、抽象的な抒情美が独特の面白さを感じさせる演奏です。

【チャイコフスキー】
1963年録音の交響曲第4番と交響曲第5番は、クレンペラーらしい楽譜情報処理に徹した演奏で、チャイコフスキーの作品が、本来は二管編成で書かれており、結果として木管楽器の比重が高いものであったことを意識させるようなバランス配分となっています。クレンペラーは感傷趣味を排除したため、作品との相性は一見悪そうですが、実際に各パートがよく聴こえるようになると、コブシなど無くてもチャイコフスキーの抒情美は十分に有効であり、かえってその方が美しい場面も多いことに気づかされます。
 1961年録音の交響曲第6番は、『マタイ受難曲』やマーラー交響曲第2番、R.シュトラウスの『メタモルフォーゼン』と『死と変容』などと同時期の録音。クレンペラー絶好調だったときの演奏で、大規模な第1楽章では、各パートのバランスも鮮やかに壮大な造形美を構築し、第2楽章では多くのパートを印象づけることで不安を巧みに演出、第3楽章もまったく軽やかさのないユニークな音楽で、行進曲というよりはスケルツォとしての面白さがあり、どこかクレンペラーの指揮したベートーヴェン第九の第2楽章を思わせるところもあります。第4楽章はヴァイオリン両翼配置の効果が活かされた立体的な演奏で、感傷趣味や憐憫は無いもののこれはこれで魅力的だと思います。(HMV)
【クレンペラーの20世紀音楽録音】
クレンペラーの作曲した交響曲第2番、弦楽四重奏第7番、『メリー・ワルツ』のほか、ストラヴィンスキー、ヴァイル、ヒンデミット、フンパーディンクという20世紀に活躍した作曲家による音楽を録音しています。
 戦前のクレンペラーは、同時代音楽の紹介者として、ヒンデミットやワイル、ストラヴィンスキーなどと交流があり、作品もよくとりあげていました。
 晩年になって録音されたそれらの作曲家の音楽は、この時期のクレンペラーならではの拡大された造形と細部表現への独自のこだわりが特徴的で、『プルチネッラ』の第2曲「セレナータ」でのコントラバス強調や、『三楽章の交響曲』でのリズムの扱いなど、武骨で実に面白い聴きものとなっています。

【ペトルーシュカ】
クレンペラーのストラヴィンスキーは、『プルチネッラ』のほか、録音では『三楽章の交響曲』が知られていますが、どちらも前衛の旗手として、ストラヴィンスキーの信任篤かった若き日の活動を思わせるようなドライなアプローチと、晩年のスローなテンポ設定が結びついて、ユニークきわまりない演奏に仕上がっていたのを思い出します。
 この有名なバレエ音楽では、使われているヴァージョンが“1947年版”であることがまず注目されます。  よく知られているように、この作品には四管編成の“1911年版”と、36年後に改訂された三管編成の“1947年版”があり、昔の指揮者は多くの場合、前者で演奏していたからであり、色々な意味でテクニカルに進歩した“1947年版”は、若手や中堅どころが用いるのが通例になっていたからです。自ら作曲もしていたクレンペラーの場合、その“1947年版”で示された語法の発達ぶりに注目しないわけにはゆかなかったはずで、実際、ここでもユニークきわまりない演奏を聴かせてくれているのです。
 では、この作品にキーワード的に用いられている民謡の旋律や、猥雑なまでの賑々しい雰囲気や不気味さを、厳格居士クレンペラーがいかなる手法で料理しているのか、以下、簡単にご紹介しておきます。
 快速かつ大音量な部分での生理的・本能的な快感への関心の欠落ぶりはいつもながらで、その意味で第1場謝肉祭の場の前半では、そうした点に不満を抱かせたりするものの、音楽が冷静になるにつれ、次第にクレンペラー解釈の面白味が顔をもたげてきます。
 『ペトルーシュカ』が、実際にはきわめて室内楽的書法による作品であり、特にこの1947年版が、多彩で研ぎ澄まされた手法によって、グロテスクな寓意に富む三角関係を描き出していることを、あらためて聴き手に想起させてくれるのです。
 例えば第3場<ムーア人の部屋>におけるワルツでは、並存する異種(異拍子)の音楽が、完全に均等に扱われた結果、不気味な分裂的性格さえ匂わせて先の悲劇を巧みに暗示します。実はこの場面、1911年版と1947年版で大きく異なるところでもあり、こうした点からもクレンペラーがなぜ1947年版を選んだのかがよく判ります。
 また、47年版で工夫されたブリッジ部分でのドラム・ロールにも徹底した気配りがなされており、少ない人数ゆえに際立つソロ、例えばほとんど古楽器のような音色で聴き手を驚かせるオーボエなどの扱いもきわめて雄弁。鋭利なリズム、強靭な拍節感によって、3体の人形が織り成す寓意に満ちたドラマが縦横無尽に表現し尽くされます。
 どんな場面でもその立体的・複合的な音楽の表情の多彩さ、つまり膨大さには圧倒されるばかりで、そうした方法論が、この『ペトルーシュカ』のような、実は非常に複雑な性格を持った作品においていかに有効に機能するか、この録音を聴けば即座にご納得していただけるはずです。(HMV)
【クレンペラーの協奏曲録音/シヴィル】
アラン・シヴィル[1929-1989]は、イギリスのホルンの名手。フィルハーモニア管弦楽団には首席奏者として約10年在籍し、さまざまな指揮者と共演を果たしていますが、中でも代表作とされるのがこのクレンペラーとのモーツァルト:ホルン協奏曲集でしょう。クレンペラーならではの情報量の多いオーケストラの枠組みの中で、シヴィルは細部まで流すこと無く実に豊かな表情で明るく美しく演奏しており、モーツァルトの奥深い魅力を満喫させてくれます。

【A.フィッシャー】
アニー・フィッシャー[1914-1995]は、クレンペラーがブダペストで活躍していた時期に親しくなったハンガリーのピアニスト。19歳でリスト・コンクールで優勝したフィッシャーは、クレンペラーと何度も共演しており、レコーディングもおこなっています。
ここではリストの第1番で豪快なクレンペラーのオケと渡り合う堂々たる演奏を聴かせているほか、シューマンでは端正な音楽を奏でています。

【オイストラフ】
ダヴィド・オイストラフ[1908-1974]はソ連のヴァイオリニスト。数多くの録音をおこなっていたオイストラフはブラームスも数多くの指揮者と共演した音源を残しています。中でも最も完成度が高いと言われるのがこのクレンペラーとの録音で、フランスのオーケストラの色彩の濃い管楽器の魅力もあって第2楽章など陶然とするばかりの美しさ。クレンペラーは言葉の問題やフランスのオケの練習慣習の問題もあってか、リハーサルにはかなり手こずったようで、その後、フランスのオケは指揮していませんが、録音で聴く限りは、見事なまでのクレンペラーの音楽が響き渡っているので、そうした事情を感じることはありません。

【メニューイン】
イェフディ・メニューイン[1916-1999]は、アメリカ出身のヴァイオリニスト。クレンペラーとはこのベートーヴェンの協奏曲での録音と、その直後におこなわれた演奏会で共演しています。そのせいかクレンペラー完全主導型の演奏になっており、ヴァイオリン協奏曲としては異例に巨大なスケールの演奏になっているのが面白いところです。

【バレンボイム】
現在は指揮者としての活動が中心になっているダニエル・バレンボイム[1942- ]は、早くから才能を示したピアニストで、さまざまな巨匠たちから気に入られて共演、録音も多く残していました。クレンペラーともベートーヴェンのピアノ協奏曲全集と合唱幻想曲、モーツァルトのピアノ協奏曲第25番の録音をおこなっています。
演奏はどれも遅めのテンポで壮大な世界を構築したユニークなもので、あたかも眼前に築き上げられていく巨大な構造物を仰ぎ見るかのような思いにさせられる仕上がりとなっています。まるで交響曲のようでもありますが、ここまで音楽が豊かだとそうした暴挙(?)も許されるというもの。力強い第5番や第1番はもちろんのこと、クレンペラーの面白さは、第3番第2楽章や第4番第2楽章などという穏やかで詩情豊かな部分にも端的に示されています。特に第3番第2楽章の繊細で暖かい美しさは印象深く、バレンボイムのみずみずしく叙情的なソロも含めて素晴らしく感動的な仕上がりです。
第9の小型版ともいわれる『合唱幻想曲』も、ここでは無類の巨大なスケールを誇り、コーダに至ってはどこまでも続く高揚感に圧倒されるほかありません。しかもその前の各ブロックで聴かれるディテール表現の雄弁さ、編成の違いゆえの情報量の変化の面白さもクレンペラーならではの魅力にあふれており、作品の隅々まで徹底的に表現するその姿勢はさすがというほかありません。
モーツァルトでも傾向は同じで、もともと力強い作風の第25番が、ここではよりパワーアップしてすごいことになっています。(HMV)


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このレーベルの一連のクレンペラーの録音が...

投稿日:2023/08/18 (金)

このレーベルの一連のクレンペラーの録音が、網羅的にリリースされるのは、おそらく3回目であるように記憶している。その都度、リマスタリングされているようで、ご多分に漏れずこの言葉に弱い私は、また購入してしまった。聞きやすさより、マスターに忠実なリマスターであると言うことで、それを言われるともう何も言えませぬ。(笑)明らかに音質は変わっているとだけ言っておこう。ありがたく拝聴したい。

林檎太郎 さん | 長野県 | 不明

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以前に出ていた分野別のボックスセットはす...

投稿日:2023/07/16 (日)

以前に出ていた分野別のボックスセットはすべて購入していますが、今回の全集も買ってしまいました。先日は、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との24枚組も買いましたが、なかなか素晴らしい内容のものばかりでした。(音質にややバラツキはありますが)そこで、お願いですがバイエルン放送交響楽団とのライブ盤の全集は出して頂けないでしょうか?ご存じの方も多いとは思いますが、コーダ部分を改変したメンデルスゾーンのスコットランド交響曲など、賛否両論はあろうと思いますが、演奏そのものは素晴らしいものです。また、ドイツ語版による「真夏の夜の夢」のほぼ完全版など、フィルハーモニアとの英語版に慣れている方にも別の感動を与えます。絶品は小品ですが、序曲「フィンガルの洞窟」。これほどにスケールの大きいこの曲の演奏は空前絶後といえます。そのほかではマーラーの復活くらいしか耳にしたことはありませんが、この機会にぜひ発掘して全集セットの発売をお願いいたします。放送局のアーカイブに相当なお宝演奏が埋もれていると思いますので、よろしくお願いいたします。

miya3732 さん | 香川県 | 不明

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クレンペラーを聴いてはいけない。ある意味...

投稿日:2023/06/15 (木)

クレンペラーを聴いてはいけない。ある意味、もっともだ。 シューマンの第1番のレコーディングでプレイバックを聴き、クレンペラーはこう言ったらしい。 「これは私ではない。シューマンだ。これ以上いじってはならん。」 シューマン愛に溢れ、作品の真の姿を追究する。クレンペラーの誠実さが伝わるエピソードだ。 古今東西の名曲から自作まで、クレンペラーのレコードを通じて聴くべきは、音楽作品そのものだ。 矛盾する事実もある。クレンペラーは、作品の一部を差し替えたり、カットすることがある。作曲家の視点から作品を解釈した結果だろうが、クレンペラーは自身が指揮する場合だけを想定し、それらを実行した。一聴の価値はあるが、聴きたくない人は聴かなければいい。 クレンペラーは毀誉褒貶が多い。好む人も多いが、嫌いな人も少なからずいる。聴かず嫌いな人に敢えて言えば、クレンペラーのレコードは聴いたほうがよい。先入観を持たずに本BOXをよーく聴けば、オーソドックスにして斬新、過不足はないが刺激的、時に矛盾もあるが作品の真髄を追究し、かつ、クレンペラー印が隅々まで刻み込まれた独特の演奏を、存分に楽しめると思う。 今後発売されるオペラ、宗教曲のBOXにひとつだけ要望がある。「さまよえるオランダ人」の水夫の合唱に電気的な加工をするのはやめてほしい。時に作品に手を加えるクレンペラーではあるが、録音されたものは極力そのまま聴きたい。アナログレコードの再現ではなく、オリジナル録音に忠実なリマスターを標榜する今回の復刻ならば、これは当然だ。 クレンペラー曰く、「いじってはならん。」

chan さん | 神奈川県 | 不明

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